みちのく…なので東北地方を走る列車にまつわる推理短編集…をあつめたもの。
むむぅ…
既読が何篇か存在したのが悔しい。

悔しい分、減点することにしよう。

温泉が多くて羨ましい。
東北地方は行ったことがない私であった。
聞香に行ったときに見つけて、のちに注文して買ったものだが…絵とエッセイと。
あまりお香とは関係なかった。

それなりに面白い本ではあるのだが。
絵、というのは好き嫌いがあるからどうしようもない。

「源氏物語」のとらえ方については、おどろおどろしいオカルト風や、英訳者の思いなど、いろいろあってこっちは楽しめた。

「雲隠」の存在は目新しく(勉強していない証拠である)面白いなと感じたが。

三国志 第7巻 (7)

2008年11月20日 読書
買うだけ買って忘れていたのは、仕事への復帰の準備と体調不良となんやかや…が続いたせいだと思う。
(そういう今日も風邪をひいて休む羽目になった)

劉備が~面白いぐらいにひとでなしだなぁ。
孫権も悪い癖を描かれているし、人材マニアの曹操も、お家騒動で大変。

こういう視点は今までなかったので面白い。
そろそろ荊州をでて、蜀にはいろうか、という劉備。
部下とは言え、人に恨みを買うと怖いよ、という様子がありありとわかる。

ただ、ちょっと、冒険小説にような要素をわざと削いであるのか、読むのがしんどいのは確かだ。

太公望、楽毅などはわくわくどきどきしながら読んだものだが、それらとはかなり様相が違う。

まあとりあえず。
蜀は取った。
でも荊州は撮られかけている(笑)

孫夫人にはお帰りいただいて…(複雑な女心は劉備には斟酌できなかったのである)またしても男所帯でなんやかや、おお揉めにもめるんだろうなぁ。
青い国…ってなに?
青い目ならわかるけど。

まずそこいらに引っ掛かり、だいぶ読み進んでから、ああ、空が青いとか海が青いとか、そういう青さに陸も染まっていることなのだとわかってきた。(遅い…)

自分がお世話になった、善根宿(お遍路さんに無償で宿屋食事を提供する)の主人の仇を討とうと、やくざものの男が繰り返す殺人。

やり方はどうあれ、その気持ちは純粋なんだけど、殺すしかないのかなぁと思わずにはいられない。
制裁の方法がなければ、そうせざるをえないのだろうか。
だいたい四国を巡礼して、善意で接待をする人を平気で騙す…そのほうが仏罰が怖いだろうに。
そうは思わないのが現代なんだろうか。

自分がしたことは。

天が知る。
地が知る。
人(自分)が知っている。

そう思うと怖いと思うけどなー。

仏罰ははいとしても、良心の呵責。
それが原因で病気になったり怪我をしたり…悪いものを呼んでしまうと思う。
人間の精神ってそういうものだと思うが。

そうでもないのか。

怖い絵2

2008年11月15日 読書
う~ん。
深読みしちゃうね。

歴史とか社会をきちんと把握していないとそこまで気がつかないことだけど…知っていた方が絵を見るときには、確かにプラスになる。

絵の背景で一番怖かったのは、「ガブリエル・デストレとその妹」
一見、仲良く浴槽につかっている、ちょっとエロティックな絵…なんだけど、その背景に描かれたものとか、ガブリエル・デストレのその後とか、知ってゆくととっても怖い。

彼女はアンリ4世の愛人で、アンリ4世といえば、かのマルゴ王妃の旦那である。
そしてマルゴはイタリアからフランス王室に嫁いできたカトリーヌ・ド・メディシスの娘。

新教徒と旧教徒の血で血を洗う抗争がフランスで吹き荒れていたまさしくその時代。
互いが互いを殺しあう凄惨な時代。
映画「王妃マルゴ」をみればその辺の事情はわかるが…これもとっても怖い映画であった。

ガブリエル・デストレは身重で臨月、愛するアンリ4世との結婚を目前に明らかに毒殺とわかる方法で殺されたのだ。
メディシスといえば…毒薬で有名らしいし。

では、その前に描かれたこの絵は何を意味するのだろうか?


ベックリンの「死の島」も怖い。
こういう絵を家に飾っとくその気はやはり私にはわからない。
宗教がちがうとか生に対する考え方が違うとか時代性とかいろいろあるんだろうけど。
一度に2冊借りたので一気読み。
やっぱり面白いわ~。

天使の喧嘩(?)はちょっと怖いし、寄生する魔物はえぐいけれど。

早く続きが読みたい。
久々の漫画である。

でっかいわんちゃんも出てくるし~♪
これは妹に借りてよんだ。

…けっこー面白いじゃないか。
これ。

ファンタジーの世界設定って出尽くした感があったけど、まだこんな手があったのかと…感心。

絵も達者だし。
昔の同人誌の作品を、商業誌用に書き直したというのがこれらしいけれど、そうなるとやっぱりファンタジー全盛期の話なのかな?
作者の昔の絵を見ると柴田昌弘氏の影響が多々見られる(目とか)ので、彼のところでアシスタントをやっていたのかな?

竹宮恵子氏も昔の絵やテンポは石森正太郎調だし、やはりテンポよく迫力がある個性豊かな絵を描く人は少年誌の影響を多少なりとも受けるのだろうかと考えてしまう。

表題のラグトニア=敗魔者、というのは魔物に襲われて体の一部(目とか足とか)を取られ(眼は見えなくなり脚は立たなくなる)ちょっとづつそこから命を吸い取られるのだそうだ。
あちこちの国で魔物が暴れて人間を襲い、殺されるか、よくて敗魔者になるか、下手をすると魔術師(この世界では悪者)が魔界から呼び出した魔物の器となる。

…携帯用食糧?

ちょっと思ってしまいました。
命をちょっとづつ吸い取られるので、命の分量を過ぎると死んでしまう。
少しづつ死んでゆく…なんて嫌ですねー。

その魔物を倒すことができるのが、一本の剣で、霊術師が持たないと役にも立たないが、その威力は絶大。
でもってこの剣で倒された場合だけ、器となった人間は助かるらしい。
魔物も霊術師の意志によっては魔界に戻らず霊界に行くことができるらしい。
霊界というのはつまり天国?
普通に死んだ人が行くところ。
魔界は魔物の世界なので、魔術師にいつ呼び出されて使役されるかわからないのだそうだ。

設定はややこしそうだけど、話の流れの中で無理なく説明しているので、とてもわかりやすい。

大昔に死んだ霊術師に憑依されている(?)元王女様・ファルナ。
憑いたり憑かなかったりで、彼女の性格がころころ変わるのがかわいらしい。

その相棒の大男、カルダスは…馬鹿なのか愛嬌があるだけなのか、まだよくわからないけど。

禅のいろは

2008年11月11日 読書
あれやこれやとつまみ食いをしているので、なかなかここに書けない(笑)

久々に一気読みしたこの本。
作者は現役のお坊さんで、芥川賞もとっていて、若いころは京都の天竜寺で修業をされていた方。

…托鉢にも出られていた、というそのあたりのエッセイを読むと時々朝方に托鉢のおぼうさんに出会うとどうしてもこの人のことを思い出してしまうのだった。

あの声は、凄くよく通る。
四条通りの車のうるさい場所でも、「おおぉ~」と響いてくる。
さすがお経で鍛えられた喉だなぁと感心するのであった。


この本はいろはにほへと、のカルタに添い、その意味を面白おかしく、しかしあくまで仏教者らしく読み解いてゆくというもの。
あさきゆめみし…なんて聞くと、ついつい大和和紀の源氏物語(来年アニメ化だって?できるの?あの絵?)を思い出してしまうのだが、違います。

昔のあいうえおですね。
それを覚えやすく歌にした。

いろはにおえどちりぬるを
わがよたれぞつねならむ
ういのおくやまけふこえて
あさきゆめみじよひもせず(出ない字は無視)

今の人は知らないだろうけど、ワープロの出る前は(言っておくが半世紀も前の話ではない)和文タイプというものがあり、その活字のならびというのがこの"いろは"並びであったのだ。
高校の普通科の生徒の癖に好奇心の強かった私。
高校3年の自由科目は、美術でもなく音楽でもなく書道でもなく英文タイプでもなく、この和文タイプを一年だけ履修したのである。(前2年は美術をとった)
おかげで"いろは"を覚えた。
それだけの話だ。
なにしろ大学に入ろうって頃にはワープロが出たんだから…(笑)

しかしそのせいではないだろうけれど、"いろは"には青春を感じさせる何かがある。
それは確か。

京都手帖2009

2008年11月3日 読書
何かと便利なこのノート。
そうです。
本ではありません。
決して。


京都の行事を細かく載せているので、調べるのにはベスト。
でもこんなん全部追いかけてられへんってば(笑)

で、しょっぱな「正月はホテルではなくお寺に泊まる」という話が出てくるが、やめた方がいいでしょう。
寒いです。
足の下から"底冷え"が襲ってきます。
足の感覚がなくなるかも?

お寺っていうのはあくまでもお寺。
観光寺院であってもそれは変わりません。
絶対に…。

いつの間にやら出ていた…大体、数年に一冊だからこちらも監視するのが不可能なのだ。
やれやれ。

しかも碌でもない巻だね。
蛇王は鎖を引きちぎって復活するし、〇〇〇〇はあんなことになってしまうし。
こんなに早く退場するとは思わなかったよ、という方々が複数名あり。
リアルな描写にしても、ちょっとねー。

この時期、大陸公路諸国の歴史上一二を争う悪辣な謀議により、国際関係も大きく揺らぐことになる。
謀議にかかわったのは、以下の通り。
国王アルスラーン、副宰相兼宮廷画家ナルサス、大将軍キシュワード、大将軍格万騎長ダリューン、侍衛長エラム……。


さて、この危機に際し、次は何年ぐらい待たされるんだろう?
12月12日12時12分。
これを称して12×4。
…というのはちょっと苦しいが(笑)

京都と近江を行ったり来たり。
地の利がある、というか地元というか、近江今津には友人もいるとか、そのあたりの風景とかいろいろな映像が頭に浮かんでくるのが面白かった。
(でも鮒寿司は食べられない)

湖畔に別荘を建てて暮らせたら、気持ちいいだろうなぁ。
確かに滋賀県は京都人の(お金持ちの)別荘とか、夏だけのレジャーの起点であったりするわけだし、お金がなくても日帰りで水泳はできる。
湖底に繁殖する藻が時々足を引っ張るので、昔の死体(なにしろ京都も琵琶湖も合戦の多い場所であった)が、落ち武者が足を引っ張るのだとも言われている。
旅順攻撃。
とにかく悲惨。

六万数千人が無駄に命を落としたと…。

でもそれにストップをかけてなんとかしなきゃ!とちゃんと気がついて動けたのが明治の軍隊の首脳部(のほとんど)

ただ、精神論だの想像性のなさ、机上の論理だのなんだのと、日本の帝国陸軍がおかしくなっていったのはこの辺が発端らしい。

黄海海戦もすんで、旅順も落ちればあとはバルチック艦隊を待つのみである。
それが大変なんだけどね。

ロシアはユダヤ人を虐待したつけを今はらわされようとしている。
イスラムよりもキリスト教の方が異端には厳しい。
許さない。
イベリア半島解放(?)前後の歴史を見ればよくわかる。
イザベラとアルフォンソによるレ・コンキスタのあと、ユダヤ人はみな北アフリカへ渡るしかなかった。

坂の上の雲〈2〉

2008年10月30日 読書
正岡子規逝く。

兄・好古は騎兵の重鎮へ(でも現場一筋)
弟・真之はアメリカから英国へ海軍留学。

そしてロシアがフランスとドイツを誘って仲良く三国干渉。

明治の日本は西洋一番主義を取ったがために遅れて帝国主義のまねごとをしなければ国が立ち行かず、おかげで先進(でもないけど…ロシアは)列強に苛められるのであった。

肺結核から脊椎カリエスと病状を重くし、それでも人と交わる(短歌・俳句の仲間や門人)こと賑やかにして、最後の最後までその道を行った子規。
その生き方、死に方には考えさせられるものがある。

どうやら、痛み止めとしてモルヒネはあったようだが…しんどかっただろうな。
真之にしても腹膜炎でなくなっており、あの痛さを耐え忍んで逝くというのは豪気とか豪傑とかそういう言葉では表せない。

日本がまだ精神論で(神の国だの根性で勝つだの)戦争をしていなかった時代の話である。

でも補給作戦はへたくそ。
兵隊も兵器も食わなきゃ動けないってことが分かってないらしい。

怖い絵

2008年10月27日 読書
普通に見ているとわからない。
でも、その絵が描かれた歴史的背景とか。
その絵に描かれている(気がつかないだけの)象徴物とか。
そういうものをたどってゆくと……なんて絵を描くんだよー!!

と、思うこともある。

たとえばホガースの絵。
子供が成長しづらかった17~19世紀。
(病気でよく死んだ、あのマリア・テレジアだってたくさん子供を産んだがたくさん死んだ)
子供の絵とともに時の定めを象徴する砂時計であるとか、骸骨だとか、死神の鎌だとか、そういうものがさりげなく描かれていても当たり前だった…というか、依頼者も文句をいわなかった。
それが普通だったから。

たとえばドガの踊り子。
当時の踊り子っていうのはね…とその社会的地位とか立場を聞けばあの絵をかわいいとかきれいとか、そういう眼では見られなくなる。

あの煌びやかなナポレオンの戴冠式を描いたダヴィット。
彼は日和見画家だった…とは知らなかった。
変節漢は多くの人間に嫌われている。(ツヴァイクとか)
彼が描いたのは、処刑場にひかれてゆくマリーアントワネット。
その尊厳を、最後の命の輝きを、彼は貶める。
必要以上に侮辱しようとした。


そういうものを解説するのが本書。
確かに面白いわ、これは。
続刊もぜひ買わねば。
むかーしむかし、この本が読みたいと言ったら、父親が買って来てくれた。
全巻揃い。
しかもハードカバー本。
ただし古本屋で(笑)

良いのよ、読めれば。
それにハードカバーは装丁とか、いろいろ力が入っているしね。
(このレビューは文庫本。カラーな分こちらが勝っている気もするが…)

来年からドラマが始まる。
これを数年前から楽しみにしている私……。

で、ちょっと読み返してみるか、と思い立って引っ張り出してきた。
最初は好古にいちゃんの話。
やっぱりえー男やわ。
柴田勝家が秀吉に勝ったとしたら?
お市の方の運命は?
三人の娘たちのいく末は?

全部変わっていたのではないのか?

そういう時代小説を書こうという中堅小説家。
彼の周りで起こる殺人事件。
だが彼には鉄壁のアリバイがある。


小説の中で、時代小説家が描く時代劇の世界が展開するという、ちょっと変わった小説である。

さすがにすべてを書くわけではなく、あらすじのみで終わる部分も多いが、それでも今までの十津川警部シリーズには珍しい筋立ての本だ。

お市の方は、兄信長の遺志を継ぎ、そして秀吉に殺された(と言われる)息子の仇を討つため、柴田勝家を通じて天下取りをさせた。
そういう女の執念も感じられてそれはそれで面白かった。

戦国時代の女が、ただ黙って動いていただけではなさそうだ、っていうのは他の歴史物語を読んでいても感じられるところではあるが、どうしても大和撫子はおとなしく従順で男のいいなり、というイメージで語られてしまう。

それなりに自己主張はしていると思うんだけどね。
煽り文句にだまされたー!!(笑)

ってことで、面白くなかったよ、ほんと。

曰く、日本人が風流と感じる虫の声を日本人以外は雑音と感じる。
曰く、映画館や音楽会で日本人はしわぶきひとつたてない。

その理由は?
左脳と右脳の担う役割。
そして日本人"だけ"に見られるメカニズム…。


そういうことをもっと俗っぽく解説しているのかと思いきや…!
学者の対談と、実験と検証と検証と実験と…。

ああ。
大嫌いな分野でした。
高い本なのになー。
戦国羅刹兵器第二段。

話の主体は松永弾正の謀叛話である。
主君を倒しては転々としてきた弾正はこのとき織田の配下にあり、いかにして下剋上を成し遂げようかと思っていたわけである。

戦国だよねぇ…。

で、自分に相性ばっちりの"巨鬼"(戦闘兵器;今でいうロボットみたいなの)を手にしてからはその野望がぐんぐんと膨らんで、とうとう反旗をひるがえした。

北に上杉。
西に毛利。
そして足元には石山本願寺。
この敵対勢力とにらみ合っている最中である。
弾正の裏切りをいかにして潰すか。

こき使われるのは、明智光秀…と、それ以上にその配下の穴山小平太なのであった。
ああ…すまじきものは、みや仕え(笑)



ところで、弾正の使う平蜘蛛という鬼であるが…
ビジュアル的にやなかんじ。
名前からして…土蜘蛛の親戚ですか?
だって、雑賀衆はヤタガラスでしょう?

あと、どんだけ出てくるんだろう?と気になるのも仕方なし。


そして、小平太よ。
なんだか口調が変だぞよ。
百姓出身でそれがだんだん侍らしくなってゆく、という設定なのだろうが、なんだか似合わぬぞよ。
上役(もちろん侍)とばかり話さなくてはならんから仕方なし、とは言うものの。
似合わん…。
可哀そうなぐらい。
天魔…って、問うまでもなく信長くんである。(笑)

戦国時代末期。
武田勝頼と信長・家康連合軍がぶつかる長篠の戦い。
有名な種子島の三段構えで武田自慢の騎馬隊を破った信長の戦法。
これによって戦国時代は大きな転換を見せるわけだが…

この小説はこの種子島が火縄銃ではない。
木製+鉄製+釜による蒸気を動力とした、でっかい機甲戦士である。
つまりぃ…木製ロボットみたいなのを思えばいいわけで、操縦士が中に入って動かす。

……まあいいわな。
こういうのも。

16世紀にありえない~と言ってもそこは作家のアイデアと、いかに"らしく"思わせるか、ってことで、木製だったり蒸気で動いたりするわけだから。
で、その見た目から"鬼"と呼ばれるその兵器、操縦士は操鬼士だし、頑張って戦って来いと声をかけるときは「鬼働きをしてこい」だし、武器は"金棒"だし…(笑)

悪乗りって言っちゃあいけないんだね。
でも悪乗りだなぁと笑ってしまう。

そしてなによりも、銅線コイルを張り付けた鉄かぶとをかぶって、シンクロする者だけが、操鬼士になる資格をもつもの。

よそで作って動かしている普通の鬼は、足一つ動かすためにもペダルのようなものを踏んでよっちらよっちら動かさなくてはならないらしいが、それだとバランスを取るのも大変だから、実戦には向かない、というのが常識。
だから、ブルトーザーやショベルカー代わりに築城や土木に使うのが関の山だという。

ところが、このシンクロによって思考のままに動かせるのが信長軍の鬼の特徴なんだそうで、実戦投入が可能になった…で、その勢いで全国制覇を狙うらしいのだが。

シンクロできる人はもちろん限られていて、柴田勝家、明智光秀の二人。
それだけでもあちゃーな人選(?)だと思うけど、そこに主人公の若者(百姓出)穴山小平太。
…この名前、似たような名前をどっかで聞いたような…?
まあいいけど。

実際こんなのがあったら歴史は違う方向に動いていたろう。
鎖国は…無理かも。

でも、実際にあったら、ミーハー信長くんはまっさきに手を出していたろう、確かに。
凄い発想だけど、その性能や素材を時代的に見せる(設定する)のに作者の苦労が見え隠れしている…。
祖父・蝸牛の話。
叔父・開の話。
司と恋人、晶と新しい恋の話。

とバリエーション豊かで面白い一冊であった。

それにしても、だな。

前にも同級生にこき使われ、いとこにこき使われているのを見てきて、今回ゼミの教授にまで不条理なこき使われ方をしている…と思える律。
彼は意外に気軽に"使いやすい"人物なのかもしらん。

気の毒ではあるが。
なんだかなー。
奉仕型?

作者の学生生活ってそんなんだったのか?と疑ってしまうよ。

どれも面白かったが、「狐使い」の話は最高に面白かった。
何と言ってもかわいらしい♪

叔父・開との水面下での戦い(?)はすごい。
おじさんも律にちょっかい出し過ぎでは?と思う。
本当は帰ってきたいんじゃないかな?
蝸牛の匂いの残るあの家へ。

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