山田章博 『十二国記』ポストカードブック
2006年9月17日 読書
ぜ〜んぶ、ひとさまにお借りして読んだ作品だったので、気に入ったイラストはどうしようか、どうして入手しようか…と思っていた。
そーそーこういうのが出れば問題ないわけだ。
大体表紙が多いけど(当たり前だ)筆、というより割り箸の先で引っかいたような墨絵のようなイラストが好きだ。
解説によると、対象年齢を考えると重すぎる内容の小説だったようで、成る程そうなるとイラストレーターの腕にかかってくる、ってことも大きいのだろうなぁと思った。
とりあえず、楽俊が可愛い♪
ISBN:4062559110 文庫 山田 章博 講談社 2006/09/02 ¥630
そーそーこういうのが出れば問題ないわけだ。
大体表紙が多いけど(当たり前だ)筆、というより割り箸の先で引っかいたような墨絵のようなイラストが好きだ。
解説によると、対象年齢を考えると重すぎる内容の小説だったようで、成る程そうなるとイラストレーターの腕にかかってくる、ってことも大きいのだろうなぁと思った。
とりあえず、楽俊が可愛い♪
ISBN:4062559110 文庫 山田 章博 講談社 2006/09/02 ¥630
世界の日本人ジョーク集
2006年9月17日 読書
こういう本はいい。
読み易いのと、笑って終われるのと。
…まあ、考えるべき背景もあるのはあるのだけどね。
それは個々人の自由だし。
日本人をねたに、世界でここまでジョークが存在するとは思わなかった。
けなされようと笑われようと、これは世界人として、また特徴ある民族として広範囲に認めてもらっているってこと?
それはそれでいいことじゃないかな?
と思うのだけど。私は。
世の中が変わり、勢力範囲(経済的な)も変化し、それによってちゃあんとジョークも変化してゆく…生きている、こういうものは人間世界の終末まで生きているだろう。
オモシロカッタデス。
ISBN:4121502027 新書 早坂 隆 中央公論新社 2006/01 ¥798
読み易いのと、笑って終われるのと。
…まあ、考えるべき背景もあるのはあるのだけどね。
それは個々人の自由だし。
日本人をねたに、世界でここまでジョークが存在するとは思わなかった。
けなされようと笑われようと、これは世界人として、また特徴ある民族として広範囲に認めてもらっているってこと?
それはそれでいいことじゃないかな?
と思うのだけど。私は。
世の中が変わり、勢力範囲(経済的な)も変化し、それによってちゃあんとジョークも変化してゆく…生きている、こういうものは人間世界の終末まで生きているだろう。
オモシロカッタデス。
ISBN:4121502027 新書 早坂 隆 中央公論新社 2006/01 ¥798
ラミジ艦長物語 1 (1)
2006年9月17日 読書
とりあえず。
苦しみ紛れの気晴らしになるものを、と考えて手に取った古い本。
大好きな小説だから大丈夫、と思ったのだ、が。
ニコラス・ラミジ君が、政敵の嫌がらせや妨害に負けず、「命令の拡大解釈」と「無茶苦茶強い幸運の女神」を引き連れて、どんどん出世(?)してゆく海洋冒険物語だ。
ああ、前世紀は盛り上がったなー海洋冒険小説も。
何もかも、なつかしい……。
しかし、こいつはけっこー不向きだったことが判明。
むかつきでキモチワルイのに理屈っぽいっつうか、独り言が多すぎるのと策略を弄しすぎるのとでダメだ。
元気なときならわくわくどきどきで面白いのが、体調の悪いとくきは単純明快で気楽に進む方がうんと良いとわかった。
しかし、ボルテラ女公爵・ジアナの溌剌とした元気さが慰めに。
彼女、まだ17歳だったのか〜。
う〜ん。
それに、もはやネルソンは当然として、やたらホーンブロワーの名前が…。
ホイストをやらされたとか数学(海軍では必須)でしごかれたとか。
さすが、フォレスターは大御所だね!
ISBN:479530050X 単行本 田中 航 至誠堂 1980/01 ¥1,377
苦しみ紛れの気晴らしになるものを、と考えて手に取った古い本。
大好きな小説だから大丈夫、と思ったのだ、が。
ニコラス・ラミジ君が、政敵の嫌がらせや妨害に負けず、「命令の拡大解釈」と「無茶苦茶強い幸運の女神」を引き連れて、どんどん出世(?)してゆく海洋冒険物語だ。
ああ、前世紀は盛り上がったなー海洋冒険小説も。
何もかも、なつかしい……。
しかし、こいつはけっこー不向きだったことが判明。
むかつきでキモチワルイのに理屈っぽいっつうか、独り言が多すぎるのと策略を弄しすぎるのとでダメだ。
元気なときならわくわくどきどきで面白いのが、体調の悪いとくきは単純明快で気楽に進む方がうんと良いとわかった。
しかし、ボルテラ女公爵・ジアナの溌剌とした元気さが慰めに。
彼女、まだ17歳だったのか〜。
う〜ん。
それに、もはやネルソンは当然として、やたらホーンブロワーの名前が…。
ホイストをやらされたとか数学(海軍では必須)でしごかれたとか。
さすが、フォレスターは大御所だね!
ISBN:479530050X 単行本 田中 航 至誠堂 1980/01 ¥1,377
読む本が切れてきたので、古い本をひと〜つふた〜つと引っ張り出しては読んでいる…。
さて、これは、翠湖シリーズの第一弾。
「雲を殺した男」の前の話になるが、それぞれ独立しているので気にせず楽しめる。
翠湖への"水乞い"の儀式がどのように行われるか。
人が自分の足で歩きとおし、その意思の強さを表わせば"河伯"はその意を汲んで水を与えるー河を通じ水を流してくれる。
その水を巡って周辺諸国が争い、人の愛憎が繰り返される。
この作者の描くものは、表面からは想像も付かない人間の心の奥深く、屈折した思いと後悔と、というのが多くて、時々しんどくなることもあるのだが。
ところどころのギャグがそれを救ってくれているハズ(笑)
ま、そんなわけで、本誌には人間模様を描くストーリーが3編収められている。
一番最初、つまり翠湖の物語を通して登場するエンとスリジャの出会いの物語は、衣裳や髪型は漢時代…ところが、その後はすっかり清朝風。
あまり細かく考証はしません、というのが作者の言だし、所詮はファンタジーだから、とは思いつつも、私の好みからいくとちょっと残念。
女性の頭とか…面倒くさかったんだろうか?
ISBN:483426162X コミック 今 市子 集英社 2002/05/24 ¥720
さて、これは、翠湖シリーズの第一弾。
「雲を殺した男」の前の話になるが、それぞれ独立しているので気にせず楽しめる。
翠湖への"水乞い"の儀式がどのように行われるか。
人が自分の足で歩きとおし、その意思の強さを表わせば"河伯"はその意を汲んで水を与えるー河を通じ水を流してくれる。
その水を巡って周辺諸国が争い、人の愛憎が繰り返される。
この作者の描くものは、表面からは想像も付かない人間の心の奥深く、屈折した思いと後悔と、というのが多くて、時々しんどくなることもあるのだが。
ところどころのギャグがそれを救ってくれているハズ(笑)
ま、そんなわけで、本誌には人間模様を描くストーリーが3編収められている。
一番最初、つまり翠湖の物語を通して登場するエンとスリジャの出会いの物語は、衣裳や髪型は漢時代…ところが、その後はすっかり清朝風。
あまり細かく考証はしません、というのが作者の言だし、所詮はファンタジーだから、とは思いつつも、私の好みからいくとちょっと残念。
女性の頭とか…面倒くさかったんだろうか?
ISBN:483426162X コミック 今 市子 集英社 2002/05/24 ¥720
シャーロック・ホームズの冒険
2006年9月12日 読書
表紙と発刊月日(1982年・第5版)と値段(¥430−)
が違うけれど、内容(収められている短編)と翻訳者が一致しているので、レビューはこれに決めた。
それにしても、さすが人気シリーズだけあって、翻訳者も出版社もたくさんある。
ホームズファンが胸に甘酸っぱい思いを抱くであろう事件「ボヘミアの醜聞」は改めて読んでみれば、いかにこの王様が身勝手であるかよく分かる。
…おもわず、おい!もんです。
実のところ、アイリーネ・アドラーは意外や女性ファンも多いのだ。(私も)
王様はともかく天下のシャーロック・ホームズを相手に堂々と"舞台"に登場し、見事主役を務めて鮮やかに退場したからではないだろうか。
ヴィクトリアンな漫画「エマ」の作者である森薫氏のお薦め作品でもある。
ISBN:4488101011 文庫 阿部 知二 東京創元社 1960/07 ¥672
が違うけれど、内容(収められている短編)と翻訳者が一致しているので、レビューはこれに決めた。
それにしても、さすが人気シリーズだけあって、翻訳者も出版社もたくさんある。
ホームズファンが胸に甘酸っぱい思いを抱くであろう事件「ボヘミアの醜聞」は改めて読んでみれば、いかにこの王様が身勝手であるかよく分かる。
きっとあっぱれな王妃になっただろうに!私とつり合いが取れなかったのが、かえすがえすも残念である
…おもわず、おい!もんです。
実のところ、アイリーネ・アドラーは意外や女性ファンも多いのだ。(私も)
王様はともかく天下のシャーロック・ホームズを相手に堂々と"舞台"に登場し、見事主役を務めて鮮やかに退場したからではないだろうか。
ヴィクトリアンな漫画「エマ」の作者である森薫氏のお薦め作品でもある。
ISBN:4488101011 文庫 阿部 知二 東京創元社 1960/07 ¥672
"スイカズラ荘"改め"Grace and favor(グレース&フェイヴァー)荘"。
ロバートとリリーの兄妹が相続して住む、田舎の大邸宅…は、ほかに3人(弁護士夫婦とメイド)を入れてたった5人の住人が住むばかり。
彼らにこの遺産を残した大伯父さんのホレーショー・ブルースター氏の奇妙な条件。
それが、このGrace and favorの由来である。
というのは、グレース&フェイヴァーとは【王室終身貸与権】のこと。
その内容は、王様が臣下にたいする褒美として、一代に限り終身(死ぬまで)王様所有の領地や屋敷などを貸しましょう…というもの。
この場合、ロバートとリリーの具体的な相続条件としては、
?10年間、ここに住むこと。
?1年の内、2ヶ月を越えて屋敷を出てはならない。
そして何より困りものなのは、大貧乏な二人への「お小遣い」は一銭もない、ということ。
認められているのは、屋敷の修理など、管財人(弁護士のプリニー氏のこと)が必要経費と判断しただけなので、つまり、衣・食は自分で面倒を見なくてはならないのだった。
もちろん、10年無事に済めば(管財人がOKと認めれば)すべての財産は丸々二人のものになるんだけど。
10年…それまで、どうやって生きるわけ?
これって、遺産相続っていうの〜?
大伯父さまとしては、単に財産を譲渡する、というのは気に喰わなかったご様子。
自分達で"生活する"手段を持たない者には、コイン一枚渡す気はなかった、というのが本当のところだろう。
ま、もともと億万長者の子供として生まれて贅沢三昧をしてきた兄妹ですから…いかに今大貧乏をしている(探偵社に調べさせていたという)とはいえ、簡単に遺産を渡すつもりにはならなかったんだろうね。
分からなくはない。
だけどしかし、単に、世話のかかる屋敷だけを貰ったような…ああでも、世間様はそうは見ない。
こんな大きな邸宅に住む人は、有閑(金と暇を持て余している)階級だと決め付けている。
また、それをわざわざ否定してまわるのも、ちょっとねぇ…。
二人の苦難は続く…。
で、賢いリリーは考えた。
?下宿人をおく
?金持ち時代の友人(今も金持ち)を招待して、有料のパーティを開く。
とりあえず…?の方法でやってみよう!と話は決まり、有閑クラスの興味を惹くようなゲストをご招待しようと動き出した。
数うちゃ当るではないけれど、一人の有名作家が快諾の返事をよこし、それに釣られた友人達が続々とグレース&フェイヴァー荘へとやってくる……はいいんだけれど、またしても(!)そこで殺人事件が!
犯人が見つからなければ、容疑者(ゲストたち)はグレース&フェイヴァー荘に滞在し続けなければいけない。
犯人の解明も大切だけど、「滞在が伸びれば、(食費とかいろいろで、会費をオーバーするから)利益が出ない!」と内心焦るリリーがいとおしい(笑)
犯人に殺されかけ、昏倒して見つかった友人の医療費を「本人が払いますから」と即答するロバートが可愛らしい。
行方不明者のにおいを辿るよりも、疲れて悩めるご主人(リリー)よりも、台所で残り物をゲットするのに夢中なアガサ(飼い犬・♀)が……。
いいバランスです。
でっかいお屋敷を相続したはいいけれど、維持費と生活費をどうするか、どうやって稼ぐか。
それが最大の問題であった英国の貴族の方々。
それとおんなじ状況かなぁと思うのですが。
…とりあえず、下宿人ひとり、げーっと♪
で、よかったね。
PS,色白&黒髪のおにーちゃん・ロバート。
表紙絵はどうみても金髪なんですけど……。いいんですか?いいんですね?(ささやかな疑問)
ISBN:4488275109 文庫 戸田 早紀 東京創元社 2004/02 ¥798
ロバートとリリーの兄妹が相続して住む、田舎の大邸宅…は、ほかに3人(弁護士夫婦とメイド)を入れてたった5人の住人が住むばかり。
彼らにこの遺産を残した大伯父さんのホレーショー・ブルースター氏の奇妙な条件。
それが、このGrace and favorの由来である。
というのは、グレース&フェイヴァーとは【王室終身貸与権】のこと。
その内容は、王様が臣下にたいする褒美として、一代に限り終身(死ぬまで)王様所有の領地や屋敷などを貸しましょう…というもの。
この場合、ロバートとリリーの具体的な相続条件としては、
?10年間、ここに住むこと。
?1年の内、2ヶ月を越えて屋敷を出てはならない。
そして何より困りものなのは、大貧乏な二人への「お小遣い」は一銭もない、ということ。
認められているのは、屋敷の修理など、管財人(弁護士のプリニー氏のこと)が必要経費と判断しただけなので、つまり、衣・食は自分で面倒を見なくてはならないのだった。
もちろん、10年無事に済めば(管財人がOKと認めれば)すべての財産は丸々二人のものになるんだけど。
10年…それまで、どうやって生きるわけ?
これって、遺産相続っていうの〜?
大伯父さまとしては、単に財産を譲渡する、というのは気に喰わなかったご様子。
自分達で"生活する"手段を持たない者には、コイン一枚渡す気はなかった、というのが本当のところだろう。
ま、もともと億万長者の子供として生まれて贅沢三昧をしてきた兄妹ですから…いかに今大貧乏をしている(探偵社に調べさせていたという)とはいえ、簡単に遺産を渡すつもりにはならなかったんだろうね。
分からなくはない。
だけどしかし、単に、世話のかかる屋敷だけを貰ったような…ああでも、世間様はそうは見ない。
こんな大きな邸宅に住む人は、有閑(金と暇を持て余している)階級だと決め付けている。
また、それをわざわざ否定してまわるのも、ちょっとねぇ…。
二人の苦難は続く…。
で、賢いリリーは考えた。
?下宿人をおく
?金持ち時代の友人(今も金持ち)を招待して、有料のパーティを開く。
とりあえず…?の方法でやってみよう!と話は決まり、有閑クラスの興味を惹くようなゲストをご招待しようと動き出した。
数うちゃ当るではないけれど、一人の有名作家が快諾の返事をよこし、それに釣られた友人達が続々とグレース&フェイヴァー荘へとやってくる……はいいんだけれど、またしても(!)そこで殺人事件が!
犯人が見つからなければ、容疑者(ゲストたち)はグレース&フェイヴァー荘に滞在し続けなければいけない。
犯人の解明も大切だけど、「滞在が伸びれば、(食費とかいろいろで、会費をオーバーするから)利益が出ない!」と内心焦るリリーがいとおしい(笑)
犯人に殺されかけ、昏倒して見つかった友人の医療費を「本人が払いますから」と即答するロバートが可愛らしい。
行方不明者のにおいを辿るよりも、疲れて悩めるご主人(リリー)よりも、台所で残り物をゲットするのに夢中なアガサ(飼い犬・♀)が……。
いいバランスです。
でっかいお屋敷を相続したはいいけれど、維持費と生活費をどうするか、どうやって稼ぐか。
それが最大の問題であった英国の貴族の方々。
それとおんなじ状況かなぁと思うのですが。
…とりあえず、下宿人ひとり、げーっと♪
で、よかったね。
PS,色白&黒髪のおにーちゃん・ロバート。
表紙絵はどうみても金髪なんですけど……。いいんですか?いいんですね?(ささやかな疑問)
ISBN:4488275109 文庫 戸田 早紀 東京創元社 2004/02 ¥798
主婦探偵ジェーン・シリーズを書いている女流推理小説家の新しいシリーズ。
とりあえず訳出3冊のうち2冊を借りて読み出した。
あっという間に…読了。
それだけ面白かったということだ。
さて、
場所はアメリカの田舎。
時代は1931年…といえば、1929年にウォール街から始まった【世界恐慌】真っ只中。
来年の大統領戦に民主党のルーズヴェルト知事が出馬するとかしないとか…噂されている。
主役は表紙のふたり、元大富豪・現大貧乏のブルースター兄妹。
兄はロバート。
妹はリリー。
彼らは早くに母親をなくし、あとは気ままに豪勢に人生を過ごしてゆくのだと信じて疑わなかったある日、父親が株で失敗(大恐慌のため)、自殺。
すべての財産を失った。
そしてそれからの2年以上を、エレベーターのないアパートの5階で、今にも抜けそうな床の狭い部屋で細々と暮らしてきたのである。
かつての大富豪が!
そこに転がり込んできたのが、大伯父ホレーショー・ブルースターの遺産相続の話であった。
むか〜し、むかし、そんな伯父さんいたような、うん、いたわねぇ。
というわけで、「なぁんじゃぁそりゃぁ〜?」というような、とんでもなく特殊な相続条件も背に腹はかえられない!というわけで相続したのが、とんでもなく田舎にある"スイカズラ荘"。
…というのが、まずは背景として、読者が了解すべき時代背景として説明される。
また、変った時代を設定したもんだわね〜と思わざるを得ないのは、大恐慌といえば、日本の不景気どころの話じゃないでしょ?と思うから。
映画「タイタニック」の、恋敵役の大富豪(ヒロインに振られた)も、結局はこの大恐慌で拳銃自殺をする。
かの悪名高き禁酒法も重なって、いつの時代も明るいアメリカ♪とはかなり違った時代だろうと…思ったんだけど。
話を読んでゆくと、あちらこちらで失業者の群ができ、それはどんな田舎でも同じことであって、中年のお勤め人は、自分の今の仕事に必死にしがみついている。
それがどんな仕事であろうとも…。
でも。
それでも、彼らブルースター兄妹の住むことになった田舎・ヴォールブルグ・オン・ハドソンでは、互いにできる範囲で、自分の手の届く範囲で助け合っている。
そんな気持ちを彼らが持つのは(気づくのは)随分たってのことだけど、読み手にもなにか訴えかける感じさせるものが存在するのだ。
たかが推理小説と侮るなかれ。
……そう、この小説は推理小説なんである。
不幸な若者二人が、思わぬ贈り物に「ラッキー♪」「ありがとう(忘れ去ってた)大伯父さん♪」で終わるわけはない。
遺産相続、とくれば、その遺産を残した人間は、不審死、つまり謎の死を遂げてなくてはならない。
平たく言うと、殺人、ということ。
期待通り(?)ホレーショー・ブルスター大伯父サンは、船の事故でなくなっていたが、それは事故死ではなく殺人だった。
ここで、ロバートとリリーも気がついた。
村の人々の、不審そうな目つき。
あれは、彼らを"第一容疑者"とみなしているのだと。
降りかかった火の粉は払わねばならない、というわけでもないけれど、大伯父さんの死の謎をそのままにはしておけない。
ふたりは早速動き出す。
…というわけで、人物紹介とともに、ヴォールブルグ・オン・ハドソンの環境、村の人々などを続々登場させて(大型の迷い犬も登場♪)、次々おこる事件⇒第二の殺人⇒推理、となる。
探偵役は妹のリリーのほうだけど、普段はほけ〜として社交界の夜の生活(笑)に思いを馳せてばかりいるような(と思われる)兄・ロバートが、いいところでぴりりと効く推理を披露。(いいとこ執りで、ちょっとずるい気もするが)
見所は情緒たっぷりの1930年代の田舎の生活と、オランダからの入植者であった遠い祖先のレシピを代々語りついで守ってきたというプリニー夫人(弁護士氏の奥様)の料理の素晴らしさ!
名前だけ見てもさっぱりだけど(アメリカ人であるリリーもさっぱりだ、というのだから日本人である私には仕方がなかろう)、涎が出そう…。
この作家さんの作品は初読だけど、面白い、好みに合うね。
PS,あ!よく見たら、表紙絵のリリーのワインレッドのドレスの膝部分にパッチワークならぬ、継ぎはぎが…!
ISBN:4488275095 文庫 戸田 早紀 東京創元社 2002/08 ¥840
とりあえず訳出3冊のうち2冊を借りて読み出した。
あっという間に…読了。
それだけ面白かったということだ。
さて、
場所はアメリカの田舎。
時代は1931年…といえば、1929年にウォール街から始まった【世界恐慌】真っ只中。
来年の大統領戦に民主党のルーズヴェルト知事が出馬するとかしないとか…噂されている。
主役は表紙のふたり、元大富豪・現大貧乏のブルースター兄妹。
兄はロバート。
妹はリリー。
彼らは早くに母親をなくし、あとは気ままに豪勢に人生を過ごしてゆくのだと信じて疑わなかったある日、父親が株で失敗(大恐慌のため)、自殺。
すべての財産を失った。
そしてそれからの2年以上を、エレベーターのないアパートの5階で、今にも抜けそうな床の狭い部屋で細々と暮らしてきたのである。
かつての大富豪が!
そこに転がり込んできたのが、大伯父ホレーショー・ブルースターの遺産相続の話であった。
むか〜し、むかし、そんな伯父さんいたような、うん、いたわねぇ。
というわけで、「なぁんじゃぁそりゃぁ〜?」というような、とんでもなく特殊な相続条件も背に腹はかえられない!というわけで相続したのが、とんでもなく田舎にある"スイカズラ荘"。
…というのが、まずは背景として、読者が了解すべき時代背景として説明される。
また、変った時代を設定したもんだわね〜と思わざるを得ないのは、大恐慌といえば、日本の不景気どころの話じゃないでしょ?と思うから。
映画「タイタニック」の、恋敵役の大富豪(ヒロインに振られた)も、結局はこの大恐慌で拳銃自殺をする。
かの悪名高き禁酒法も重なって、いつの時代も明るいアメリカ♪とはかなり違った時代だろうと…思ったんだけど。
話を読んでゆくと、あちらこちらで失業者の群ができ、それはどんな田舎でも同じことであって、中年のお勤め人は、自分の今の仕事に必死にしがみついている。
それがどんな仕事であろうとも…。
でも。
それでも、彼らブルースター兄妹の住むことになった田舎・ヴォールブルグ・オン・ハドソンでは、互いにできる範囲で、自分の手の届く範囲で助け合っている。
そんな気持ちを彼らが持つのは(気づくのは)随分たってのことだけど、読み手にもなにか訴えかける感じさせるものが存在するのだ。
たかが推理小説と侮るなかれ。
……そう、この小説は推理小説なんである。
不幸な若者二人が、思わぬ贈り物に「ラッキー♪」「ありがとう(忘れ去ってた)大伯父さん♪」で終わるわけはない。
遺産相続、とくれば、その遺産を残した人間は、不審死、つまり謎の死を遂げてなくてはならない。
平たく言うと、殺人、ということ。
期待通り(?)ホレーショー・ブルスター大伯父サンは、船の事故でなくなっていたが、それは事故死ではなく殺人だった。
ここで、ロバートとリリーも気がついた。
村の人々の、不審そうな目つき。
あれは、彼らを"第一容疑者"とみなしているのだと。
降りかかった火の粉は払わねばならない、というわけでもないけれど、大伯父さんの死の謎をそのままにはしておけない。
ふたりは早速動き出す。
…というわけで、人物紹介とともに、ヴォールブルグ・オン・ハドソンの環境、村の人々などを続々登場させて(大型の迷い犬も登場♪)、次々おこる事件⇒第二の殺人⇒推理、となる。
探偵役は妹のリリーのほうだけど、普段はほけ〜として社交界の夜の生活(笑)に思いを馳せてばかりいるような(と思われる)兄・ロバートが、いいところでぴりりと効く推理を披露。(いいとこ執りで、ちょっとずるい気もするが)
見所は情緒たっぷりの1930年代の田舎の生活と、オランダからの入植者であった遠い祖先のレシピを代々語りついで守ってきたというプリニー夫人(弁護士氏の奥様)の料理の素晴らしさ!
名前だけ見てもさっぱりだけど(アメリカ人であるリリーもさっぱりだ、というのだから日本人である私には仕方がなかろう)、涎が出そう…。
この作家さんの作品は初読だけど、面白い、好みに合うね。
PS,あ!よく見たら、表紙絵のリリーのワインレッドのドレスの膝部分にパッチワークならぬ、継ぎはぎが…!
ISBN:4488275095 文庫 戸田 早紀 東京創元社 2002/08 ¥840
オクタヴィアン幻想曲
2006年9月10日 読書
時代は多分、18−19世紀。
ドイツの片田舎ツッカーブルグに生まれ育ったオクタヴィアンは品行法制とは正反対の修道院生活を送る少年。
音楽と学問を学ぶだけだから、と酒も呑めば女とも付き合う、不敬者。
(私はこの作品で、モーツアルトが書いたというお下品な曲ーうんこ♪うんこ♪と連呼するのだーの存在を知ったのだった)(笑)
だがしかし、その美しい声は大司教すら魅了する。
彼の夭逝した母親はイタリアから駆け落ちしてきた人であり、その立場は死ぬまで愛人だった。
そして、ふんだんな金と贅沢な生活を保障してくれる実の父親は、いまだ嘗て彼の前に姿を現したことがない。
そんな彼に青天の霹靂ともいうべき事件が降りかかった。
その、"天使の声"を、小さな町が手に入れたこの財産を、半永久的に遺したいと人々(教会)が動き出したのである。
教会は彼をカストラート(去勢された男性歌手)にしようとするが…。
自由奔放に生きようとする天才音楽家…の卵(あくまで予定だから)(笑)・オクタヴィアンと彼を見守るドミーニク大司教(実は△○▼)、評論家にしてオクタヴィアンの理解者ハンス・レオ。
というのが最初の「大聖堂の不良天使」。
続く「誰かが愛を囁いた」では、18世紀貴族の子弟に流行った"グランド・ツアー"ばりにイタリアへの音楽研修へと出かける。
偶然、駆け落ちした母親の実家(公爵家だったのだが、オクタヴィアンは母親の実家については何も知らなかった)に寄寓することとなるのだが…。
というわけで、"天才"と呼ばれた彼が、人の愛と哀を知って、より一層大きく羽ばたく、という話である。
南ドイツを舞台にした少年合唱団のシリーズで名を馳せた著者ならではの、音楽を軸に人の愛憎が巡る佳作。
ちょっと貴族趣味だけれど、厭味ではない。
舞台的には、現代よりもオペラの舞台みたいでストーリーにのめり込めるのが嬉しい。
最後の一遍は、第二次世界大戦時のドイツを扱った作品で、「夜はやがて終わる」。
"ドイツ人の中にもナチスと闘った人はいる"というのが主題で、若い音楽家たちが、あの時代、あの国でどのように闘ったか、そのひとつのストーリーを感動的に描いている。
初読時に、何をもって闘うかは、人それぞれであるということを感じさせられた作品である。(必ずしも武器を持つことだけが戦いではないということ)
大胆にも、フルトヴェングラー氏登場。
実際、第三帝国後半には、ヒトラーをナントカしようと連合軍と連絡を取る高級士官も多かったし、ヒトラー暗殺計画(失敗したが)も実行されている。
ヒトラーはそれに対して残酷極まりない方法で報復をした(尤も時間のかかる方法で絞首刑)。
が、それらの恐怖よりも、ドイツをなんとかしようとする考えをより強く持ったドイツ人がいたということである。
ISBN:4257918357 新書 たらさわ みち 朝日ソノラマ 1985/06 ¥399
ドイツの片田舎ツッカーブルグに生まれ育ったオクタヴィアンは品行法制とは正反対の修道院生活を送る少年。
音楽と学問を学ぶだけだから、と酒も呑めば女とも付き合う、不敬者。
(私はこの作品で、モーツアルトが書いたというお下品な曲ーうんこ♪うんこ♪と連呼するのだーの存在を知ったのだった)(笑)
だがしかし、その美しい声は大司教すら魅了する。
彼の夭逝した母親はイタリアから駆け落ちしてきた人であり、その立場は死ぬまで愛人だった。
そして、ふんだんな金と贅沢な生活を保障してくれる実の父親は、いまだ嘗て彼の前に姿を現したことがない。
そんな彼に青天の霹靂ともいうべき事件が降りかかった。
その、"天使の声"を、小さな町が手に入れたこの財産を、半永久的に遺したいと人々(教会)が動き出したのである。
教会は彼をカストラート(去勢された男性歌手)にしようとするが…。
自由奔放に生きようとする天才音楽家…の卵(あくまで予定だから)(笑)・オクタヴィアンと彼を見守るドミーニク大司教(実は△○▼)、評論家にしてオクタヴィアンの理解者ハンス・レオ。
というのが最初の「大聖堂の不良天使」。
続く「誰かが愛を囁いた」では、18世紀貴族の子弟に流行った"グランド・ツアー"ばりにイタリアへの音楽研修へと出かける。
偶然、駆け落ちした母親の実家(公爵家だったのだが、オクタヴィアンは母親の実家については何も知らなかった)に寄寓することとなるのだが…。
というわけで、"天才"と呼ばれた彼が、人の愛と哀を知って、より一層大きく羽ばたく、という話である。
南ドイツを舞台にした少年合唱団のシリーズで名を馳せた著者ならではの、音楽を軸に人の愛憎が巡る佳作。
ちょっと貴族趣味だけれど、厭味ではない。
舞台的には、現代よりもオペラの舞台みたいでストーリーにのめり込めるのが嬉しい。
最後の一遍は、第二次世界大戦時のドイツを扱った作品で、「夜はやがて終わる」。
"ドイツ人の中にもナチスと闘った人はいる"というのが主題で、若い音楽家たちが、あの時代、あの国でどのように闘ったか、そのひとつのストーリーを感動的に描いている。
初読時に、何をもって闘うかは、人それぞれであるということを感じさせられた作品である。(必ずしも武器を持つことだけが戦いではないということ)
大胆にも、フルトヴェングラー氏登場。
実際、第三帝国後半には、ヒトラーをナントカしようと連合軍と連絡を取る高級士官も多かったし、ヒトラー暗殺計画(失敗したが)も実行されている。
ヒトラーはそれに対して残酷極まりない方法で報復をした(尤も時間のかかる方法で絞首刑)。
が、それらの恐怖よりも、ドイツをなんとかしようとする考えをより強く持ったドイツ人がいたということである。
ISBN:4257918357 新書 たらさわ みち 朝日ソノラマ 1985/06 ¥399
ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺
2006年9月10日 読書 コメント (4)
本日、友人から借りたてのレンタル本。
……読了してしまいましたがな。(おもしろくてさ)
この表紙は、金髪の鶏冠(とさか)頭だけど、正真正銘噺家の卵である。
そういや金髪頭に真っ赤な着物のこの表紙、本屋さんでも目立っていたな。
箸にも棒にも引っかからない不良少年・竜二は"熱血教師"古屋に無理やり噺家・笑酔亭梅寿のもとに入門させられた。
古屋曰くのその理由というのが、両親を早くなくし、親戚をたらいまわしされたのが、竜二のぐれた理由である。(悪いやつではないといいたいらしい)
だから、いまや行くところのなくなった竜二には、噺家になるしか道はない!(なんでだ?)ーと熱血教師は言うのである。
なんで噺家か、というと、この教師は元々笑酔亭梅寿の内弟子で才能がないので教師に転向したのだった。
そんなわけで、無理やり内弟子にさせられた竜二であった。
ちなみに、この笑酔亭梅寿という師匠。
もとは上方落語のおえらいさんだったらしいが、その名の通り酒の飲みすぎでろれつが回らない。
家では常に酔い、招待先でも酔ってごろを巻く、暴れる…で、挙句の果ては、近くの公園で△○◇……。
その面倒は、新人内弟子の竜二の肩にすべてかかってくるのである。(逃げ出したくもなるわな)
熱血教師が学校長だけでなくヤクザ相手にも怯まぬ強面の教師だった理由には、このわけのわからぬド迫力の笑酔亭梅寿の存在があったわけだ。(つまり、鍛えられた)
本人の意思をすっとばし、内弟子にさせられた竜二は理不尽な上下関係にびびりつつ嫌気が差しつつも、なぜか次第に"落語"というものに魅かれてゆく。
おまけに、実は(本人が気がついてないだけで)噺家の才能があるのだ。
周囲の人間が「天才や」というのを信じず、「落語なんかおもろない!」とうとましく思っている。
それがまた、才能のない兄弟子には腹が立って仕方がない(当然だな)
そんなこともお構いなし、破門された途端、漫談の道を考えたりするのが竜二である。
時々、周辺で巻き起こる事件の推理などしながら、だが。
金髪の鶏冠頭は絶対切らない!(…はアイデンティティだろうか?)
つっぱる竜二だが、未成年に酒は飲ます(噺家は治外法権なんだそうだ)、酒瓶で殴る、蹴る、わけの分からない屁理屈でこき使われ苛められ(可愛がられ?)るんだな。
元々突っ張りだから口は悪いが、そんなもの、海千山千の芸人たちに通じるはずもない。
とくに何をやるやらわからない師匠・笑酔亭梅寿には。
そのうち周りの理不尽な大人たちに丸め込まれている……のに、本人は気がついていないし(笑)
たぶん本人も気がつかないうちに、兄弟子や師匠にたいしては、随分礼儀正しくなってるし、ガマンも出来るようになってる。
おうおう、随分大人になったじゃぁないか、竜二、と声をかけたくなる成長振り。
つっぱり時代につるんだ仲間も立派に一人前になっているし、いつまでも子供じゃない、自分のやりたいことは何か、と人生の意味(意義)に気づくあたり、読者にもちゃんと時の流れ(成長)を感じさせる。
短編が7編並んだ、その標題のひとつひとつは落語のネタで、きちんと内容も示してくれる。(「たちきり線香」「らくだ」「時うどん」「平林」「住吉駕籠」「子は鎹(かすがい)」「千両みかん」)
かつ、そこに著者独特の"絡み"も入れて、推理も入れて、ハイ、謎解き!チョーン!と言う感じで"オトす"のだ。
事件の内容も、殺人から勘違い(事件性なし)までいろいろ取り揃えてございます。
著者はもともと推理小説家。
同時に落語のファンでもあり、噺家の監修も受けてのこれの作品である。
一方は専門でも、もうひとつ、落語のような独特の世界を取り込んで消化して、ちゃんと推理小説にもなっているという凄さ、初読の作家だけれど感心するばかり。
標題の7つの話のほとんどを私は知らなかった(「時うどん」ぐらいは流石に知っている。今なんどきだい?ってやつ。)けど、本編の落語も聞いてみたいな、と思ったのだから、落語に興味をもって欲しい!という著者の作戦は見事成功したと言える。
竜二、改め、笑酔亭 梅駆。
やっぱ赤い着物で高座を勤めているのかなァ。
梅駆というのは、昔の仲間のバイクにのって(師匠の)借金取り(明らかにヤクザ)から逃げ出したとき、いい加減にも師匠・笑酔亭梅寿が思いついたのだった。
彼の弟子は多かれ少なかれ、そういう命名をされている気配があるのだが…かわいそうに。
ストレスに、落語を聴くのはいいかもしれない。
馬鹿笑いすれば疲れも吹っ飛ぶかもしれない。
落語集のCDとか売っているのもしっている。
興味はあるけど、高価だからなー。
ISBN:4087460746 文庫 田中 啓文 集英社 2006/08 ¥560
……読了してしまいましたがな。(おもしろくてさ)
この表紙は、金髪の鶏冠(とさか)頭だけど、正真正銘噺家の卵である。
そういや金髪頭に真っ赤な着物のこの表紙、本屋さんでも目立っていたな。
箸にも棒にも引っかからない不良少年・竜二は"熱血教師"古屋に無理やり噺家・笑酔亭梅寿のもとに入門させられた。
古屋曰くのその理由というのが、両親を早くなくし、親戚をたらいまわしされたのが、竜二のぐれた理由である。(悪いやつではないといいたいらしい)
だから、いまや行くところのなくなった竜二には、噺家になるしか道はない!(なんでだ?)ーと熱血教師は言うのである。
なんで噺家か、というと、この教師は元々笑酔亭梅寿の内弟子で才能がないので教師に転向したのだった。
そんなわけで、無理やり内弟子にさせられた竜二であった。
ちなみに、この笑酔亭梅寿という師匠。
もとは上方落語のおえらいさんだったらしいが、その名の通り酒の飲みすぎでろれつが回らない。
家では常に酔い、招待先でも酔ってごろを巻く、暴れる…で、挙句の果ては、近くの公園で△○◇……。
その面倒は、新人内弟子の竜二の肩にすべてかかってくるのである。(逃げ出したくもなるわな)
熱血教師が学校長だけでなくヤクザ相手にも怯まぬ強面の教師だった理由には、このわけのわからぬド迫力の笑酔亭梅寿の存在があったわけだ。(つまり、鍛えられた)
本人の意思をすっとばし、内弟子にさせられた竜二は理不尽な上下関係にびびりつつ嫌気が差しつつも、なぜか次第に"落語"というものに魅かれてゆく。
おまけに、実は(本人が気がついてないだけで)噺家の才能があるのだ。
周囲の人間が「天才や」というのを信じず、「落語なんかおもろない!」とうとましく思っている。
それがまた、才能のない兄弟子には腹が立って仕方がない(当然だな)
そんなこともお構いなし、破門された途端、漫談の道を考えたりするのが竜二である。
時々、周辺で巻き起こる事件の推理などしながら、だが。
金髪の鶏冠頭は絶対切らない!(…はアイデンティティだろうか?)
つっぱる竜二だが、未成年に酒は飲ます(噺家は治外法権なんだそうだ)、酒瓶で殴る、蹴る、わけの分からない屁理屈でこき使われ苛められ(可愛がられ?)るんだな。
元々突っ張りだから口は悪いが、そんなもの、海千山千の芸人たちに通じるはずもない。
とくに何をやるやらわからない師匠・笑酔亭梅寿には。
そのうち周りの理不尽な大人たちに丸め込まれている……のに、本人は気がついていないし(笑)
たぶん本人も気がつかないうちに、兄弟子や師匠にたいしては、随分礼儀正しくなってるし、ガマンも出来るようになってる。
おうおう、随分大人になったじゃぁないか、竜二、と声をかけたくなる成長振り。
つっぱり時代につるんだ仲間も立派に一人前になっているし、いつまでも子供じゃない、自分のやりたいことは何か、と人生の意味(意義)に気づくあたり、読者にもちゃんと時の流れ(成長)を感じさせる。
短編が7編並んだ、その標題のひとつひとつは落語のネタで、きちんと内容も示してくれる。(「たちきり線香」「らくだ」「時うどん」「平林」「住吉駕籠」「子は鎹(かすがい)」「千両みかん」)
かつ、そこに著者独特の"絡み"も入れて、推理も入れて、ハイ、謎解き!チョーン!と言う感じで"オトす"のだ。
事件の内容も、殺人から勘違い(事件性なし)までいろいろ取り揃えてございます。
著者はもともと推理小説家。
同時に落語のファンでもあり、噺家の監修も受けてのこれの作品である。
一方は専門でも、もうひとつ、落語のような独特の世界を取り込んで消化して、ちゃんと推理小説にもなっているという凄さ、初読の作家だけれど感心するばかり。
標題の7つの話のほとんどを私は知らなかった(「時うどん」ぐらいは流石に知っている。今なんどきだい?ってやつ。)けど、本編の落語も聞いてみたいな、と思ったのだから、落語に興味をもって欲しい!という著者の作戦は見事成功したと言える。
竜二、改め、笑酔亭 梅駆。
やっぱ赤い着物で高座を勤めているのかなァ。
梅駆というのは、昔の仲間のバイクにのって(師匠の)借金取り(明らかにヤクザ)から逃げ出したとき、いい加減にも師匠・笑酔亭梅寿が思いついたのだった。
彼の弟子は多かれ少なかれ、そういう命名をされている気配があるのだが…かわいそうに。
ストレスに、落語を聴くのはいいかもしれない。
馬鹿笑いすれば疲れも吹っ飛ぶかもしれない。
落語集のCDとか売っているのもしっている。
興味はあるけど、高価だからなー。
ISBN:4087460746 文庫 田中 啓文 集英社 2006/08 ¥560
旭山動物園へようこそ!―初公開!副園長の飼育手帳・写真
2006年9月9日 読書
有名な旭山動物園!
の、写真集。
いきたいなぁ〜いきたいなぁ〜でも北海道…遠すぎる。
仕方がないので、写真とか新聞とかテレビとか(先月特集をしていた。面白かった〜♪)でガマンしている私。
もともと動物園とか水族館とか、大好きなのだ。
犬を初めとして、動物は大好きだし。
表紙の絵は噂のホッキョクグマの"イワン"。
本誌の説明書きには、
はい。
きっと、みていることでしょう。
ここのホッキョクグマは一見かくれんぼうをしているように見える時がある(人間には)。
だけど、ホッキョクグマは獲物を襲うシュミレーションをしているのかも。
かも、じゃなくて、そうに決まっている。
自然に近い環境というのは、そういうこと。
人間も餌だってことだしね。
飼育員でさえ油断が出来ないホッキョクグマ。
それが自然。
好奇心で人間に視線を合わせるペンギンとかアザラシとかがいれば、嫌いな人間(飼育員なのに…)にはガラス越しでも襲い掛かる虎がいる。
それが自然……だけど、かよわい哺乳類・人間としては吃驚の連続だ。
頭上高くに肉食獣をみるという檻も有名だけど、投書の中には「簡単に手を入れられるじゃないか。危険じゃないか」というものもあるらしい。
でも、それっておかしいだろう〜。
どう考えても変だよ〜。
訴訟天国(地獄か?)のアメリカ並に、何でもかんでも責任問題にする昨今の日本らしい発想だけど、「手を入れないで」と注意書きもあるのだし、そんなことは常識。
わざわざ肩車なりをして、猛獣の檻に手を突っ込む大人(でなけりゃ届かない高さ)のほうがどうかしている。
そんなことは(これこそ)個人の責任でやることだ。
ペンギンの散歩はここから始まったのかな?
私がそれを見たのは、和歌山県・白浜にある"アドベンチャーワールド"だったけど。
ここでも手を出そうとする観光客の牽制に、
「手を出すと、100%突っつきます」
と言われた。
その瞬間、何人の人間が手を引っ込めたことか(笑)
成る程。
年にひと月(春)休館にしてやる動物園の大掃除。
テレビの放送でその様子を流していたが…。
面白かったのがアザラシ館。
掃除をするために、アクアラング装備で潜る飼育員に、てっきり遊びだと思って後を追いかける・抱きついてゆくアザラシたちがとても可愛かった。
両のヒレで飼育員の身体をぱたぱた叩く!←なんだか子供が喜んで抱きついているみたいだった。
また、飼育員たちが"遊び"で水槽に飛び込みをすると、きゃー!きゃー!言って喜んでる。
言葉は通じないけれど、喜んでいるのが分かる。
地球を母とした、同じ生き物だもんねー。
ISBN:4576061259 単行本 桜井 省司 二見書房 2006/07 ¥1,365
の、写真集。
いきたいなぁ〜いきたいなぁ〜でも北海道…遠すぎる。
仕方がないので、写真とか新聞とかテレビとか(先月特集をしていた。面白かった〜♪)でガマンしている私。
もともと動物園とか水族館とか、大好きなのだ。
犬を初めとして、動物は大好きだし。
表紙の絵は噂のホッキョクグマの"イワン"。
本誌の説明書きには、
赤ちゃんはぬいぐるみだと思っているのかもしれませんが……アザラシを食べるホッキョクグマは、赤ちゃんを獲物と見ているのかもしれません
はい。
きっと、みていることでしょう。
ここのホッキョクグマは一見かくれんぼうをしているように見える時がある(人間には)。
だけど、ホッキョクグマは獲物を襲うシュミレーションをしているのかも。
かも、じゃなくて、そうに決まっている。
自然に近い環境というのは、そういうこと。
人間も餌だってことだしね。
飼育員でさえ油断が出来ないホッキョクグマ。
それが自然。
好奇心で人間に視線を合わせるペンギンとかアザラシとかがいれば、嫌いな人間(飼育員なのに…)にはガラス越しでも襲い掛かる虎がいる。
それが自然……だけど、かよわい哺乳類・人間としては吃驚の連続だ。
頭上高くに肉食獣をみるという檻も有名だけど、投書の中には「簡単に手を入れられるじゃないか。危険じゃないか」というものもあるらしい。
でも、それっておかしいだろう〜。
どう考えても変だよ〜。
訴訟天国(地獄か?)のアメリカ並に、何でもかんでも責任問題にする昨今の日本らしい発想だけど、「手を入れないで」と注意書きもあるのだし、そんなことは常識。
わざわざ肩車なりをして、猛獣の檻に手を突っ込む大人(でなけりゃ届かない高さ)のほうがどうかしている。
そんなことは(これこそ)個人の責任でやることだ。
ペンギンの散歩はここから始まったのかな?
私がそれを見たのは、和歌山県・白浜にある"アドベンチャーワールド"だったけど。
ここでも手を出そうとする観光客の牽制に、
「手を出すと、100%突っつきます」
と言われた。
その瞬間、何人の人間が手を引っ込めたことか(笑)
成る程。
年にひと月(春)休館にしてやる動物園の大掃除。
テレビの放送でその様子を流していたが…。
面白かったのがアザラシ館。
掃除をするために、アクアラング装備で潜る飼育員に、てっきり遊びだと思って後を追いかける・抱きついてゆくアザラシたちがとても可愛かった。
両のヒレで飼育員の身体をぱたぱた叩く!←なんだか子供が喜んで抱きついているみたいだった。
また、飼育員たちが"遊び"で水槽に飛び込みをすると、きゃー!きゃー!言って喜んでる。
言葉は通じないけれど、喜んでいるのが分かる。
地球を母とした、同じ生き物だもんねー。
ISBN:4576061259 単行本 桜井 省司 二見書房 2006/07 ¥1,365
その日仙境に竜はおちて
2006年9月9日 読書
最近は4コマ漫画の劉備くんシリーズが目に付くが(たくさん再販されている…小さい文庫で)、こちらは普通の漫画で、しかも初期の作品。
というのは、線を見れば一目瞭然。
作者がこの世界に入ったきっかけである「人形三国志」の、そのままのラインを描いているからだ。
扱うテーマが漢王朝末期〜三国時代であるのは勿論、登場してくる文官(しかも端役)なんか人形三国志に出てくるそのまんま。
…といってもけなしているのではない。
私が学生だった時代から、ファンなんである。
彼女が同人誌で活躍していた時代から。
もとグラフィックデザイナーで、人形三国志に触発されて同人誌を出して、そのままプロへ。
劉備君シリーズは同人誌でも人気だった。
自称「中国のことは(歴史も中国語も漢文も)なにもわかりません!」なんて言っている、歴史や考証にとらわれない独特のギャグセンスが光っている。
これからも活躍して欲しいなぁ(でも「李冰(りひょう)」みたいなストーリー漫画も期待!)
本書には、
漢末期の短編が5作収められている。
項羽と劉邦(そういや司馬遼太郎氏のこの小説が、中華人民共和国で翻訳・発刊されたとか…大丈夫なんかいな?親台湾作家と非難していたくせに)の争いに絡めて一人の兵隊のお話。
曹操と天才と評判の在野の医者・華宵の話。
黄布党として生きることを選んだ少女の悲話。
などなど…。
加えて、ちょっと異色な、マザコン曹操の話もあって楽しめるかも。
ISBN:404924117X 新書 白井 恵理子 角川書店 1989/10 ¥387
というのは、線を見れば一目瞭然。
作者がこの世界に入ったきっかけである「人形三国志」の、そのままのラインを描いているからだ。
扱うテーマが漢王朝末期〜三国時代であるのは勿論、登場してくる文官(しかも端役)なんか人形三国志に出てくるそのまんま。
…といってもけなしているのではない。
私が学生だった時代から、ファンなんである。
彼女が同人誌で活躍していた時代から。
もとグラフィックデザイナーで、人形三国志に触発されて同人誌を出して、そのままプロへ。
劉備君シリーズは同人誌でも人気だった。
自称「中国のことは(歴史も中国語も漢文も)なにもわかりません!」なんて言っている、歴史や考証にとらわれない独特のギャグセンスが光っている。
これからも活躍して欲しいなぁ(でも「李冰(りひょう)」みたいなストーリー漫画も期待!)
本書には、
漢末期の短編が5作収められている。
項羽と劉邦(そういや司馬遼太郎氏のこの小説が、中華人民共和国で翻訳・発刊されたとか…大丈夫なんかいな?親台湾作家と非難していたくせに)の争いに絡めて一人の兵隊のお話。
曹操と天才と評判の在野の医者・華宵の話。
黄布党として生きることを選んだ少女の悲話。
などなど…。
加えて、ちょっと異色な、マザコン曹操の話もあって楽しめるかも。
ISBN:404924117X 新書 白井 恵理子 角川書店 1989/10 ¥387
もっているのは昭和58年度刊行の徳間書店版。
そのせいか。
いまは、 [少年向け:コミックセット]になっているのか…古本では2冊(全2巻)で2,000円なんて値段も付いていたし。
緑なす 母なる地球
このテーマで書かれるSFは数あれど、思索的かつ観念的で情緒的…な物語りも珍しい。
ストーリーは追えるのだが、何度も何度も読み返す。
読み返すたびに何かを見つける。
はるかむかし。
人類は地球を母として生まれた。
だが、逆子である人類に、
その痛みに地球は人類を遠ざける。
画像として、認識される地球に、人類はたどり着けない。
辿りつこうとして、多くの宇宙船が、人命が宇宙に消えてしまった。
それでも人類は、宇宙船を飛ばすことをやめない。
母なる地球にむかって。
それほどに、それほどまでに、母である地球と子である人類の絆は断ちがたいものであるのだ。
著者は、この"緑の世紀"と、その外伝で"カラス"と呼ばれる能力者たちを中心とした話を描いているだけなんだろうか。
だとしたら、寡作な人である。
魅力的な作品なので、他にも読みたかったのだが…。
決して豊かではない惑星の、厳しい生活を余儀なくされる人々のなかに、出現する(血縁関係なし。ダライ・ラマみたいなもの)"カラス"。
カラスは、歌い手である。
カラスは、人の苦しみや悲しみを"歌う"ことによってすべて肩代わりする。
精神感応とでもいうのかな?
だがその負担はすさまじくて、あっという間に年をとり、最後は干からびて死ぬ。
そうするとどこかに新しいカラスが生まれる(出現する)
過酷な生活環境の中で、人が生きてゆくためのひとつの特別変異か。
科学的にそれを解明しようとする他の惑星の人々もいるが、科学や理屈では解明されない存在なのであった。
理屈や筋書きではどーにもならない目の前の真実。
現代人が一番弱いものだろうな。
ISBN:B00007CCU1 コミック 真乃呼 徳間書店
そのせいか。
いまは、 [少年向け:コミックセット]になっているのか…古本では2冊(全2巻)で2,000円なんて値段も付いていたし。
緑なす 母なる地球
このテーマで書かれるSFは数あれど、思索的かつ観念的で情緒的…な物語りも珍しい。
ストーリーは追えるのだが、何度も何度も読み返す。
読み返すたびに何かを見つける。
はるかむかし。
人類は地球を母として生まれた。
だが、逆子である人類に、
その痛みに地球は人類を遠ざける。
画像として、認識される地球に、人類はたどり着けない。
辿りつこうとして、多くの宇宙船が、人命が宇宙に消えてしまった。
それでも人類は、宇宙船を飛ばすことをやめない。
母なる地球にむかって。
それほどに、それほどまでに、母である地球と子である人類の絆は断ちがたいものであるのだ。
著者は、この"緑の世紀"と、その外伝で"カラス"と呼ばれる能力者たちを中心とした話を描いているだけなんだろうか。
だとしたら、寡作な人である。
魅力的な作品なので、他にも読みたかったのだが…。
決して豊かではない惑星の、厳しい生活を余儀なくされる人々のなかに、出現する(血縁関係なし。ダライ・ラマみたいなもの)"カラス"。
カラスは、歌い手である。
カラスは、人の苦しみや悲しみを"歌う"ことによってすべて肩代わりする。
精神感応とでもいうのかな?
だがその負担はすさまじくて、あっという間に年をとり、最後は干からびて死ぬ。
そうするとどこかに新しいカラスが生まれる(出現する)
過酷な生活環境の中で、人が生きてゆくためのひとつの特別変異か。
科学的にそれを解明しようとする他の惑星の人々もいるが、科学や理屈では解明されない存在なのであった。
理屈や筋書きではどーにもならない目の前の真実。
現代人が一番弱いものだろうな。
ISBN:B00007CCU1 コミック 真乃呼 徳間書店
発見! by「地名で読むヨーロッパ」
2006年9月9日 読書Travel(トラベル)
そう。
旅行、という意味の英語なのだけど。
何気に使っているこの言葉の語源は、ローマ人が使っていた拷問器具であった。(シェー!怖っ)
しかし…どんな道具だったんだろうか?
ローマ人はどこまでもどこまでもまっすぐな(軍団用)道路を敷いた土木建築のプロ集団みたいな民族であったが、旅をするに当っては、川でも海でも渡れるところはずんずん、腰まで水に漬かってどんどんあるいていったそうな。
だから、彼等の「旅」というのはかなりハードな意味合いのものだったらしい。
だからって拷問器具から名称をとるとは……相当にハードな、状況によっては命をも落としかねない旅の仕方をしていたんだろう。(恐ろしや)
カエサルがテムズ川をずんずん渡って歩いている姿を想像…しちゃったよ。
この「地名で読むヨーロッパ」はほとんど必要事項を調べるだけの辞書みたいなもので、面白味にかけると思っていたのだが、意外な発見もある。
(少々無理をしてでも読み続けておくものだな。うん。)(笑)
マザーグースのロンドンブリッジの歌で、
London Bridge is falling down♪
falling down♪
falling down♪
London Bridge is falling down♪
というのがある。
その最後の歌詞に、
My fair lady♪(かわいい娘さん♪)
というのが唐突だなぁ…と(ちょっとだけ)思っていたんだけど、
(がーん!)
ここは、長城か?!
というぐらいショックだった。
橋などの重要建造物に人柱、の組み合わせは珍しくはないけど、テムズ川のロンドンブリッジには、そんなダークなイメージがなかったからである。
それから、フランスのモン・サン・ミシェルは、干潮の激しい海峡の中に存在する島(岩)の上に立てられた修道院である、ということは分かっていたけれど、
ということで、偶然ではなく必然であったことが判明した。
よって、フランスのモン・サン・ミシェルだけではなく、英国はコーンウォルにあるセント・マイケルズ・マウントも同じ大天使ミカエルに捧げられた修道院である。
そう。
旅行、という意味の英語なのだけど。
何気に使っているこの言葉の語源は、ローマ人が使っていた拷問器具であった。(シェー!怖っ)
しかし…どんな道具だったんだろうか?
ローマ人はどこまでもどこまでもまっすぐな(軍団用)道路を敷いた土木建築のプロ集団みたいな民族であったが、旅をするに当っては、川でも海でも渡れるところはずんずん、腰まで水に漬かってどんどんあるいていったそうな。
だから、彼等の「旅」というのはかなりハードな意味合いのものだったらしい。
だからって拷問器具から名称をとるとは……相当にハードな、状況によっては命をも落としかねない旅の仕方をしていたんだろう。(恐ろしや)
カエサルは二度目のブリテン島遠征のときにテムズ川を渡っています。その地点は今日のロンドン・ブリッジかウエストミンスターあたりでした。
カエサルがテムズ川をずんずん渡って歩いている姿を想像…しちゃったよ。
この「地名で読むヨーロッパ」はほとんど必要事項を調べるだけの辞書みたいなもので、面白味にかけると思っていたのだが、意外な発見もある。
(少々無理をしてでも読み続けておくものだな。うん。)(笑)
マザーグースのロンドンブリッジの歌で、
London Bridge is falling down♪
falling down♪
falling down♪
London Bridge is falling down♪
というのがある。
その最後の歌詞に、
My fair lady♪(かわいい娘さん♪)
というのが唐突だなぁ…と(ちょっとだけ)思っていたんだけど、
橋が流されないように神の加護を願って人柱にされた少女のことではないかと考えられています。
(がーん!)
ここは、長城か?!
というぐらいショックだった。
橋などの重要建造物に人柱、の組み合わせは珍しくはないけど、テムズ川のロンドンブリッジには、そんなダークなイメージがなかったからである。
それから、フランスのモン・サン・ミシェルは、干潮の激しい海峡の中に存在する島(岩)の上に立てられた修道院である、ということは分かっていたけれど、
大天使ミカエルが神に代わって大悪魔サタンと戦い勝利したことから、中世においては外敵、嵐、飢饉、流行病に対する守護聖人として、突き出た岬や岬の先に浮かぶ島などに同天使に捧げる修道院が建てられました。
ということで、偶然ではなく必然であったことが判明した。
よって、フランスのモン・サン・ミシェルだけではなく、英国はコーンウォルにあるセント・マイケルズ・マウントも同じ大天使ミカエルに捧げられた修道院である。
アルジャーノンに花束を
2006年9月8日 読書
作品自体は随分と古いが、この作品を耳にしたことがない人は少ないはず。
前回(といっても随分昔)、ボースンさまにお借りして読んだのだった。
今回は、この5月に市内の古書市で¥500−で売りに出ているのを見つけて思わず購入したのである。
「アルジャーノンに花束を」
小説の末尾の、この一言が、この300頁超の小説の、すべての集約である。
そしてその言葉を読者が見つけるとき、感動を、激しい感情の漣が立つことなしにはいられない。
私も初読のときは、うるうるしてしまった…。
科学研究の為に繰り返されるモルモット手術。
それはやがて人間を、精神薄弱の人間の脳を使って行われた。
人に笑われることで、友達を得ていたチャーリー。
親に見捨てられ、妹に拒絶された過去を思い出したチャーリー。
急激に発達する脳細胞ー知識ー知能に、感情が激しく揺り動かされるチャーリー。
知能が急激に発達するからといって、感情がそれに伴うとは限らない。
いや、どちらかといえばそれは、逆行する。
混乱と、迷走と。
解説者の言うように、とてもSF小説という括弧では括りきれない、佳作なのだ。
それは数十年経った今でも断言できる。
特に、科学や医学の発展に目がくらんで、人間の本質・幸福というものに真っ向から目を向けることを忘れてしまった現在の人間にとっては。
映画「レナードの朝」でもそうだった。
そこに感じた、人間の英知の限界と言うか、運命のどうしようもなさというか……私はキリスト教徒ではないので、「これもすべて神の愛」とはよう考えられない(納得できない)のだけど、人間の力ではどうにも出来ない"力"は感じるしその存在を否定しない。
それにどこまでも抗おうという気力も、今となってはない。(若さがないせいか?)(笑)
だからこそ、人間の"忘れる"という機能は、本当に、生きてゆく上で大いなる力だと思うのだ。
私の冷たい墓標には、誰が花束を捧げてくれるだろうか。
(…と言う前に、お墓が買えるのか?いっそ散骨…できるのかな?環境汚染とか言われそうだナ…)
ISBN:4152033932 単行本 小尾 芙佐 早川書房 1989/04 ¥1,575
前回(といっても随分昔)、ボースンさまにお借りして読んだのだった。
今回は、この5月に市内の古書市で¥500−で売りに出ているのを見つけて思わず購入したのである。
「アルジャーノンに花束を」
小説の末尾の、この一言が、この300頁超の小説の、すべての集約である。
そしてその言葉を読者が見つけるとき、感動を、激しい感情の漣が立つことなしにはいられない。
私も初読のときは、うるうるしてしまった…。
科学研究の為に繰り返されるモルモット手術。
それはやがて人間を、精神薄弱の人間の脳を使って行われた。
人に笑われることで、友達を得ていたチャーリー。
親に見捨てられ、妹に拒絶された過去を思い出したチャーリー。
急激に発達する脳細胞ー知識ー知能に、感情が激しく揺り動かされるチャーリー。
知能が急激に発達するからといって、感情がそれに伴うとは限らない。
いや、どちらかといえばそれは、逆行する。
混乱と、迷走と。
解説者の言うように、とてもSF小説という括弧では括りきれない、佳作なのだ。
それは数十年経った今でも断言できる。
特に、科学や医学の発展に目がくらんで、人間の本質・幸福というものに真っ向から目を向けることを忘れてしまった現在の人間にとっては。
映画「レナードの朝」でもそうだった。
そこに感じた、人間の英知の限界と言うか、運命のどうしようもなさというか……私はキリスト教徒ではないので、「これもすべて神の愛」とはよう考えられない(納得できない)のだけど、人間の力ではどうにも出来ない"力"は感じるしその存在を否定しない。
それにどこまでも抗おうという気力も、今となってはない。(若さがないせいか?)(笑)
だからこそ、人間の"忘れる"という機能は、本当に、生きてゆく上で大いなる力だと思うのだ。
私の冷たい墓標には、誰が花束を捧げてくれるだろうか。
(…と言う前に、お墓が買えるのか?いっそ散骨…できるのかな?環境汚染とか言われそうだナ…)
ISBN:4152033932 単行本 小尾 芙佐 早川書房 1989/04 ¥1,575
既にもう、レビューされない本のほうが多い…ような気がする著者。
非常に残念。
あと、「踊って死神さん」とか「風に哭く」とか、名作があるのに。
妖精・夢・愛・哀愁。
儚いものを描かせて、これほどの漫画家はなかなかいない。
単なる御伽噺でもなく、リアルなだけで味気のない現実話でもない。
夭逝が本当に悔やまれる人である。
プロとしての実際の活動って、わずか5年ぐらいだったんだなぁ…。
今は妹さんが頑張っているが。
ISBN:4253174817 文庫 花郁 悠紀子 秋田書店 2000/01 ¥590
非常に残念。
あと、「踊って死神さん」とか「風に哭く」とか、名作があるのに。
妖精・夢・愛・哀愁。
儚いものを描かせて、これほどの漫画家はなかなかいない。
単なる御伽噺でもなく、リアルなだけで味気のない現実話でもない。
夭逝が本当に悔やまれる人である。
プロとしての実際の活動って、わずか5年ぐらいだったんだなぁ…。
今は妹さんが頑張っているが。
ISBN:4253174817 文庫 花郁 悠紀子 秋田書店 2000/01 ¥590
早世した女流漫画家・花郁 悠紀子氏の作品のなかで、特に気に入っている。
登場人物が魅力的なのだ。
もっとも、彼女の核漫画の登場人物は、いかにも少女漫画といった、夢と希望に溢れた"ものたち"であるが。
かといって、大甘ちゃんなストーリーでは決してない。
人間の愚かさを見据えている。
そしてそれを上回る愛を。
人間にはどうしようもないこともあるのだけれど、それ以上に人は人を愛することができる。
彼女の作品には哀しさと温かさが溢れている。
ちょっと疲れた時に、読みます。
ISBN:4253174736 文庫 花郁 悠紀子 秋田書店 1999/11 ¥590
登場人物が魅力的なのだ。
もっとも、彼女の核漫画の登場人物は、いかにも少女漫画といった、夢と希望に溢れた"ものたち"であるが。
かといって、大甘ちゃんなストーリーでは決してない。
人間の愚かさを見据えている。
そしてそれを上回る愛を。
人間にはどうしようもないこともあるのだけれど、それ以上に人は人を愛することができる。
彼女の作品には哀しさと温かさが溢れている。
ちょっと疲れた時に、読みます。
ISBN:4253174736 文庫 花郁 悠紀子 秋田書店 1999/11 ¥590
レンヌ=ル=シャトーの謎―イエスの血脈と聖杯伝説
2006年9月6日 読書
…というわけで、ミーハーの血の赴くままに購入していたもう一冊。
「フリーメーソンとテンプル騎士団」と同じ著者だから読みやすかろう、話のつながりもあるだろう、とばかりにようよう手にすることとした。
嗚呼、でも、こいつも重い本だなぁ。
こっちはもろに、イエスの血脈と聖杯伝説、ということで、映画「ダ ヴィンチ・コード」とのつながりは濃厚…というより、映画の中で出てきたのではないかな?
と思うけど。
宗教と言うのは、迫害されたり、迫害したり、内紛があったり分裂があったり、長い歴史の中でいろいろあるわけだが、中でもキリスト教は現在に至るまで激しく揺れ動いている宗教のようだ。
ゆえに、研究も深く広く行われる。
だから。
いろんな謎とか不可思議とか辻褄が合わない事とか…暢気な異教徒には推理小説的な楽しみを与えてくれる。
ISBN:4760114432 単行本(ソフトカバー) 林 和彦 柏書房 1997/07 ¥5,040
「フリーメーソンとテンプル騎士団」と同じ著者だから読みやすかろう、話のつながりもあるだろう、とばかりにようよう手にすることとした。
嗚呼、でも、こいつも重い本だなぁ。
こっちはもろに、イエスの血脈と聖杯伝説、ということで、映画「ダ ヴィンチ・コード」とのつながりは濃厚…というより、映画の中で出てきたのではないかな?
と思うけど。
宗教と言うのは、迫害されたり、迫害したり、内紛があったり分裂があったり、長い歴史の中でいろいろあるわけだが、中でもキリスト教は現在に至るまで激しく揺れ動いている宗教のようだ。
ゆえに、研究も深く広く行われる。
だから。
いろんな謎とか不可思議とか辻褄が合わない事とか…暢気な異教徒には推理小説的な楽しみを与えてくれる。
ISBN:4760114432 単行本(ソフトカバー) 林 和彦 柏書房 1997/07 ¥5,040
アメリカ独立戦争におけるフリーメーソンの役割
2006年9月6日 読書……というわけで、長ったらしい名前の本を読了。
500頁とちょっと…。
寝っ転がって読むには、ホンマ、不適当な本だった。
本書によると、アメリカの独立戦争(アメリカ側では独立革命だそうだ)のとき、どっちの陣営にもフリーメーソンがおった。
しかも敵味方両方の指揮官クラスにうじゃうじゃと…だから、どちらも戦争遂行に熱心ではなかった。
アメリカは最初から独立に固執はしてなかったし。
英国(の現場)はやる気のない攻略ばかり繰り返した。
捕虜が団員と判明すればこっそり逃がしてやり。
敵の敗走を見届けてから軍を進めた。
大軍団の作戦はわざと妨害をした。
…とまぁ。
こんな調子が互いのスパイ網にも適用されていたというのだから、じつに滑稽な、茶番劇ともいえる戦争だったのではないか。
その中で使われて死んでいった兵士達がまったく気の毒である。
彼らはそんなこととは知らず、純粋に、国に鼓舞されて国(上官)を信じて突撃して戦死したわけだから。
尤も英国本土は、本気で独立を阻止しようと戦争をしていた。
現場の上級指揮官(たとえば司令官とか)がそれを邪魔立てしていただけで。
(こういう話はとっぴな思い付きではなく、今では定説なんだそうだ)
そうこうするうちに、フランスだのスペインだのが絡んできて、英国は欧羅巴本土の防戦も考えねばならなくなり、新大陸だけに力を注ぐわけには行かなくなって……まけた。
なんだか「瓢箪から駒」みたいな建国だわなぁ、アメリカって。
海洋冒険小説で英国海軍の過酷な話…などを随分読んでいるので、こういうことを知らされると非常に、なんというか…。
複雑である。
テンプル騎士団との関連については、どうやら権威付け・箔付け(?)などの為に、引っ張ってきたもののようである。
フリーメーソンには互いを団員であると認識するための秘密の信号(身振り手振り)や秘儀(秘密の儀式)もあったようなので、謎と秘密と怪しい雰囲気のテンプル騎士団に繋がってゆくのは当然だったのかも。
500頁とちょっと…。
寝っ転がって読むには、ホンマ、不適当な本だった。
本書によると、アメリカの独立戦争(アメリカ側では独立革命だそうだ)のとき、どっちの陣営にもフリーメーソンがおった。
しかも敵味方両方の指揮官クラスにうじゃうじゃと…だから、どちらも戦争遂行に熱心ではなかった。
アメリカは最初から独立に固執はしてなかったし。
英国(の現場)はやる気のない攻略ばかり繰り返した。
捕虜が団員と判明すればこっそり逃がしてやり。
敵の敗走を見届けてから軍を進めた。
大軍団の作戦はわざと妨害をした。
…とまぁ。
こんな調子が互いのスパイ網にも適用されていたというのだから、じつに滑稽な、茶番劇ともいえる戦争だったのではないか。
その中で使われて死んでいった兵士達がまったく気の毒である。
彼らはそんなこととは知らず、純粋に、国に鼓舞されて国(上官)を信じて突撃して戦死したわけだから。
尤も英国本土は、本気で独立を阻止しようと戦争をしていた。
現場の上級指揮官(たとえば司令官とか)がそれを邪魔立てしていただけで。
(こういう話はとっぴな思い付きではなく、今では定説なんだそうだ)
そうこうするうちに、フランスだのスペインだのが絡んできて、英国は欧羅巴本土の防戦も考えねばならなくなり、新大陸だけに力を注ぐわけには行かなくなって……まけた。
なんだか「瓢箪から駒」みたいな建国だわなぁ、アメリカって。
海洋冒険小説で英国海軍の過酷な話…などを随分読んでいるので、こういうことを知らされると非常に、なんというか…。
複雑である。
テンプル騎士団との関連については、どうやら権威付け・箔付け(?)などの為に、引っ張ってきたもののようである。
フリーメーソンには互いを団員であると認識するための秘密の信号(身振り手振り)や秘儀(秘密の儀式)もあったようなので、謎と秘密と怪しい雰囲気のテンプル騎士団に繋がってゆくのは当然だったのかも。
「コーデリアの言い分」、あらため、「女の言い分」
2006年9月6日 読書蒼々たる執筆者(いずれも英文学の学者ー女性)が分析する。
学者さんたちの、しかも同性(女性)が細かく細かく中身をチェックするのは本当にすごい。
…つうか、怖いぐらい(笑)
だから、翻訳者の誤訳もきびしく、びしびしと指摘する。
「こんな訳はまったく正反対だ!」と。
話が登場人物の言葉が何を意味しているかを神学や古典に求め、そこから本当の意味を引っ張り上げるとなると、翻訳者の単に"推理小説を日本語に直す"だけではダメな事になってくるのだ。
もともとP・D・ジェイムズの作品って推理小説というより純文学に近い匂いが雰囲気があるといわれているからなぁ。
主役のひとりであるダルグリッシュ警視なんか、自分で詩まで書いちゃう人だし。
著者は否定しているけど、だいたいコーデリア・グレイという名前そのものからしてシェークスピアを連想させるでしょう?
まあそういうことはさておいて。
P・D・ジェイムズの、"推理小説"の奥深くに描かれた"本当の思い"とは、その奥底にわだかまり澱む意識なのかもしれない。
それは女である著者が、女である登場人物を通して、社会に知らしめる言葉である。
知らしめる…というのもちょっと違うか。
そこまで主張はしていないけど…静かに示す、語る、みたいな。
この本はとっても面白かったし、「そこまで深読みしますか?!」というぐらい徹底的に彼女の著書を分解し解剖し白日の下に知らしめているのだけど、ただ最大の難点が…!
それは、ずばり犯人を語っていること!
…なので、P・D・ジェイムズの推理小説を全部読んでから(せめてここの俎板に乗っている分は読んでから)こちらを読むことをお薦めします。
というわけで、ここに取り上げられているのは。
*女の顔を覆え
*女には向かない職業
*わが職業は死
*罪なき血
*皮膚の下の頭蓋骨
*死の味
*策謀と欲望
学者さんたちの、しかも同性(女性)が細かく細かく中身をチェックするのは本当にすごい。
…つうか、怖いぐらい(笑)
だから、翻訳者の誤訳もきびしく、びしびしと指摘する。
「こんな訳はまったく正反対だ!」と。
話が登場人物の言葉が何を意味しているかを神学や古典に求め、そこから本当の意味を引っ張り上げるとなると、翻訳者の単に"推理小説を日本語に直す"だけではダメな事になってくるのだ。
もともとP・D・ジェイムズの作品って推理小説というより純文学に近い匂いが雰囲気があるといわれているからなぁ。
主役のひとりであるダルグリッシュ警視なんか、自分で詩まで書いちゃう人だし。
著者は否定しているけど、だいたいコーデリア・グレイという名前そのものからしてシェークスピアを連想させるでしょう?
まあそういうことはさておいて。
P・D・ジェイムズの、"推理小説"の奥深くに描かれた"本当の思い"とは、その奥底にわだかまり澱む意識なのかもしれない。
それは女である著者が、女である登場人物を通して、社会に知らしめる言葉である。
知らしめる…というのもちょっと違うか。
そこまで主張はしていないけど…静かに示す、語る、みたいな。
この本はとっても面白かったし、「そこまで深読みしますか?!」というぐらい徹底的に彼女の著書を分解し解剖し白日の下に知らしめているのだけど、ただ最大の難点が…!
それは、ずばり犯人を語っていること!
…なので、P・D・ジェイムズの推理小説を全部読んでから(せめてここの俎板に乗っている分は読んでから)こちらを読むことをお薦めします。
というわけで、ここに取り上げられているのは。
*女の顔を覆え
*女には向かない職業
*わが職業は死
*罪なき血
*皮膚の下の頭蓋骨
*死の味
*策謀と欲望
以前読んだのはまったくの異世界物語だったが、今回は13世紀の英国の話。
所謂中世騎士物語り、だろうか?と手にとってみたのだった…。
が。
いかん。
20歳そこそこの若者騎士が活躍する物語が、あまりにも純粋すぎるっつうか捻りが足りないっつうか、反応が真っ正直すぎるっつうか。
一言で言うなら若すぎる・もっとオジサンをそろえてくれ(笑)っつうか……食い足りないまま一冊を終わってしまったのでありました。
いかんなぁ…そういや、海洋冒険小説も最近ではすっかりオジサンの独壇場になったきらいがあるし、それが普通と思い込んでいた節もある。
たぶん、すっかり"そういうの"に馴らされてしまったようだ。
登場人物を同じくする第一部、というのがあるらしくて(知らなかった)、そちらで散々活躍した若者達が新しい設定で新しい冒険に乗り出した第一冊がこの本のようだ。
そうか…ではその最初のシリーズで馴れとかなあかんかったわけやな。
しかし、何に?(笑)
以前ボースンさまにお借りして読んだ傭兵ものは、平均年齢も高かったし…そうか、あのつもりで手を出したのがすべての誤りという事で、続きを読むかどうかは今のところ不明である。
ISBN:4062556235 文庫 駒崎 優 講談社 2002/07 ¥578
所謂中世騎士物語り、だろうか?と手にとってみたのだった…。
が。
いかん。
20歳そこそこの若者騎士が活躍する物語が、あまりにも純粋すぎるっつうか捻りが足りないっつうか、反応が真っ正直すぎるっつうか。
一言で言うなら若すぎる・もっとオジサンをそろえてくれ(笑)っつうか……食い足りないまま一冊を終わってしまったのでありました。
いかんなぁ…そういや、海洋冒険小説も最近ではすっかりオジサンの独壇場になったきらいがあるし、それが普通と思い込んでいた節もある。
たぶん、すっかり"そういうの"に馴らされてしまったようだ。
登場人物を同じくする第一部、というのがあるらしくて(知らなかった)、そちらで散々活躍した若者達が新しい設定で新しい冒険に乗り出した第一冊がこの本のようだ。
そうか…ではその最初のシリーズで馴れとかなあかんかったわけやな。
しかし、何に?(笑)
以前ボースンさまにお借りして読んだ傭兵ものは、平均年齢も高かったし…そうか、あのつもりで手を出したのがすべての誤りという事で、続きを読むかどうかは今のところ不明である。
ISBN:4062556235 文庫 駒崎 優 講談社 2002/07 ¥578