本名、ニコラス・ヴェルヴェッタ。
イタリア系アメリカ人。
1932年3月24日生まれ。
黒髪。
茶色の目。
身長は6フィート少々。
高校中退。
18歳で陸軍に入隊。
朝鮮戦争に参加。
戦後は、ウェストチェスター郡のドッグで働きながら夜学へ通い高校課程終了。
ボート遊びが好きで、ロング・アイランド・サウンドの海に近い小さな町にガールフレンドと住んでいる。
仕事は依頼を受けての泥棒。
ただし、「金や宝石などは価値のあるもの、人の命は盗まない」
手数料は2万ドル+経費。
場合によっては3万ドル……
というのが、この小説の主人公・ニック・ヴェルヴェット(自分で省略しているらしい)である。
じーさんではない。
彼が活躍したのが(つまりこのシリーズが上梓されたのが)1970年代だったというだけのこと。
40前のイイオトコ、という設定だ。
金目の物は盗まない。
では何を盗むかと言えば。
訳ありのもの。
依頼人その人にとってのみ価値のあるもの。
それはプールの水であったり、ガラスの王冠であったり、教会のオルガンだったりする。
悪事の手先に使われそうになったりもするが、そこはそれ、途中で気がつき最後には逆転。
相手をやり込める。
短編小説の推理者(?)としては、手ごろな読み物である。
そこそこ人気もあったらしいが、泥棒の物語だからと、アメリカではドラマ化されなかったらしい。(へ〜?)
"国家に雇われている"泥棒だったならOKだったんだってさ!
そういうことに拘らない仏蘭西とかいう国がドラマ化し、テレビ放映もしたという。
時代性でもあるかな?
日本だったらお構いなしだったろうにねぇ…
昔から泥棒がもてはやされるお国柄だし。(白波五人男とか)
などと思いつつ。
ISBN:4150735042 文庫 木村 二郎 早川書房 2003/08 ¥861
イタリア系アメリカ人。
1932年3月24日生まれ。
黒髪。
茶色の目。
身長は6フィート少々。
高校中退。
18歳で陸軍に入隊。
朝鮮戦争に参加。
戦後は、ウェストチェスター郡のドッグで働きながら夜学へ通い高校課程終了。
ボート遊びが好きで、ロング・アイランド・サウンドの海に近い小さな町にガールフレンドと住んでいる。
仕事は依頼を受けての泥棒。
ただし、「金や宝石などは価値のあるもの、人の命は盗まない」
手数料は2万ドル+経費。
場合によっては3万ドル……
というのが、この小説の主人公・ニック・ヴェルヴェット(自分で省略しているらしい)である。
じーさんではない。
彼が活躍したのが(つまりこのシリーズが上梓されたのが)1970年代だったというだけのこと。
40前のイイオトコ、という設定だ。
金目の物は盗まない。
では何を盗むかと言えば。
訳ありのもの。
依頼人その人にとってのみ価値のあるもの。
それはプールの水であったり、ガラスの王冠であったり、教会のオルガンだったりする。
悪事の手先に使われそうになったりもするが、そこはそれ、途中で気がつき最後には逆転。
相手をやり込める。
短編小説の推理者(?)としては、手ごろな読み物である。
そこそこ人気もあったらしいが、泥棒の物語だからと、アメリカではドラマ化されなかったらしい。(へ〜?)
"国家に雇われている"泥棒だったならOKだったんだってさ!
そういうことに拘らない仏蘭西とかいう国がドラマ化し、テレビ放映もしたという。
時代性でもあるかな?
日本だったらお構いなしだったろうにねぇ…
昔から泥棒がもてはやされるお国柄だし。(白波五人男とか)
などと思いつつ。
ISBN:4150735042 文庫 木村 二郎 早川書房 2003/08 ¥861
借り物。(こればっかりや…)
買っている本人も、イラストレーターに釣られて買っているので「(内容に)保障は出来ない」などと仰る。
あのな……
中国風ファンタジーってことで、雰囲気だけ中国からレンタルしていると最初に断ってもらえると読むほうも助かるってもんだ。
中途半端に考証されると突っ込んでしまう…嗚呼、「突っ込みの関西人気質」が、楽しみを妨害する。
しかし。
「竜女」といえば、どうしても思い浮かぶのは「お経」だ。
季節柄もぴったりだ。
この小説に関しては、竜は竜でも、「龍」の方だろうけど…。
まあ、折角の盆休みでもあることだし、何も考えずに楽しみましょうか。
ISBN:4062557878 文庫 由羅 カイリ 講談社 2005/03/05 ¥630
買っている本人も、イラストレーターに釣られて買っているので「(内容に)保障は出来ない」などと仰る。
あのな……
中国風ファンタジーってことで、雰囲気だけ中国からレンタルしていると最初に断ってもらえると読むほうも助かるってもんだ。
中途半端に考証されると突っ込んでしまう…嗚呼、「突っ込みの関西人気質」が、楽しみを妨害する。
しかし。
「竜女」といえば、どうしても思い浮かぶのは「お経」だ。
季節柄もぴったりだ。
この小説に関しては、竜は竜でも、「龍」の方だろうけど…。
まあ、折角の盆休みでもあることだし、何も考えずに楽しみましょうか。
ISBN:4062557878 文庫 由羅 カイリ 講談社 2005/03/05 ¥630
アーロン・エルキンズは結構好きな作家だ。
第二次大戦中のいきさつから現代の殺人に繋がる推理小説・「古い骨」は、私自分が仏蘭西で観光した"モン・サン・ミッシェル"が出てくるので、嬉しがってそれだけで買った本だが、中々の出来であった。
なにやら賞を取った本らしいので、当たり前と言えば当たり前なのかも知れないが。
アメリカの美術館に勤める主人公・クリス・ノーグレン博士は、ナチスドイツから取り返された名画の展覧会を無事に開催するために日夜努力している。
たとえ、
笑いながら機嫌よく朝食を食べていた妻が、帰宅したら姿を消していても。
遠く離れた土地でちゃっかり、ほかの男と暮らしていても。
その離婚訴訟で日々弁護士に電話攻勢をかけられても。
頼りになる先輩が旅路の果てで無茶苦茶不審な事故死(?)を遂げても。
気を惹かれた空軍のウエーブと尽く上手くいかなくても。
ドイツ駐在のアメリカ軍の基地には、そのバーには壁一杯のスロットマシンがひっきりなしにチンジャラ言わせて並んでいるとか。
そこにたむろする空軍兵士(パイロット)があたかも英国本土上空戦(第二次世界大戦)の出撃前の様だとか。
そこで飲むお酒がとんでもなくやすいとか(税金の関係?)。
戦時中のことを描いた漫画や映画そのまま。
そういうもので得た知識を思い切り後押ししてくれるシーンが連続する。
読者が予想するものを与えてくれる、サービスの良い作家である。
さて。
実は。
一年に一度の大検査を前に、絶食に入るため、また2リットルの検査薬(って下剤のことだが)を飲まねばならぬため、その気晴らしにと読み始めた本だった。
大成功。
気はまぎれた。
ただ。
あれほど"予想できる・想像できる"食べ物を並べられるとは予想外だった。
をのれ……。
ドイツのソーセージって、ケーキって…って、おもわず涎出ちゃったよ。
…というわけで。
無事に検査が終わり、◎を貰った今、私はせっせと食べるのである。
たとえ。
薬の余韻でトイレと非常に親密なお友達状態となっても。
絶食後の食事で胃が嫌な感じに膨らんでいても。
ISBN:4151751025 文庫 秋津 知子 早川書房 2005/03/24 ¥903
第二次大戦中のいきさつから現代の殺人に繋がる推理小説・「古い骨」は、私自分が仏蘭西で観光した"モン・サン・ミッシェル"が出てくるので、嬉しがってそれだけで買った本だが、中々の出来であった。
なにやら賞を取った本らしいので、当たり前と言えば当たり前なのかも知れないが。
アメリカの美術館に勤める主人公・クリス・ノーグレン博士は、ナチスドイツから取り返された名画の展覧会を無事に開催するために日夜努力している。
たとえ、
笑いながら機嫌よく朝食を食べていた妻が、帰宅したら姿を消していても。
遠く離れた土地でちゃっかり、ほかの男と暮らしていても。
その離婚訴訟で日々弁護士に電話攻勢をかけられても。
頼りになる先輩が旅路の果てで無茶苦茶不審な事故死(?)を遂げても。
気を惹かれた空軍のウエーブと尽く上手くいかなくても。
ドイツ駐在のアメリカ軍の基地には、そのバーには壁一杯のスロットマシンがひっきりなしにチンジャラ言わせて並んでいるとか。
そこにたむろする空軍兵士(パイロット)があたかも英国本土上空戦(第二次世界大戦)の出撃前の様だとか。
そこで飲むお酒がとんでもなくやすいとか(税金の関係?)。
戦時中のことを描いた漫画や映画そのまま。
そういうもので得た知識を思い切り後押ししてくれるシーンが連続する。
読者が予想するものを与えてくれる、サービスの良い作家である。
さて。
実は。
一年に一度の大検査を前に、絶食に入るため、また2リットルの検査薬(って下剤のことだが)を飲まねばならぬため、その気晴らしにと読み始めた本だった。
大成功。
気はまぎれた。
ただ。
あれほど"予想できる・想像できる"食べ物を並べられるとは予想外だった。
ドイツ人はまぎれもなく世界一しじゅう何かモグモグ食べている国民である。…(略)…もし5メートル行ってもパン屋もシュネル・インビスーホットスナック・スタンドだがーも見えないと、彼らは傍目にそれとわかるほど心配そうになったり、それどころかパニックにかられたりする。その結果、鉄道駅、空港、その他、公共の場所にはソーセージや、ビールや、ケーキや、ほかの軽食、それも概して高品質なものを売る小さなスタンド式のスナックバーがずらりと立ち並ぶことになる。
をのれ……。
ドイツのソーセージって、ケーキって…って、おもわず涎出ちゃったよ。
…というわけで。
無事に検査が終わり、◎を貰った今、私はせっせと食べるのである。
たとえ。
薬の余韻でトイレと非常に親密なお友達状態となっても。
絶食後の食事で胃が嫌な感じに膨らんでいても。
ISBN:4151751025 文庫 秋津 知子 早川書房 2005/03/24 ¥903
海賊岬の死体 -モーズリー判事シリーズ
2005年8月10日 読書
推理小説なんだが。
救われない。
ホント、誰も救われないハナシだった。
気の毒、を通り越してしまうね。
あらゆるカップルは、裏切りと不運と後悔の、不幸のどん底に堕ちて行った。
若い野望も叶わず。
古い憧憬も果たされず。
これでは、いかにお釈迦様でも"掬い"ようがない。
200年前の海賊、ジャン・フリーク。
彼は、アメリカに許可証を発給されていたバカニア(国家公認海賊)だったが、最終的にはそのアメリカからも追われるパイレーツに成り果てた。
何しろ。
アメリカの商船を襲ったんだから、仕方が無い。
で、良くある話。
財宝を、
どこかに、
埋めた。
手伝った部下を、無理やり宝の倉の番人にしたてて。
(つまり秘密を守るために殺して埋めた)
その"埋もれた財宝"を巡ってのたくさんの人間の、欲と名誉にかられた、殺伐とした物語が始まる。
救い様が無い。
こういうのもありだろう。
だけど、人生に、ただ取りすぎてゆく人たちが、「死」という壁の向こうにどんどんと放り込まれてゆくのがいただけない。
まるで壊れたおもちゃを始末するみたいに…。
それとも、これが、アメリカの現実?
ISBN:4151745521 文庫 吉澤 康子 早川書房 2004/07/08 ¥861
救われない。
ホント、誰も救われないハナシだった。
気の毒、を通り越してしまうね。
あらゆるカップルは、裏切りと不運と後悔の、不幸のどん底に堕ちて行った。
若い野望も叶わず。
古い憧憬も果たされず。
これでは、いかにお釈迦様でも"掬い"ようがない。
200年前の海賊、ジャン・フリーク。
彼は、アメリカに許可証を発給されていたバカニア(国家公認海賊)だったが、最終的にはそのアメリカからも追われるパイレーツに成り果てた。
何しろ。
アメリカの商船を襲ったんだから、仕方が無い。
で、良くある話。
財宝を、
どこかに、
埋めた。
手伝った部下を、無理やり宝の倉の番人にしたてて。
(つまり秘密を守るために殺して埋めた)
その"埋もれた財宝"を巡ってのたくさんの人間の、欲と名誉にかられた、殺伐とした物語が始まる。
救い様が無い。
こういうのもありだろう。
だけど、人生に、ただ取りすぎてゆく人たちが、「死」という壁の向こうにどんどんと放り込まれてゆくのがいただけない。
まるで壊れたおもちゃを始末するみたいに…。
それとも、これが、アメリカの現実?
ISBN:4151745521 文庫 吉澤 康子 早川書房 2004/07/08 ¥861
鋼の錬金術師 (1)
2005年8月9日 読書
友人(の子供)から借りて読み、すっかり嵌まってしまったこの作品。
妹は、先日、とりあえず最新刊(11巻)を購入し、その後、1〜10巻を古本屋でセットで入手した…。
そいつが先日私の机の上にどさん!と。
…どっすん!と置かれたわけだ。
この誘惑に誰が耐えられるだろうか(いや、耐えられまいよ)
中に挟んであるチョコレートで鼻血が出そうになる程苦しみながら、ウエハースを買い続ける(森永のウエハースで食玩が出ている。おまけはカード)妹。
それほど嵌まりながら、新刊を買わないところが私に似ない、私の身内である。
(私は嵌まった本に対してだけは自制が効かないので、すぐ新刊をかっちゃうタイプなのだ)
改めて読むと…やっぱり面白いよな。
1巻からぐいぐい引き込まれるもん。
流行る本ってのは、最初から分かる。
匂いがする。
雰囲気がする。
しかし。
いちいちカバーをめくって中のおまけの絵(書き下ろし)を確認し、はたまた背表紙にまでそいつを探すというのはマニアックな世界だ。
皆が雑誌で済ませたり漫画喫茶で終わらせたりするので、その分単行本が売れないから、買ってもらう為の"苦肉の策"なんだろうケドサ。
単行本への書き下ろしというのは「、ただ働き」と聞いたことがあるので、漫画家もたいへんだね〜と同情もするのであった。
ISBN:4757506201 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2002/01 ¥410
妹は、先日、とりあえず最新刊(11巻)を購入し、その後、1〜10巻を古本屋でセットで入手した…。
そいつが先日私の机の上にどさん!と。
…どっすん!と置かれたわけだ。
この誘惑に誰が耐えられるだろうか(いや、耐えられまいよ)
中に挟んであるチョコレートで鼻血が出そうになる程苦しみながら、ウエハースを買い続ける(森永のウエハースで食玩が出ている。おまけはカード)妹。
それほど嵌まりながら、新刊を買わないところが私に似ない、私の身内である。
(私は嵌まった本に対してだけは自制が効かないので、すぐ新刊をかっちゃうタイプなのだ)
改めて読むと…やっぱり面白いよな。
1巻からぐいぐい引き込まれるもん。
流行る本ってのは、最初から分かる。
匂いがする。
雰囲気がする。
しかし。
いちいちカバーをめくって中のおまけの絵(書き下ろし)を確認し、はたまた背表紙にまでそいつを探すというのはマニアックな世界だ。
皆が雑誌で済ませたり漫画喫茶で終わらせたりするので、その分単行本が売れないから、買ってもらう為の"苦肉の策"なんだろうケドサ。
単行本への書き下ろしというのは「、ただ働き」と聞いたことがあるので、漫画家もたいへんだね〜と同情もするのであった。
ISBN:4757506201 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2002/01 ¥410
パンプルムース氏のおすすめ料理
2005年8月8日 読書
ぜ〜ん、ぜん気がつかなかった。
私…シリーズの2巻から読んでたわいな。
&この作者、マイケル・ボンドって、パディントン・ベアの生みの親。
1926年生まれの…現在79歳。
すごいな。
現役かいな。
主人公のパンプルムース氏にくっついている犬のポムフリットくん。
元警察犬でブラックハウンドで、体重は50Kgぐらい……なんだけど、何でだろうか?
字面を追いかけていると、思い浮かぶ彼の容姿が、「ケンケン」なのは。
ぜんぜん違うのに!?
ケンケン…って知ってます?
「チキチキマシン猛レース」にでてくる「イッシシシシ…!」って笑う犬です。
悪役のペットなんですが、ペットというより相棒。
そして、何故か主人の足をいつも引っ張る。
主人にやつあたりされたら、仕返しを忘れない。
いい根性の犬でした。
ポムフリットのイメージが…何故か、これ。
(悪気は無い)
フランス人は犬好きで、カフェでも足元に犬が寝そべっていたりするけど、そのフンの後始末をしない、というルーズさがある。
何故か知らないが、公然と、後始末をしない。
そして堂々としている。
これも文化?
ええと…
料理に関わる仕事をしている主人公(元刑事)なので、事件も料理にまつわる話となる。
ワインだのシャンパンだの、私にはよくわからない薀蓄が続くけれど、話の流れの邪魔をしているわけではない。
ただ、好事家なら涎をたらすであろう描写でも、「ふ〜ん?」「わからへんなぁ〜」で済んでしまうので、作者に申し訳ない気はする。
ミステリーとしてはややこしく絡まってはいないが、人間は楽しく書けている。
ラストの謎解きもどきどきさせてくれた。
そんなわけで、これから第一作目に挑戦…(笑)
ISBN:4488215025 文庫 木村 博江 東京創元社 2001/07 ¥630
私…シリーズの2巻から読んでたわいな。
&この作者、マイケル・ボンドって、パディントン・ベアの生みの親。
1926年生まれの…現在79歳。
すごいな。
現役かいな。
主人公のパンプルムース氏にくっついている犬のポムフリットくん。
元警察犬でブラックハウンドで、体重は50Kgぐらい……なんだけど、何でだろうか?
字面を追いかけていると、思い浮かぶ彼の容姿が、「ケンケン」なのは。
ぜんぜん違うのに!?
ケンケン…って知ってます?
「チキチキマシン猛レース」にでてくる「イッシシシシ…!」って笑う犬です。
悪役のペットなんですが、ペットというより相棒。
そして、何故か主人の足をいつも引っ張る。
主人にやつあたりされたら、仕返しを忘れない。
いい根性の犬でした。
ポムフリットのイメージが…何故か、これ。
(悪気は無い)
フランス人は犬好きで、カフェでも足元に犬が寝そべっていたりするけど、そのフンの後始末をしない、というルーズさがある。
何故か知らないが、公然と、後始末をしない。
そして堂々としている。
これも文化?
ええと…
料理に関わる仕事をしている主人公(元刑事)なので、事件も料理にまつわる話となる。
ワインだのシャンパンだの、私にはよくわからない薀蓄が続くけれど、話の流れの邪魔をしているわけではない。
ただ、好事家なら涎をたらすであろう描写でも、「ふ〜ん?」「わからへんなぁ〜」で済んでしまうので、作者に申し訳ない気はする。
ミステリーとしてはややこしく絡まってはいないが、人間は楽しく書けている。
ラストの謎解きもどきどきさせてくれた。
そんなわけで、これから第一作目に挑戦…(笑)
ISBN:4488215025 文庫 木村 博江 東京創元社 2001/07 ¥630
パンプルムース氏の晩餐会
2005年8月8日 読書
グルメ作家の描く推理小説…ってことで、私はこの作者の作品は初めてである。
中表紙には、デュマがらみの仮装云々ってことなので、ファンの私は楽しみにページを繰るのであった。
(表紙もそれっぽい)
はっ。
まさか小デュマじゃないだろうな?
ISBN:4488215084 文庫 木村 博江 東京創元社 2005/05/30 ¥693
中表紙には、デュマがらみの仮装云々ってことなので、ファンの私は楽しみにページを繰るのであった。
(表紙もそれっぽい)
はっ。
まさか小デュマじゃないだろうな?
ISBN:4488215084 文庫 木村 博江 東京創元社 2005/05/30 ¥693
ちょうど一年前の夏に出ていた本。
日本の夜景を審査(?)し、精選し、まとめたもの。
そりゃぁまぁ、綺麗です。
写真がも少し大きければ…せめて雑誌サイズなら良かったのになぁなどと思ってはいけない。
(サイズは普通のハードカバーサイズなのだ)
地元・京都はろうそく、もとえ、京都タワーか…
(京都駅前の、アレです。念のため。)
夜景は好きだ。
(唐突だが)
神戸の年末のルミナリエだって、抜けたのは一度だけだ。
後はず〜っと行っている。
飽きない。
だけど、この電気。
資源の無駄遣い、と言われたら反論できない。
普通に生活して、それで「夜景が綺麗よ」と言うなら兎も角、あえてわざわざ電気をつけて夜景を作るのは…抵抗あるだろう。
地球が悲鳴をあげているのに、「きれいねぇ〜」なんて悠長にいてもいられない。
逆ライトアップ。
ライトアップをやめましょう。
電気を消しましょう…なんて運動が出てきているぐらいだから、あまり大きな声で喧伝できない気もする。
気が引ける。
好きだから余計に…。
う〜ジレンマ!
ISBN:4835609506 単行本 丸々 もとお ぴあ 2004/08 ¥1,995
日本の夜景を審査(?)し、精選し、まとめたもの。
そりゃぁまぁ、綺麗です。
写真がも少し大きければ…せめて雑誌サイズなら良かったのになぁなどと思ってはいけない。
(サイズは普通のハードカバーサイズなのだ)
地元・京都はろうそく、もとえ、京都タワーか…
(京都駅前の、アレです。念のため。)
夜景は好きだ。
(唐突だが)
神戸の年末のルミナリエだって、抜けたのは一度だけだ。
後はず〜っと行っている。
飽きない。
だけど、この電気。
資源の無駄遣い、と言われたら反論できない。
普通に生活して、それで「夜景が綺麗よ」と言うなら兎も角、あえてわざわざ電気をつけて夜景を作るのは…抵抗あるだろう。
地球が悲鳴をあげているのに、「きれいねぇ〜」なんて悠長にいてもいられない。
逆ライトアップ。
ライトアップをやめましょう。
電気を消しましょう…なんて運動が出てきているぐらいだから、あまり大きな声で喧伝できない気もする。
気が引ける。
好きだから余計に…。
う〜ジレンマ!
ISBN:4835609506 単行本 丸々 もとお ぴあ 2004/08 ¥1,995
彩雲国物語 欠けゆく白銀の砂時計
2005年8月7日 読書
シリーズの最新刊。
王都に帰って(もちろんお仕事で!)昔の知り合いたちが大集合…と言うほどでもないかな?
まっくろくろすけが生きてゆけない都会へ、主人公は還って来ました。
あれやこれや背負って…だけど。
うう〜ん……。
時、ここに至って、作者の野望が開眼!
って感じでもあるんだけれど…。
それはそれでいいんだけど、舞台を仕切りなおした方が良かったのでは?と思わないでもない。
あくまでも私は、だけど。
物語の、向いている方向が最初とはこうも変わってくる(ように感じられる)と…どうなんだろう?
社会状況というか、最初の枠組みから微妙にずれている気もして…読んでいて違和感を感じたり、前ほど面白いと思えなくなってきたのが非常に残念だ。
空想社会の政治談議なぁ…どこまで付いてゆけるやら。
(そんなもの求めてなかったよ〜という声が私の耳にも聞こえる)
最初に読んでいた物語とはまったく異質の物語になってしまったような気もする。
戸惑って付いてゆけない、という感じなのかな?
「こんなの求めてなかった」とか、「こんな筈じゃなかったのでは?」と読者が感じてしまったら…辛いよね。
それと新顔のお名前が…珍しい難しい漢字ばっかり使うからネタ切れかしらん?
普通の文字にしとく方が現実味も有ると思うのだけど。
漢字と言うのは、その"ひともじ"でいろいろな意味を持つから、下手に重ねられないよね。
その人を支配する名前であれば、なおのこと。
ただ…
歴史上の人物や有名物語譚の登場人物を連想させる名前も、イメージが被るからやめて欲しい、とは思う。
折角の力作が、台無しだ。
この「彩雲国」の世界から、いきなりパロディの世界に堕とされた気分になって仕方が無い。
…まあ、何事も、所詮は好き嫌いでしかないけど。
所々の描写は、まだまだ面白いものが残っているので、希望は捨ててはいない。
しかし、このシリーズを買ってまわしてくれる人が、いつまで買ってくれるか…まわしてくれるのか、そっちの方もとっても気になる今日この頃である。
ISBN:4044499071 文庫 雪乃 紗衣 角川書店 2005/07/30 ¥480
王都に帰って(もちろんお仕事で!)昔の知り合いたちが大集合…と言うほどでもないかな?
まっくろくろすけが生きてゆけない都会へ、主人公は還って来ました。
あれやこれや背負って…だけど。
うう〜ん……。
時、ここに至って、作者の野望が開眼!
って感じでもあるんだけれど…。
それはそれでいいんだけど、舞台を仕切りなおした方が良かったのでは?と思わないでもない。
あくまでも私は、だけど。
物語の、向いている方向が最初とはこうも変わってくる(ように感じられる)と…どうなんだろう?
社会状況というか、最初の枠組みから微妙にずれている気もして…読んでいて違和感を感じたり、前ほど面白いと思えなくなってきたのが非常に残念だ。
空想社会の政治談議なぁ…どこまで付いてゆけるやら。
(そんなもの求めてなかったよ〜という声が私の耳にも聞こえる)
最初に読んでいた物語とはまったく異質の物語になってしまったような気もする。
戸惑って付いてゆけない、という感じなのかな?
「こんなの求めてなかった」とか、「こんな筈じゃなかったのでは?」と読者が感じてしまったら…辛いよね。
それと新顔のお名前が…珍しい難しい漢字ばっかり使うからネタ切れかしらん?
普通の文字にしとく方が現実味も有ると思うのだけど。
漢字と言うのは、その"ひともじ"でいろいろな意味を持つから、下手に重ねられないよね。
その人を支配する名前であれば、なおのこと。
ただ…
歴史上の人物や有名物語譚の登場人物を連想させる名前も、イメージが被るからやめて欲しい、とは思う。
折角の力作が、台無しだ。
この「彩雲国」の世界から、いきなりパロディの世界に堕とされた気分になって仕方が無い。
…まあ、何事も、所詮は好き嫌いでしかないけど。
所々の描写は、まだまだ面白いものが残っているので、希望は捨ててはいない。
しかし、このシリーズを買ってまわしてくれる人が、いつまで買ってくれるか…まわしてくれるのか、そっちの方もとっても気になる今日この頃である。
ISBN:4044499071 文庫 雪乃 紗衣 角川書店 2005/07/30 ¥480
不思議なことなんて無いのだよ。
某氏の有名な科白だが、これは作者の信念でもあるんだろう。
「続巷説百物語」
その中の一話がドラマ化されたように、短編とは言えその中味は濃い。
私は、同作者のレンガ本よりこっちの方が好きだな。
言いたいことが、はっきりしてるし。
不思議事。
不可思議事に目を晦まされて、人は本質を見抜けないでいる。
だが、だからこそ「幸せ♪」ってこともある。
その辺を加減乗除するのが小股潜りの叉市。
レンガ本が、京極堂の重い腰を上げさせて、気の進まぬ「お祓い(謎解き)」をさせ、事実関係を白日の下に晒して関口以下普通の人々を驚愕させるものであるならば、「巷説…」はその逆。
人の、心の納まり具合のよいように、納めてしまうのが心憎い…というか、勧善懲悪では無い、理不尽な世界に生きる身には却って心良いのである。
心・酔い。
とでも言うべきか。
登場人物の背景がそろそろ見えてきて(肉が付いてきて)、そちらも楽しみのひとつである。
某氏の有名な科白だが、これは作者の信念でもあるんだろう。
「続巷説百物語」
その中の一話がドラマ化されたように、短編とは言えその中味は濃い。
私は、同作者のレンガ本よりこっちの方が好きだな。
言いたいことが、はっきりしてるし。
不思議事。
不可思議事に目を晦まされて、人は本質を見抜けないでいる。
だが、だからこそ「幸せ♪」ってこともある。
その辺を加減乗除するのが小股潜りの叉市。
レンガ本が、京極堂の重い腰を上げさせて、気の進まぬ「お祓い(謎解き)」をさせ、事実関係を白日の下に晒して関口以下普通の人々を驚愕させるものであるならば、「巷説…」はその逆。
人の、心の納まり具合のよいように、納めてしまうのが心憎い…というか、勧善懲悪では無い、理不尽な世界に生きる身には却って心良いのである。
心・酔い。
とでも言うべきか。
登場人物の背景がそろそろ見えてきて(肉が付いてきて)、そちらも楽しみのひとつである。
2冊目はこれ。
只今、色んな意味で巷を騒がす京極堂…は出てないけど。
これ前作が面白かったんだよね。
短編で、読みやすい。
本の帯の宣伝によると、この短編の中の物語もWOWWOWでドラマ化されているようだ。
すごいねー。
でも妖怪はどうするのだろうか?
心象風景で誤魔化すにはちょっと…
CGでやったらばかげてるし…
人間の暗黒面を顕わす為に…では、ダースベイダーになってしまいそうだ。
(そういや、私の世代は"ズーハー・ズーハー"とベイダー卿の呼吸音の真似をしたものだが、今時はやらないんだろうね?なんか、二枚目キャラになってるみたいだし…前3作ファンには予想も付かなかった展開だけど!)
短編6作で760頁か……あんまり短編でもないか。
ISBN:4043620039 文庫 京極 夏彦 角川書店 2005/02/24 ¥900
只今、色んな意味で巷を騒がす京極堂…は出てないけど。
これ前作が面白かったんだよね。
短編で、読みやすい。
本の帯の宣伝によると、この短編の中の物語もWOWWOWでドラマ化されているようだ。
すごいねー。
でも妖怪はどうするのだろうか?
心象風景で誤魔化すにはちょっと…
CGでやったらばかげてるし…
人間の暗黒面を顕わす為に…では、ダースベイダーになってしまいそうだ。
(そういや、私の世代は"ズーハー・ズーハー"とベイダー卿の呼吸音の真似をしたものだが、今時はやらないんだろうね?なんか、二枚目キャラになってるみたいだし…前3作ファンには予想も付かなかった展開だけど!)
短編6作で760頁か……あんまり短編でもないか。
ISBN:4043620039 文庫 京極 夏彦 角川書店 2005/02/24 ¥900
友人から一箱。
宝箱が一箱。
本が詰った小包が届いて…大はしゃぎ。
早速手にしたのは、やっぱりこれだった。
作中の推理小説家・アリス氏曰く、
「○○殺人事件」という小説はいまだ書いたことが無い。
そのあたりでとりあえず、にやり。
この人の小説は関西(しかも京都と大阪がメイン)を舞台にローカル色も豊かに展開するのがすき。
なんと言っても「関西だけあったらええわ」的な話の展開(うそです)が好き(笑)
「きりぎりすとあり」のキリギリスは、最後はありに断られて雪の中をとぼとと行く…んだったか。
覚えてないけど。
世の中は厳しい。
自分の面倒は自分で見ろ。
遊ぶのは自由だが、飢えるのも自由だ。
…というお話なのだ。
シビアだねぇ。
資本主義に走った国々は、明るく美しい自由しか見ないから失敗をする。
堕ちて行く自由もあるんだけど。
人生は、一種、賭けのようなもんだから。
大きく賭けて、大成功するかどん底に堕ちるか、の幅の広い人生を選ぶか。
あるいは程ほどに、可もなく不可もなく、生きてゆくのか。
それも自由。
人権の名の下に、そんな私たちを最後に掬うのは、お釈迦様の手の"水かき"か、それとも国の福祉か。
ゆりかごから墓場まで面倒見て欲しかったクチです。
私は。
…生まれる場所と時代を間違ったかな?
ISBN:4101204330 文庫 有栖川 有栖 新潮社 2004/01 ¥620
宝箱が一箱。
本が詰った小包が届いて…大はしゃぎ。
早速手にしたのは、やっぱりこれだった。
作中の推理小説家・アリス氏曰く、
「○○殺人事件」という小説はいまだ書いたことが無い。
そのあたりでとりあえず、にやり。
この人の小説は関西(しかも京都と大阪がメイン)を舞台にローカル色も豊かに展開するのがすき。
なんと言っても「関西だけあったらええわ」的な話の展開(うそです)が好き(笑)
「きりぎりすとあり」のキリギリスは、最後はありに断られて雪の中をとぼとと行く…んだったか。
覚えてないけど。
世の中は厳しい。
自分の面倒は自分で見ろ。
遊ぶのは自由だが、飢えるのも自由だ。
…というお話なのだ。
シビアだねぇ。
資本主義に走った国々は、明るく美しい自由しか見ないから失敗をする。
堕ちて行く自由もあるんだけど。
人生は、一種、賭けのようなもんだから。
大きく賭けて、大成功するかどん底に堕ちるか、の幅の広い人生を選ぶか。
あるいは程ほどに、可もなく不可もなく、生きてゆくのか。
それも自由。
人権の名の下に、そんな私たちを最後に掬うのは、お釈迦様の手の"水かき"か、それとも国の福祉か。
ゆりかごから墓場まで面倒見て欲しかったクチです。
私は。
…生まれる場所と時代を間違ったかな?
ISBN:4101204330 文庫 有栖川 有栖 新潮社 2004/01 ¥620
栗田工業株式会社という法人が出している機関誌である。
「水」に関わるパンフレットを一度申し込んだら(無料)、その後もまめに送ってきてくれる。
ありがたい。
なにせ、これが結構面白いのだ。
今回の目玉は「帆船で北太平洋を渡る」!!
もう言葉も無い。
記者は、中村庸夫(なかむらつねお)氏。
そう。
帆船大好き人間なら説明するまでも無い。
美しい"貴婦人"を"白鳥"を撮り続けるカメラマンである。
(写真を見るとまだまだ若い:もっと年配の人だと思ってた〜)
日本の誇る美しい帆船、日本丸・海王丸が練習航海でハワイへ航海するというのは有名な話だが、その航路や船旅についてはあまり知られてはいない…というか関心がもたれていない。
往路は、
アリューシャン列島まで北上⇒北太平洋海流を利用して東進⇒太平洋の真ん中あたりから一気に南下
復路は、
赤道のすぐ北あたりまで南下⇒貿易風と北赤道海流を掴んで西走⇒黒潮を利用して日本へ
これが最短航路なのだそうだ。
う〜ん。
いいねぇ。
でも、神戸沖で「咸臨丸」がちょっとだけ帆走しただけで酔いかけた私には…無理無理。
「水」に関わるパンフレットを一度申し込んだら(無料)、その後もまめに送ってきてくれる。
ありがたい。
なにせ、これが結構面白いのだ。
今回の目玉は「帆船で北太平洋を渡る」!!
もう言葉も無い。
記者は、中村庸夫(なかむらつねお)氏。
そう。
帆船大好き人間なら説明するまでも無い。
美しい"貴婦人"を"白鳥"を撮り続けるカメラマンである。
(写真を見るとまだまだ若い:もっと年配の人だと思ってた〜)
日本の誇る美しい帆船、日本丸・海王丸が練習航海でハワイへ航海するというのは有名な話だが、その航路や船旅についてはあまり知られてはいない…というか関心がもたれていない。
往路は、
アリューシャン列島まで北上⇒北太平洋海流を利用して東進⇒太平洋の真ん中あたりから一気に南下
復路は、
赤道のすぐ北あたりまで南下⇒貿易風と北赤道海流を掴んで西走⇒黒潮を利用して日本へ
これが最短航路なのだそうだ。
う〜ん。
いいねぇ。
でも、神戸沖で「咸臨丸」がちょっとだけ帆走しただけで酔いかけた私には…無理無理。
何年か前に入手していたやたら分厚い本。
久々に書棚の整理と本の整理をしたので、ぽろっと…いやごとっと出てきた。
「おお!お久しぶり!」
と読もうと思ったんだけど…お堅い学術本、に似たこの本はなかなか手ごわい。
先に進まぬ。
退化し硬直した脳には言葉が染み入るのにも時間がかかるのであった。
…なんて弱音を吐いとらんと、せっせと読まねば、ますます脳みそが硬くなる……。
(なんとかいうゲームソフト、必要かもしれん…)
ISBN:4560029172 単行本 石川 京子 白水社 1985/07 ¥10,290
久々に書棚の整理と本の整理をしたので、ぽろっと…いやごとっと出てきた。
「おお!お久しぶり!」
と読もうと思ったんだけど…お堅い学術本、に似たこの本はなかなか手ごわい。
先に進まぬ。
退化し硬直した脳には言葉が染み入るのにも時間がかかるのであった。
…なんて弱音を吐いとらんと、せっせと読まねば、ますます脳みそが硬くなる……。
(なんとかいうゲームソフト、必要かもしれん…)
ISBN:4560029172 単行本 石川 京子 白水社 1985/07 ¥10,290
この重厚な本もようやく最終巻にきた。
第二次世界大戦の、きな臭くなってきた頃に日本を出て欧州へ。
(これが船旅だと言うから羨ましい)
そして、「さすがにこれは不味い。日本に帰国すべし」とアメリカ経由で帰ったという、夫君との二人旅を綴ったエッセイである。
博識にまずは驚く。
そしてその会話能力。
鋭い観察眼。
批判精神。
なによりも、萎縮していない。
欧州の文明に、けっして卑屈になっていない彼女の姿がすばらしいと思う。
(だって、戦前だよ。昭和10年前後だもの。彼此の違いがどれほどあったのか、想像すらできないのに。)
作家とはいえ、すごい。
同性として、すばらしい人だと思う。
旅行エッセイを書こうとするなら、これぐらい頭に教養を入れておくべきなのだろう。
ISBN:4003116534 文庫 野上 弥生子 岩波書店 2001/08 ¥798
第二次世界大戦の、きな臭くなってきた頃に日本を出て欧州へ。
(これが船旅だと言うから羨ましい)
そして、「さすがにこれは不味い。日本に帰国すべし」とアメリカ経由で帰ったという、夫君との二人旅を綴ったエッセイである。
博識にまずは驚く。
そしてその会話能力。
鋭い観察眼。
批判精神。
なによりも、萎縮していない。
欧州の文明に、けっして卑屈になっていない彼女の姿がすばらしいと思う。
(だって、戦前だよ。昭和10年前後だもの。彼此の違いがどれほどあったのか、想像すらできないのに。)
作家とはいえ、すごい。
同性として、すばらしい人だと思う。
旅行エッセイを書こうとするなら、これぐらい頭に教養を入れておくべきなのだろう。
ISBN:4003116534 文庫 野上 弥生子 岩波書店 2001/08 ¥798
鋼の錬金術師 11 (11)
2005年7月27日 読書
友人から借りてコミックスで読む以外タッチしていなかった。
なのに、先日映画を見てきたんだよね、これ。
勿論、
?????の連続。
まぁ良いけど。(良いのか?)
で、その隙間を埋めようと努力することに。
とりあえずはこれだ。
単行本で知識と時間を埋め合わせる!
一番のお気に入りだった「愛妻家」のおじさんがさっさと舞台から退場してしまったので残念至極ではあるが、とりあえず(!)コミックスでは「先生」もご存命だし、とりあえずそのへんに心のよりどころを見つけてゆっくりと進んで行くことにしよう。
ま、そのうち、追いつくでしょう。
ISBN:4757514964 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2005/07/22 ¥410
なのに、先日映画を見てきたんだよね、これ。
勿論、
?????の連続。
まぁ良いけど。(良いのか?)
で、その隙間を埋めようと努力することに。
とりあえずはこれだ。
単行本で知識と時間を埋め合わせる!
一番のお気に入りだった「愛妻家」のおじさんがさっさと舞台から退場してしまったので残念至極ではあるが、とりあえず(!)コミックスでは「先生」もご存命だし、とりあえずそのへんに心のよりどころを見つけてゆっくりと進んで行くことにしよう。
ま、そのうち、追いつくでしょう。
ISBN:4757514964 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2005/07/22 ¥410
御巣鷹の謎を追う -日航123便事故20年-
2005年7月26日 読書
もう20年だ。
企業戦士の死、とか、ひと夏がその話題で沸き返っていた。
あれから20年か。
お盆の前の、夕方の、東京ー大阪間、という集中路線。
満員の飛行機が迷走し、痛ましい墜落…。
暑さを吹き飛ばすほどのショックを受けた事故だった。
あれから20年。
今頃何だろうか、と思った。
まさか、これほどの疑問が、あの事故に(というよりも事故の後のこと)に遺されているとは思いもしなかった。
勿論、この本のすべてを鵜呑みにはしない。
物事には表裏があり、どこに立つかで見えるモノは180度変化する。
だけれど、さまざまな疑問を提起することは、間違いではあるまい。
そこから何を取り、何を捨て、どう判断するかはその人の責任であり自由である。
捜索隊のこと、錯綜する情報のこと、事故後2時間で駆けつけていた米軍の救助隊が黙って撤退したこと。
そのウラに、ちらちらと伺えるのは、この日本という国特有の意識、所謂、島国根性ではないだろうか。
政治的に、意図的に隔されるもの。
それは人の命よりも重いというのだろうか。
あの時に、救助が出来ていれば、遥かに多くの人が助かった。
それは現地で遺体の処置に当った医療関係者の証言だという。
もともと日本という国は、名誉を重んじる国だ。
それはよくもありあしくもある。
時にはたった一つの命よりも、名誉を体裁を重んじる。
だがそれは、自分の命ではない。
大抵は、えんもゆかりも無い他人の命だ。
他人の命を自分の名誉と比べるだなどと、なんというおろかな狭量な考えだろうか。
事故に限らず、大きな自然災害が起きた時、果たしてこの国は国民のために動いてくれるのだろうか。
実際あの阪神大震災のとき、国の公的機関は、何をしてくれたか。
即座に動いたか、救助の手を差し伸べたのたか。
手を差し伸べてくれる隣国(中国・韓国という地理的な意味ではなく)に対し、なんといったのか、どんな返答をしたのか。
…私は覚えている。
今後なにかあったとき、この国は、まともにうごくのだろうか?
そんな不安を掻き立てられながら読んでいる。
ISBN:4796646671 単行本 米田 憲司 宝島社 2005/06/23 ¥1,985
企業戦士の死、とか、ひと夏がその話題で沸き返っていた。
あれから20年か。
お盆の前の、夕方の、東京ー大阪間、という集中路線。
満員の飛行機が迷走し、痛ましい墜落…。
暑さを吹き飛ばすほどのショックを受けた事故だった。
あれから20年。
今頃何だろうか、と思った。
まさか、これほどの疑問が、あの事故に(というよりも事故の後のこと)に遺されているとは思いもしなかった。
勿論、この本のすべてを鵜呑みにはしない。
物事には表裏があり、どこに立つかで見えるモノは180度変化する。
だけれど、さまざまな疑問を提起することは、間違いではあるまい。
そこから何を取り、何を捨て、どう判断するかはその人の責任であり自由である。
捜索隊のこと、錯綜する情報のこと、事故後2時間で駆けつけていた米軍の救助隊が黙って撤退したこと。
そのウラに、ちらちらと伺えるのは、この日本という国特有の意識、所謂、島国根性ではないだろうか。
政治的に、意図的に隔されるもの。
それは人の命よりも重いというのだろうか。
あの時に、救助が出来ていれば、遥かに多くの人が助かった。
それは現地で遺体の処置に当った医療関係者の証言だという。
もともと日本という国は、名誉を重んじる国だ。
それはよくもありあしくもある。
時にはたった一つの命よりも、名誉を体裁を重んじる。
だがそれは、自分の命ではない。
大抵は、えんもゆかりも無い他人の命だ。
他人の命を自分の名誉と比べるだなどと、なんというおろかな狭量な考えだろうか。
事故に限らず、大きな自然災害が起きた時、果たしてこの国は国民のために動いてくれるのだろうか。
実際あの阪神大震災のとき、国の公的機関は、何をしてくれたか。
即座に動いたか、救助の手を差し伸べたのたか。
手を差し伸べてくれる隣国(中国・韓国という地理的な意味ではなく)に対し、なんといったのか、どんな返答をしたのか。
…私は覚えている。
今後なにかあったとき、この国は、まともにうごくのだろうか?
そんな不安を掻き立てられながら読んでいる。
ISBN:4796646671 単行本 米田 憲司 宝島社 2005/06/23 ¥1,985
エビアンワンダー 1 (1)
2005年7月25日 読書
シビアっちゅうか、ワイルドっちゅうか、シニカルっちゅうか。
…………………………………………………………………………
主人公は、無茶苦茶見目良い女性。
実は、鬼畜、じゃなくて、銀符。
…と言う名の悪魔の遣い。
その弟で従者で侍符。
…と言う名の護衛。
同行者には、神の遣いを称する武闘僧侶がひとり。
…なんでだ?
銀符とは。
悪魔との契約により、"より邪悪な魂を地獄の糧にするために狩る人間"のこと。
その"力"となる炎の鷹を、胸に刻んでいる。
だから、魂は邪悪であればあるほど良い。
悪人は極悪人であればあるほど良い、というなんだか救われないハナシである。
せっせと獲物を見つけ、地獄に送ることで、悪魔に叶えてもらった"願い"の負債を払っているのだ。
つまり。
せっせと借金払ってるわけね。
こんなそんなで、3人のおかしな旅は続くのだった。
人間のエゴとか裏面とか、心のダークサイドをしっかりと踏まえて、生きてゆく彼らには、未来が無いように見える。
だって、悪魔の遣いと神の遣いと、○○○だもんなぁ…。
だけど、人の人生は、人の生きた道は、その人の"生きる力"の証だから。
甘ちゃんじゃなくても、やさしさは持てる。
"私のルール"をしっかりと持てば、この世もそんなに悪いもんじゃない。
そう。
流されるのではなく、しっかと自分の二本の足で立てば。
自信ももてるし、目線もあげられる。
生きても行ける。
(神・善・正義などを)強く否定すればするほどに強く肯定するような、(信じることなどを)拒否すればするほど受け入れてしまうような、なにかしら力の湧き出る物語である。
本当に、この作者、変わった視点で物語を作るなぁとしみじみ思う。
ISBN:4785922397 コミック おがき ちか 少年画報社 2002/09/27 ¥520
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「お江戸」研究家で文筆家、そして漫画家でもあった、杉浦日向子さんの訃報を、私が知ったのは、今日のお昼ごろだった。
この方の「江戸」漫画は大好きだ。
優しく、そしてからっとした、いかにも「江戸っ子でぃ!」という科白が飛び出してきそうな物語が好きだった。
NHKの「お江戸でござる」での彼女の解説も、笑いながら感心しながら見ていたものだ。
癌であるとのこと。
一番口惜しいのは勿論、本人だ。
だが、我々も口惜しい。
若い人が、そして若い才能が、どんどんと失われていく空虚感を、我々はどうしたらいいのだろう?
ご冥福をお祈りいたします。
…………………………………………………………………………
主人公は、無茶苦茶見目良い女性。
実は、
…と言う名の悪魔の遣い。
その弟で従者で侍符。
…と言う名の護衛。
同行者には、神の遣いを称する武闘僧侶がひとり。
…なんでだ?
銀符とは。
悪魔との契約により、"より邪悪な魂を地獄の糧にするために狩る人間"のこと。
その"力"となる炎の鷹を、胸に刻んでいる。
だから、魂は邪悪であればあるほど良い。
悪人は極悪人であればあるほど良い、というなんだか救われないハナシである。
せっせと獲物を見つけ、地獄に送ることで、悪魔に叶えてもらった"願い"の負債を払っているのだ。
つまり。
せっせと借金払ってるわけね。
こんなそんなで、3人のおかしな旅は続くのだった。
人間のエゴとか裏面とか、心のダークサイドをしっかりと踏まえて、生きてゆく彼らには、未来が無いように見える。
だって、悪魔の遣いと神の遣いと、○○○だもんなぁ…。
だけど、人の人生は、人の生きた道は、その人の"生きる力"の証だから。
甘ちゃんじゃなくても、やさしさは持てる。
"私のルール"をしっかりと持てば、この世もそんなに悪いもんじゃない。
そう。
流されるのではなく、しっかと自分の二本の足で立てば。
自信ももてるし、目線もあげられる。
生きても行ける。
(神・善・正義などを)強く否定すればするほどに強く肯定するような、(信じることなどを)拒否すればするほど受け入れてしまうような、なにかしら力の湧き出る物語である。
本当に、この作者、変わった視点で物語を作るなぁとしみじみ思う。
ISBN:4785922397 コミック おがき ちか 少年画報社 2002/09/27 ¥520
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「お江戸」研究家で文筆家、そして漫画家でもあった、杉浦日向子さんの訃報を、私が知ったのは、今日のお昼ごろだった。
この方の「江戸」漫画は大好きだ。
優しく、そしてからっとした、いかにも「江戸っ子でぃ!」という科白が飛び出してきそうな物語が好きだった。
NHKの「お江戸でござる」での彼女の解説も、笑いながら感心しながら見ていたものだ。
癌であるとのこと。
一番口惜しいのは勿論、本人だ。
だが、我々も口惜しい。
若い人が、そして若い才能が、どんどんと失われていく空虚感を、我々はどうしたらいいのだろう?
ご冥福をお祈りいたします。
セイヤーズが1930年に書いた本書は、2001年に<ミステリマガジン>に掲載されたのが本邦初のお目見えとなった。
…だろうとも。
これを見つけたときは、「聞いたことが無い。でもどうだろう…」とさんざ悩まされたものだ。
読んだ本をよく忘れる私だから。
で、買いなおして読み始めて最初の数ページで気がつく。
「読んだことがある!」
と。
本も高価になってきたから、これをやると本当に後悔するのだ。
嗚呼、勿体無い…って。
ところで、セイヤーズといえば、現在刊行中のピーター卿の事件簿が有名だが、これはまた別のお話。
びっしりとページを埋めた細かい活字に、期待を膨らませつつ本日より読み始めである。
ISBN:4150017131 単行本 松下 祥子 早川書房 2002/03 ¥1,260
…だろうとも。
これを見つけたときは、「聞いたことが無い。でもどうだろう…」とさんざ悩まされたものだ。
読んだ本をよく忘れる私だから。
で、買いなおして読み始めて最初の数ページで気がつく。
「読んだことがある!」
と。
本も高価になってきたから、これをやると本当に後悔するのだ。
嗚呼、勿体無い…って。
ところで、セイヤーズといえば、現在刊行中のピーター卿の事件簿が有名だが、これはまた別のお話。
びっしりとページを埋めた細かい活字に、期待を膨らませつつ本日より読み始めである。
ISBN:4150017131 単行本 松下 祥子 早川書房 2002/03 ¥1,260
百鬼夜行抄 (13)
2005年7月22日 読書
暑い季節にぴったりな一冊がでた。
ひとつのイベント(?)を追いかけながら、複数の話が追いかけっこのように錯綜して進む楽しさ。
少々…ちょっとだけマンネリ化していた雰囲気だったのが、これでぴりりと引き締まった。
4分の3青嵐…
やはり底知れなかった開…
ショートにしたらやたら美女になっちゃった晶…
基本は相変わらずのどたばただが、物悲しい人間の業があって、しんみりさせる一冊だ。
ISBN:4257905344 コミック 今 市子 朝日ソノラマ 2005/07/20 ¥800
ひとつのイベント(?)を追いかけながら、複数の話が追いかけっこのように錯綜して進む楽しさ。
少々…ちょっとだけマンネリ化していた雰囲気だったのが、これでぴりりと引き締まった。
4分の3青嵐…
やはり底知れなかった開…
ショートにしたらやたら美女になっちゃった晶…
基本は相変わらずのどたばただが、物悲しい人間の業があって、しんみりさせる一冊だ。
ISBN:4257905344 コミック 今 市子 朝日ソノラマ 2005/07/20 ¥800