なんて素直なんだ、主人公!

思わず教育実習で受け持った高校一年生のクラスの子達を思い出したりして……。

これは面白いわ。
確かに。
ぐいぐいひきつけられる小説だ。


ISBN:4062136058 単行本 佐藤 多佳子 講談社 2006/09/22 ¥1,470 冬のオフシーズンを経て、高校2年生に進級した新二。冬場のフォーム作りが実を結び、スピードは着実に伸びている。天才肌の連も、合宿所から逃げ出した1年目と違い、徐々にたくましくなってきた。新入部員も加わり、新たな布陣で、地区、県、南関東大会へと続く総体予選に挑むことになる。 新二や連の専門は、100mや200mのようなショ…
たくあん頭の信二くんは、高校入学とともにサッカーに決別し、陸上を始めた。
"格好いい走り"を見ていたいから、その友人(連)を陸上部に入れるため一緒に入部する、などという理由だったのだが、走るということ、その快感に取り付かれてゆくのは彼のほうだった。

ひょうたんからこま。
棚からぼた餅。

受け入れた高校陸上部の面々(監督含む)は狂喜する。
「これなら勝てる…かも」

インターハイ予選。
新人戦。

大会はたくさんあるけれど、その雰囲気になれるってことがあるのだろうか。

陸上は中学で、しかも途中で挫折した私だけど、苦しいことのみ多かりき(笑)の毎日の練習の成果が万全に出せる…ものではない。
それが大会だし。

でも、確かに、大地を蹴って風のように走る気分。
あれは最高だった。
そして誰よりも先に風を感じること=トップを走ること、は、とっても気分の良いことなのだ。
うん。

この小説を読んでいると、しごき一辺倒だったクラブの練習がうそのように思えて来る。
こんなに楽しくやれたはず、なのに。
…ああ、時代が違うのかな?
休憩どころか、水の一滴も飲んじゃだめ、っていわれていたからなぁ。



ISBN:4062135620 単行本 佐藤 多佳子 講談社 2006/08/26 ¥1,470 あさのあつこの『バッテリー』、森絵都の『DIVE!』と並び称される、極上の青春スポーツ小説。 主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。夢は、ひとつ。どこまで…
ギリシャ神話に出てくる星座になった神様をモチーフにして書かれた短編推理小説が全部で6つ。

牡羊座
牡牛座
双子座
蟹座(実は毒蟹!、まあ怖い)
獅子座(獅子座の女は芸能人向き、でも怖そうだ)
乙女座

と、おひつじ座から乙女座なので私の分は先送り…この作家さんは遅筆で有名らしいから、いつになるんでしょう?

この短編集は、面白かった。
コンセプトが変わっているのもさることながら、私の苦手な神話、しかもギリシャ!という分野なのでほとんど初耳。
(神様の名前ぐらいは知っているが)

大体法月さんの小説自体、人に借りた分しか読まない(自分で買ってまで読まない)ので、親しいとはいえないんじゃないかなと思う。
エラリー・クイーンが(たぶん)好きで、自分の小説も(たぶん)エラリー・クイーンを意識して書いているのだろうから、私がなじまないのも仕方がないのだ。
そう、私はクイーンがわりと(笑)苦手。
国名シリーズの存在はしっているが、自分で買って読んだのは、シャーロック・ホームズ(の影)がちらほら見え隠れする一遍だけだ。

とはいえ、この短編集は面白かった。
短編だから中だるみをする暇がない。
シャープに、あくまでも最小限度の登場人物とストーリー展開で進んで、そしてTHE END。
なるほど、と思わせる謎解き……連載中は「読者への挑戦」で謎解きを懸賞にしていたそうだ。

こういうものって、10〜20%正解が出ればいいほうなのか?
それもまた未知の世界(笑)

あとがきにある、作者の夫人の「昔の劇団・新感線みたい」発言に受けた。
(確か)古田 新とかね。
最近リバイバルで「現代用語の基礎体力」「ムイミダス」を放送しているので余計に。
わけわからんギャグを飛ばす怪人・生瀬勝久(当時は劇団・卒塔婆小町の座長で違う芸名、NHKに出るとき改名させられた)
芸能界復帰なった羽野晶(もう"お嬢さ〜ん♪"は通らない)(笑)
鼻血小五郎こと升毅
そして…古田新。
このリバイバルは羽野晶の復帰が大きいのかな?
DVDも売るそうだ。
われらの若かった時代の空気が詰まったDVD(笑)
でも買わない。
懸賞は出したが…。

ISBN:4334076661 新書 法月 綸太郎 光文社 2008/01/22 ¥880
この人の文庫本は久しぶりに買う。
最近、ここ数年は「三国志」のハードカバー本を買うばかりだったから。(この人の作品はほとんどハードカバーで出たときに買ったので、文庫本で再販されてもみな持っている。)
数年前からは、ハードカバーで本を買うのを我慢するようにしているので、ぼちぼち文庫本で未読の本が出てくるころあいらしい。
なにしろ場所をとるからね…(笑)

春秋だから、はるかなる紀元前の話。
でもこの人の小説はそのころが一番多いから、かつてその人で長編・中編小説を書いていた主人公がピックアップされていることが多いようだ。

石錯
祭仲
管仲
子與
子産
伍子胥
など総勢20名。

漢字がすっと出てこないので、面倒くさいから省略(笑)
全員分はかけない。

中国ものはこれだから…単に私のVistaがおばかさんなのか?

ISBN:4167259192 文庫 宮城谷 昌光 文藝春秋 2008/03/07 ¥590
レビューが出ないのでわかりにくいと思うが、おっきな本。
しかも漫画付き、いや、漫画の解説本?

友人からのレンタル本で、ゴスペラーズとかいうグループサウンズの一人がファン向け情報誌に描いていた4コマ(後10コマぐらいに増殖)漫画をまとめたもの。

当時の"本人の状況"とか、周りの状況、環境など解説として入っているし、巻末にはグループのほかのメンバーの座談会(?)も入っている。

そもそも私はこのグループのことをよく知らない、ほとんど知らないといっていい。
だから純粋に漫画だけをみてそこだけの感想しかもてないわけだ。

以外に字が達者(漫画の台詞や書き込みの字を見て)

エンターテイナーの聖地・日本武道館で二本のぶどうぱんを掲げて"ニホンブドウパン!"とやったという逸話には笑った。

ISBN:4789720403 大型本 酒井 雄二 ソニーマガジンズ 2003/04 ¥2,000
う〜ん、しまったしまった。
ほとんど流れ作業ののりで買う羽目になってしまった。
本だけではなく、「これを編むための毛糸をください」とお高い毛糸を購入までしてしまった。
バーゲンでもなんでもなく、定価で!

…というのも。
春のワンピースを衝動買いしてしまったのだった。
ノースリーブでクビ元から胸元にかけてがいかにもまずしいのでそれを隠すためのジャケットがほしい……この上ジャケットまで買うととんでもないピンチが訪れるぞ!
となって、仕様がない。自分で編むかい。
と、こうなってしまったのであった。
前に買った本で探してもよかったんだけど、通りかかった手芸店の見本で、とってもいいのが展示してあったのだ。
その教本がこれであったというわけ。
嗚呼……


かぎ針だから…まだましか。

ISBN:4529045390 単行本 日本ヴォーグ社 2008/02 ¥1,100
HPで知っていろいろ見せていただいていたCG作家さんである。
去年、こんな本まで出されていたとは…!
長のご無沙汰の挙句、久々に遊びに行って知った事実!

和の心。
決まりごと。
美しさ。

それらを大事に描かれている。
特に源氏物語からイメージしたのがHPに数多掲載されている"姫君"たちである。

つまりこのポストカード本には、源氏物語に登場する姫君たちも多く描かれているのだ。
もちろん、物語以外にも作者のイメージする姫君も登場する。

十二単の妖精…なんて想像するとちょっとどきどきしません?

HP ⇒ 姫君たちの寝殿:http://www.k5.dion.ne.jp/~himegimi/   

ISBN:4289503829 文庫 伊藤 雅 新風舎 2007/03/01 ¥830
友人に借りたのだった。
これは小説版。
つまり原作。

以前に、レビューしたのは漫画のほう。
話は同じでも、文章で決め細やかに描くのと視覚でひとめでわからせようとする(さりげなく隠しているものもあるが)のと、お味は違う。

東京の落語家である主役・三つ葉。
彼の意思に反し、"しゃべること”に何がしかのコンプレックスのある人間に、落語を教えることとなる。
嫌われ者の元野球選手(代打専門)。
対人恐怖症でテニスコーチの仕事ができなくなった従兄弟。
自分の性格のため人とのコミュニケーションがうまくいかない黒猫の君(美人だけどそう見える妙齢の女性)。
関西弁ゆえにいじめられっこだという小学生(阪神ファン。よしよし…)(笑)

この4人を相手にまだまだ一人前でもない三つ葉がどこまでやれるのか?
彼自身の落語への思い・悩みとともに話は進む。


NHKの「ちりとてちん」というドラマのおかげで落語人気が高まっているようだ。
私も友人からDVD「寝ずの番」を借りたり、こうして落語にまつわる小説を借りたり、桂吉弥さん(ちりとてちんの一番弟子・草原役の人)の落語のCDを入手したりしている。
本当は全集もほしいんだけど、高価だねぇ。
仕方がないんだろうけれど。
簡単に手の出るようなものじゃあない。

ISBN:410123731X 文庫 佐藤 多佳子 新潮社 2000/05 ¥620
この漫画家さんも懐かしい。
アメリカ青春ドラマの「ロリィの青春」、太平洋のど真ん中、架空の国の王位継承問題を扱った「炎のロマンス」、フランス革命期の混乱期に女優として生きた「マリーベル」をはじめ、大長編ドラマを次々と世に送り出した漫画家さんである。

自薦集なので作者自身が選んだ小編・中編の漫画が収められたこの一冊。

戦前・戦中漫画も書いていたのか、と思った。(着物とはめずらしー)

あ、やっぱり悲劇が多いか。

なににしろ、ドラマを作るのがうまい漫画家さんである。

ISBN:4063601366 文庫 上原 きみ子 コミックス 2001/12 ¥683
おにょれ、かわいいわんこの絵が出ないとは!

さすが犬!
怪しい気配も呼んで、しかも霊媒師のように追い払ってしまうのか!
と感心しつつ、それって確か猫の役目でしたっけ?

現代の高齢化社会と福祉と介護と認知症、家族のあり方、最後の看取り方、人間の生き方…といろいろ盛りだくさんな漫画。
まじめなんだけどちゃんと恋愛のほろ苦さも加味している。

さすが河あきら氏!
昔から社会派漫画をかいていたからな、この人は。
どうしようもない社会と現実と悲しみと。

「故郷の歌は聞こえない」(1976年の連載:ひぇ〜!)なんて、北朝鮮漫画ですから…いや、舞台は日本だけど。
向こうの人と結婚した日本人女性が、戦後甘言に乗せられて半島に渡り、そこで生まれた息子が特殊工作員となるも組織(=国家)を裏切って日本で身内探しをするという…。ご想像とおり、ラストは悲劇。どうしようもない悲劇。
当時、この人の漫画は8分がた悲劇で終わったから。
「いらかの波」がほとんどコメディで「どうした心境の変化?」とびっくりしたものだった。
(毎回同じようなこと書いているような気もするが。)
嗚呼年がわかる(笑)

自分が年をとったとき、どうやって生きているんだろう?ということを正面から考えていない。
というか、考えたくない、というのがただいま現在の本音。
年金は納めているが(サラリーマンなので満額とられてますよ、ええ!)それで生きてゆけるとは到底思えないしな。

ISBN:457533331X コミック 河 あきら 双葉社 2007/06/16 ¥610

ひとりたび1年生

2008年3月13日 読書
「スピカ」に続きこれも友人からのレンタル本。
旅行エッセイならぬ、旅行エッセイ漫画。

一人旅のできない(したことがない)著者が、一念発起で一人旅修行にでる。

まずは近場、日光鬼怒川そして鎌倉へと…

14時間かかる日本最長夜行バスで東京から博多へ。
ところが高速の事故で19時間かかるという話もすごいが、非常用食料として乾パンがでた!というのがすごい。
乾パン…あなどれませんね。

京都にもご来訪。
しかしいくところが多過ぎて、悔いと未練が残る旅だった様子。
そりゃま、そうでしょ。
すんでる人間だってすべてを見たわけじゃない。
ぜひとも何度もトライしていただきたいものだ。

食べるのがすき、というだけあって、旅の記録もご当地名物が多い。
特にラーメン!
ほんまにおいしそうに…書いているなぁ。

一人旅は自分ひとりであれこれアンテナを張り巡らせていなければならないので(セキュリティ機能を同行者とわけることができないので)確かにしんどい。
でも友人には若いころから一人旅しかしない猛者もいる。しかも女性。その精神の強さは一流だと思う。

たとえばホテルなどポイントを決めて「後は自由にどうぞ!」という旅ならば、私でも海外でも(そこそこ治安がよければだが)できるかな?という気はするが。
神経を使うと疲れるからなぁ…。
ぐーすか居眠りしながら回れる団体旅行は確かに楽なんだよ。
特に年をとると(笑)

ISBN:4840117543 単行本 たかぎ なおこ メディアファクトリー 2006/11 ¥1,050
仲間が死んだ。
宇宙を目指して走ってきた仲間が。

少しづつ、人と人が触れ合って、壁が解けて秘密が消えて、そして思う。
悩む。
考える。

人間の営みはそういうもの。
だからこそ、こころが成長するのだ。

若いって、青春って苦いけどつらいけどしんどいけど、それでも乗り越えられる。
大人になっても、まだまだつらいことがあるけれど、乗り越えた自信があるから前に進める。



ISBN:4840119848 コミック 柳沼 行 メディアファクトリー 2007/12/22 ¥540
古本屋で、660円で入手。
去年の夏に出た本が、もう古本…というのにも驚かされるが、買うほうは助かるといえば助かる。
半額だしね。

先に読んだ鳥越さんのニュース解説本と似たような感じ。
今頃世間を飛び回っているよくわからない"外来語"(としか思えん)言葉のひとつひとつの解説を、わかりやす〜くユーモアを交えて行う。
ユーモアの点では辛坊さんをしのぐニュース解説者はいないんじゃないだろうか?

ホワイトナイト(白馬の騎士)ってわかります?
その名のとおり、敵対的買収を仕掛けられた会社を、買収者に対抗して友好的に買収または合併する会社のこと。
姫の危機を救う!という…うそのようなネーミング(笑)

クラウンエンジェル(王冠の宝石)というのもある。説明しないけど。
経済用語って…時々こういうのにぶつかるから、すごく可笑しい。

ISBN:4344013344 単行本 辛坊 治郎 幻冬舎 2007/06 ¥1,365
とりあえず。
一冊あればなんとかなるか(笑)と思って。

なんとかならんかな?(笑)

ISBN:4021904026 ムック アップルミント 2006/03 ¥1,470
この人の感覚が好きなので、正体もわからないのに「取り合えず」買う。
この漫画もそんなひとつ。

読んでみて、まあまあ面白かったよ。

有名女子中学校は男女交際禁止である(らしい)
有名女子中学校には"○○姫"だとか"○○の君"だとかが生息するらしい。

…というのは聞いたこともあるが。
学校生活をいかに楽しく過ごしたか。
それでこういう学園漫画を読んでどう思うかがずいぶん変わるのだろうな。
私は高校まで共学だったので、逆に男子生徒を意識したことがなかった。
みんな"仲間"みたいな意識だったからな。
男女関係なく。
それはそれで悲しいかもな(笑)



ISBN:4832266195 コミック 宮原 るり 芳文社 2008/03/07 ¥600
お父さんだ!!
……ホワイト(白戸)家の。

私の大好きな柴ちゃんである。
(まさか秋田犬ではあるまいな?)

というわけで、これは男性雑誌なんだけど、予約までして買いました。
目的は「犬」特集のみ!

白戸家のCMプランナーが映画「犬と私の10の約束」の原作・脚本家だそうで…そんなん聞くと悩む!(笑)


ISBN:B0013DR66O 雑誌 マガジンハウス 2008/02/15 ¥580
四国の霊場(の一部)を回る女性二人の姿をテレビに捉えどちらが先にたどり着くかを賞金をかけて競わせる。
そんなテレビの企画に対し、殺人予告がなされる。
おりしも番組を企画した女性ディレクターが東京の下町でお遍路姿で死体となって発見された。

番組は無事に成功するのか?
予告殺人は?

最後の最後まで解けないなぞ。
それを一気に解決のもたらす十津川警部と刑事たちの粘り強さ。

それはそれでおいといて(笑)
四国八十八箇所めぐりって……ほんまに大変そう。
私には無理かな。

みな、すごいよなぁ。

特に難所は"お遍路ころがし"といわれるそうだ。
そのネーミングもすごいよなあ。

ISBN:4087753859 単行本 西村 京太郎 集英社 2008/03 ¥860
近畿の秘境・十津川村。
そこへいくのはとっても大変…なので、私もまだ行ったことがない。
同じように(秘境ではないがそれに近い)北山村にはダイナミックな"筏下り"で出かけたことはあるが。

その十津川村。
有名ではないが、厳たる勤皇であり、江戸末期の混乱の時には禁中警護などにも積極的に参加したらしい。
これまた私の知らなかった歴史だけど。

そしてかの"天誅組"にだまされて(?)参加したがために自刃する、という悲惨な思いもしている。
だが勤皇、天皇家への愛情と忠誠心は平成の今になっても衰えることはなかった…のでそれが詐欺師にうまく利用されたのだった。

純粋。
一本気。
だからこそ、不正を知ったらただではおかない。
自分の命を賭してでも正義を貫こうとする。
そういう無垢な魂がこの事件を起こしたのだった。

まあそれはともかく。
自分が乗って紐を引っ張る"野猿"という、谷を渡る籠だとか、揺れ動くつり橋だとか。
ちょっと興味がある。
怖いけどね(笑)

事件の場所設定としては、なかなか粋なところだったと思う。
十津川警部シリーズは、やはりある種の旅行案内みたいな
本だよね。

ISBN:4094082522 文庫 西村 京太郎 小学館 2008/03/06 ¥560
去年の夏に出ていた本。
だからどうして新刊パトロールに引っかかってこないんだろう?
よく売れている作家さんの本は煩いぐらいに上がってくるくせに…!

幽霊探偵第三弾。

伯母さんの経営する田舎の本屋に子連れで戻った主人公・ペネロピーは、今日も元気に幽霊探偵・ジャックと会話する。
ジャックは…ちょいと昔にこの本屋で暗殺されたハードボイルド(?)な私立探偵。
本屋にいついて幾星霜。
自分の声を聞き取れる人物(しかも女性!)に出会えたわけだ。

田舎の本屋の癖に、やたらと起こる事件。
しかも殺人事件ときた。

本屋の経営に粉骨砕身しながら次々降りかかる事件を彼女とはそりが合わないマーシュ警部補の嫌がらせをかわしつつ幽霊探偵の力を借りて解決する。
次第に力強い母、に変化してゆくペネローペ…。
しかし彼女がいくらジャックと親しくなっても、普通の小説のようにはいかない。
なにせ彼は幽霊だから。

マーシュ警部補ですが…誤認逮捕、名誉毀損…一杯訴える材料は有ると思うんだけどな?
駄目なんだろうか?
あれほど個人主義で訴訟の多いアメリカだけど、名誉毀損やプライバシー侵害といった精神的な苦痛を理由に訴えてもなかなか勝訴できないんだそうだ。
そうなのか、ふう〜ん?
意外だね。
ただひとつ。
"病気"に買うする履歴はべつ。
これだけは訴えれば必ず勝訴するという。

病気の履歴は、日本が今、近い将来に取り入れようとしている個人カード(住基ネットをもとに作成)に入れる、と政府が公言している情報なんだけど、これはアメリカでは訴えられたら完璧に訴訟に負ける!(=訴えたら完勝!)そういう情報なんだって。

確かにこんなものは個人情報カーとなんぞにのっけてほしくないわなぁ。
プライバシー侵害もいいとこ。
心臓病の人とか糖尿病のひととかは、それを示すものを今でも所持しているはずなので、わざわざカードなんぞに情報を入れなくても、それでいいんじゃないのかな。
だいたい、カードの読み取りができない場所で事故が起こったらどうするんだ?そんなところは全国津々浦々失くす、とでも?
そしゃ不可能でしょう。

おっとと。
閑話休題。
ペネローペが巻き込まれるのは、ポーの、そう、あのポーの作品集にまつわる宝物。
彼の作品を趣味でまとめた編集者が残した暗号がポーの宝のありかを暗示しているという…題して"ポー・コード"(笑)
ダヴィンチ・コード華やかなりし時期の小説だということがよくわかる。
それをすかさず自分の小説に利用する辺り、この作者もたいしたもんだ。

そのポー・コードの謎を追って、人が殺されてゆく。一人、二人……。
殺人の冤罪を着せられたペネローペは、ジャックとともに捜査に乗り出すが、見事犯人となにより宝を見つけることが出来るのか?

…で、なんで呪い?
人が死ぬから?
それとも……ポーだから?(笑)


ISBN:4270101148 文庫アリス・キンバリー著 新井ひろみ訳 ランダムハウス講談社 2007/08/02 ¥861
辛坊さんも好きだが、鳥越さんも好きな私。
あの柔らかい声が、とんでもないことを言ったり(突っ込んだり)する、容赦なし。
それが心地好い。

とりあえずややこしい問題をやさしく解説してくれる人が好きなのだ。
文句垂れている人ではなく。

社会の世界の現状の、細かな問題を一つづつ二頁づつたくさん解説。
入門篇としては上等。

ただし2時間では読めない。

日本の雇用問題。
やはりそれが一番の話題かもねぇ。

そして流石に癌の話題も多し。
PETをやったのか…自分から希望してやるとドッグと同じで全額出費、10万円は掛かるはず(それでも昔は20万円以上掛かったから安くなったのだが)
私は治療の一環で検査としてやったから保険が効いて3万円ぐらいだった。
こういうところ、もっと安くなって一般に普及してほしいよね。
(京都市内の病院でも二軒しかPETは保有していないという話だ;高価なんである)

ISBN:4391135434 単行本 鳥越 俊太郎 主婦と生活社 2007/12 ¥998

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