ヘルクレスの12の冒険 ば〜い ポアロさん
メネアの獅子
九頭の蛇
アルカディアの鹿
エリマンシアの猪
オージャスの牛小屋
クレタ島の牡牛
吸血の馬
ヒッポリータの帯
ゲリオンの羊群
ヘスペリデスの林檎
地獄の番犬(←言わずとしれた…♪)

以上がヘルクレスが罪を得て強要された12の試練であるという。
が、すべて、ヘラの嫉妬によるもの。
なぜならば、彼にはゼウスの血が流れていたから(つまり母親がゼウスの浮気相手だったわけだ)
ヘラの怒るまいことか!

なんだかなー。
迷惑な夫婦喧嘩であるよなー。
人間界にとばっちりを食らわすなよ。

ヘルクレスの12の試練はキリスト教国ではふつーに知っていることなんだと。
日本人が桃太郎の話を知っているがごときか。

だが、我ら極東の島国人間には、いっこうあずかり知らぬことである。
判るのは地獄の番犬(笑)ぐらいで…。
ケルベロス。

たしか、ハリー・ポッターの最初の話「賢者の石」に出てきたでっかい犬がそうではなかったかな?

九頭の蛇、といわれりゃ、ヤマタノオロチかい?とおもうけど「1頭足りない〜」とお菊さんの心境だし、馬が吸血するのはさぞかし大変だろうなぁ、としょうもないことを想像してしまう。

牛だの馬だの羊だの。
さすが、狩猟民族である。

日本だったら、牛はまあまあありえたとしても…あとは、鶴とか亀とかサルとか蟹とか……鬼とか?
本日入手。

なかなか読みごたえのある一冊であった。(いつものことだけど)
分厚いし(笑)

なにしろ、事件が今風…というか、おどろおどろしさは大正か昭和初期、というムードなんだけど(その時代の人が聞いたら怒るだろうな〜)、富豪の未亡人志願とか、不倫のあげくの子殺しとか。

それともこれは永遠の罪。
人間の業なのかな?

ラストの大どんでん返し。
この、"どんでん返し"、という趣向も今風といえば今風かなと思う。
救われない魂など、相変わらずの高橋風味がなんともいえず、おもしろい。

続きは出るのかな…。

ISBN:4257724137 文庫 高橋 葉介 朝日ソノラマ 2007/02/20 ¥700
関西での水泳のメッカ。
和歌山県、白浜。
しかして、海岸は白良浜(しららはま)という。

数年前の正月はここで過ごした。
海産物がさいこーに美味しかった♪

だが、年末、年越しのその時間は、異様な人出で賑わう土地でもある。
なぜなら。

和歌山といえば、平安の頃から、否、奈良朝のころから温泉だの熊野権現さまへのお参りだので賑わっている場所。
白良浜近くの道は、年明けの熊野詣での客が、車を連ねて大渋滞…
そしてその車窓に浮かび上がるのは、浜辺で繰り広げられる一大イベント、花火ショー。
勿論打ち上げ花火!

ま……のんびりしようと出かけた温泉の旅だったが、年越しは異様な騒がしさでありました(笑)

とはいえ、関西人が最低一度は泳ぎに行ったことのあるのが白浜である。
三段壁や千畳敷は有名中の有名観光スポット。

いつの頃からか白浜アドベンチャーワールドなる、サファリランド+水族館の施設もあって実に楽しいのだ。
このサファリランドは、猛獣どもの目つきが妙に鋭い。
どう考えても、移動バスの中に守られているこっちを、鋭い目で…物欲しそうな目で凝視しているようにしか見えない。
何でだろう?と思ったら、定期的にご飯を抜いているのだそうだ。
野性に近い状態にしとくため…って、あのなぁ。
こわいやんか!

猛獣のエリアにはマントヒヒもいて、高圧線で区切られているだけなのだが…どっちがどっちから守られているの?
マントヒヒ>猛獣(虎とかライオンとか豹とか)?
それとも、
マントヒヒ<猛獣   ?
ヤツらも一筋縄ではいかないからのう。

ちなみに、ここにはパンダもいる。
子供が、また、よく生まれるんだな〜ここ。
環境がいいのかな?

(前置きが長くなったが)
その、白浜出身の若い女性が行方不明になった。
短大の同級生で同じ会社に就職した女性からの懇願をうけて十津川直子(そう、十津川警視ではなく、奥さんである)は白浜へ飛んだ(まさしく飛行機で)

そこから事件は始まる。

ISBN:4758432767 文庫 西村 京太郎 角川春樹事務所 ¥560
ポアロさんのファースト・ネーム、エルキュル(エルキュールだと思っていたが?)は、ギリシャ神話のヘルクレスから来ているのだそうだ。

だが…

ギリシャ神話には犯罪が多すぎる。
とは、ポアロ氏の出した結論。
出さなくても判っている、そんなことは。

飲酒・放蕩・相姦・暴行・略奪・殺人・欺瞞。

これこそが、ギリシャの神々の罪状なのだ。
いや、判っているよ、そんなこと。

ご自分の冒険を、ギリシャ神話のヘルクレスになぞらえていこうという、無謀な(笑)試み。
さて、楽しませてもらおうかな〜?


ISBN:B000JAZC7C 新書 アガサ・クリスティー 早川書房
女性の、推理小説家。

しかもそこそこ売れている。
田舎の、子供たちが知っているぐらいに。

「ハローウィン・パーティ」での殺人事件。
地道にパズルを集めるポアロ氏が、見事に犯人を"当て"た。

そして、子供がふたり。
女の子、男の子、が殺される事件から、成人女性と男性の、過ぎ去っていたはずの事件へと物語りは発展する。

う〜ん。
流石だ。
…ポアロ(クリスティ)。

だが、事件を持ち込んだ、彼の旧友・女流推理作家のアリアドネは、なんとなく〜アガサ・クリスティの分身っぽいね。
優雅な生活も最終巻に(笑)

プレイボーイはなりを潜め、なんだか、人生相談というか、揉め事解決屋みたいになってきたぞ。

目一杯動いて走って怪我もして、大活躍して、なるほど、これで大団円か。

結局、特定の彼女はできぬままかぁ…。
それが"正しい主役の姿"かもね。

ISBN:4592882555 文庫 坂田 靖子 白泉社 ¥630
ウオールワース議員、がんばる!
               …の巻。

貴族だって遊んでいる(やつ)ばかりではない。
仕事をしているのだ!
               …って感じ?

極端に正反対だから、バジルとウオールワース、二人の友情は長く続くのかもしれない。

近親憎悪っていうけど、自分に似ているとハラタツからなぁ〜(笑)

ISBN:4592882547 文庫 坂田 靖子 白泉社 ¥630
「ウインター・シーズン」では、ド田舎に不便な生活をわざと送る貴族の酔狂さが。
そしてエジプトでの話では、当時の貴族の、というより英国の立場とか考え方とか、その敵対的な社会(外国)での英国人の考え方、身の処し方など。
などなど、てんこもりであった。

特徴を捉え、笑いながらそれを知ることが出来る。
深読みすればいくらでも。

「アラビアのロレンス」みたいでわくわくした。
(アラビアンな映画はそれしか知らない私である…ゴメンよ)


ISBN:4592882539 文庫 坂田 靖子 白泉社 ¥630
アガサ・クリスティばりの貴族の生活。
 エジプトに発掘に行ってみたり、砂漠で浪漫を育んで(?)みたり。
恋の冒険を楽しんでみたり。

或いは。

19世紀の倫敦を舞台に、邪悪な犯罪を姪探偵ぶりで解決してみたり。

いろいろ幅があって面白いよねー。

此の巻のナイスなオコトバをここに。
学問というのは本来なんの役にも立たんものなんだよ 数学にしても考古学や天文学にしても現実の役に立つのは副次的な産物で 本当は好奇心を満足させたいだけなんだ

だから面白いのさ
(どちらもバジル氏のことばより)
膝を叩いて笑ってしまった(笑)

ところで。
画家のハリーが、おっきなお屋敷で(バトラー付き!)暮らしているのはなに?
此の巻だけなの?

おまけに、癖の強いモデルのアーサーは心臓麻痺で…。

3日以降では、アパートメント住まいで、お小遣いにも事欠く始末なのにな…?

別人?

ISBN:4592882520 文庫 坂田 靖子 白泉社 ¥610 
リンク先の、夜霧のネオンサインさまの日記で見つけてチェック。
本日入手。

食べるものばかりではなく、京都でほそぼそと(?)作られ使われてきた細かい道具類。
それを紹介し、入手できる場所を明記する。

ほ〜今時の観光客はこういうものを求めてくるんだなあぁ、と思いながら読んだ。

我々京都人が好んでこういう雑誌を読むのは、自分が住む町にどんなところがあるのかな?、まだ知らない秘密の場所があるのかな?という、純粋な好奇心に駆られてのことである。

なにも、「余計なことばかりして!」とばかり思って、鵜の目鷹の目でチェックしようと思っているわけでは、決して、ない。

そこんとこ、誤解されぬように……。

(ただでさえ嫌われているようなので、ちょっと弁解)(笑)


だから、単純に「○△ってどこですか?」と聞かれても、応えられない京都人も多いだろうな。
この本の中でも、知らないところも多かったもん。

だから、観光客の皆様には、われらに店の場所等を聞く時には、ぜひとも地図付きでお願いしたいものである。
それと、△△町といわれるよりも、○○通西入るとか、△○★上がるとか、そのほうがわかりやすいので、それでお願い申す。


ISBN:4777906787 単行本 エイ出版社 ¥500

砂の下の夢 2 (2)

2007年2月20日 読書
このマンガの舞台は鳥取砂丘。主人公二人は鳥取県人。

折り返しに書かれた著者の科白。

………変わった漫画家だ、ほんまに。
いつもいつも思うけど。

勿論、場所は鳥取砂丘でも、主役は鳥取県人でもない。
これは想像の世界。

砂漠の世界。

砂漠を渡らなければ町と村、国と国の行き来すらできないところの話。

その果てのない砂漠に、オアシスを創造することができるのが"ジャグロ族"
それが主人公の一族である。

オアシスを作るために必要なのは、人間の魂。
その魂を封印して(?)オアシスを運営させる。
誰のものでもない、誰でもがその恩恵に浴することが出来るオアシス。
そこは天国……。

とはいえ。
この本にかかれているのは、そのオアシスを、古くなって"耐久年数"の過ぎたおアシスを、或いは何らかの事情でこれ以上は使えなくなったオアシスを"閉鎖"する、そちらの話ばかり。

オアシスを潤わせてきた嘗ては人であったものの魂を、数え切れない旅人の命を救ってきたオアシスの魂を、ジャグロ続はどのように慰撫し、終わりへと導くのか。
そこんとこがこのマンガの真髄である。

相変わらず、さりげない話の中で不意を衝き、考えさせ、ほろりとさせる。
うまいよなぁ〜この作者は。

ISBN:4253153089 コミック TONO 秋田書店 ¥540 

聊斎志異

2007年2月20日 読書
"りょうさいしい"と打ち込んで、一発で"聊斎志異"と変換した、私のPCよ……おまえ、賢かったんだねぇ…としばし感心したものである。

勿論!
中国史を研究しなくても、中国に一片でも興味があればその名を聞いているはず(!)
所謂、中国昔話〜怪しい話大集合〜なのだ、この本は。

それをマンガに直したもの。
もともと楽しく面白く読める本だから、コレがマンガ、となればますます…面白いに決まっている。
…で、つい衝動的に手を出してしまったのだった。

中身は6人の漫画家が夫々一本づつ話を書いている。
それぞれの個性があって楽しめよう。

…で、ここで話はちぃと逸れるが。

中国において「笑い話」というのは、艶っぽさ全開(つまりHな・お色気主体の)お話であるのは常識である。

なにしろ、"笑い"の対象が、

動物霊や幽霊と契りを結び、精気を吸われ、魂を食われ、挙句命を落とした男の話。
大抵科挙及第を目指して深窓で勉強に明け暮れる坊ちゃんが多いのは、ヤツらは結局世間知らずだと馬鹿にしているのだろうか?或いは庶民の嫉妬なのか?
皆、嬉々として死んで行くわけだからなー。
庶民にしてみれば"アホ"にしか見えなかったかも。

下世話な話ではであるが、獣姦・死姦なんてごくごく当たり前に"おはなし"に出てくる。

……なんてことを、大学で東洋史を専攻したりするといきなり突きつけられるので、成人式を迎えてもいないうら若い乙女が、そーゆーのもごくフツーの出来事で常識だと思うようになってしまうのだ。
あと、宦官(話)とかに妙に詳しくなったりするし……(後宮ならまだまだましと思うべきだ)

だが、この聊斎志異はずーっと普通でまともな御話である。
(名家の)娘が親の敵討ちをして、血まみれの仇の首を抱いている話ぐらいのものだからさ……。

ところで、この本で何が一番面白かったかといえば、ラストの「酒友」
狐と酒盛りする男の話。

狐を母親にしてみたり、狐と恋をして見たり、狐が恩返しをしたり、と狐に好意的な話は日本独特と聞いている。
中国では、あくまでも物の怪で害をなすもので、相容れないものと聞いていたのだが。

中国にもこの手の話はないこともないらしい。

ネットで見つけたこの出版社「一友社」…。
去年(2006)の6月に出来たばかりの出版社のうえに、京都のど真ん中に存在するのだった。
はぁ〜なんとなく、判る気もする。

会社の紹介HPは結構笑える(ローカルネタだけど)ので一見の価値有。 
⇒ http://www.ichiyusha.co.jp/

ISBN:4434085212 コミック 蒲 松齢 一友社 ¥1,029
これはすなわち、三国時代の"軍師物語"を描いたマンガらしい。

?、郭嘉(魏)
?、陸遜(呉)
?、姜維(蜀)

の3編を収録。

おまけの「趙雲さまぁ〜♪」も笑えたけど。

コマワリが大きく大胆で勢いがある。
目が特徴的で好き嫌いは多分、はっきりする絵なんだろうな。
私としては、目の付け所は面白い、とこの3編に限っては思ったけどね。

昔々、三国志が異様に盛り上がった時、次から次へとこういうマンガや本が出て世間を賑わしたことを思い出した。

時代は巡る。
しかし当時の隆盛ぶりを覚えている人、あれこれ目を通して知識と目の肥えている人も多いから、今、これを題材に描いて、受け入れてもらうのは、それなりに苦労なのかもしれない。

悪い言い方をすれば、ネタは手垢にまみれている…?

だから、その中でもこうした作品が出てくると、
「おっ♪」
と思い、嬉しくなったりするものだ。

まあね。
私自身が、その頃に比べれば私も幾分かは落ち着いているので(笑)、ムキになって、だれそれの作品はどうだこうだと批難することもないのかもしれない。
ちょっと離れて冷静に見ることも出来るはず。
(逆に、我を忘れて熱くさせてくれる作品を、心の深いところでは求めているのかもしれないが)

とりあえず、この調子なら、続刊を買っても「損をした!」とは思わないですむかも。
いや、誉めてるんです。

ISBN:4834261654 コミック 桑原 祐子 集英社 ¥800
当るも八卦。
当らぬも八卦。
等と申しますが。

その"卦"にて、本日の運勢、探し物等々を生活の指標としていたのは古代社会。

晴れるも照るも、豊作も飢饉も、時の皇帝の行動すら規制した絶対的な"天の意思"でもあるわけだ。

管 公明ってどなた?
…と日本人には、ま、そんな程度であろうが、中国では伝説ほどに有名な占いの先生であったようだ。(あくまで伝聞〜)(笑)

プレイボーイで宮廷人のくせに頭脳労働にはまったく向いていない親友・紀 玄龍との掛け合い漫才を繰り返しつつ、人間や神仙が絡んだ事件を続々解決する。

如何にも今時の絵だよなぁ〜と試しに読んでみた一冊。
この続刊も何冊か出ている模様だ。

しかし、これがなかなか…芸が細かい。
衣裳もそうだけどね、設定も考証も思うより遥かに考えている。
時代も漢から三国への過渡期で、国が世の中が荒れる前兆がそこかしこに現れている。
いい(面白い)時代に目をつけたよな、とそれも感心。

二人は実在の人物だが、実際の関係が親友どころか袖擦りあう程度のことだった様子(?)で、そこはまぁ…歴史書はいろいろ読み方もあるってもんで(笑)いいんじゃないかと。

こういうマンガが続々出てくるのなら、読むほうとしても楽しみなんだけど。

東方朔がものすごい悪人(悪仙人?)で出てくる辺り、大爆笑ものであった。(動物達の精霊に大ブーイングされているのだ)

どーゆー配役だよ(笑)

ISBN:425309791X コミック 青木 朋 秋田書店 ¥540
本当はハヤカワ・ポケット・ミステリ・ブックなんだけどね。
レビューが楽しいのでこっちを選んだ。(だって、ほかにこれ!というのもなかったし。)

これまた友人Wよりのレンタル本である。
ありがたや、ありがたや…。

アガサ・クリスティの本は実はほとんど読んでいない。
「オリエント急行殺人事件」ぐらいのものかな?

だからこれは、私が読んだ数少ないクリスティものとなるわけだ。


「私、殺人事件を目撃したわ」
と子供が口走る。
それが次の殺人のきっかけになったのだろうか?

子供達の為のパーティの最中、殺された少女。
彼女はなにを知っていたのか?

…ポアロは乗り出す。

って、そうか、ポアロか、これは。
おひげマスクをつけて寝るあの……(笑)
面白いおじさん。

けっこー好き。


ISBN:4151300317 文庫 中村 能三 早川書房 ¥798
ロシア語同時通訳者で作家…に成りつつあった米原万里氏。
彼女が亡くなってあと3ヶ月で1年になる。
なんて早い。
50代半ば。
まだこれから、いっぱい、やりたい事があっただろう。
発病を聞いた時の衝撃・落胆・苦悩…思うに思いやれない。
そして、「戦わなくちゃいけない」しかも「一人で」ということ。
そう思い、心を奮い立たせるのは、とっても力のいることだ。

彼女が生前書いていたエッセイをいくつか読んでいる。
そのなかに、テレビ局であるTBSの仕事で、ロシアでも特に寒いヤクーツクというところを取材したときの話がぽろぽろと書かれていたのを覚えている。
この度、そのときの写真や彼女が小学生向きに書いた文章が一冊の本にまとめられた。
偶然。」
本当に偶然見つけた本だ。

出版社も私は聞いた事がない。
だから、本屋の、中央、目立つところに置かれる、という状況ではなかったのかもしれない。
でも、私は見つけた。

この偶然に感謝。

本屋では、見つけたときに飼っておかないと二度とその本にめぐり合えないことが多々ある。
それが有名作家のものであればいざ知らず、たまたま偶然、出会い頭に出合ったような初対面の本であると、その題名も著者名も失念し、勘違いし…していくうちに二度とめぐり合えなくなってしまうのだ。(ということが私には多く起こった)

特に、時間の流れが速くなり、本屋の店頭も流行も雪解けの皮の水のように速い流れで去ってゆく時代では、もうダメだ。
追いつけない。
「逃した魚はでかかった」状態である。

…ので、荷物は重く、お財布は軽く、心は乱れたが、えいっとばかりに買い込んだ。

すごい…とにかく、マイナス20度ぐらいだと、
「暑い」
なんて科白が出る…そこはもう、私の知っている地球じゃない(笑)

200年前に大黒屋光太夫が通ったこの地。
昔は今のように防寒具もよろしくない。
17人いた日本人が3人に減ってしまった過酷な自然…(そのうち一人は確か現地人と結婚してこの血に骨をうずめたはず…映画では)
う〜。

今は共和国となったヤクートのとある村では、扉は二重で窓は三重。
玄関に入って最初の部屋は、なんと冷凍庫がわり。
動物の皮をはいだのが棚においてあったり天井からつってあったりするという。
それはいいけど。
家の中なのに…冷凍庫……。

厳しい。
厳しすぎる。

だが、トイレは戸外。
しかもマイナス70度にもなろうというのに、三方に壁があるだけの屋根もないトイレで、みな、用を済ましている。
勿論、すぐに凍るから臭気はない、というものの……

すごい。
凄すぎるよ。

嘗て欧州への旅で、飛行機の窓から、シベリアの土地(だと思う)を見下ろしたことがある。
時は6月。
日本ではもう、初夏の気候である。
だが…緑のほとんどない、グレーの大地は、その自然の厳しさをまざまざと見せ付けていた。
もし、この下に落っこちたら?
…と、映画「ホワイトナイツ」を思い出し、なんとなく、いや〜な感じに襲われたものである。(ま、私は日本国籍だし、亡命者じゃないから大丈夫だろうけどさ)

やっぱり、寒いところは嫌だ。

そしてついでに言うならば、ヤクーツクに住んでいる大多数は、我々と同じ黄色人なのだそうだ。

何かに対する耐久力って

………人種じゃないのね。
環境しだいなのね。

ISBN:4860291891 単行本 山本 皓一 清流出版 ¥1,575
母親にとっとと渡さねば成らないので、大慌てで読破した4冊の西村京太郎本。
その最後がこれである。

…なんというか。
男の、エリートたちの、どうしようもない、自己チューというか、自分勝手で幼い思考を見せ付けられた。
男である西村氏がこういうものを描いているのだから、男から見ても現代はそう見えるって事(=つまり、そうだということ)なんだね。
なんだか情けない。

美人でプロポーションもぴか一の謎の女性から申し入れされた謎の契約。
月曜日。
火曜日。
水曜日。
木曜日。
そして金曜日。

それぞれの日に、5人のエリートの男たちは彼女の家に向かい、最高のおもてなしを受けて翌朝送り出される。
但し、肉体関係はなし。
詮索もなし。

念の入ったおままごとみたいなものである。

そんな男たちは、最初は好奇心からこの"遊び"に参加するのだが、やがて彼女に対する征服欲を燃やし始めた。(当たり前か)
そんなかれらをからかうかのように、弄ぶようにして本気を見せない女。
彼女は一体なにを考えているのか?
何が目的なのか?

意外な真相と幕引き。
それは唐突に訪れる。
(いやほんま.ラスト数ページで一気に)

女が怖いのか。

人間の思う一念がこわいのか(笑)

さて、どうなんでしょう?

ISBN:4093796564 新書 西村 京太郎 小学館 ¥840
東北は岩手県の遠野。
そこは伝説の宝庫でもある。

その伝説にひめられた謎を解明し、現代医学(漢方的な薬草学だけど)の助けにしようとする男たちがいた。
そんな彼らを殺害する犯人の意図はどこにあるのか?

思い込みは人間の理性を破壊する。
憎しみは人の心の安全弁でもある。(やり場のない大きな怒りを苦しみを、他へ転嫁するのだから)

しかし人間の思いやりは、人の心も蘇らせるものでもある。

著者は、そういいたいのかもしれない。

東北か…いったことないんだよね、私。
だって、旅費が高いんだもん〜。
(いっそ北海道までいくほうが安いのだ。不条理だけど)


ISBN:4163256504 単行本 西村 京太郎 文芸春秋 ¥840
十津川警部の妻・直子が書置きを残して失踪!?

「貴方と暮らすことに、もう疲れました」
十津川警部、ショーック!!(笑)

…そんなわけで、急遽休暇をとって彼女の行きそうなところへ大慌て捜索に向かう十津川警部と亀井刑事であった。

アメリカのドラマでは「貴方の無事を心配して待つのに耐えられない」刑事の妻がいる、とか。
自分が気がつかなかっただけで、奥さんは不満・憤懣をずーっと抱えてきたのではないだろうか、とか。
いろんな思いが頭の中をぐるぐる回る十津川警部でありました。

その真相は…?
ってすぐにわかることなんだけれど。

殺人事件に絡んだ、誘拐・脅迫事件だったわけだ。

しかし、事情を知った亀井刑事が、上司から休暇をむしりとる科白がすごい。
こういうことは、刑事全員の問題なんです。刑事の生活は、不規則で、危険です。多かれ、少なかれ、家族、特に、奥さんは、常に、不安を感じています。不満もです。私の家内だって、いつ、家出をするか、わかりません。大きく言えば、警察全体の問題でもあるんです。

警察全体の問題になってしまった……(笑)
結果としてはそうなんだけどね。

さて。
十津川警部は、無事に妻を救い出せるのだろうか?

ISBN:4396333307 文庫 西村 京太郎 祥伝社 ¥600 
今日は寒い一日だった。
久々に冬の季節を思い出させるような。

おまけに昼早々には冷たい雨まで降り出した。
銀行と郵便局で用事を済まし、本屋に向かう途中だった私は酷い目にあった……。

(母の為に)どっと大量に購入してきた西村京太郎氏の十津川警部シリーズ本。
その一冊が、またまたこんな寒そうな(話の出だしは12月6日の北海道・稚内だ)土地だなんて…。

北海道は行きたいが、とりあえず冬はご遠慮申し上げる。
まずあの雪には太刀打ちできない。
そして、寒いと体が硬くなって血の巡りが悪くなって、肩が凝る……。

どっさりと西村氏の小説を買い込んだのには理由がある。
この時期一杯出たからだ。
なぜに…?
本屋の店頭にも彼の人の小説がずらら〜っと並んでいた。
(しかも平積み!)
なんなんだろう〜?
西村京太郎週間とか?
謎である。

まあ、この人の場合、文庫と新書だから、まだ買えるんだけどね。

ISBN:4062756552 文庫 西村 京太郎 講談社 ¥540

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