地球へ… 1 (1)

2007年5月6日 読書
懐かしすぎる…!

夢中になって読んでいた学生時代が。

ほとんどストーリーは覚えていたんだな、とそのことにも驚く一冊。
一世を風靡し、アニメーション映画にもなったこれ。
リメイクされたと聞いている。

最近のアニメ界は、ほとんど考古学だねぇ(笑)

地球をオン出された(自ら出ていったと言いたいのだろうが)人類は、人間を選抜し地球を管理することにした。
選抜は、その誕生以前、DNAの操作にまで遡る。
つまり、父母を特定しない、すべてが"地球の子供"という思想を植えつけたのだ。
なんだか安物の政治演説みたいだが…

そんな現状からはみ出るものの一人や二人は必ず存在するもので、その旅に"政府"は強硬手段をとり続ける。
その魔手を逃れたものたちは、反逆者として地中に潜り(まさしく!)地球への思慕を募らせるのだった。


ISBN:4757520093 コミック 竹宮 惠子 スクウェア・エニックス 2007/04/06 ¥650
宇宙へ!

その夢が少しづつ現実へと近づいてゆく。

他人から見ればばかげたように見えることでも、そこには夢がある。
苦しみと共に楽しみが、希望が、存在する。
であれば、人は生きてゆけるだろう。

少しづつ、現実と世界を知ってゆくかれら。
だが同時に、夢を忘れない。
その力強さが眩しい。
この"力"は、若者のエネルギーだ。
口惜しいけど、年を経れば消えてゆく。
それをもち続けるのは、とってもしんどいことだから。

でも、夢は捨てない。
夢を失ったら、人は生きてゆけない。

そういうものなんだろうな。


ISBN:4840116873 コミック 柳沼 行 メディアファクトリー 2007/03/23 ¥540
ぜんぜんお話にならないぐらいにダメダメなマルレ・オケは団員の公募を行う。

そこに集まるのは、なぜか(?)正規団員より遥かに上手い人たち。
だもんで、
「刺客がやってきた」
とか呼ばれちゃって、まあ…(笑)
これでオケのレベルもよくわかるというものだ。

ところで、オケのメンバーの"ケイタイ"は、最近は頑張って練習をしているらしい(娘の証言である)
その練習場所、倉庫はフランス語でカーヴ。
カーヴって穴倉って意味だと思っていた。
フランスのとある地方は石灰質の岩に横穴を掘って、そこをワイン倉庫にしたりレストラン(カーヴ・レストランと呼ぶ)にしているから。
倉庫=穴倉だとしたら、フランスにおける倉庫は、全部(地下など)直接光の接することのない場所のことを指すんだろうね。
日本のお蔵とは、また、違うニュアンスなわけだ。
と変なところに感心していた私である。

そして千秋の努力と努力と努力により、マルレ・オケもなんとかなりそう…なラスト。
とんでもない人(千秋の父)初登場…だったかな?(←忘れている)

ISBN:406340613X コミック 二ノ宮 知子 講談社 2006/10/13 ¥410
ターニャが……嗚呼かわいらしい。
この巻は彼女が主役かな?
と思うほどに。

しかしコスプレ・城主様。
さすがおフランスですねぇ…と思う。

モーツアルトはけっこー下品な詩も書いている、ということは知っていた。(少年合唱団系のマンガのネタにあった)

夫と称されても抵抗する気力をなくしたらしい千秋である。
のだめの作戦勝ちだろうか?

ブルターニュのお城のコンサート。
のだめの最初のコンサート。
それがコスプレ演奏会ってのも、なかなか楽しい。
勿論、"ベルばら"を愛する日本人なら、コスプレ好きな日本人なら、これはもう、ツボに嵌まりまくりだろうし(笑)

いや。
楽しい♪

ISBN:406340594X コミック 二ノ宮 知子 講談社 2006/06/13 ¥410
自称"千秋の妻"を宣伝するのだめ。

いよいよ吹っ切れたか…?(いや、とうにきれていたか。)

ライバルの成功。
自分の楽団のレベルアップ…つうか、せめて並に戻したいっつうか。
千秋の苦悩と苦労は続く。

そして、破天荒なあの、のだめが、もはや傍にいて当然。
傍にいないとダメ、調子が狂う、みたいな感じになってきているようだ。
麻薬みたいなもんやね…。
(もう森に入っちゃったしな)

成功して中国の親の元へ帰ることを心底欲するユンロン。
ロシアに帰らず旧西側諸国で成功することを心底夢見るターニャ。
何気にお国事情とか国民性が出ているな。
こうして背景がしっかりして初めて、登場人物にも深みが出るというものだが。

「関西人気質」で演奏する曲。
「ぼけ」と「突っ込み」は関西のエスプリ……。

すみません。
笑えますけど、関西人にも意味わかりません。
これ。


ISBN:4063405753 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2006/01/13 ¥410
まとめて友人からレンタルしたので、どんどん行く。
青緑の黒木君(オーボエ担当)は、千秋ののだめのラブラブを旗で見ているだけで幸せなのだろうか…?
そういう風に見えて仕方がないのだが。
外国で、人恋しいだけ?

ま、ユンロンよりましか。(中国人ってよくわからんなー)(笑)

セーヌの橋の上での千秋とのだめの決闘シーンはとても面白い。
本気だよな、まあのだめはいつものことだし"一応"女の子だから(笑)
しかし千秋…。
プライドなしか、あんた。

私も是非"観劇"したかったよー。
"命乞い"する千秋くんを。

マルレ・オケの常任指揮者になった千秋。
しかし人生は甘くない。
可愛い子には旅をさせろ。
わが子は千尋の谷に突き落とせ…てなもので、彼の前には次々と山、否、山脈が立ちふさがるのだった。
ま、のだめのパワーを常置してれば、なんてことはないだろうけどね。

物語は頂点を知らないほどにどんどんと佳境に突入する。
いやほんま、どこまで盛り上がるんやろ?これ。
天井知らずやわ〜。


ISBN:4063405605 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2005/09/13 ¥410
千秋はデビューコンサートに向けて邁進。
のだめはピアノ…というより千秋にむけて驀進!
一方私(=読者)は、大爆笑。

というわけで。
下宿の屋根裏にはまたまた(画家志望の?)みょーなおじさんが住んでいたりして、出てくるキャラ、出てくるキャラに笑いをこらえられない。

雑なような、精密なような、人間描写がすごい。
どんどんキャラにひきつけられてゆくから不思議なマンガだ。

千秋の曲(演奏)のイメージが「孔雀」っていうのは、ムッシュー長田の解説とは違う意味で、当っている、ような気がする……。


ISBN:4063405443 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2005/05/13 ¥410
コンクール決着篇、とてもいいましょうか。

ファイナルに残った3人。
さて優勝者は誰?

…つうことで、選考委員の皆様のこの科白に大うけする。
「片平はどうします?」「残すだろう!」「そーだ」「彼を落としてはみなが怒る」「ですなー」

いい味だなー(笑)

どんどん前に進み始めた千秋に対し、のだめの前にはおおきな山が。
彼女は千秋とともに歩くことが出来るのか。
既に千秋は歩くというより走り出した感もあるしな…。

進むほどに、おくが深くなる話である。
たとえ音楽のことに詳しくなくっても面白いんだから。

人気が出るのも判るわぁ。

ISBN:4063405230 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2005/01/13 ¥410 

盗賊の水さし

2007年5月4日 読書
水がない砂漠の国や町。
そして鬼人が人間とともに生きる世界。

そんな世界を巡って、人々の心情や思いやり、嫉妬、欲望、愛や憎しみを描く。

大体この世界には、"水"は不足がちであるらしい。
翠湖、とよばれるその地、河伯が済むといわれるその地以外は、常に水不足の危機に迫られている。

水は人間にとっては、何よりも大事なもの。
絶食ならばある程度は耐えられても、水を与えられなければ人間は早々に発狂するという。
だから昔は、電気やガスや水道の料金を滞納してストップされても、「水道だけは止めない」という不文律があると聞いて育ったのだが、最近漏れ聞くところでは、どうやらそれも怪しいらしい…
最近では、飢え渇えてなくなった人の住処には水道はあっても水が来ていなかったという報道を、まま聞く。
水だけは。
止めないのが人道だと思うんだけどな。
「命がかかっている」ということに対して、現代人は鈍感だと思う。
これもそのひとつである。

そこんとこ、各都道府県の地方自治体はなんと考えているのだろうか?
それとも、皆、心は"鬼"になってしまったのか?

水を得るために鬼になる女。
水を独り占めするため(売って高利を得るのだ)誤って娘を殺す男。
なんと人間は業が深いものか。

そしてどこにも因果応報は在る。

「苦い水」の最後、祭主を助けようとした村の人たちが、木に取り込まれてにっちもさっちもいかなくなった場面。
そして、それを支え、なんとか助けようとする村人達。
ここの会話が、シーンが好き。

そして何気にシリーズの主人公の一人、鬼人のエンがスリジャと所帯を持ったらしいことを匂わせる科白もあって「おや」と思わせた。
そんなことはない。エンだって鬼人だが、人間といっしょになっている(「二つの井戸」)
散々悩んだエン、おめでとう♪というところかな?

それにしても、鬼人が多い………。
増殖している雰囲気だ。

ISBN:4834261808 コミック 今 市子 集英社 2007/04/25 ¥750 
妹が今月上海と蘇州に行くというので、買ってきた一冊だ。
それを横から覗き見る。
興味津々…ふぅ〜ん、という感じか。

昔々のガイドブックはたくさんもっていたが、今は毎年ぐらい改定されているんじゃないの?
新しい記事を入れてどんどん改定していかなくてはならない国、都市。
それが中国。
しかも上海ときたら。

中国の都市部は変化する。
だからどんどんガイドブックも変化していかねばならない。
出ないと役に立たないだろうね。

建物はどんどん変わる。
まるでバブル時代、地上げ時代の日本のように。
いや、それ以上か。
つまり見た目が変わるから、迷うんだろうな、と。

覗き見てみると、昔はほとんど考えられなかった、犯罪面の注意がとっても多くなっている。
タクシーには気をつけろ。
メーターをわざとたおさずに法外な料金を吹っかけてくるらしい。
メーターをたおすのを注視しろとのこと。(でなければさっと降りろと)
…なんて悪質な!
まるで一昔前の香港!(笑)だな…と。

昔はついうっかりおつりを間違えても、顔色を変えてバスも後ろをじーさんが走って追いかけてくるような、そんな国民性だったのに…(刑罰が厳しかったということもあるが)
前の宿泊ホテルでおいてきたゴミを、ゴミ箱に入れなかったが為に、忘れ物だと思われて、本人が到着するより先に次の宿泊ホテルに届けられていたなんていう逸話があったお国柄なのに…。
(次のホテルがどうしてわかるかって?そりゃあなた、旅行者はあくまでも中国政府の招待で入国し、中国政府の指定した場所を中国政府の指定した交通機関を遣って移動し中国政府の指定したホテルに宿泊するしかなかったからである。そうでなければ中華人民共和国には入国できなかった、個人旅行なんてとてもとても考えられなかった時代の旅行である。そしてその時代、中国人は皆、人民服姿であった。嘘冗談ではなく。)

「…てことは、昔と違って国中どこへ行っても同じ料金(=国定料金)じゃないってことで、つまり、向こうはぼったくる気で吹っかけてきているんだから、こっちも"値切っても良いってこと"やね?」
などと、暢気な妹はにやりと笑ってそういうが。
まぁほどほどにな…。

だって、あの国民性からして、恨みを買うと怖いぞよ。
些細なことでも、でっかく恨まれそうだし……。

そして、たしかに。
本を読む限り、上海にはおしゃれな店が多いようだ。
それもなんか、高級店っぽいし(笑)
嗚呼嘗ての中国旅行といえば、お小遣いなんか数万円で、お大尽だったのにな〜。
それもうたかたの夢のようだ

これでは下手にお土産♪なんて頼めないよ。なにもかも、高すぎて。

それにしても、研修旅行で上海とは。
今時、結構な会社だよねぇ。

ISBN:4398118160 単行本 昭文社 2006/09 ¥1,740
SFなんだけど、いろんな人が多角的に?、多次元的に?、行動してゆく。
そしてその目的と言うか方向が徐々にひとつに結ばれてゆく…。

…のがなんとも言えず楽しいね。
情報戦ということで、情報を得るために、一つ、一つと命が失われてゆくし、夫々にドラマがあるしで、それをどこまで描くか。

枝葉末節に拘りすぎると主題がぼやける。
でも周辺にもドラマがないと単純すぎるし。

その辺の見極めが難しいと思うけど。
その"ころあい"が、"つりあい"が上手く取れているようだ。

とはいえ。
「そりゃ〜ないでしょうよ〜(笑)」
なんて思ってしまうシーンもあるにはあるが。
その辺はあえて突っ込まない。
例えば小説中に漢字の誤字・脱字を探して拾って歩くなんて人がいないように…(え?いるの?そんなことして何が面白いの?)
その辺はすっ飛ばして読む。
また、読ませてしまうのが、面白い小説ってもんだろうしね。

さて、話はだんだん確信に迫る。
全宇宙を震撼させる凶悪なテロ集団を相手にして、平凡な主婦・シズカは果たして夫と娘の仇を討てるのだろうか?!

…話のノリでは、してしまいそうだからコワイ(笑)

あーなんか、違和感の理由が判った。
ハリウッド的展開が、会話が多いんだ。

妙なところで感動を呼ぼうとする。
お涙頂戴をしようとする。

で、「うわっ」と思ってしまうのだ。
最後のほう(クライマックス)に成ればなるほどその度合いが増してくるので、判った。

その辺が、しらじらしい、というか……いや、純粋すぎるのか。
意外にも小説の手法が古典的なので、擦れてしまった私の心にはわざとらしく映るのかもしれないな。


ISBN:4334741231 文庫 梶尾 真治 光文社 2006/09/07 ¥740

恋する京都

2007年5月1日 読書
家の近所の会社のウインドウに、ずらりと並べられているのがこの本だ。
薄くて小さな本。
文庫本と意っていいのかどうか、といううすさ。
なにせ90頁に満たないのだから。

京都のイロイロな紹介本、といえば、もう食傷気味だけど、これはポケットに入れて持ち歩いてくださいと、というわけで、ページが少ない分、焦点をうんと絞って紹介している。

この本は家人が面白がって買ってきたのだが、薄い割りに結構する。結婚するのは写真が多いせいか?
それにしてもCM料でなんとかならんかったんかいな〜?
とも思う。

中味はまぁ、可愛らしいことこの上ない。
ショッピングや食べ物そして観光地をかなりチョイスして紹介。
物足りないと嘆くなかれ。
目的に応じて本を選べば良いのである。
現在刊行されているのは10冊。

?.恋
?.枯山水
?.抹茶
?.紙
?.デート
?.京野菜
?.社寺
?.お豆腐
?.嵐電
?.BAR

…とまあ、ありきたりの題目も在るけど、なにこれ?と疑いの目で見てしまうものもあり。(嵐電を出しなら叡山電鉄も…!比叡山のケーブルカーもぜひ!)

ちなみに近所の会社。
この本をずらりと並べて宣伝しておきながら、売ってくれない。
(編集・製作をやっているようだ……でもケチだな。ついでに販売もしてくれればいいのにさ)

ISBN:490382201X 文庫 コトコト 2007/03 ¥500
成り立ち
童と言う漢字がある。

とは、結髪(髪の毛を結う)を許されない人と、刃物(針)が合体した字である。

針でナニをするかといえば、刺青である。
この場合の刺青は罪人に対して行われるものである。
昔の字(象形文字)を見れば判り安いのだが、童と言う字は、目の上に刺青をした形なのである。

古代中国では、罪人は、髪を結うことを禁じられていた。
罪人は、罰として刺青を施された。(これとは別に、神聖な意味での刺青というものも存在する)

このことから、"わらべ"とは、結髪していないことから子供のことをさすのとは別に、結髪を許されず刺青をされた罪人のことを指すということが判る。

受刑者(罪人)は農奴(奴隷)とされることが多かった。

よって(とここからがすごいのだが)、

わらべうた(童歌)というのは、奴隷の労働歌であり、

わらべうたが、なにやら怖い意味を持つのは、当然なのである。

漢字の成り立ちって…勉強にはなるけど、それもある意味こわいね。
今日は…じゃない、もう昨日のことだ。
昨日は出かける用事(筍を買いに、そしてついでに牡丹と躑躅を見に)があったので、文庫本を鞄に放り込んだのだった。
それがこれ。

少し前に、友人から譲り受けていた本である。
著者は「よみがえり」の著者。

仮想社会。
そして近未来?

人類は地球外に進出し、囚人の流刑惑星なんてものも所有している。
その囚人達が反乱を起こし、人質を取って物資を脅し取り、政府軍の攻撃にもかかわらずそこから逃れた生き残りがテロ活動を始め…という、良くある設定ではある。
だが、本編は、テロで夫と娘を失った単なる主婦の復讐の決意、から物語りは始まる。
(ちょっとターミネイターシリーズの、強〜いおっかさんを思い出してしまった…)

ようわからんアブナイ軍人も出てきて波乱万丈…に成りそう。
さて。

ISBN:4334741223 文庫 梶尾 真治 光文社 2006/09/07 ¥740
この手の本は、とっても興味を引くのだが、何故だろう?
途中で飽きてくる。

白川先生は立派な方で尊敬申し上げているのだが、なんでだろう?
この手の話は…嗚呼。

漢字と言うのは珍しくも現代に生き残った象形文字なのである。
よって、その成り立ちはすべて絵で説明できるのだ。
その説明を、まさしくイラスト入りで白川先生が解説してくださっている。

でも、これは初歩の初歩向きで、絵柄もとってもわかり安いのだ。
きっと高校生、いや、もしかしたら中学生を相手に想定してかかれたものかもしれないな、と思いつつのたりのたりと読み始め。
やっぱりページは進まない(笑)

なんでだろう?



ISBN:4764105780 単行本(ソフトカバー) 文字文化研究所 共同通信社 2006/12/18 ¥1,050
清国文明記、というよりも……
当時としては、確かに「知られざるもの」を紹介するという、使命感があったのかもしれない。

でもでも。
これは面白い読み物です。(きっぱり)

面白すぎてなかなか進まん。
自分が訪れた場所との比較、行程の比較、交通事情の比較、と遣り出したら止らなくなってしまった。

しかし、雨中馬車は足を取られて動かず。
夜は津々と冷えて、相棒は体調を崩し(高熱を発している)風前の灯!
とおもったら、本人は意外にけろりとしたもので、昔の人の強靭さを思い知る羽目と成る。
精神的にも肉体的にも、鍛え方が違うな。
感心感心。

感動に打ち震え、テンションが高まってくるとむやみやたらに漢文調なのは、格調高いといえばそうなのだが、なんか笑える…。

でもこの時代、命がけだったのかも。
中国大陸奥地(と言っても今の奥地とは全然違うが)に分け入り、文章(書物)でしか知らなかったそれをわが目にする、ということが、そこまで凄まじい感動を湧かせるものだったのか。

漢文調でないとこの想いは伝わらない!
と思う気持ちはわかる。

だが、どんどん漢字離れどころか日本語離れ(?)してエイリアン言語を発するようになってきた昨今の日本人である。
このままでは読者はいなくなってゆくのでは…?
30年代が流行り(?)らしい昨今。
本の世界にもこんなものが〜?
とは思ったものの、面白そうなので購入してみる。

どうせたいしたモン、食べてないだろうな。
ちっぽけな菓子パンとかが忘れられない味になってて、忘れられなかったりして、いまだにその味を追い求めていたりするんだよね、なんて。
全部自分のことである。

だってここ数十年だよ。
こんなに急激に社会が変わったのって。

昭和30年代って、もっとゆっくり地球は動いていたよな。

むかしの国鉄で売られていた、ちょっと塩っケのある(?)(←ビンボーだったので、すなわち、舌が貧しかったので、よくわからない)アイスクリーム。
あれは忘れられない。
あの後どこで食べても、あの味はない。
そして冷凍みかんだな。うん。

今だに私が拘る菓子パンは「サンライス」だが、それもあの頃数少ない菓子パンのひとつだった。
しかも「メロンパン」などと一緒くたにされてるし…ちっ。

あの味は、残念ながら、もうない。
どこでも出会えない。

ものは豊富になったが、材料は貧しくなったのかもしれない。
それと自分自身の舌も。
おかしくなったのかも。
精神的な意味でもさ。

ISBN:4486031938 単行本 月刊望星編集部 東海教育研究所 2007/03 ¥1,680
なかなかに今風な、世相に遅れない西村節を読んだ気がする。

日本で起こる、"いかにもマフィアっぽい"殺人事件。
そして中国で起こった、日本人殺人事件。
黄浦江に死体が浮かぶ…という、例のあれ。
あの脅し文句を地で行ったそのままに、死体が浮いたんだのだった。
インターナショナルな十津川警部の出番である。

…でも。

一番面白かった記述はここ(↓)。
制服姿の中国の役人が、助手の若い女性と二人で、何か測量をしている。
女性のほうは、大きな寒暖計を持って、それを、差し上げるようにして、目盛りを、読んでいた。

上海も発展しすぎた為に、電力事情が、逼迫して、きましてね。特に、今年の夏は、市当局が電力を節約しようと言う、運動を起こしているんですよ。あれは、日本語で言えば、電力節約隊とでも、いうんですかね。役人が、時々回ってきて、店内の温度を、調べているんです。

………地球環境の為に、やっているわけではないのね。
中国よ……。

こういうご当地事情をさりげなく放り込んでくるあたり、結構好きになってきましたね。

ところで、北京から上海までの特急。
犯人護送のために十津川警部たちが乗るのは、軟臥座席。
すなわち柔らかいベッドのある個室である。
しかも、一両まるまる借り切るとは…さすが。
国家権力(だけ)はすばらしく行き届くお国柄である。

昔は外国人しか乗れなかったこの席は、そのうち裕福な中国人も利用可能となった。
硬い座席の硬座や、運動部の合宿所のような硬臥などは、ちょっと…日本人には無理じゃないかな?と思われる。
それとも、今は綺麗になったのかな?

まあ、軟臥でも、ぐっすり眠れる、ってわけには行かないが。

妹が来月上海〜蘇州にいくので、ちょっと思い入れをしてしまった。

ISBN:4087461467 文庫 西村 京太郎 集英社 2007/04 ¥600 
京都名物(?)(笑)MKタクシーのハイヤー運転手さんが綴る京都探訪。

……そうなんだよね。
こういう人が、一番よく知っているんだ。
どこに何があるとか、どの道が空いているとか、そんな当たり前のことではなくて。

今、どこが花が満開か。
どこが一般公開しているか。
どこが……

と、旬の情報もりだくさん!
それはタクシー運転手さんが一番もっている情報なんである。

MKタクシー数十年のベテラン運転手、である著者が紹介するのは、春夏秋冬の京都の名所。
その名所もただ場所をならべるだけではなく、理由がはっきりしている。

人が少ないから。
京都情緒を味わえるから。
美味しいから。
…などなど、その理由がはっきりしている。

そして勿論だが、英語もOK!(MKの観光部門では、語学研修で英国へ行くそうだ)
歴史もOK!
そして雑談も勿論…たっくさんもっている。

そんな人が進める京都だ。
くどくどしいことは書いていない。
だが、京都が好きで、そこそこ自分で回れる人には、良いガイドブックに成るだろうな。
かくいう私も、「おっ」と思うところをいくつか、ドッグイヤーを作りましたから。

大切なのは、各人各様の"京都"がそれぞれ心の中にあるってこと。
だから強固に進めても、意に沿わない事だってある。
相手の好みを量りつつ意向に沿って、お薦めをする。
「あそこがいいから、絶対あそこにいきなさい!」
だの、
「なんであんなとこに?あんなところは行ってもしょうもない、やめとき!」
町中では、そんな言葉を時々耳にするけれど、おおきにお世話。
その人なりの"好き"があるってこと、尊重しなくては、と思うのだが…?

かといって、何も言わなけば、
「京都の人は教えてくれない」
「意地悪」
などと言われてしまう。

へー。
意地悪?
うちらは意地悪なんかしまへん、いけずしますねん、といちいち取り合ってもいられないので、聞かない振り(笑)

面倒くさいことでございますわぁ。

ISBN:4396314310 文庫 すげさわ かよ 祥伝社 2007/04 ¥600

白い兎が逃げる

2007年4月24日 読書
私の大好きな推理小説・有栖川氏の本。
勿論(?)(笑)友人からのレンタル本である。(威張っていうこっちゃないが)

短編集をいくつか集めたものだが、いろんなパターンがあって楽しめた。
表題作は、今流行(?)のストーカー犯罪。
しかしこれは、ストーカーしている方が殺害されるという逆を行く。
推理小説の面白さは、こういうところにもある。
ひっくり返してみると意外に面白い。
誰がそこに気がつくか。
コロンブスの卵である。
ふむ。

兎に似た女の子。
…って、なぁ。
…可愛らしい想像が出来ないんだけど。
どうしもあの前歯が気になるし。

劇団もよほどメジャーになるとかでないと、経営やメンバーなど、苦労も多いだろうな。
でも若いうちなら情熱で補えるか。
むかし好きだった劇団の多くの人が今はテレビに出ていてそこそこ売れているのだけど、それもなんだか不思議な感じがする。
劇団ってず〜っとそこで、劇場だけで芝居だけをして生きてゆく人、という固定観念があったんだろねぇ。

さてところで、このストーカーと言うヤツ。
必ずしも男が女を追いかける、とは決まってはいないが、圧倒的に女性の被害者が多いのも確か。
しかも、命を奪われる事態にまで悪化している。
どうしてこう、こらえ性がないのか。
思い込みやその他いろいろ、精神的に普通じゃないから、というのがこの犯罪の理由になるのか?
それが理由で罪を免じられるのか?
なるとしたら、それが不思議。
とっても不思議なのだ。

単にこらえ性がない。
我慢できない。

痴漢と一緒で、被害者から言わせれば、「死刑にしても飽き足らぬ」
そんな思いを少しはわかって欲しい。
わからんから、繰り返すんだろうけどね。

ISBN:4334741789 文庫 有栖川 有栖 光文社 2007/01/11 ¥680

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