毎日お仕事ごくろうさまです。

いや…今の世の中、仕事でなくたってストレスたまりまくり、ムカツクことが多すぎる。
だけど、むかついても自分が辛いだけ。
ならば、その「真相」をあがこうじゃぁあ〜りませんか!
でもって、わらっちゃいましょう。
真相を知れば、あなたもむかつかない!

というリフレッシュ(?)本。

どう説明しても上手く伝わらないだろうから、抜粋。
「昨日と今日では言ってることがまるで違う上司」
…(中略)…自分の言ったことをまるで覚えていないのか、昨日と今日では言っていることがまるで違う上司。
むかつきますね。
なぜ、むかつくかというと、"上司"という部下を指導する立場にありながら、"自分の行動に責任をもっていない"どころか"自分の言動を忘れちゃっている"ことです。さらにいえばそれなのに"態度だけは上司の威厳を誇示している"ことです。
あり得ないです。だからむかつきます。すんごいむかつきます。
特にあり得ないのは"自分の言動を忘れちゃっている"こと。
「おっさん、てめぇ、もうボケたんか?あぁ?」と胸ぐらつかめば瞬く間にクビですし、かといってガマンすればストレスが溜まるだけです。落ち着いて、考えてみてください。
あなたは昨日話した上司と今日話した上司が同じ人だと考えているからむかつくのです。一人の人間が、昨日自分で言ったことを完全に忘れてしまっているからむかつくのです。
でも、それはあなたの思い込みではないのですか?
あなたが勝手にその上司が一人だと思っているだけではないのですか?
もしかしたら、あなたの知らない真相があるんじゃないんですか?
そう、あるんです。真相が。そのような上司は、実は……。
「昨日と今日ではいっていることがまるで違う上司」の真相は……
「日替わりで出社している双子」
となります。間違いなく。
さらに詳しく述べると、兄と弟が日替わりで「二人で一人の会社員」を演じていることが解りました。…(中略)…
とにかく、この真相を知っていれば、あなたが同様の上司に出会ったとき、「双子かぁ、なら仕方ないか。昨日のことを覚えていなくても致し方ないか…ん!?あれ?よく見たらホクロの位置が違ってんじゃん!!」となり、結果、むかつかなくて済む、ということなのです。


こうして作者が解きあかしたいろいろの"むかつく事象"を解決しようとのこの一冊の本。

来るものも、ここまできたか…とおもってがっくりするか。

几帳面にいちいち突っ込みをいれてみるか。

わっはっは…と笑い飛ばして同調するか。

それは貴方次第…つうわけで。
こういう馬鹿馬鹿しい、突っ込みどころ満載の、ボケた本もすきなんですなぁ。

ISBN:4877348654 単行本 ウエノ ミツアキ コアマガジン 2005/07/25 ¥1,260

楽毅〈第1巻〉

2005年8月24日 読書
読む本が無い…ので、「孟嘗君」にその名の出てきた、悲運の猛将・「楽毅」を読み直すことにした。

ただひとつの難点が、ハードカバー本だってこと。

重いしかさばるし。

彼は孟嘗君が生きているときと、ダブって生を受けている。
それがなんだか運命的、というか…
自分がピカソと同じ時を生きていた、と知ったときのえも言われる感動に似ている。

歴史が激しく動く時は、人が英知をきらめかす時でもあるので、多くの異才・鬼才が出現するから、こーゆーこともあろう。

残念なのは、人が国と命を賭けて戦わねばならない時代だったから、多くのものが命の灯を消してしまったことだ。

ああ、そうだ。
今度古本屋へいったら、「晏子(あんし)」を買わなくては…!(←それでも古本屋、なんだな…わたし)
これも友人から借りて、感激して、いつかは自分で手に入れよう!とおもったままの名作なのだった。

孟嘗君に続いて、小男シリーズか?
140cmありかなしかの身長って…いかに栄養状態云々…とはいえ、そんなのありかなぁ?
たとえば、孔子なんて嘘みたいに大男だったっていうし。

母親のお乳を呑まぬと、身長が伸びない……白圭とーちゃんの発言である。
つまり牛乳、ってこと…?
お魚じゃ、だめなんかな…?

ISBN:4104004065 単行本 宮城谷 昌光 新潮社 1997/09 ¥1,890

孟嘗君〈5〉

2005年8月23日 読書
黄河の氾濫じゃないけれど、とどまるところを知らない流れ、の如く読み進んで、とうとう最終巻にきてしまった…

−かの御仁には翼がある。
 貴方には、ありますか?

そう問われて争うことを諦めた。
ならば、と信義を通わせ、力を借りることを考えた。

世界がこうであれば、争いは起こらないものを。

捜し求めていた、最愛の人とのめぐり合い。
白圭とーちゃん、やることが憎い!
さすが!!

争いに明け暮れた時代からこそ、希望を持たせてくれる人を、人は慕うのだろう。

孟嘗君が亡くなった後の嘗邑がどうなったか。
そのあたりを同じ作者が書いている小説がある。
あくまで、話の端緒として書いているだけだが、どれほどの幸せをつむいだ国であっても、人が変わり時代が変われば消えるものは消える。
その有様が痛ましくて読むのが辛かったことがある。

永遠はない…というのは、諸行無常を好んで口にする日本人であればよく分かっているはず。

歴史を観る・学ぶということは、そういった人々の悲しみと、のたうち苦しみ時の狭間に消えてゆく時代のうめき声を聞いてゆくことであるのかもしれない。

ほんまに、早く新刊出ないかな?
ハードカバーでも買うからさ。

ISBN:406263905X 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/10 ¥600

孟嘗君〈4〉

2005年8月23日 読書
人の縁は不思議なもの。
求めれば、代わりに何かを失うことになる、かもしれない。
が、正道を歩けば、求めるものはその手に還る。

成人し、初陣を飾り、最愛の人を捜し求める孟嘗君。
父である田嬰の手から完全に離れて羽ばたこうとする。

感動の4巻を終える頃には、迷わぬ孟嘗君の姿が見られた。

休日を取ったため、読書が止らない。
あっというまに…読めちゃうのは、この本が面白すぎるからだ。
困った、困った。

ISBN:4062639041 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/10 ¥600

孟嘗君〈3〉

2005年8月23日 読書
文は実父の下へ還った。
13歳の時である。

天衣無縫、まさしく天に愛されたような生き様の白圭の子と言う立場に比すれば、斉という戦国の一国の、公子の嫡男としての立場は、非常に重苦しく、辛い。
嫡男とはいえ、母は賎妾であり、己は生れ落ちた時から呪われている(と思われている)。

そんな中で、ぐんぐんと力を見せ付けてゆく文、のちの孟嘗君が花開く青年時代を描いた巻である。

う〜ん。
しかし…忘れているよ、ストーリーを完全に、忘れているな、私は。(笑)

ISBN:4062638649 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/09 ¥600

孟嘗君〈2〉

2005年8月22日 読書
面白すぎて、さくさく進みすぎるのが玉に疵だ。
この本は。

風洪とーちゃんはやっぱ、かっこいい。(何度いったことか)

ところで、この孟嘗君。
"もうしょうくん"だと変換してくれないのだ、うちのPCでは。
仕方が無いので単語変換(一文字づつの変換)をしている。
これがね…笑えるの。

「孟」とか「君」はいいのよ、「もう」と「くん」で。
「嘗」なんて、「なめる」よ、嘗める。
嘗めてンのかー!の(笑)

中国を扱った小説だと、こういうレビューを出すのも大変だね。

あ、それと本屋さんで探す時とか知らない人に説明する時、「どんな字ですか?」と聞かれたら「ウッ」とつまりそうだねぇ。

人を家にたとえると、目は窓にあたる。窓は外光や外気を室内にとりいれるが、室内の明暗をもうつす。そのように目は心の清濁や明暗をうつす。
「尸子」」より


ISBN:4062638630 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/09 ¥600

孟嘗君

2005年8月21日 読書
友人に借りて読んだのが最初。
友人に返却した後、自分で買った。

そして今回で何回目だろうか。
宮城谷作品の中でも特に私の好きな作品だ。(太公望に張る)
だから何回でも読める。
読んでしまう。

時代は戦国時代。
日本じゃないよ、中国の戦国時代だよ。
だから紀元前の御話だ。
戦国時代というぐらいだから、いくつもの国があって、われこそは天下統一を!…でもちいとばかり力が足りないのよねーなんてやっている。
現在の渤海湾に面したところに"斉"という国があった。
もともとはあの、太公望が周王朝から貰った土地。
…そう、例の、針のついていない釣り糸を垂れていたじーさん(といわれている)。
「何かつれますかな?」
なんて近づいて尋ねた周の文王の軍師として、当時の王朝・殷を滅ぼした人である。
文王に車を曳かせ、その歩数で周王朝の命数を計ったとも言われている。(途中で家臣がこっそり手を貸したため、「助けられてちょっとだけ長続きする」と占じたという。なかなかドラマチックだね。)

しかし、当時の斉は大変だった…というか戦国時代である。
どの国だって大変だったろう。

そこに生まれた一人の赤ん坊。
高貴な血を引きながら、まれながらにして親と離れなくてはならないという運命を背負った男の子。
それが長じて斉の宰相となった、歴史に名高い孟嘗君である。
(函谷関の故事は有名。祇園祭りの鉾にもなっている。)

でも最初はね…その育ての父が…格好いいのだ!
とにかく良い男なんである。
(顔が、ではなく)

小説の魅力は勿論それだけではない。
NHK大河ドラマに匹敵する、このドラマは、何度読み返してもわくわくどきどきするのである。

ISBN:4062638622 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/09 ¥600
全2巻だとおもったら「3巻に続く!」とあって、友人に「至急送って!」とお願いした。
そうしたら「3巻で終わらないよ」といわれてしまった…。

そうだったんだ…。
結構長編だったのね…。

ちなみに"雕"って鷲のこと。
モンゴルで生まれ育った郭君の知り合い(?)に、白い鷲が出てくる。
だから、金の王子の暮らしから離れられない義兄弟の楊君ではなく、郭君がこの小説の主人公であることは明白…か。
歴史的にも、金が元に飲み込まれるという事実を知っているだけに、父母を殺されても富貴な暮らしにしがみつく楊君が哀れである。

武道の各流派が手を組み、或いは戦いして秘密の技を極めようと秘伝書の争奪戦をやったり、中国人らしいプライドに負けて不利な状況に自らを追い込んだり…昔のジャッキー・チェンの香港映画みたいな要素もある。

冗談みたいな技でも漢字で表せばそれなりのモノに思えてしまうのがおかしい。

ISBN:4198922853 文庫 岡崎 由美 徳間書店 2005/08 ¥840

A・D

2005年8月21日 読書
ダルさん(面倒だからこの際こう呼ぶ)…若いときのハナシじゃないのね…

二度目の恋なのね…。

英国って警察の取調べに、一般人がかなり、本当にかなり不快感を表明するんですな。
いや、不快なのは彼らだけじゃなくって、日本人もそうだけど、こっちは「仕方が無い」って感じでしょう?
警察権力を認めてる、というか。

向こうは、いちいち八つ当たりするし、捜査の手順にもいちゃもんをつける。
それで警察は「申し訳ありません。でも協力をお願いします。」ってしごく丁寧。

昔はそうじゃなかった〜みたいな記述もあるし、いかに小説とは言え事実に反したことは書かないから、現状英国はかようである、ってコトなんだろうね。

でも…これで捜査が成り立つのかなぁ?
犯人が見つかるんだろうか?
人権は守るのが当たり前だけど、卑屈に遠慮ばかりしていたら、捜査も出来ないのでは?

と、ちょっと考えてしまいました。

ま、ダルさんは黙って耳を傾けているだけで「自然と相手が何もかも話してしまいたくなる」という雰囲気を作るに長けた、ある意味恐ろしい人だから…関係ないか。

殺人展示室

2005年8月19日 読書
今年の早くに出ていたらしいのだが、知らなかった…この夏まで。
不覚!の一冊である。

P・D・ジェイムズは大好きな作家だ。
知的で、綿密な計算の元に悪事を働いている…じゃないや、犯罪が行われる。
それを辿る探偵がいる。

その探偵役が、ロンドン警察のひとりの警視である。
アダム・ダルグリッシュという、非常に発音しにくい覚えにくい名前のお人。
詩人であり警察官である一人の男だ。

妙な趣味や副業を持つ探偵(役)は多いが、この人も古風な詩(ちゃんと韻を踏む、ということ)に凝っていて、なんと自分で詩集を出版したり、出版社に頼まれて本を出したりしている。
(だから結構有名人だ。詩人として。)

彼女の著作では、なんと言っても「女には向かない職業」に魅かれる。
主役でヒロインの探偵、コーデリア・グレイ。
彼女との絡みがとっても印象的だった。
そのときから気になる存在・ダルグリッシュ警視。

そこに出てくるダルグリッシュは冷酷な警察官だが、同時に深い温情を持つ"やもめ"でもあった。
なにしろ、やもめだけど、格好いいのだ。
彼は。
(詩人というイメージだからだろうか?)

そのダルグリッシュ警視の、若かりし頃の事件がこの作品らしい。
成る程、それはたのしみだねぇ。
(だけど、ハヤカワのポケットミステリーブックは本当に新刊が分かりにくくて困る。もっと目立ってもらえないのだろうか?)

ISBN:4150017662 単行本 青木 久惠 早川書房 2005/02 ¥1,890
今まで文庫本でしか買わなかった高尾氏の作品。

終戦57年目、だから、3年前のこと。
日本軍がアジアの諸国民にどれだけのことをしたのか。
日本人が忘れても彼らは忘れない。
その恨みは、想いは、彼らの家族に受け継がれて、恨みの連鎖が延々と続くことになる。

だから。
話をしなければならない。
謝罪も、きちんとしなくてはならない。

でなければ、ナサケナイことになる。
悲惨な事になる。

それは、日本が原爆投下のことでアメリカに対してもっている感情と同じ。

そういうことを底において、実際タイで捕虜になり死ぬ思いをした英国の老人が、著者と知り合って日本へ来た話しを核に、時は流れる。

「平和とは美しい音楽を聴くようなもの」

広島で小学生にそう述べた彼は、今上天皇・皇后夫妻が訪英したときに、日の丸を焼いたことで著名になった人でもある。

謝罪するとはどういうことなのか。
歴史を知るとは、教えるとは、どういうことなのか。

日本人は、日本という国は、何度も考えるべきである。

時間が経てば、煩い連中は死んでしまう。
それを待つだけだ。

なんて。
これが、日本の外務省の科白だなんて。
この国を愛するがゆえに、腹が立つ。
情けない。
これこそが日本人のプライドを傷つけている科白だと、彼らは気がつかないのか。

「日本は私たちが死ぬのを待っているだけ」
朝鮮や中華圏のかつての従軍慰安婦の女性たちもそういって泣いた。

彼らが死んでも、その家族が、その思いを抱いて生きてゆくことは分かっている。
原爆に苦しむ人々が、今も日本に存在し、毎年死亡者名簿が書き加えられるように。

人の想いは、強い。
人が思うよりも、遥かに、強い。

国民の意思に反して修羅の道に突っ込もうとしている国。
こんな国を許してくれとは、私からもとても言えない。
許してもらわなくていい、と思う。
(許してももらうだけの、国としての価値が無い)

ところで。
原爆を落としたことに無関心なアメリカとアメリカ国民…といおうのが一般の日本人の考え。

ところが違うらしい。

著者も吃驚していたが、私も吃驚した。
彼らは気にしている、というのだ。
だからこそ、日本の戦後の経済復興への援助。
あの莫大なる援助。
あれは「罪悪感のため」だと著者の知り合ったアメリカ人(戦争経験者)が言ったのだ。

へ〜、ふ〜ん。
これは驚いた。
本気で驚いたよ。

政治の裏側に、本当にいろんな汚いことが埋もれている。
この著者のエッセイには、そういうものがたくさんたくさんひょこひょこと……醜い首を出しているのだ。

ISBN:4885461030 単行本 高尾 慶子 展望社 2003/10 ¥1,500
ついに…ここまできたか…

こんなものまで!

読んでます…ええ!読んでますとも!

ものすごい人気ですね。
うちの妹なんざ、これで3回、映画見に行ってますぜ。
(勿論レディースディ利用だが)

これがデビュー作?
とかいう作者も凄い。
ビギナーズラック!はこういう世界にはありえないだろうが、実力にプラスして、色んなラッキー☆がうまく繋がったのは確かだろう。(それも実力?)

神坂一のデビューを見るような気がする。
「スレイヤーズ」はいきなり出てきて大ヒットして、凄い勢いだったもんね。
それまでは彼も一介のサラリーマンだったわけだし。

嗚呼、来年あたりの長者番付けに乗りそう?
うらやまし。

錬金術師は科学者。
という科白が良く出てくる。

科学が大嫌いだった私には、天敵みたいな子供たちだ。
いや、科学じゃなくて、化学のほうだった…
私だけではなく、そのときのクラスの平均点が25点とか(100点満点で)だったんだから、凄いだろう!(笑)
40点もとれば5だったのだ!(5段階評価)
20点でも3だ!(ある意味こっちの方が凄いか)

成る程…こんな私には錬金術は無理。
したがって、
金塊とか練成して大金持ち!
             …はできないってことだね。

残念。

ISBN:4757510926 コミック 荒川 弘 エニックス 2003/11/28 ¥800
原作者の綾辻行人氏はまあ置いといて、漫画家の佐々木倫子氏は大好きなので、ど〜しよ〜と悩み続け、とうとう手を出してしまった…。
さてさて。
下巻で謎解きが出るまで、我慢できるかな?
私はコミックスしか読まない(つまり連載に手を出さない)性質なので、下巻が出るまでど〜にもならぬ。
はっ!
まさか、上・中・下巻、なんて、たちの悪いことは言わないだろうな!(某人気漫画みたいに!)

ストーリー以外のところで、佐々木氏の魅力が充分出ていて大満足。
ひとコマのちょっとしたところにお笑いを…いやいや、息抜きを淹れてくれている。
流石だ。

吹雪の北海道…D51なんてマニアックな蒸気機関車に引っ張られた元オリエント急行列車に集められたヒロイン(18歳の女子高生)とオタクな鉄道マニア("テツ"というらしい)。
それだけでも怪しい!
とおもうのに。
そのなかで事件が!

自称探偵社勤務ということで、てっきりリード役かと思っていた一番まともな人が一番最初に○○だったので、残った連中ではスラップスティックになりそう…。
さてこの後(つまり下巻)の展開はどうなるのか…ああ、長々と待たされるのかな〜。

さて。
母親が極度の鉄道嫌い、ということで18歳まで鉄道と名のつくものに乗ったことが無いヒロイン。
今時の日本で、箱入り、否、蔵入り娘でもなければそんな設定は不可能。

従って彼女は沖縄で生活することになる。
彼の地は、鉄道がない。
とくに、地下鉄なんか掘れない。
地盤を固めたり(でないと線路が自然に埋没する)掘り起こしたりできないからだ。
だって、米軍が。
米軍が基地を作って数十年もたっているのだ。
地下にいろんなもの作ってないわけが無いじゃないか。
そんなところ、掘ったり固めたり、できるわけ無いじゃないか。
そんなことをしたら、いろんなものが出てきてヤバイじゃないか。

そんなわけで鉄道は無い。
そう思っていた。

ところが。
沖縄はゆいレールしかないからなー

……沖縄にも電車があるんだ。

思わぬところで無知を暴露してしまった私である。
モノレールみたいなもの?
絵で見るとそう見える。
それなら地面を掘り起こさなくても…ってこと?

オリエント急行かぁ…昔、琵琶湖湖畔でその客車を客室にしていたホテルがあったらしい…
当時は子供(?)の私。
お金はないし、それ以前にオリエント急行を知らなかったし。
ああ、今だったら、何を押しても泊まりに行くのに〜!!

私の場合は"テツ"ではなく、単なるミーハーだけどね。
線路なんか機関車なんか構造なんかどうでもいい。
あの、A・クリスティの世界を味わいたい。
(「オリエント急行殺人事件」も好き。小説も映画も)

ところで。
"テツ"って世界各国に多いのかな?
それとも日本だけの現象?
コスプレイヤーが世界中に存在することを考えると…

ISBN:4091885810 コミック 佐々木 倫子 小学館 2005/08/10 ¥1,050
イラストで買っちゃったよ〜+なんでも借りて読みますよ〜シリーズ第二段。

中華風ファンタジーなので、細かい気遣いは無用!
とばかりにハナシは進む。

傾きかけた大国の姫君と、新興の(つまり成り上がりの)軍事強国(でも国はまだまだちっさい)の若き王が政略結婚するんですけど〜から話は始まる。

主役は姫君。
彼女の視点で話は進む。

彼女がまだ幼い頃、城が焼かれ、最愛の母親を失くし…その仇を許さぬ!と決意した幼い頃から。
本当の話の始まりはそこだ。

つっこんではならぬ、つっこんではならぬ…似ててもなんでも疑問に思っちゃいけない、つっこんじゃいけない。

ええかげん。
苦行かも(笑)。

ISBN:4062558181 文庫 由羅 カイリ 講談社 2005/08/06 ¥609
思ったより進むわ、進む。
字が大きい…ってわけでもなさそうだけど?

金の王子の息子の甘い生活から、現実を見つめられない楊君。
母とともに辺境の砂漠で苦労しつつも周囲に恵まれて育つ郭君。

二人の性根と性格と見た目は余りにも違いすぎる。
これで義兄弟か。
これで苦楽をともにするつながりか。

講談調のストーリー展開が、どんどん人を惹くのだろう。
中華圏で絶大な人気を誇る武侠小説家・金庸の思いがどこにあるかは別として。

働かぬやつに、汗水たらして働いた報酬をなぜ平等に分けてやらねばならないのか?!

共産制あるいは共和制の弱点を見事に突く科白である。

同じだけもらえるなら、働かないほうが賢い。
かつての中国では、事実、人民はそう思っていたのだから。

ISBN:4198922721 文庫 岡崎 由美 徳間書店 2005/07 ¥840
世に武侠小説、というもの。

作者の名前も、その作品の数々も目に耳に入ってはいたのだが、「これだけ有名で流行っているなら、誰かが貸してくれよう」とばかりに、自分では怠けて入手しなかった。

ナマケモノな私。

北宋末期や南宋末期、明朝末期あたりは結構好きな時代である。
日本史でも平安末期や戦国・幕末などが好きだったので、そのまま中国史にも当てはめられているわけだ。

「射雕英雄伝」は、南宋末期。
北方には金王朝がありながら、その彼方には油断できない元が、力を大きくしつつある。

激動の時代だ。

皇帝、及び官僚(文人)は、歴史すべて、政治のすべてに責任を持たねばならない。
いわんや民の暮らし、民の命はその手にかかっている。

ならば。
北方騎馬民族に蹂躙され、苦しめられ、殺される。
そのすべての責任は、政治家(=皇帝以下の官僚・文人たち)にある。
親が義兄弟であり、生まれる前から義兄弟の契りを結んだ二人の主人公が、片や元、片や南宋でそれぞれの人生を生きてゆく。
ともに、国と社会と人民に責任を持つ身で。

読みはじめだが、劇を思わせる描写と展開で期待できる。

巻末に、
「武侠小説用語説明」

「武器解説(図説)」
が掲げられているのが微笑ましい…というか、親切だよね。
(確かに、マニアの領域かも…)

ISBN:4198922713 文庫 岡崎 由美 徳間書店 2005/07 ¥840
関川 夏央氏の「豪雨の前兆」に描かれた料理のエッセイ。
そのなかの一文である。

なかでも、
三流の老舗の一文は強烈に心を惹いた。

形ばかり。
評判ばかり。
いわゆる、「頑固オヤジ」を装い、「自分流儀」を客に強制し、ひたすら「俺様」を押し通す。

よく聞いたのは、ラーメン屋とか?

それがもてはやされた時代もあったよなぁ…特にバブルの時代は。
としみじみと感じた。

あれって、どういうことだったんだろう?

田中康夫氏の、
「作り手、供し手、そして食べ手」の「三位一体の悦び」が阻害された時に怒る怒り、なのか。
関川氏が述べる、日本人全体の「食」の変化なのだろうか。

分かるのは…

食い物の恨みは怖い。

それぐらいである。

豪雨の前兆

2005年8月14日 読書
推理小説家と思いきや、どうやらエッセイらしい。
推理小説ばかりを読みついで来たための思い込みである。
日本人の汽車旅行は体力と忍耐力が頼りの過酷なものだった。

最初の作品「夜行急行『西鹿児島行』」に出てくる文章だ。
満員の列車(しかも電化されていない=蒸気機関車)の床に座って10時間以上も掛けて故郷へ。
あるいは都会へとむかう。
それは私の親の世代の現実だ。
だから、とてつもない昔話ではない。

私自身が、現役の蒸気機関車を利用した記憶もある。
(ほとんど消えかけてはいたが)

東京が、遠かった時代だ。
上京にあたって見送る人が、
「万歳!」を連呼し、「がんばれよ!」と声を掛けるのも当然と思えてくる。
何かあれば「親の死に目には会えぬ」距離であったろう。

そしてまた、「普通522列車『大阪行』」。
ここに描かれている、力強い「機関車」の詩をうたった詩人・中野重治は、高校時代に接した詩人でもある。
自分の昔の事を思い出してちょっと懐かしい気持ちになった。

ISBN:4167519097 文庫 関川 夏央 文芸春秋 2004/02 ¥550
美しい、英国はコンウォールの自然を描きながら、殺人事件の謎解きを綴る、女流作家・ジェイニー・ボライソー。

コンウォール。
ボライソー。

それだけで過剰反応してしまいそうだ。
彼女が住むのもペンザンス…
写真と絵を糊口を凌ぐ手段とする彼女のお気に入りのスケッチは、マーゾル。

ただし。
そのどちらもが明るい陽光と潮風に恵まれている。
勿論、たくさんの(バスには立ってる人も多い)観光客にも恵まれている。

ここまで読むと、「どこのことや?」
とつい思う。

某海洋小説では、ペンザンスを中心とするここコンウォールの印象は、
バンシーの泣き声のような風と、暗い空と、白い波頭を砕けさせる岩。
船を砕く海と浪。

そういうイメージだったんですけど〜〜。

いやいや、これは推理小説。
違う目で見なくては……。

ISBN:448819804X 文庫 山田 順子 東京創元社 2004/11/25 ¥693

五色の雲

2005年8月13日 読書
ロバート・ファン・フューリックが書く、中国は唐王朝の探偵物語。
探偵役は、実在の人物・狄仁傑(てきじんけつ)。
歴史上でもなかなか有名な人物である。

作品は短編ばかりだが、造詣の深さに恐れ入るばかり。
40年ばかり昔の小説だけれど、見劣りもせず。

突厥との戦のさなかの謎解きや、紅燈ちらつく裏の町かどでの殺人事件。
場所を替え時を替えて、ディー判事の活躍が楽しめる。

ISBN:4150017638 単行本 和爾 桃子 早川書房 2005/01 ¥1,050

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