うわっめずらし(笑)
レビューがでたし!

でも、改めて情報を下記に。

「デセプション・ポイント 上」 
ダン・ブラウン 著 越前敏弥 訳 角川書店 700円
2006年10月刊行

ダン・ブラウンというと、例の、「ダヴィンチ・コード」の作者である。
そんなことも忘れて「どっかで聞いたような〜」と本を手に取るとは私って本当にいい加減だ。

病院文庫にあったのだ。

内容は、
アメリカ合衆国の大統領選挙の年(おお奇遇!今年やんか!)、壮絶なる抗争を繰り広げる両陣営のダークな裏話…といえばそれで済むが、ではどういうダークな話なのか、ということになる。
新しく大統領になろうとする(本人は自分を合衆国大統領と故障して、すっかりその気)上院議員が可成り優勢なただ今現在。
現職の大統領が必殺の逆転劇を狙って繰り出してきたのは、北極圏に落っこちていた隕石の発見であった。
しかもただの隕石ではない。
いわゆる昆虫と呼ばれる生き物の化石を含んだ隕石なのだ。
すわっ!
地球外生物の発見か!?
発見したのは、このとき大統領選挙の抗争の中心となっていたNASAである。
上院議員は「金食い虫で役立たずのNASAは廃止、民間企業で宇宙開発を!」と主張し、大統領ほかの国家保安情報部局は「NASAが知りえるような国家レベルの秘密情報を民間で管理できない」 と突っぱねている。

このとき、NASAが地球外生命の痕跡をみつけたら?
選挙戦はどうなる?

大統領は慎重に行動した。
民間の学者と国家機関である情報分析の専門家(おまけに上院議員の娘!父娘の仲は最悪だが)にその調査と分析を任せ、第三者の保障を得ること。
そしてそれから世界に向かって大発表を、同時に、ライバルの上院議員に対しては王手を打つと。

だが、しかし。
その隕石の周囲にはきな臭い匂いがする。
物騒な男たち。
秘密(?)を知りかけたがゆえに容赦なく殺されてゆく学者たち。

大統領周辺のブレインの動きがリアルなんだかどうかはアメリカ人ではないので私にはわからないが、スリルは充分に味わえる。
誰が味方か敵なのか?
謎のX氏も存在し、盛り上げ方はさすがだなーとあっという間に上巻読破してしまった。病院で(笑)

QED鬼の城伝説

2008年4月8日 読書
不吉な薬剤師探偵・タタル シリーズである。
今回は桃太郎伝説で有名な岡山へ。

桃太郎だけではなく、あれこれと名所旧跡は多い。
意外にも。
それが岡山という地である。

なんといっても、あの、横溝正史の血なまぐさいドラマの舞台にも数多なったところだしね。

ウラ伝説というのがある。
ウラというのは朝鮮半島から戦争に負けて日本に逃げてきた王子だったが、製鉄技術など進んだ大陸の技術を持ち込み栄えた。
栄えすぎたので、当時の中央政府に目をつけられ、滅ぼされた、というのが通説である。

タタラとか…「もののけ姫」でもそうだった。
製鉄技術を持つゆえに時の権力者に狙われる里。

まあ、彼らを悪者とするために鬼だとかとんでもない言いがかりをつけて歴史を封印するのはいつものこと。
京都の土蜘蛛族だって、そうやって滅ぼされたのだから。

その地で起こる連続殺人。
鬼の歴史を受け継ぐ一族と彼らを滅ぼした裏切り者たちの、今に至っても拭えない恐怖と憎しみ。

あとからフラッと来て、しかも「こんなことをしているより観光したい、温泉に行きたい」などという不埒なことを言うタタルがあっという間に解決するという…なんだか了承できないストーリーではあるが。

まあいつものこと。
それよりも彼が登場する前の8割がたのストーリーで、観光案内を済ましてしまう作者もなんというか。

この小説にかぎらず、最近の推理小説は地元の観光案内は必須のようである。
これまた友人からのレンタル。
有栖川有栖は、私の大好きな作家さん。
特にこの火村助教授と推理小説家有栖川のコンビシリーズは面白い。
何しろ全編関西弁だ。
でもって、どんどん難事件を解決するのだ。
容疑者の弁明も警察の追及も関西弁…。
はっはっは……。

まあそんなわけで。
至福のときですわ。

短編集で、4つ、話が入っている。
「助教授の身代金」
「ABCキラー」
「推理合戦」
「モロッコ水晶の謎」

とりあえず今は最初の「助教授の身代金」を読んでいるところ。
助教授とは言っても、火村さんのことではない。
あんなかわいげのないものを誘拐してもしょうがないし。
ほとんどレビュー画像がでないので、出ているうちにあげておこう。

短編集。
部下の刑事が「刑事の癖に!」と冤罪でひどい目にあうのが続いている。
何かあったら頼りにされるけど、平和なときはうっとおしがられるのが警察だと、十津川警部はおっしゃるのだが…しかも、そればかりか、「なんだいつもわれわれにえらそうにいっている警察の癖に、こんなことをして!」といいたいがために、なにか失敗しないか鵜の目鷹の目で見張っているんだと……。

そこまで言わないが。
不祥事が多いのは確か。
不祥事は困る。
人間なんだから仕方がない、が通らない、法の番人としては。

まあ、最近は「警察に言って白黒はっきりさせようじゃないか!」
という文句も効果が薄くなった。
それ以上に、「やくざをつれてきてやる!」なんて子供もいわないせりふだと思ったら、口げんかの果て、いまだに言ってるじいさんがいた。
笑える話である。
「父親に言いつけてやる!」みたいなもんか(笑)
今は母親に言いつけてやる!のほうが、効果があるかもね。
ヘッポコロジー提供(笑)

大体はWEBで読んじゃっているのだが、面白い。
ネネコさんのパワー侮りがたし。

パワフルでぶっとんでいるんだけど、結構繊細な思春期の女の子の心も描いているのでやはり好感が持てる。

先生方もぶっとんでいるが…ルーシー先生は特に……生徒に慕われているというか……なんというか(笑)
人と人とのすれ違い。
あとちょっとで会えるのに。
その手と手を取り合えるのに……というのは昔からの技法。
引っ張る、とかいいますが。

いよいよの最終巻。

次から次へと入れ替わり立ち代り人があらわれ消え、または忘れた頃に出現する。
そういう武侠小説とはちょっと違う。

「仙術(法術)は便利だが、一握りの人間(=特定の人間)のためにしか使われないのなら、結局はないのと同じ。」
万人のためでなければ意味はない。

う〜ん。
世界に対して言ってほしいせりふだね。
自分のことしか考えない人間たちに対して。

「すべての人間を幸せにすることはむりでも、なるべく多くの人を救うことはできるはず」

そういう気持ちを持ち続けてほしいものだ。
誰かさんたちも。・

三侠五義、その物語との接点も明らかになって終幕。
白玉堂……やっぱり、あんたですかい(笑)
ねずみじゃないんだね…
では、御猫はどこに?

そして、仙人は本当にははた迷惑なやつらである。
いろいろな物語の要素を含んでいる。

仙人が遊女の顔を汚し、遊女が身を落として恋しい男を追い求める。
仙境から迷い出た仙人が、現世に干渉して話をややこしくする。

などなどなど。

以前はなかなか読みづらい、とおもう作者だったんだけど。
今回はスムーズに読める。
なぜ?
何が起こったわけ?(笑)
そろそろ登場人物が…その正体がエピソードからわかってきたような、気が、する。

もしかして、あなたは色黒ですか?○△さん。
まだ見ぬ母、生き別れの母を捜して公子は南へ。
江南へ。

南船北馬の言葉のとおり、南は船が支配する土地だ。

碧の柳
水面の輝き

なんとも風情のある風景だけど……王朝交代時にはなにかと不穏な(不安定な)要素がたくさん出てくる。
漢と隋の間。
唐と宋の間。
などなど。
短い時間に幾多のドラマが繰り広げられたことだろうか。

宋朝が開かれるその直前にも、南唐や南周と後に呼ばれる短命王朝が存在した。
そのしがらみが残る王朝黎明期の話である。
こういうのは出るんだな…レビュー(笑)
なんて狭い。
なんて偏狭。

中国で宋代というのは一番魅力的な時代だと思う。
なにしろ、不夜城。
夜の外出も自由自在ってのはこの時代で初めての出来事。
それ以前は坊城で仕切って、夜になると出入りは不可。
産婆(生)と危篤(死)のときのみが例外とされた。

文化絢爛。
爛熟の中。
何があってもおかしくない。
小説の舞台にはぴったりだよね。

夢と
幻と
現と
それらが混在する。
この巻だけなぜかあった……病棟文庫である。

お寿司好きやね〜ここの病棟…とは、先月の入院時にももらした感想だ。
そのときはこの本はなかったので、誰かがやはり持ってきて寄付したのだろう。
お寿司好きが証明されてしまったわけだな。

それに加えて、漫画の世界でもお寿司が流行りなんだろうか?

光り物…は私は苦手だけどね。
『チーム・バチスタの栄光(下)』で商品検索をかけたら出ないでやんの。
面倒くさい機能だよなぁ。

* * * * * * * * * * * * * * * * * 

さて下巻。
面白いので、病院では寝るのが仕事なので、どんどん進む。
自分の手術があっても所詮他人事だ(笑)

なぞを追いかける診療内科の役は男性医師で。
藤原真琴看護師にずいぶん助けられている。
野際陽子…さすがの女優やね。

キイハンター以来の人だけど、いまだに存在感あり。
奥深いわぁ〜。
映画を先に見てしまったので……あら捜しをしないように戒めながら読む。読む。読む。

……

そうか。
手術時に血があまり出なかったのは、「血がほとんど出てないとわ!」と驚かねばならなかったんだね。

そうとは知らずに、すんません。
桐生センセ。

映画の配役でストーリーを読んでしまうのは勘弁してもらうしかない。
掘り下げ度は大体できているのでは?
私に関していえば、原作を読んでから見たとしてもけちはつけられない。
安部ちゃんの役……原作でもすごすぎ。

「人の話はちゃんと聞こうね?」
は口癖だろうけど、それはあんたがとんでもないことを言い出すからだよ(笑)
皆、自分の聞き違いだと思うんじゃないか。

め組の大吾

2008年3月28日 読書
劇画漫画調…なので、登場人物全員が、いつもがんばってます!
という顔つきなのだ。

懐かしいというか、昔風の画風だな。

め組、って何かと思えば消防士の話だからか。
なるほど。

もちろんいまどき"め組み"なんて名乗っている消防署は全国どこを探してもない…と思う。

通称というか、親しみをこめてそう言うらしい。
体力と知力の勝負。

大変だよね…最近は現場で殉職している消防士も多いから、ほんまに強い意志と"火消し"に対する思いいれがなかったら勤まらない仕事だと思う。

感謝するのみ。

アメリカ映画で「バックドラフト」という映画があって、私は大好きだった。
消防に命を掛ける(文字通り)男たち。
その強さというか、思いというか……すごい映画だったよ。

9・11でも救助に行って還らなかった消防士がとんでもなくたくさんいたわけだし。
危険とわかっているところに飛び込んでゆく気持ちってどうなんだろう。
家族も……。
病院の貸し出し図書は面白い。
たった一ヶ月で3割ぐらい、本が変わっているのがすごい。

私が読んだのは、実は、500円ぐらいのコミック雑誌である。
レビューがないのでこれで代用(いい加減な←だって今のレビューのやり方が、とっても面倒くさいんだもん)

ほほう。
ドラマは一回ぐらいは見たことはあるが、漫画は初めてだ。
ほうほう。
こういう漫画なんか。

お役人は忙しい。
大変である。
これで給料は少ないんだから(中村主水氏を見ていればわかる)気の毒な話である。
外国人男性を夫にもったらどうなるの?

という疑問を笑いとともに払拭したのがこの本だった。
その後たくさんの類似本がでたけれど、この著者の本が最初だった。
最初で、そして読み応えがあり、考え方がしっかりしている……

さおりさんに子供が!
やっと生まれた最初の子供。
その胎教・出産・保育、を通して真っ正直にぶつかってゆくさおりさん&ダーリン。

やっぱりとっても魅力的♪


ISBN:4840121826 単行本(ソフトカバー) 小栗左多里&トニー・ラズロ メディアファクトリー 2008/03/12 ¥1,050
これも映画化されているのか?

作者は、現在映画上映中の「死神の精度」を書いた人である。
「死神の…」がとても良かった(映画も行く予定)ので、興味を持ってこっちの本も買ってみた。
友人に借りて読んだ「死神の…」も改めて文庫本で買いなおした。

ギャングは最期は撃ちあいをして、そして死ぬ。
そうそうだった、あの映画も。
保安官に包囲されてね……

車ごと蜂の巣、ってのも在ったよな。

最期が悲惨なだけに、それまでの活躍(?)が陽気で軽いように思えるのも確か。

変わって変わった銀行強盗団のお話です。

やたら笑えるし……

ISBN:4396332688 文庫 伊坂 幸太郎 祥伝社 2006/02 ¥660
ホムンクルスの誕生のなぞ。
エドとアルの父親のなぞ。

一気に開かれた謎解きへの道。

そして狐と狸の化かしあい(などとかわいらしいものではないが)

そう来ますか。
なるほど。

と面白さが急加速した感じである。


PS,ちなみに我が家はデジタルハイビジョンは見られない。
残念???

ISBN:4757522371 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2008/03/22 ¥410
夕べから読み始めている、友人からのレンタル本。

愛新覚羅 浩(あいしんかくら ひろ)さん、というのは、清朝最期の皇帝・溥儀の実弟溥傑氏に嫁いだ日本女性である。

かの「ラストエンペラー」という映画にもチラッと出てきた。
舞踏会だか晩餐会だかに招待されて夫とともに挨拶をしているところ。
その時彼女のおなかには長女が宿っていて、子供が生めない皇后がそれをじーっとみつめるというシーン。

少し前、テレビドラマ化されていたけれど、昔々、映画化されてもいたようだ。

もともとこの自叙伝をもとに映画もテレビも作っているのでそれをなぞっているような気がするのは当たり前。
見たことあるような聞いたこと在るような気がするのも
当たり前。
とはいえ、小説ゆえの味がある。
面白い。
読みやすいし。

しかし。
絶筆に尽くしがたい、というのはこれか。
生きるか死ぬか。
二つに一つ。

それを乗り越えてきた人が強いのは当たり前か。


ISBN:4391108186 − 愛新覚羅 浩 主婦と生活社 1984/11 ¥1,260
ものすごく叙情的に、うっとりできるはずの本。

ああ、だけど。

私には学生時代のテキストに思えてしまう。
風情が足らぬ。
語学力が足らぬ。

詩。

が苦手というのもあり。
きっとあり。

『Don’t Lay Down Your Life』

I cry for you、Brother,
Don’t you dare lay down your life.
You,the youngest child in our family,
thus cherished all the more-
Mother and Father didn’t educate you
to wield weapons and to murder;they didn’t
bring you up,to the age of twenty-four,
so that you could kill,or be killed youself.

一番だけだがさて?
日本語と英訳と、どちらが感じる?
英語だと…語彙のせいかあまりにも直接的な表現になるんだよなぁとコレを見ていて思った。

育てるのは、教育するだけではなく、はぐくむ、という意味合いがあると思うんだよね。

はしたない、とは思わないけど、もうちょっとその、情緒とか表現とか、なんとかならんもんか。

日本語で慣れしたしんでいるからそう思うだけなんだろうか?

珍しくも(笑)好きな詩なので原文を記載する。

『君死にたまふことなかれ』

ああをとうとよ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ、
末に生まれし君なれば
親のなさけはまさりしも、
親は刃(やいば)をにぎらせて
人を殺せとをしへしや、
人を殺して死ねやとて
二十四までをそだてしや。
(ここまでが上記英文である)

堺の町のあきびとの
旧家をほこるあるじにて
親の名を継ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ、
旅順の白はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家のおきてに無かりけり。

君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戦いに
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の血を流し、
獣の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこころの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ。
(天皇=Emperorなんだね…)

ああをとうとよ、戦いに
君死にたまふことなかれ、
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは、
なげきの中に、いたましく
わが子を召され、家を守(も)り、
安しと聞ける大御代(おおみよ)も
母のしら髪はまさりぬる。

暖簾のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻を、
君わするるや、思へるや、
十月も添はでわかれたる
少女(をとめ)ごころを思ひみよ、
この世ひとりの君ならで
ああまた誰をたのむべき、
君死にたまふことなかれ

   与謝野晶子 −旅順口包囲軍の中に在る弟を嘆きて−

ISBN:4622073102 単行本 アーサー・ビナード みすず書房 2007/12/22 ¥2,940
最終巻。

若者たちよ、風になって翔んでゆけ。

これぐらい、思いっきり、若い力を燃焼させること。
それができれば、悔いなし!
と思えるのかな。

何もスポーツに限らず。

その若さ。
その年。
その時。
でなければ、できないこと。
そういうのって確かにあるな。

そういうのを見つけられれば幸運。
力を尽くせればうれしい。

それがなんの役に立つのか?なんてしょうもない屁理屈は字のとおり、それこそなんの役にも立たない。
"屁のツッパリにもならん"と昔から言うように。


ISBN:4062136813 単行本 佐藤 多佳子 講談社 2006/10/25 ¥1,575 高校の最終学年を迎えた新二。入部当時はまったくの素人だったが、今では県有数のベストタイムを持つまでに成長した。才能とセンスに頼り切っていた連も、地道な持久力トレーニングを積むことで、長丁場の大会を闘い抜く体力を手にしている。 100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレ…

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