癒しの葉 (8)

2006年7月18日 読書
随分以前に読みかけてリタイアしていた本を、友人がやっぱりレンタルしてくれまして…。
ありがたやー。

最後、こんな風に展開していたんだな、としみじみ。
必ずしも勧善懲悪ではなく、きっちりカタをつけるわけでもなく、「最後は自分で」がこの作者のモットー(笑)
今回もしっかりそうだった。

何かに誰かに希望を持ちたい、信じたい。
それは人間の本質だから。

この人の作品は、小道具も綺麗だし、ギャグもそこそこ這い居ているので気楽に読めるが、如何せん、キャラが細くて軽い(笑)
野太さがないのが玉に瑕といえば言えるかもなー。
そしてすごく描き込まれていて一番迫力あるのが闇の生物(妖魔とか自然霊とか)だもんなー(笑)
重心はもしかしてそっちか?

ISBN:404853288X コミック 紫堂 恭子 角川書店 2000/12 ¥546
海外遠征…じゃないか、公演ってことで、行ったのがアメリカ、NY。

演目は「恋重荷」だとかで、登場人物の"心"のありようにまたしても戸惑う主人公であった…。
能って、同じ題材を決まった"見方"と"解釈"で見るのではないらしい、と知る。
いやぁ〜この漫画は勉強になるよね。
私らは、知らないことの方が多すぎるよ、日本の古典芸能なのにさ!(笑)

人の気持ちを思いやれない、察してやれない(心の)未熟さ。
後になって知る、相手の心。
ひとつには想像力。
思いやりともいう……。

ツインタワーが存在するのに吃驚。(舞台は1999年当時だから)
そしてアメリカ人の心のありようも、きっと今とは違うだろう。それはちょっと哀しいけれど、新世紀になってから、人の心はどんどん荒んでいるように思えてならないから。

もうひとつは京都。
大田神社で杜若鑑賞…。
そこはとっても小さな池だけど、とってもたくさんの杜若が咲く。
数日前後するだけで見ごろを逸してしまうから、ドンピシャの日に当たるもの難しい…。

私は3回行って、1度大当たりでした(笑)
まあ…桜と一緒で、平日にヤマが来るとどうしようもないしなぁ〜。

ISBN:4592174445 コミック 成田 美名子 白泉社 2006/04/05 ¥410
6巻と7巻と、二つセットでお借りする。

…なんともいえない間が、相変わらず魅力だね、この漫画は。
人間の本音もさり気に突いてるし。

綺麗なだけが人気の原動力にはならない、という現在の漫画の傾向を表しているのかもしれない、と思った。

ああ〜私もなにかに思いっきり!感動したいよ〜!
きっと、元気もやる気も出てくると思うんだよね。
現代人にはなにがって、へんな栄養ドリンクより下手なストレッチより心のそこからわきあがるなにかが必要。

ISBN:406340451X コミック 二ノ宮 知子 講談社 2003/10/10 ¥410

変奏曲 1 〜3

2006年7月18日 読書
オーストリーはヴィレンツアカデミーに通う天才的音楽家 ウォルフガング・リヒターと、スペイン出身の魅力ある反逆児 エドアルド・ソルティー。
二人の若い頃からそれぞれの息子達の世代まで、一人の音楽評論家の目を通して語られる、音楽を愛するものたちの軌跡…。

というわけで。
随分と古くて懐かしい漫画だな〜。
レンタルありがとう。友よ♪

ここの端役で出てくるアメリカ人の実業家 アラン・マーチンは、「ウエディング・ライセンス」にも出てきた人物…だと思う。
ヤクザ稼業から足を洗って実業家に?

竹宮恵子の昔の漫画は、正統派少年漫画の主砲をたくさん用いているので、読んでいると石森正太郎(昔はこうだった、後に石ノ森と改称)の漫画などを思い出す。

そして、彼女が描いたウイーン少年合唱団シリーズは大好評を博し、違う漫画家が南ドイツのバイエルンの少年合掌団の話を描く先駆けにもなったのだった。
嗚呼なつかしー。


ISBN:4257915609 新書 竹宮 恵子 朝日ソノラマ 2000/00 ¥399
漫画はすいすい幾らでも読めてしまう…。
友人からレンタルさせてもらえる本がどさっと送られてきたので、一気に読み始めたのだった。

「ガンダム」
の一番最初の作品の…まあパロディ本。
今では「ファーストガンダム」とか言うらしいが、私にとっての「ガンダム」は後にも先にもこれひとつ。
(他のは馴染めなかったのと見向きもしなかったから)

…よく出来てます。
笑えます。
もうはるか昔のアニメーションなのに、われながらよく覚えていると驚く。
「ああ!そうそう!」
と相槌を打てる自分が怖い(笑)

冒頭漫画が「ナ・ンバ」だの「ン・メダ」だの…なんじゃいな、と思ったら大阪のお方でしたか…。

いや……よく描けてますよ(笑)


ISBN:4047136107 コミック 富野 由悠季 角川書店 2004/03 ¥609
「愛」で生きてる謎の鳥ー自称「不死鳥」のちゅん。

…が、ひょんなことからブラック・ちゅんとなって禍をなす!(笑)
自然霊(デイモン)がブラック(悪)になっちゃったらどうするんだよーと笑っている場合ではない。

ほのぼののなかにぴりりと辛い人間存在を考えさせる、作者のファンタジーワールドは今日も全開だ。

たとえば戦争の疵や、悩みや苦悩をもって苦しんでいても、世間は世界はどんどん進んでゆく。
進化といえばそれまでだけど。
苦しみもがく自分を置いて、置き去りにしてどこへゆこうというのかと、ついつい恨み・拗ね・八つ当たりをしたくもなる。

それで気が済めばまだマシなほうで、そんな不当な攻撃は、けっきょくは自分イ還ってくるものだから、また辛い思いをすることになる。
どこかで踏みとどまって正面向かって立ち向かうのは、正論であってもしんどいし辛い。

なんだかなぁ…人間っておろかよね、って笑って済ませられる段階をいい加減越えてきたね。

ほんと、しんどい時代だ。


ISBN:4048539221 コミック 紫堂 恭子 角川書店 2005/12/26 ¥546

パーム (28)

2006年7月17日 読書
わぁお〜久しぶり!

のパーム。もう28巻か…いい加減、長寿だよね、これって。

マイケル・ネガット。
そしてマフィアがらみのきな臭い事件。
"からみ"ではなく、今回はまさしくそのものが登場。

「マフィアとは縁を切りたいだけ」
というジェームズの本意は果たしてどこまで通じるのか?

相変わらずシャープで切れててぶっ飛んでいて、笑わせてくれる作品だった。

しかし〜いつの間にか犬が増えてるオーガス家。
こんなにいましたっけ?

ISBN:4403618251 コミック 獣木野生 新書館 2006/02 ¥557
冒頭いきなり。
海尉任官試験(昇進試験)でいぢめられている主人公に出会ってしまった。
かわいそうにのぅ…これぞ、まさしく、傷心試験?じゃな。

でも、心なしか試験官の艦長がやさしそうに思えるのは、ラミジだのボライソーだのフォックスだので、残酷で意地悪で容赦ない軍法会議の面々を見てきたからだろうか?

がんばれ!キッド!

…そして。
いっとき(いっぺん)に出るなよ、海洋冒険小説。

1年に一冊出るかでないかのくせしてさ。

ほんまにもったいない!
(出版社も考えてよ)

ISBN:4150411212 文庫 大森 洋子 早川書房 2006/07 ¥987
大団円を迎えた(今現在はという但し書きつきだが)下巻であった。

そっかー。
ドクターったら、この果報もん!

フランスの牢獄にまで追いかけてくるジョンソン氏の執念はすごい。
アメリカ人ならもっと陽気で元気であっさりさらさら…で居て欲しいものだけど(笑)

ダイアナ・ビリャーズとドクターではそんなんにも不釣合いか?
フランス人一同が「おお!」と内心声を上げる程に。
でもって、「(あれほどの美女がこんなしょぼくれた男を!)そんなはずがない!」と声に出して叫ぶほどに。
ドクター…喜んでいいんだか、悲しんだ方がいいんだか、分からんなぁ。

そしてどこまでもどこにいても元気溌剌諦めるということを知らないないわれらがオーブリー!
さすがだ!
格好いいぞ!

脇役が魅力的!
なのがこのシリーズの特徴らしいが、まさしくその通り。
ドクター以上に天然なヤギエロ(彼が騎兵隊将校だということをすぐ忘れる)や、ひとくせふたくせみくせありそうなフランス人たちや…。
これからの楽しみがどんどん加速していく。

後書きには表紙絵の解説まであり。
後ろで背景の一部と化している人物はどうやら、ドクターか…?
そういうお遊びもあり。
面白いねー。
次回に期待も持てるねー。
難問雑問かかえたままで、一行(艦長&ドクター…最近セットだね)はバルト海へ。

ドクター…の苦悩は続くよ、どこまでも。
この人は本当に"間が悪い"としか言いようがない。

艦長はしっかり"身から出たさび"にモンモンとしている。

二人そろってそんなこんなの世間の苦悩から船出して、やってきました北の海。

戦争中だというのに、珍しい鳥の群を追い払った敵の砲弾に文句をつけるドクター…嗚呼、その天然ボケ具合がとっても心安まります。
「なんて野蛮な連中だ」
「鳥たちに当たるかもしれなかったのに。デンマーク人というのは…(中略)…ハムレットの母親を見たまえ。彼女の行動が非難を呼ばないのは実に不思議だ」

……相当混乱してますな、ドクター。

ISBN:4150411204 文庫 高沢 次郎 早川書房 2006/06 ¥777
最終巻!
帝都で蜂起した男達。
さんざん虐げられた彼らが、初めて女達に武器を振り上げたのだ。
流石のヴァルキュリアスたちもこの混乱の中では後手後手に回らざるを得なかった。
その中で、姿を消した女王・リーリアは、地位と命とすべてをかけてコロシアムの英雄に挑む!

…と書くと、なんだかすごい緊迫した状況みたいだ(いや、緊迫しているんだけど)

女が支配する、女が賢く強い世界。

……うらやまし。

そんな世界でラブロマンス…さあその行方は?

"コロシアムの英雄"とまで言われるほどになった主人公・ルカ。もはや単なるか弱い女子高生ではないのだからして……
現実世界に帰ったら、女子プロレスかスタントマンか(昔ならジャック=ジャパン・アクション・クラブもあったが…)そーゆーところに引く手数多だろうなぁ…

とりあえず、無敵の女子高生であることは、間違いない。
なにしろ、恐竜も、ばっさばっさとやっつけてたし。

なにわともあれ。
ネストラさまが無事でよかったー(笑)
ラストが笑えるけど。

ISBN:4253192637 コミック さちみ りほ 秋田書店 2006/07/14 ¥410
ひっさしぶりね♪ジャック〜♪

オーブリー艦長が帰ってきた!
アメリカから!
(そういや捕虜になってたよな、そういやドクターと脱走したんだったよな)

よれよれのシャノン号とともにハリファックス港に姿を現した二人の男。
問題のダイアナも一緒だ…ああそうでした、そうでした。

序に、大作家が描けば少々の歴史的錯誤(時代が合わないとか考証ができていないとか)は看過されるのに、私らのような若輩者の作家が描けば「間違っている!」と鋭い指摘が飛んでくるとはこれいかに…
今回も、歴史事実とはちょっぴり違う描写もあるが、それは物語上なんら影響はないから…云々…と苦しい言い訳がされている。
P・オブライエンともあろう人が…!
彼ほどの作家であってもそんな小さなことにどきどきしなくてはならないのか。
え〜やんか〜。
とさらりと流してはダメなのか。

やーねー、歴史マニアって(笑)

とりあえず、ドクターの幸せを祈りつつ読み始め。

ISBN:4150411190 文庫 高沢 次郎 早川書房 2006/06 ¥777

QED 竹取伝説

2006年7月13日 読書
怪しい薬剤師、祟…。(しかも漢方だし)(笑)

……の、日本昔話は今度は「かぐや姫」と相成った。(まだ読み始めだけど)

東京のず〜っと端っこの辺境の村(ごめん)。
次から次へ不審な事故死が続く道路。

「竹がひかったんだよ〜」
と被害者が訴える。
(そして絶命する)

竹が光れば、かぐや姫か、大判小判がざっくざっく〜♪    だよねぇ?

笹姫さまの祟りじゃ〜と大昔のパロディを思い出して一人ほくそえんでしまった私だが、事態はシビアに展開する。

かぐや姫=宇宙人説はよく聞くが、かぐや姫=鬼説はなかなか新鮮で興味深い。

"貴族"というごくごく僅かな数の異星人(!)に乗っ取られた日本の古代王朝。
彼らは"庶民"や"鬼"といった原住民(そしてまごうことなく私らの祖先はこっちだろう)をだまし、互いに争わせることによって支配する……。

きゃ〜コワイ!(笑)

そんな歴史を想像するほうが、下手な推理小説よりよっぽど怖いと思いません?

そして謎の事故多発地帯(道路)
笹姫さまは結婚に失敗して返されたため、熱々のカップルは特に狙われる…って、それはちと、現実的というか、即物的というか、興が冷めるというか……。
ううむ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(追記)
この物語の中には、「いなばの白兎」の話もでてくる。
その解釈の仕方が斬新で、でも言われれば、あ!そうか!ということなんだけど、兎にだまされ怒ってその皮をはぐのがワニ…山陰(出雲)では"鮫"のことなんだよーと聞いて育ったワタクシ。
ところが!新聞に出てました!
ワニってのは、鮫じゃない。
鯛や平目のことらしい……。
じゃ、じゃあ鯛や平目に皮をはがれた兎っていうのは……?!
先生!?
私すっごく疑問なんですけど!それ!(7月20日)

ISBN:4062753472 文庫 高田 崇史 講談社 2006/03/15 ¥800

寝ずの番

2006年7月11日 読書
最近あとから振り返って書いてばかりだ…。

つい最近、映画でやってましたね。
マイナーな映画館でしか上映しなかったのが残念で、やりくりもつかず気持ちも盛り上がらぬままに終わってしまった映画の原作本。
あの、中島らも氏の、お笑い+ちょっとエッチな短編である。

噺家の一門…の、まず大師匠がなくなり、その通夜の席でおおいに盛り上がる(?)話。
だいたい通夜と言うのは肉親や近しい人たちが寝ずの番をするものとなっている。
なんの番をするか?
常識だから言わずもがな、と思いつつ…すなわち、お線香の番。

新仏さんは、お線香の煙に導かれて極楽浄土へ向かうのだ。
だから、それが消えると…とんでもないことに!?

仏さんが極楽浄土にいけるようにと、肉親が、一晩中、消えないようにするわけだ。
な〜んだ、簡単やん!と思うのはあかさたな、もとえ、あさはかさ。
今のように一晩もつ巻型線香とかなかったんだよ、むかしはね。
だから"消えちゃいないか""まだ大丈夫か"としょっちゅうお線香を見なきゃならない。
寝られるわけが……ないわな。

で、大師匠の御通夜。
しんみりとして故人の思い出を語る弟子達…が、いつのまにやら盛り上がるわ盛り上がるわ。

とうとう故人を引っ張り出して…。

とこれが(?)。
その後に続いて、兄弟子、師匠の奥さん("姐さん"と呼ぶ)が続いて亡くなり、そのお通夜に集まった同じ顔ぶれが、またまた……。

てなわけで、落語のような寝ずの番と相成りました。

短編集なので、ほかにもいくつか短編が入っている。
エッセイも入っている。
"わかぎえふ氏"もここには出てくる。
彼女は、中島らも氏が結成した劇団・リリパット・アーミーの主要メンバーなんだよね。
私は彼女の書くエッセイが大好きなんである。
特に"大阪"をとっても意識したエッセイが。

なーるほど。
彼女は脚本も書いているのだ。
そうかそうかと納得。

ところで、エッセイの中にある人の虚をつく「ポッカーーン」……私の時代にはない文化だった。
子供の間で流行った遊びだと言うのだけどね。
(急いでいる友達などを、さも急用があるかのように呼び止めて、"ポッカーーン"とおどけるらしい)

「おもひでぽろぽろ」の映画がそうだった。
あの、40年代の初めの頃の話…わずか2、3年の時差で、あの映画の中の言動が「そうそう!凄く分かるよ!」と「なんだ、さっぱりわけがわからない」に分かれるのだ。
ピンポイント攻撃みたいなもんだね。
ちょっとずれると天国と地獄…?
でも万人向けじゃないし、なにを言わんとしているのか、非情に難しい捉えにくい映画でもあった。

とりあえず。
わずか数年や数ヶ月の寿命しかないものに自分の人生が重なっていることに意義を、喜びを感じ…るかなぁ(笑)

7月26日は、著者の3回忌である。

ISBN:4062732793 文庫 中島 らも 講談社 2001/10 ¥520

ドイツの日本人

2006年7月10日 読書
ライン川で。

ワイマールで。

いきなりいっせいに起立し、「ローレライ」を唄う。
程よくワインが回った頃、感極まって唄いだす「歓喜に寄す」の歌」を。

ローレライの岩を見上げる観光船で、ゲーテやシラー(第九の「歓喜に寄す」の作詞者)の旧蹟の多いワイマールのレストランで、大いに驚かれているのはわが同胞たちの所業であった。(笑)

正確なドイツ語なので、感激して話しかけたら「にこにこ笑うだけで、多分ドイツ語が分からないのだろうと思いました」のだそうだ。

そうだよねー。
特に第九。
好きだよねー日本人は。

勢いがつくというか……威勢が良いと言うか。
ノリがいいのかな?

発音等。誉めてもらっているようなので、やはり外国語は歌で覚えるのが一番かも、と思った次第である。
いいお値段だしどうしようかなー?と思ったのだが、写真がカラーで美味しい♪
おまけに私は(自分がいけなくても)旅行記とか時刻表とかホテル紹介とかそういった本を読むのが大好きと来ている!

今年はドイツでサッカーのワールドカップが開かれているので、多分ドイツ関連の本が目白押しで出るだろう…とは思っていたのだが。
思ったとおり、こういう副産物もあるのが嬉しい。

猫城…は日本人が所有しているとかなんとか?
聞いたようにも思うが、どうなんだろう。
世界遺産にしていされたために、外部から見えるところに改築や変更は許されず、今人間が住むには非情に住みにくいのだ、ときいた。
どうしても、ということで必要最低限の施設(電気とか水道とか居住空間の最低ラインのもの)はあるようだが…こういうホテルに夢を見て泊まりに行ったとしても、とんでもなく不便でしんどくて辛いだけかも。
だから、「ドリーム」に入り込んで、今の(特に日本の)生活の便利さを忘れ去って、「今は中世よ!中世なのよ!私は中世のドイツに住む人間なの!」ぐらい思い込みの世界で入っていかないと辛いのでは…?
と思うことしきり。
もっとも、本によると、宿泊施設は他所に建てて、快適なホテル生活が出来るように考えてあるところもある様子。
どうしても、古来の城砦部分に泊まりたい人はそちらに用意した部屋に早々に予約してとることになるらしい。
あれだけひろいお城で、部屋が少ない?と思うけど、それぐらい、居住には適していない施設だってこと。
だから、「ホテルの部屋」として用意できないんだそうだ。

まあ、今の日本に残存しているお城の天守閣に、手を加えずに一晩泊まってごらんというようなものかな。
まずトイレ…遠すぎるよ…。
冬場だったら寒風吹きすさぶだろうし。

ISBN:4047100498 新書 谷 克二 角川書店 2006/06 ¥880
精神科のお医者さんが著者である。
なにを書いているかといえば……

患者さんとしてきた人々の症例を、勿論許可を取って匿名で書き記し、広く一般の人たちでまだ精神科のお世話になってはいないけどぎりぎり踏みとどまっていそうな(笑)私とか(笑)あなたとかのために書き記している。

まあ精神科といっても、昔の悪いイメージではなくて、カウンセリングみたいなもの。
現在ではさほど偏見の目で見られることは少なくなったからまし。

シビアな社会はますます競争性をまして、とくに"男による"弱肉強食の社会の"男のための"ルールで"男たちと"闘ってゆかねばならない女性にとっては、特に身につまされるものがある。
だから、精神科に掛かる人も多くなってきているのは事実。

さて、では精神科ではどういうことをしているか…なんてことは実際には分からないでしょ?
その一例がこの著者のやり方。

患者さんは、精神科のドクターに「原因を教えてもらいに」来るわけではない。
すべて教えてもらう、やってもらうと、なにからなにまで頼っていては、それはなんの解決にもならない。
「そうかなぁ?」と」疑問に思いつつ無理やり納得する(自分をだます)ことになりかねない。

そして、同様の問題が起こったときに、「教えてもらった答えがまちがっていた」「医者がまちがっていた」ということで終わってしまう。
本当に根本から問題を見つけて治していくのなら、「自分で見つける」「自分で気がつく」ように、導いてあげないとダメ。
自分で見つけてこそ、悩みは、問題は払拭される。

…ということです。

昔々…で始まる物語は世界万国共通。
だから、外国の人が間者としてやってきても社会環境や考え方が少々違っていてもアドバイスは出来る。
「ものがたり」は、患者さんが自分の問題を見つけ出すための「鏡」である。

赤ずきんはおばあさんにワインやケーキを届けに行く。
赤ずきんは「愛を与えるもの」である。
森の狼は「愛に飢えている」ものであり、「愛を欲しがるもの」である。
だから、与えるものである赤ずきんをすぐには食べず、「愛を与えられるもの」であるおばあさんを先に喰ってしまう。
そして赤ずきん(=愛)を待つが、愛を手にすることは到底不可能であり、果ては赤ずきんを喰ってしまう……

7匹の子山羊も同じ。
狼は、愛を与えられている子山羊たちに嫉妬し、彼等を喰い、「愛の与え手」である母山羊を待つのである。
…おなかを裂かれて石を入れられて見度に落っこちて死んでしまうけど。

どういう話をしていると、次第に患者は気がつくのだそうだ。
「これって、私ですよね」と。

ほかには、一寸法師が両親の元を離れて旅に出るときにきびだんごではなく「御碗の船に箸の櫂」を貰ってでかけた…のは、人間としての自立を示している。
なぜなら、自立するってことは、自分の力で食べること。
御碗と箸がその象徴であるから、と。
面白いねー。
&侮れないなーむかしばなし!

いろいろな御伽噺に寄せて、さまざまな症例が書かれている。
また、症例だけではなく、なぜにそういえるかと著者が説明している。
値段に見合って、薄い一冊であるが、中身は熟読に値する。
"読める本"である。

心理学…って難しいけれど、こういう風に書かれていると、とても親しみやすく興味がわく。

しかし、精神的に痛め付けられそれを癒す方法も機会も場所もなかなか得にくくなってきた。
現代社会、今の日本は(日本だけではないかもしれないが)ほんに住みずらいよな。

ISBN:4101160813 文庫 大平 健 新潮社 2004/08 ¥380
うっひゃぁ〜最後まで一緒だったか、この表紙は!

…楽しくない。
あれだけ暗号を解きまくり推理しまくりで楽しいストーリーだったのだから、なにか仕掛けを施すぐらいのサービスは欲しかったが。

とりあえず、怒涛のように最終巻突入。
ラストはどうだろう。
細かい描写とか、違っているのかな?
日付変更を迎えた今、わくわくしながら読み始め。


…………………………………………

8日の午前中に読了。
一気に読んだ。

世界中で大嵐を巻き起こし、カソリックの反発を受けながら上映禁止を訴えながらも人々が押し寄せて見るわけだ。

この映画を。
この本を。

ラスト周辺は原作と映画では変更してある。
差しさわりのない程度の変更だが、これは、映画が視覚的に許容しやすい設定に修正を加えただけのことだと思う。

文章で読めばすんなり入ってくる事柄も、実際に映像で一瞬のうちに通り過ぎるとなると、「え?」「え?」ということいなりかねないからだろう。

かつて、日本中で大ヒットした本で「創世の守護神」という本がある。
著者は、グラハム・ハンコック氏。

彼の場合、やはり歴史的"史実"とされるものに検証を加え続け、その対象はエジプト。
対象物は、ピラミッドとスフィンクス。
天体の動きや、当時の天文学や自然科学などさまざまな角度から考察し、真実に迫る。
そのひとつひとつの見方・考察解析のさまがとっても楽しくて、天文学の、まさしく天文学的な数字の式がどうなっているのかは理解の外であったにもかかわらず、夢中になって読んだものである。
彼は所謂"アーク"(H・フォードの映画でおなじみ♪)についても探索し検証し推定していた。

この本も、今回の「ダ・ヴィンチ・コード」程ではないが、世界中のエジプト学者を怒らせていろいろ嫌がらせにもあい、各地で冷笑されるか無視されるかという不遇に遭ったという。

…が、そんな中で、ただひとつ、国民的に大うけした国があった。
著者はその国民のために、わざわざあいさつ文を書き起こしたほどだ。

言わんでも分かるだろう。

日本である。

……好きなんだよね、日本人って。こういうの。

実はチンギス・ハーンは義経だったとか。
光秀は生き延びて徳川幕府の影のブレインになっていたとか。

好きなんだよ………好きなんだから、しょーがないやん!(笑)
私も好きだよ!勿論!

…てなわけで、「ダ・ヴィンチ・コード」の関連本にも手を出そうかなー♪と考えている現在です。
(高くつきそうだが…)

ISBN:4042955053 文庫 越前 敏弥 角川書店 2006/03/10 ¥580
ああ顔が…
表紙の顔が…一緒なのか。上・中・下と並べて嬉しいか?なんか芸がないなぁ。

ルーブルを脱出した二人連れ。
あだな道行き(笑)は鉄壁を誇るスイス系銀行からヴェルサイユ近郊の文化財的城館へ。

暢気で豊かな英国貴族が執事塗布チャリで住むという……

英国人曰く、正しいお金の儲け方(=「遺産」)で悠々自適な英国貴族は、文化財的城館に済むがゆえに莫大な税金を収奪されているのでありました(笑)

払えるからいいやん。
うらやまし。

この物語の関しては、映画の後に本を読むべきだと気がついたのは上巻を読み出してすぐのこと。
詳細な説明はやはり本に一歩も二歩も譲らねばならない。
また、映像では一瞬で、確認できなくても先に進む。
一方、本なら理解できるまで何度も読み直すことも可能だ。

ただし!
本を読んだら映画は不要!とは思えない。
いいや、絶対思えない。

あの映像を見ないでどうする?

過去の亡霊とクロスするあの体験を、フランスと英国の自然、教会の建築や装飾、美しく差し込む光の色…などなど、それを見るだけでも随分価値がある。

オプス・ディは、実在の組織。

怒るのは…わかるよ。
まあね。
でもまぁまぁ…大人気ないことはやめて(笑)

「事実を述べるのは悪口ではない」

っていうじゃない?



ISBN:4042955045 文庫 越前 敏弥 角川書店 2006/03/10 ¥580
噂の一冊をげっと〜♪
といっても借りたんだけど。会社の同僚に。

この表紙が平積みになって見えてない本屋はないほどだったな。
一時は。

話によると、「(本を)読んでから(映画を)観ると、がっかりした」人が多いらしい。
ホンマ?

私は映画を観てから…だから、本は楽しみだった。
まァ大抵、映画だのアニメだので知って、最後に本に行き着くパターンだから、自然にそうなったんだけど、そのほうが正解だったってこと?
これは個人のスタンスで、正解も誤りもないとは思うのだけど…。
どっちがどう、とはどんな原作つき映画(または、映画つき原作)でも言われることだ。

結局ね。内容が詰り過ぎているからでは?
映画で映像で一瞬で見せられる(=過ぎ去られる)と「あれ?これで終わり?」とかおもうのでは?
私は原作を知らないのと、どんどん謎解きが深みに嵌まってゆくので目も気もそらせられないので必死で観て、考えていたから、映画はとっても面白かったな。

とりあえず。
ウキウキしながら読み始め。

ルーヴルには行かなかったけど、周辺地図に、行ったところが載っているのが、また、映画で登場人物がそのあたりをウロウロしているのを観るのがとっても楽しかった。
アンバリッドも楽しかったのに…お墓もあったのに…今回はおよびでないのね、残念。
(ちなみに、あんなところにアメリカ大使館があったのね?…とは思ったけど)

ISBN:4042955037 文庫 越前 敏弥 角川書店 2006/03/10 ¥580

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