アジアンノットを楽しむ
雄鶏社 刊

そうそう。
これも友人から借りていたんだった。
読むのはすっごく楽しい♪

綺麗だし。
流行りだし。
いいよね、こういうの、と思う。

思うのと、作れるか?と自問するのとではずいぶん格差がある。
できるわけがない(笑)?

努力する?

う〜ん。

興味はあるんだけど。

できるのかな?

編み物、洋裁、刺繍はやったけど、組紐(で良いのか?)はやったことがないのだ。
オリエンタルな結び小物
雄鶏社

ビーズ
アジアンノット(アジア風紐組とでもいうか…)

この二つを合わせたアクセサリーを自分で作りましょ♪
という本だ。

友人からの借り物〜。

見るのはとっても楽しいが、小手先の器用な方でないと難しかろうと思っていたら、妹が…興味津津。
面白い、と言い出した。
いま、ラジオペンチだかなんだか使っていろいろ細かいものを自主制作している彼女は、こういうものもやろうと思えばできるのかもしれない。

これがまだヨットのロープワークならまだ興味が持てるのだが…(笑)

タッセルを使った飾りは私も大好きなので"できたらいいな♪"ぐらいには思うのだが、いかんせん。いかんせん〜項羽じゃないけど悩めるところだ(笑)
遠い船影 〜ラミジ艦長物語16〜
ダドリ・ポープ 著
出光 宏 訳

地中海
フリゲート艦・カリプソ号

地中海を暴れまわるラミジとその一党。
「ラミジ」フランス語では「ラマージュ」、鳥のさえずりとかなんとかそういう発音になるらしいが、すっかり悪名をとどろかせているようで「あんたが!」とか「あんたにはだけは逢いたくなかった!」とかフランス商船船長からおほめの言葉をいただいたりしている。

…うるさい提督もおらず、社交辞令を強要する総督もいない。
ロンリ―ウルフで獲物をあさりまわるフリゲート艦・カリプソ。
フリゲート艦艦長として、これほどのびのびと自由気ままに遣りたい放題できる条件はないだろう。
作者も何つー舞台設定をするんだ。

前巻で占拠したフランスの信号塔。
そこから嘘っぱちの命令を送ってフランスの船団を間違った方向へ船出させ、まんまと拿捕してしまう、というのが今回のあらすじである。
まあ途中いろいろ邪魔が入ったり不測の事態が起こってスムーズにはいかない…のが冒険小説の面白さである。

それにしても、だんだん海賊じみてきたな、ラミジ。
昔読んだ時は夢中ですっ飛ばしたいから気がつかなかったが、大人の良識(笑)をもって読むと、君の行動は…。

まあ、英国貴族は海賊の子孫みたいなもんだから、しょうがないか。
以前カリブ海の話で出てきたミスター・ヨークなんぞはまさしく私掠船乗りの直系(その辺の話を書いたシリーズものが別にある)だし。

良く笑うラミジ。
我慢できずに噴き出して周りを怪訝な表情にしてしまうラミジ。
ああ、こんなに笑ったっけ?
若いなぁニコラス…と相対的に年を食った自分をしみじみ思っている。
という本を、友人から借りて読んでおります(時々)
妹の方がよく読んでいます。
そして口頭で教えてくれます。

説明書き…読むの苦手なんです、私。

携帯電話とか。
新しい電化製品とか。

(誰かに)読んで噛み砕いて咀嚼して貰ってから、いいとこどりをしたい…いつもそう願っています。


参考
⇒ http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4839926352/sr=1-1/qid=1216912532/ref=dp_image_0?ie=UTF8&;;;;
西村京太郎 著
双葉文庫

短編集なので、しまったー!
既読のものが一遍だけ混ざっていた。
5篇中の1篇だからまだ我慢できるといえばできるのだが…。

十津川警部への恨みを、部下の刑事が、しかも何の関係もない奥さん(しかも新婚さんである)まで巻き添えになって被る、というのはいかにも理不尽である。

警察関係者の家族というものは、常にその覚悟をしておけとでも?

やつあたりで犯人にされかけた西本刑事も気の毒だが、確か殉職した部下の刑事もいたはずだからなかなかハードな小説ではある。

石勝高原、稚内、宗谷本線、根室本線、青函連絡船と、この本は北海道で統一されている。
今なら行きたい〜今だけだけど〜(笑)

そういえば、石勝高原がその名前を変えたトマムには、妹が会社の旅行で早々に行った。
春だったかな?
施設はすごいけど、山の中で何にもないところで。
札幌からの足もとっても不便で。
テニスコートなどがあったらしいけれど、早朝に熊(もちろん北海道だからヒグマ)の足跡がコートに見つかったから「外へ出るな」とお達しがあったそうだ。
「自分で責任をとるならご自由に」
といわれて、出る人はさすがにいなかったらしい。

そのあと、リゾート開発のつけが回って、つぶれたとかなんとか聞いたような記憶もあるけれど…間違っていたら失礼。
入院中にベッドで読んでました。

…というか、家族から取りあげたというか。

こういう本はよく売れるんだろうなぁ。
読みきりで、一つ一つが短くて、どこでも切れる。

良く考えれば、そう言われてみれば、と答えを聞いた後で思うことも多い。
トリビア好きの人には好きな本か。

雑学、と言うだけあって、実生活の役に立つものは少ないから、しばらくするときっと忘れてしまうんだろうが。
時間つぶしには最適だ。
戦争中のお話で、作者が広島の人だから自然広島の話になる。
戦争中のいろんなポスターとか標語とか。
そういうものを取り入れて目新しい、というか、初めて見た、と私の年齢でいうこと自体がもう戦後からは随分と時間がたってしまった、ということなのだろう。

小石ひとつ。
戦死したと連絡があった兄の骨箱。
そこに入っていたのはそれだけだった。

戦争に行かないものたちも戦わされた日々。
窮乏する生活。

この物語ではそれもこれも笑いの中に紛れてしまうが、芯にあるつらさ苦しさ暗さは隠しようもない。

今現在、戦争がない国に生活できるということはそれだけで幸せなんだろう。
普通に生活できれば、だけど。
(できなくなりつつあるよな…)

物語は20年の春まで。

終戦まであと数か月…その数か月が生き残れるかどうか。
たらたらと読んでいて、やっと読了。

香道のなんたるか、を居丈高に解説するのではなく、親しみやすいものとしてチャレンジしてみましょう!という説明書きが好感度高し。

人形を使って聞香の競争をする、というのも面白い。
(武家社会になってからは)貧乏、ということを除けば、公家の世界は時間をいかに潰すか…のようなので、こういうややこしい取り決め事はかえって大歓迎だったろう。
刺激がない生活は、たしかに地獄かも。

監修の松栄堂は京都でも有名なお香やさん。
私も聞香のやり方を簡易ではあるが教えてもらったことがある。

源氏香の模様の意味もわかったし。
なんだ。
そういうことだったのか…。
英国では、結婚の条件が厳しい。

いや…
宗教をしっかり人生の、生活の基盤としている人たちはみんなそうだろうと思う。

神様だろうが仏様だろうがそんなの全部なしだろうが気にしない日本の大方の結婚とは違うのだ。

というわけで。

親が認めないと恋も出来なかったおじょーさまがた。
恋する相手は貧乏士官(やぱり陸地にいる分、陸軍が有利なのか?)と決まっている…らしい。

英国の結婚法。
3週間前から毎週提出する結婚予告、それによってこの結婚が親も認める差し障りのないものであると証明することが必要。
そして結婚許可証。
(めんどくさー)
そういうものをすっとばして結婚式を挙げられるのが、スコットランドだった。

英国が一方的に決めた法律を順守することを潔しとしなかったわけだ。
で、カップルは走る。
英国からスコットランドへ走る。
後ろからが追手が迫る。
親が家族が馬を走らせ追いすがる。
どちらが早いか?

いわゆる、駆け落ちといわれるやつですね。

立会人二人を見つくろい、式をあげ、隣室のベッドに服を着たままでいいから、とりあえず二人で潜りこんだら、若いカップルの勝ちだ。
それで既成事実、となるらしい。

スコットランドに入ったばかりのところ、グレトナ・グリーンという田舎の村が栄えたのは、そうやって駆け込んでくる駆け落ちものの結婚式を取り仕切った、その手数料とかそういうもので。

「グレトナ・グリーン婚」
その名前が若い令嬢たちの間で独特の響きを持って理解され、あるいはお芝居にあるいは物語に形を変えて受け継がれていった。

このおかげで、この地は有名な観光地にもなったし、現代でさえ、昔を偲んで別に反対をされていないのにここで式を挙げようとするカップルが、今もたくさんいるという。

ロマンチックに憧れる若い女たちの、その願望、駆け落ち願望とでも恋愛願望とでも言えるが、ハーレクインロマンスに通じるものがそこにある。

ちなみに、今ではスコットランドの法律も変わって、3週間滞在しないと結婚式は挙げられない。
とはいえ、恋愛結婚自体が変わってきたけれどね。
今、親の反対がどれだけの力を持っているか…「へっ」てなもんでしょ?
それでもグレトナ・グリーンの名前はロマンチックに響くのだ。
久々に隊長に会えました…風呂好きの隊長に(笑)
私のごひいきのDr.ヴァルベイドが出ているならおっさん度が高くても文句は言いませんとも!(笑)

バンダル・アード=ケナードへの新しい依頼は、依頼主の名前も、所在地も、依頼の内容も明かせないという怪しげなものだった。
はっきりしているのは高額の報酬だけ。

傭兵部隊としては、金と命をはかりにかけて…金を選ぶ(笑)

で、とんでもない事態に陥るわけだが…まあそこはそれ、ぴか一の傭兵たちですから(笑)
なんとかかんとか切りぬけ…るだろう、というわけで、下巻に続く。

いいの…エルディルが無事なら。
友人からのレンタル本。
珍しい日本の、警視庁の、刑事の話。普通の推理小説とは違う。
社会派小説とでもいうのか?

日本の警察の腐敗と政治の腐敗と地方で陰然と力をふるう旧家の結びつきとか。
要は、どこにも流れ出ることのない沼が、その沼底に集積したいろんなものが腐敗してガスになって水面に出てきて毒素をまき散らしているような…救われない話である。

シビアだなぁ。
でも、面白いのは、主人公の刑事の言葉遣いが妙に丁寧で「です」「ます」調であること。
原理原則の男として警視庁の伝説になりつつあること。
アメリカに研修に行っていた途中で大事件(大問題?)を起こして急遽呼び返され、八王子の田舎の警察に左遷されたこと。

そう。
この話にはたくさんのシリーズがあって、この本はその何作目かに当たる。
だから過去に何かがあった。
たくさんあったということ。
とはいえ。
これはこれだけで十分読める。

この人は多少なりともアメリカナイズされているのか、作者の趣味なのか、筋力トレーンビングも欠かさないけど、カロリーとかんもうるさい。
口に入れるものにうるさい。

ラムネは害しかない砂糖水。
朝から肉や炭水化物の塊は云々…と摂取物に細かい。

神経質なのかな?

今まで読んで来た推理物とはずいぶん違って最初はとっつきにくかったが、徐々に読むスピードが上がった。
田舎の警察の腐敗度合とか(笑)政治との癒着とか、田舎における力関係(〇〇すると睨まれる、住めなくなる、といったような)など、どーしよーもない日本の現状(?)を一刀両断するでもなく、ほったらかすでもなく、「刑事の役目」に徹して突き進むのが面白い。
事件が解決したからといって、誰が救われるわけではなくても、だ。

ただ、え〜相棒やなぁ。
とそれだけは思った。
リンゼイ・ディヴィス 著
矢沢 聖子 訳

密偵ファルコシリーズの最新刊、そして第16巻。
16巻…はるばる来たか、ここまで、という感じですが。

今回の赴任先(?)はローマの近く、海岸に開けたリゾート地オスティアである。

行方不明になったとある人物の捜索を頼まれて、家族とともにやってきたファルコ。
ここにはローマの警備隊が回りもちで駐屯しており、たまたま(?)その時にはマイアと暮らす旧友・ペトロニウスもいた。
結構なお屋敷を借り受けて……

行方不明人の足取りを調査するうちに、この町で話題になっている"誘拐事件"にかかわるファルコ。
そこには、はるか昔にポンペイウスによって退治されたはずのキリキアあたりの海賊の影がちらほらと見え隠れする。

海賊…!
ローマに対抗するならカルタゴだな!
よしっ!

とわけのわからぬ気合いを入れて読んだが…おっさんばっかりやん。
そりゃ、ハンニバルみたいなのは期待はしてなかったけど。

ファルコ一世一代の危機にはファルコ・パパが救助に駆けつけ(たわけではないが…)、行方不明だった伯父さんの怪しげな行動の謎がファルコを脱力させる。

作品ごとに育ってゆく二人の娘、ユリア・ユニッラ・ラエイタナとソシア・ファウォニアの様子を文章で知るのも楽しみとなってきた。
十津川警部の推理物…とわざわざ書かなくてもいいようなものだが、西村京太郎氏は実は、彼の執筆のなかでは十津川警部の他にも左文字進という私立探偵を誕生させているという。
それは知らなかったが、「消えた巨人軍」という題名は覚えている。
確かテレビドラマになったのではなかったか?
遠征で新幹線で大阪だか広島だからに向かう巨人の選手御一行様が、名古屋あたりで消えちゃった、という話だったと思う。
誘拐ものなのだろうか?
興味がなかったので、というか昔も今もアンチ巨人なので「なんでも巨人を使えばええと思って」と思いつつ「あっそ」ぐらいで終わった様に思う。
また、父親は野球が好きで、パ・リーグ・ファンであったが、見たのか見なかったのか定かではない。

十津川警部もまず最初は、海と船(クルーザー?)に強い刑事として書かれたらしい。
なんと!(笑)

今ではその片鱗もないけどなぁ…(うらめしぃ)
それがいつしか陸に上がり(古代生物史の陸上生物の誕生を思い出す"魚が陸に上がった!")鉄道を操る(?)鉄道なんでもこい刑事となり、今がある…らしい。

人に歴史あり、である。

さて。
この小説に出てくるのが踊り子号という列車である。
これは結構古いはず。
でも私は乗ったことはない。
鎌倉へ行くのに小田急ロマンスカーというのには乗ったことはあるのだが、車内販売のケーキは美味しかったが、えらく時間がかかったことばかり印象深いのであった。
踊り子号は高級リゾート地(と私が勝手に思っているのか?)伊豆への足であるので、どうやら縁も深くはなれそうにない。

とある企業の24周年イベントとして、20人の男女を4泊5日の伊豆旅行に招待し、男女それぞれに優勝者を決めて賞金をプレゼントする。
といういかにも怪しげな広告から事件は始まった。
「24周年じゃなくて27周年なのに、変。」
という目ざとい参加者もいて、早々に疑問を呈するのだが、24周年ということ自体ちょっと変。
25とか30とか、割り切れる数字でイベント事は行うものだ。
まぁ、その、変・変・変が積み重なって、連続殺人事件の謎へとつながってゆくわけだが…。

大金持ちの息子に生まれたゆえに罪を逃れ、人になすりつけ、それだけではなく、また罪を繰り替えす。
この業の深さはなんというか。

その業を断ってやるのが身内の情なのだが(本人とて苦しくないはずはないとおもうのだが)放任し罪を重ねさせてしまう。
それは愛情だろうか。

日本の警察に捕まれば、その背後関係とか身内とかいろいろまずいものが出てくるので、なんとかかばって逃がしてやらねばならないのだが、アメリカの警察は何かあったらすぐ射殺するから細かい背後関係がばれなくていい。
とりあえずアメリカへ逃がして、あとは放っとけー。
とはあんまりだけど、悪い奴らの愛も情も、所詮はそういうものなのかもな。
海に沈めた秘密 〜ラミジ艦長物語15〜
ダドリ・ポープ 著
窪田 鎮夫/出光 宏 訳

1801年
地中海
カリプソ号

副長(一席将校):エイトキン
二席将校:ワグスタッフ
三席将校:ケントン

ジブラルタルで役立たずの4席将校を首にし、新たにマーチン(フルートが得意)を迎える。

航海長サウスウィック以下、ラミジの楽しい仲間たち♪はそのまま残留している。

自分の胸にそっと秘めて…ってこともできます。
19世紀初めなら。

臼砲という珍しい砲を積んだ船・臼砲艇を確保(例によって分捕った)
英国海軍でもほとんど使われないこの臼砲艇を使って何がしかできないか…と多分作者は考えたんだろう。
珍しい船だしね。

フランスの火薬のいい加減さ。
人材不足。

革命以後、安心して国家のための生産活動にあたれない事情がよく表れている。
優秀な士官を片っ端から首を切って(文字通り)しまい、その後、使いものになる指導者を育てるのに時間がかかったフランス軍。
しかし19世紀に入ったころから人材に関してはましになってきたような…ことを書いている小説もあったのだが。
でもちょっと失敗しただけで首を切られたらたまらん。

ラミジはその辺を上手に利用してまんまと船を拿捕したり善良なフランス人をだまくらかして戦績と経歴、そしてレベル(?)を上げるのであった。

調子の乗りすぎて、イタリアに上陸し、まんまと正体を見破られて捕まったけど。
たまたまレジスタンスの手引きで助かったからいいものの、増長はいかんよ。
冒険心は必要だが、基本は謙虚であらねば。

ちなみにラミジの名前は悪魔のようにフランス海軍に広まっているらしい……。
総督の陰謀 〜ラミジ艦長物語14〜
ダドリ・ポープ 著
田中 清太郎 訳

カリプソ号

キュラソー島はオランダ、もとえバタビア共和国の植民地である。
つまり総督がいる。
総督ファン・ソメレンはオランダ王国時代の総督職をそのまま引き継いでいる人物である。
革命政府に従うと、表面上の変節をして。
それもこれも、この地に住まうオランダ人たちを新総督(きっとフランス人)の圧政やギロチンから守るためである…と主張する。

島には今、問題が起こっていた。
総督のやり方が生ぬるいと判断したフランス人私掠船のりが中心に、革命派(?)のオランダ人が糾合し、首都アムステルダムを攻撃しようと軍隊を集結させていたのである。

6週間前に到着しているはずの、オランダのフリゲート艦はどこへ行ったものか、未だに姿を見せない。
総督の手勢は貧弱なもので、反乱者(?)たちに太刀打ちすることは不可能である。

さて、総督はどうすればいい?

たまたま沖合に姿を現した英国のフリゲート艦・カリプソに彼は目を付けたのである。

自国の軍隊があてにならないのなら、英国の力を利用しよう、と。

でも「陰謀」(笑)
そう「陰謀」(笑)

戦闘では機略策略縦横無尽のラミジも、政治的な話になってくるとどうも苦手だ。
それでも遺漏なく話をきめ、総督の求めに応じて反乱者たちを討伐に陸上を往く。

でっかいかがり火で牛を焼き、正体がなくなるまで酒をラッパ飲みし、迫りくる英国軍に気がつかない反乱者たち…
まるで16世紀のバッカニアそのものである。

でも、牛の肉を適当にスライスして串にさして火であぶって食べる…美味しいだろうなぁ。
涎が出そうだわ(笑)
なんか状況は漫画チックだけど。

英国商船で大殺戮を繰り広げていた私掠船の船長や乗組員とも戦い、カリプソ号の気のいい奴らのシビアな一面も見せる。

しゃあしゃあと裏切って見せた総督も、ラミジが打った手にもろ手をあげて降参。
総督令嬢といい雰囲気になりながら心の中ではジアナを思い浮かべているラミジは、まぁ、健康な若者であるということでしょうか(笑)

攻撃は成功したけれど、三席将校のベーカーが戦死。
あぁ〜"身内"の中では最初の戦死者だなぁ。
鬼哭啾々 〜ラミジ艦長物語13〜
ダドリ・ポープ 著
田中 清太郎 訳

新任ジャマイカ鎮守府司令長官 青色旗艦隊 中級提督(バイスアドミラル)ウイリアム・フォックス=フット提督は、ラミジに命令する。

私掠船の撃滅を。

デービス提督のもとでさんざん商船団及びスペインの財宝を奪取し提督を金持ちにした蘭辞意に対し、フォックス=フット提督はあまり良い感情を持っていない様子である。

行き先は旧オランダ、現バタビア共和国領のキュラソー島である。
本国は無理やりフランスに支配されて、植民地は英国に分捕られて…というかわいそうな状況の国である。
ヨ−ロッパではままあることだが。

キュラソー…といえば、思い浮かぶのはお酒かな?(笑)

かつての部下、今は将校艦長としてスクーナーの指揮を執るレーシーを指揮下に置いて、ラミジは出発するが、キュラソー島では思いがけない騒動が起こっていた。

そしてキュラソー島へ向かう途中のラミジ一行は、スペイン名の私掠船によって虐殺された英国商船の乗員・乗客24名の遺体を見つける。
そのあまりの残虐さに復讐を誓うカリプソ号一同である。

戦争は仕方がない。
わかっていて、そのただなかにあるのだから。
だけど私掠船は国家公認の海賊。
身代金目当てでなければ乗客はボートで放り出すのが普通。
少なくとも商船の女性客を暴行の上喉を切り裂いて虐殺するというような真似はしない。
ゆえに、カリプソの乗組員は心に誓ったのだった。

キュラソー島での事件は長く、この巻はその前篇である。
密命の結末ー 〜ラミジ艦長物語12〜
ダドリ・ポープ 著
小牧 大介 訳

そもそも。
ラミジが西インドくんだりまでやってきたのは、海軍大臣セント・ヴィンセント卿の秘密の命令書を運にためである。
海軍大臣は指定はしなかったが、その任務を」蘭辞意にやらせたかった節がある。
しかし西インドのデービス提督は、派手なパフォーマンスが期待できる作戦を、自分の子飼いの艦長にやらせることにした。

そのかわり、子飼いの艦長が失敗した任務をラミジに与えたのだが、ラミジは想像以上の戦果をあげてしまった…というのが前作までの話である。

で、その派手な作戦…また失敗してやんの(笑)
で、あたまたラミジにそのお鉢が回ってきたわけだ。
ラミジも失敗すれば、最初に失敗した艦長の失敗もうやむやにできるだろう、というわけで。
ラミジが失敗すればね(笑)

前巻で4席士官のレーシーが捕獲船(スクーナー)の将校艦長となって転出(エイトキン、ワグスタッフ、ベーカーは在留を希望)したので、新任の4席将校、赤毛のピーター・ケントンが着任する。

前任者が失敗したため、敵(今度はスペイン)は一層警戒心を強めている。
厄介な作戦である。

ラミジは前回捕獲したフランスのフリゲート艦をカリプソ号と改名してこれを指揮することになった。
もちろん士官や乗組員はそのままよこすべり〜粗漏はない(笑)

最近までフランス艦だったカリプソ号をもってラミジはまたまた計略を…

目的は、約2年前に反乱をおこしそのままスペイン領に持ち込まれたジョカスタ号をスペイン人の目の前からかっさらうこと。

要塞の砲台あり。
今はスペインの艦となったジョカスタ号の砲もある。
湾に入ればカリプソ号は袋のネズミ…
ラミジはどうやってジョカスタ号を外界へ引っ張り出すのか?

策略に次ぐ策略。
だましあい。
…が続く西インド編。

ジョカスタ号の事件についてはフィクションだが、史実をもとに設定されている。
狂気に駆られた艦長は、まれにだが、こういう目にあう。
ここまでひどくはないが、有名なのは「パンの実・ブライ」である。
ブライ艦長は反乱者たちによって(反乱者の中には福長のフレッチャー・クリスチャンもいる)太平洋上でボートで放り出されたが、見事な航海術で生還、反乱者たちを掃討するため艦を駆った。

ジョカスタ号の反乱の見本…らしいのはピゴット艦長のハーマイアニ号である。
この事件でも全士官殺害という凄惨な状況をもたらしたのである。
眼下の敵 〜ラミジ艦長物語11〜
ダドリ・ポープ 著
田中 航 訳

デービス提督の罠(?)にはまり、前任者の失敗の穴埋めをさせられるはめになったラミジである。

ふぅ〜楽して暮らせないかわいそうな主人公であるな。

マルティニク島の港は、当たり前だがフランスの砲台ががっちり守っているので、下手に入ろうとする大やけどする。
で、ラミジは考えるのだ。

やられたふりをしてフランス側をだまし、まんまと湾内のフリゲート(しかもジュノー号より性能がよい)を乗っ取った。(詳細は面白すぎるので、ここには書かないが)

敵をだますのが上手な主人公である。
…つうか。

賭けが上手。

自分でも言っているけどね。
できるだけの手を打って、勝ち率を上げるだけ上げてから賭けるのだと。

でも万が一、ということもある。
いつその目が出てくるか、それは誰にも分らない…。

「眼下の敵」というのは、とある砲台を築いて、そこから下の敵艦を狙い撃ちする作戦をとるからだけど、同じ邦題の映画がある。
しかも海を舞台に、戦争を舞台にしたものである。
Uボートと駆逐艦のだましあい、息の詰まる探り合い、を描いたんもので、非常に面白い。
相手が「多分こうくるだろう」という推理で、自分の次の攻撃とか回避とか考えていくんだけど…ただ、映画では、最後が和気あいあいなのが気に入らない。
原作は違うのだ(笑)

相打ちになって、救命ボートに入り乱れて乗って救助を待っているんだけど、どっちが勝ったで言い争いになり、挙句殴り合いが始まるという…その後…はやッぱり黙っとこう。
しゃれが効いていて面白いし(笑)
しゃべったら台無し。

とりあえず、ラミジ一家は西インドに来てから敵艦・敵商船の捕獲でずいぶん金持ちになったものである。(捕獲した船と積み荷を海軍が買い取ってくれるのだ。その賞金は決めた利率で戦闘に参加した全員に与えられる…戦闘に参加していない提督にもだが)
タイトロープ 〜ラミジ艦長物語10〜
ダドリ・ポープ 著
山形 欣哉・田中 航 訳

1801年
ラミジ、正規艦長に昇進。
フリゲート艦 ジュノー号

12年前、士官候補生としてベンボウ号に乗り込んだのが、彼の海軍人生の始まりであるとの記載がある。

前巻でフランスに潜入し、ナポレオンの英本土上陸作戦が近々行われるかどうかを確認しに行ったラミジである。
到底海軍士官のお仕事とは思えぬが、緊急の場合には仕方がない。
フランス語もイタリア語もしゃべれる、機転の利く若者は"使いやすい"のだ。
失敗すれば、仕事をなくすだけではなく、未亡人(ギロチン)行きだけどね。

そのご褒美で、ラミジは念願のフリゲート艦をもらった。
ジュノーという名前はともかくとして(ゼウスの怖い嫁さんだし…)艦隊の目、ともいわれる快速のフリゲート艦を駆使してはるか西インドまでお出かけである。

ちゃっかり、手持ちのコマ(サウスウィック・ジャクソン・スタフォード・ロッシ)も入手済み(笑)

そしてこの巻から、ラミジの片腕ともなる、一席将校ジェームズ・エイトキンが登場する。
スコットランドの出身で、いわゆるええとこのボンではない。
海軍大臣セント・ビンセント卿は、面倒を見ると約束した航海長の息子を推薦し、ラミジはそれを了承したのだが、ほんまに運の強い主人公である。
あんだけ優秀な一席将校(つまり副長である)はなかなか手に入るものではない。
ちょっと頑固だけど…。

ワグスタッフ、ベーカー、そしてレーシーのいずれも若い士官を加え、ラミジは英国を後にした。
海兵隊将校のレニックもできる男(笑)
え〜な〜あたりばっかりで。

そして、なによりもボルテラ女侯爵ジアナのいとこであり、彼女が跡継ぎに恵まれないときはその後継者となるパオロ・オルシニを士官候補生として受け入れて。

なんか、ますます「ラミジ一家」になってきたな…(笑)

かくして乗組員定数215人のフリゲート艦ジュノー号は熱帯目指して突き進むのである。

ヘンリー・デービス提督がマルティニク島(フランス領)攻略の失敗のつけを払わそうとしているとも知らずに…

Landreaall(12)

2008年6月27日 読書
ウルファネア編の決着がついた〜やれやれ〜と思いきや。
DXと六甲と竜胆と五十四さんのいない間にアカデミーはとんでもないことに。

やれやれ。

御大家というのは、家族の間にも通訳が入り込んでくるので困ったものでる。
その通訳がちゃんと意志の疎通を滞りなく勤めているならまだしも、たいてい歪めて伝達したりするから余計ややこしくなってくる。
竜胆の家もそうだったわけだ。

直接口げんかでも、こぶしで語りでもすれば誤解は生まれないものを。
命賭けで自分の意思を表明しなくてはならなくなるとは、またなんと面倒くさいこと。
あ、そうか。
おにーちゃんは妹じゃなかったから…それがさびしかったのか!
なるほど〜。

アンちゃんは相変わらず、というかさすがというか、大人というか…あの腹に一物もってます、という感じが好きだなぁ。
カイルやフィルはまぁあんなものとして、ティ・ティの株が上がってDXの良きライヴァルになりそうだ。
そんな予感がする…

そして、ルッカフォート将軍こと、おとーさんはいまだに人気が高いんだなぁと微笑ましく思うのであった。

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