ターニャが……嗚呼かわいらしい。
この巻は彼女が主役かな?
と思うほどに。

しかしコスプレ・城主様。
さすがおフランスですねぇ…と思う。

モーツアルトはけっこー下品な詩も書いている、ということは知っていた。(少年合唱団系のマンガのネタにあった)

夫と称されても抵抗する気力をなくしたらしい千秋である。
のだめの作戦勝ちだろうか?

ブルターニュのお城のコンサート。
のだめの最初のコンサート。
それがコスプレ演奏会ってのも、なかなか楽しい。
勿論、"ベルばら"を愛する日本人なら、コスプレ好きな日本人なら、これはもう、ツボに嵌まりまくりだろうし(笑)

いや。
楽しい♪

ISBN:406340594X コミック 二ノ宮 知子 講談社 2006/06/13 ¥410
自称"千秋の妻"を宣伝するのだめ。

いよいよ吹っ切れたか…?(いや、とうにきれていたか。)

ライバルの成功。
自分の楽団のレベルアップ…つうか、せめて並に戻したいっつうか。
千秋の苦悩と苦労は続く。

そして、破天荒なあの、のだめが、もはや傍にいて当然。
傍にいないとダメ、調子が狂う、みたいな感じになってきているようだ。
麻薬みたいなもんやね…。
(もう森に入っちゃったしな)

成功して中国の親の元へ帰ることを心底欲するユンロン。
ロシアに帰らず旧西側諸国で成功することを心底夢見るターニャ。
何気にお国事情とか国民性が出ているな。
こうして背景がしっかりして初めて、登場人物にも深みが出るというものだが。

「関西人気質」で演奏する曲。
「ぼけ」と「突っ込み」は関西のエスプリ……。

すみません。
笑えますけど、関西人にも意味わかりません。
これ。


ISBN:4063405753 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2006/01/13 ¥410
まとめて友人からレンタルしたので、どんどん行く。
青緑の黒木君(オーボエ担当)は、千秋ののだめのラブラブを旗で見ているだけで幸せなのだろうか…?
そういう風に見えて仕方がないのだが。
外国で、人恋しいだけ?

ま、ユンロンよりましか。(中国人ってよくわからんなー)(笑)

セーヌの橋の上での千秋とのだめの決闘シーンはとても面白い。
本気だよな、まあのだめはいつものことだし"一応"女の子だから(笑)
しかし千秋…。
プライドなしか、あんた。

私も是非"観劇"したかったよー。
"命乞い"する千秋くんを。

マルレ・オケの常任指揮者になった千秋。
しかし人生は甘くない。
可愛い子には旅をさせろ。
わが子は千尋の谷に突き落とせ…てなもので、彼の前には次々と山、否、山脈が立ちふさがるのだった。
ま、のだめのパワーを常置してれば、なんてことはないだろうけどね。

物語は頂点を知らないほどにどんどんと佳境に突入する。
いやほんま、どこまで盛り上がるんやろ?これ。
天井知らずやわ〜。


ISBN:4063405605 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2005/09/13 ¥410
千秋はデビューコンサートに向けて邁進。
のだめはピアノ…というより千秋にむけて驀進!
一方私(=読者)は、大爆笑。

というわけで。
下宿の屋根裏にはまたまた(画家志望の?)みょーなおじさんが住んでいたりして、出てくるキャラ、出てくるキャラに笑いをこらえられない。

雑なような、精密なような、人間描写がすごい。
どんどんキャラにひきつけられてゆくから不思議なマンガだ。

千秋の曲(演奏)のイメージが「孔雀」っていうのは、ムッシュー長田の解説とは違う意味で、当っている、ような気がする……。


ISBN:4063405443 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2005/05/13 ¥410
コンクール決着篇、とてもいいましょうか。

ファイナルに残った3人。
さて優勝者は誰?

…つうことで、選考委員の皆様のこの科白に大うけする。
「片平はどうします?」「残すだろう!」「そーだ」「彼を落としてはみなが怒る」「ですなー」

いい味だなー(笑)

どんどん前に進み始めた千秋に対し、のだめの前にはおおきな山が。
彼女は千秋とともに歩くことが出来るのか。
既に千秋は歩くというより走り出した感もあるしな…。

進むほどに、おくが深くなる話である。
たとえ音楽のことに詳しくなくっても面白いんだから。

人気が出るのも判るわぁ。

ISBN:4063405230 コミック 二ノ宮 知子 講談社 2005/01/13 ¥410 

盗賊の水さし

2007年5月4日 読書
水がない砂漠の国や町。
そして鬼人が人間とともに生きる世界。

そんな世界を巡って、人々の心情や思いやり、嫉妬、欲望、愛や憎しみを描く。

大体この世界には、"水"は不足がちであるらしい。
翠湖、とよばれるその地、河伯が済むといわれるその地以外は、常に水不足の危機に迫られている。

水は人間にとっては、何よりも大事なもの。
絶食ならばある程度は耐えられても、水を与えられなければ人間は早々に発狂するという。
だから昔は、電気やガスや水道の料金を滞納してストップされても、「水道だけは止めない」という不文律があると聞いて育ったのだが、最近漏れ聞くところでは、どうやらそれも怪しいらしい…
最近では、飢え渇えてなくなった人の住処には水道はあっても水が来ていなかったという報道を、まま聞く。
水だけは。
止めないのが人道だと思うんだけどな。
「命がかかっている」ということに対して、現代人は鈍感だと思う。
これもそのひとつである。

そこんとこ、各都道府県の地方自治体はなんと考えているのだろうか?
それとも、皆、心は"鬼"になってしまったのか?

水を得るために鬼になる女。
水を独り占めするため(売って高利を得るのだ)誤って娘を殺す男。
なんと人間は業が深いものか。

そしてどこにも因果応報は在る。

「苦い水」の最後、祭主を助けようとした村の人たちが、木に取り込まれてにっちもさっちもいかなくなった場面。
そして、それを支え、なんとか助けようとする村人達。
ここの会話が、シーンが好き。

そして何気にシリーズの主人公の一人、鬼人のエンがスリジャと所帯を持ったらしいことを匂わせる科白もあって「おや」と思わせた。
そんなことはない。エンだって鬼人だが、人間といっしょになっている(「二つの井戸」)
散々悩んだエン、おめでとう♪というところかな?

それにしても、鬼人が多い………。
増殖している雰囲気だ。

ISBN:4834261808 コミック 今 市子 集英社 2007/04/25 ¥750 
妹が今月上海と蘇州に行くというので、買ってきた一冊だ。
それを横から覗き見る。
興味津々…ふぅ〜ん、という感じか。

昔々のガイドブックはたくさんもっていたが、今は毎年ぐらい改定されているんじゃないの?
新しい記事を入れてどんどん改定していかなくてはならない国、都市。
それが中国。
しかも上海ときたら。

中国の都市部は変化する。
だからどんどんガイドブックも変化していかねばならない。
出ないと役に立たないだろうね。

建物はどんどん変わる。
まるでバブル時代、地上げ時代の日本のように。
いや、それ以上か。
つまり見た目が変わるから、迷うんだろうな、と。

覗き見てみると、昔はほとんど考えられなかった、犯罪面の注意がとっても多くなっている。
タクシーには気をつけろ。
メーターをわざとたおさずに法外な料金を吹っかけてくるらしい。
メーターをたおすのを注視しろとのこと。(でなければさっと降りろと)
…なんて悪質な!
まるで一昔前の香港!(笑)だな…と。

昔はついうっかりおつりを間違えても、顔色を変えてバスも後ろをじーさんが走って追いかけてくるような、そんな国民性だったのに…(刑罰が厳しかったということもあるが)
前の宿泊ホテルでおいてきたゴミを、ゴミ箱に入れなかったが為に、忘れ物だと思われて、本人が到着するより先に次の宿泊ホテルに届けられていたなんていう逸話があったお国柄なのに…。
(次のホテルがどうしてわかるかって?そりゃあなた、旅行者はあくまでも中国政府の招待で入国し、中国政府の指定した場所を中国政府の指定した交通機関を遣って移動し中国政府の指定したホテルに宿泊するしかなかったからである。そうでなければ中華人民共和国には入国できなかった、個人旅行なんてとてもとても考えられなかった時代の旅行である。そしてその時代、中国人は皆、人民服姿であった。嘘冗談ではなく。)

「…てことは、昔と違って国中どこへ行っても同じ料金(=国定料金)じゃないってことで、つまり、向こうはぼったくる気で吹っかけてきているんだから、こっちも"値切っても良いってこと"やね?」
などと、暢気な妹はにやりと笑ってそういうが。
まぁほどほどにな…。

だって、あの国民性からして、恨みを買うと怖いぞよ。
些細なことでも、でっかく恨まれそうだし……。

そして、たしかに。
本を読む限り、上海にはおしゃれな店が多いようだ。
それもなんか、高級店っぽいし(笑)
嗚呼嘗ての中国旅行といえば、お小遣いなんか数万円で、お大尽だったのにな〜。
それもうたかたの夢のようだ

これでは下手にお土産♪なんて頼めないよ。なにもかも、高すぎて。

それにしても、研修旅行で上海とは。
今時、結構な会社だよねぇ。

ISBN:4398118160 単行本 昭文社 2006/09 ¥1,740
SFなんだけど、いろんな人が多角的に?、多次元的に?、行動してゆく。
そしてその目的と言うか方向が徐々にひとつに結ばれてゆく…。

…のがなんとも言えず楽しいね。
情報戦ということで、情報を得るために、一つ、一つと命が失われてゆくし、夫々にドラマがあるしで、それをどこまで描くか。

枝葉末節に拘りすぎると主題がぼやける。
でも周辺にもドラマがないと単純すぎるし。

その辺の見極めが難しいと思うけど。
その"ころあい"が、"つりあい"が上手く取れているようだ。

とはいえ。
「そりゃ〜ないでしょうよ〜(笑)」
なんて思ってしまうシーンもあるにはあるが。
その辺はあえて突っ込まない。
例えば小説中に漢字の誤字・脱字を探して拾って歩くなんて人がいないように…(え?いるの?そんなことして何が面白いの?)
その辺はすっ飛ばして読む。
また、読ませてしまうのが、面白い小説ってもんだろうしね。

さて、話はだんだん確信に迫る。
全宇宙を震撼させる凶悪なテロ集団を相手にして、平凡な主婦・シズカは果たして夫と娘の仇を討てるのだろうか?!

…話のノリでは、してしまいそうだからコワイ(笑)

あーなんか、違和感の理由が判った。
ハリウッド的展開が、会話が多いんだ。

妙なところで感動を呼ぼうとする。
お涙頂戴をしようとする。

で、「うわっ」と思ってしまうのだ。
最後のほう(クライマックス)に成ればなるほどその度合いが増してくるので、判った。

その辺が、しらじらしい、というか……いや、純粋すぎるのか。
意外にも小説の手法が古典的なので、擦れてしまった私の心にはわざとらしく映るのかもしれないな。


ISBN:4334741231 文庫 梶尾 真治 光文社 2006/09/07 ¥740

恋する京都

2007年5月1日 読書
家の近所の会社のウインドウに、ずらりと並べられているのがこの本だ。
薄くて小さな本。
文庫本と意っていいのかどうか、といううすさ。
なにせ90頁に満たないのだから。

京都のイロイロな紹介本、といえば、もう食傷気味だけど、これはポケットに入れて持ち歩いてくださいと、というわけで、ページが少ない分、焦点をうんと絞って紹介している。

この本は家人が面白がって買ってきたのだが、薄い割りに結構する。結婚するのは写真が多いせいか?
それにしてもCM料でなんとかならんかったんかいな〜?
とも思う。

中味はまぁ、可愛らしいことこの上ない。
ショッピングや食べ物そして観光地をかなりチョイスして紹介。
物足りないと嘆くなかれ。
目的に応じて本を選べば良いのである。
現在刊行されているのは10冊。

?.恋
?.枯山水
?.抹茶
?.紙
?.デート
?.京野菜
?.社寺
?.お豆腐
?.嵐電
?.BAR

…とまあ、ありきたりの題目も在るけど、なにこれ?と疑いの目で見てしまうものもあり。(嵐電を出しなら叡山電鉄も…!比叡山のケーブルカーもぜひ!)

ちなみに近所の会社。
この本をずらりと並べて宣伝しておきながら、売ってくれない。
(編集・製作をやっているようだ……でもケチだな。ついでに販売もしてくれればいいのにさ)

ISBN:490382201X 文庫 コトコト 2007/03 ¥500
今日は…じゃない、もう昨日のことだ。
昨日は出かける用事(筍を買いに、そしてついでに牡丹と躑躅を見に)があったので、文庫本を鞄に放り込んだのだった。
それがこれ。

少し前に、友人から譲り受けていた本である。
著者は「よみがえり」の著者。

仮想社会。
そして近未来?

人類は地球外に進出し、囚人の流刑惑星なんてものも所有している。
その囚人達が反乱を起こし、人質を取って物資を脅し取り、政府軍の攻撃にもかかわらずそこから逃れた生き残りがテロ活動を始め…という、良くある設定ではある。
だが、本編は、テロで夫と娘を失った単なる主婦の復讐の決意、から物語りは始まる。
(ちょっとターミネイターシリーズの、強〜いおっかさんを思い出してしまった…)

ようわからんアブナイ軍人も出てきて波乱万丈…に成りそう。
さて。

ISBN:4334741223 文庫 梶尾 真治 光文社 2006/09/07 ¥740
この手の本は、とっても興味を引くのだが、何故だろう?
途中で飽きてくる。

白川先生は立派な方で尊敬申し上げているのだが、なんでだろう?
この手の話は…嗚呼。

漢字と言うのは珍しくも現代に生き残った象形文字なのである。
よって、その成り立ちはすべて絵で説明できるのだ。
その説明を、まさしくイラスト入りで白川先生が解説してくださっている。

でも、これは初歩の初歩向きで、絵柄もとってもわかり安いのだ。
きっと高校生、いや、もしかしたら中学生を相手に想定してかかれたものかもしれないな、と思いつつのたりのたりと読み始め。
やっぱりページは進まない(笑)

なんでだろう?



ISBN:4764105780 単行本(ソフトカバー) 文字文化研究所 共同通信社 2006/12/18 ¥1,050
30年代が流行り(?)らしい昨今。
本の世界にもこんなものが〜?
とは思ったものの、面白そうなので購入してみる。

どうせたいしたモン、食べてないだろうな。
ちっぽけな菓子パンとかが忘れられない味になってて、忘れられなかったりして、いまだにその味を追い求めていたりするんだよね、なんて。
全部自分のことである。

だってここ数十年だよ。
こんなに急激に社会が変わったのって。

昭和30年代って、もっとゆっくり地球は動いていたよな。

むかしの国鉄で売られていた、ちょっと塩っケのある(?)(←ビンボーだったので、すなわち、舌が貧しかったので、よくわからない)アイスクリーム。
あれは忘れられない。
あの後どこで食べても、あの味はない。
そして冷凍みかんだな。うん。

今だに私が拘る菓子パンは「サンライス」だが、それもあの頃数少ない菓子パンのひとつだった。
しかも「メロンパン」などと一緒くたにされてるし…ちっ。

あの味は、残念ながら、もうない。
どこでも出会えない。

ものは豊富になったが、材料は貧しくなったのかもしれない。
それと自分自身の舌も。
おかしくなったのかも。
精神的な意味でもさ。

ISBN:4486031938 単行本 月刊望星編集部 東海教育研究所 2007/03 ¥1,680
なかなかに今風な、世相に遅れない西村節を読んだ気がする。

日本で起こる、"いかにもマフィアっぽい"殺人事件。
そして中国で起こった、日本人殺人事件。
黄浦江に死体が浮かぶ…という、例のあれ。
あの脅し文句を地で行ったそのままに、死体が浮いたんだのだった。
インターナショナルな十津川警部の出番である。

…でも。

一番面白かった記述はここ(↓)。
制服姿の中国の役人が、助手の若い女性と二人で、何か測量をしている。
女性のほうは、大きな寒暖計を持って、それを、差し上げるようにして、目盛りを、読んでいた。

上海も発展しすぎた為に、電力事情が、逼迫して、きましてね。特に、今年の夏は、市当局が電力を節約しようと言う、運動を起こしているんですよ。あれは、日本語で言えば、電力節約隊とでも、いうんですかね。役人が、時々回ってきて、店内の温度を、調べているんです。

………地球環境の為に、やっているわけではないのね。
中国よ……。

こういうご当地事情をさりげなく放り込んでくるあたり、結構好きになってきましたね。

ところで、北京から上海までの特急。
犯人護送のために十津川警部たちが乗るのは、軟臥座席。
すなわち柔らかいベッドのある個室である。
しかも、一両まるまる借り切るとは…さすが。
国家権力(だけ)はすばらしく行き届くお国柄である。

昔は外国人しか乗れなかったこの席は、そのうち裕福な中国人も利用可能となった。
硬い座席の硬座や、運動部の合宿所のような硬臥などは、ちょっと…日本人には無理じゃないかな?と思われる。
それとも、今は綺麗になったのかな?

まあ、軟臥でも、ぐっすり眠れる、ってわけには行かないが。

妹が来月上海〜蘇州にいくので、ちょっと思い入れをしてしまった。

ISBN:4087461467 文庫 西村 京太郎 集英社 2007/04 ¥600 
京都名物(?)(笑)MKタクシーのハイヤー運転手さんが綴る京都探訪。

……そうなんだよね。
こういう人が、一番よく知っているんだ。
どこに何があるとか、どの道が空いているとか、そんな当たり前のことではなくて。

今、どこが花が満開か。
どこが一般公開しているか。
どこが……

と、旬の情報もりだくさん!
それはタクシー運転手さんが一番もっている情報なんである。

MKタクシー数十年のベテラン運転手、である著者が紹介するのは、春夏秋冬の京都の名所。
その名所もただ場所をならべるだけではなく、理由がはっきりしている。

人が少ないから。
京都情緒を味わえるから。
美味しいから。
…などなど、その理由がはっきりしている。

そして勿論だが、英語もOK!(MKの観光部門では、語学研修で英国へ行くそうだ)
歴史もOK!
そして雑談も勿論…たっくさんもっている。

そんな人が進める京都だ。
くどくどしいことは書いていない。
だが、京都が好きで、そこそこ自分で回れる人には、良いガイドブックに成るだろうな。
かくいう私も、「おっ」と思うところをいくつか、ドッグイヤーを作りましたから。

大切なのは、各人各様の"京都"がそれぞれ心の中にあるってこと。
だから強固に進めても、意に沿わない事だってある。
相手の好みを量りつつ意向に沿って、お薦めをする。
「あそこがいいから、絶対あそこにいきなさい!」
だの、
「なんであんなとこに?あんなところは行ってもしょうもない、やめとき!」
町中では、そんな言葉を時々耳にするけれど、おおきにお世話。
その人なりの"好き"があるってこと、尊重しなくては、と思うのだが…?

かといって、何も言わなけば、
「京都の人は教えてくれない」
「意地悪」
などと言われてしまう。

へー。
意地悪?
うちらは意地悪なんかしまへん、いけずしますねん、といちいち取り合ってもいられないので、聞かない振り(笑)

面倒くさいことでございますわぁ。

ISBN:4396314310 文庫 すげさわ かよ 祥伝社 2007/04 ¥600

白い兎が逃げる

2007年4月24日 読書
私の大好きな推理小説・有栖川氏の本。
勿論(?)(笑)友人からのレンタル本である。(威張っていうこっちゃないが)

短編集をいくつか集めたものだが、いろんなパターンがあって楽しめた。
表題作は、今流行(?)のストーカー犯罪。
しかしこれは、ストーカーしている方が殺害されるという逆を行く。
推理小説の面白さは、こういうところにもある。
ひっくり返してみると意外に面白い。
誰がそこに気がつくか。
コロンブスの卵である。
ふむ。

兎に似た女の子。
…って、なぁ。
…可愛らしい想像が出来ないんだけど。
どうしもあの前歯が気になるし。

劇団もよほどメジャーになるとかでないと、経営やメンバーなど、苦労も多いだろうな。
でも若いうちなら情熱で補えるか。
むかし好きだった劇団の多くの人が今はテレビに出ていてそこそこ売れているのだけど、それもなんだか不思議な感じがする。
劇団ってず〜っとそこで、劇場だけで芝居だけをして生きてゆく人、という固定観念があったんだろねぇ。

さてところで、このストーカーと言うヤツ。
必ずしも男が女を追いかける、とは決まってはいないが、圧倒的に女性の被害者が多いのも確か。
しかも、命を奪われる事態にまで悪化している。
どうしてこう、こらえ性がないのか。
思い込みやその他いろいろ、精神的に普通じゃないから、というのがこの犯罪の理由になるのか?
それが理由で罪を免じられるのか?
なるとしたら、それが不思議。
とっても不思議なのだ。

単にこらえ性がない。
我慢できない。

痴漢と一緒で、被害者から言わせれば、「死刑にしても飽き足らぬ」
そんな思いを少しはわかって欲しい。
わからんから、繰り返すんだろうけどね。

ISBN:4334741789 文庫 有栖川 有栖 光文社 2007/01/11 ¥680
これもまた友人からのレンタル品だ。
だが、つい写真って処に魅かれてずるずると…こっちを先に読み進めてしまった。

著者はその名前からも明らかなとおり、慶喜公の直系の曾孫である。
高松宮妃喜久子殿下は伯母上に当たるという。

そして、そういうことを頭に入れて写真を見る。
"著者近影"
…………
そこらにいる、陽気なおじさんにしか見えん。
ニッポンチャレンジのキャプテンを務めた故南波さんに似てるんじゃないかな?
などと思いつつ、見る。

職業はカメラマン。
そして慶喜公は、ミーハーであられた。
それも単なるミーハーではなく、とことん突き詰める・極めるまで熱中した。
勿論舶来渡りのカメラにも。

今では貴重な江戸文化の証拠写真と成る写真を、たくさん撮っているのが慶喜公であった。
勿論、将軍職を引退してからのこと。

ここぞ!という構図をちゃんと選ぶのはセンス?
いやはやたいしたカメラマンであった、元将軍様は。

たいしたものだと感心する著者はプロのカメラマン。
決して身贔屓ではないと仰るが、まあひーじーちゃんのことである。
ちょっとぐらい誉めてあげてもよかろうってもんよ。

維新後の社会を興味深くファインダーに収めた最後の将軍は、意外に進歩的で明るく、いいヤツだったのかもしれない。

大村益次郎の銅像の写真を嬉しそうに撮ってるぐらいだから……。
嗚呼。

それでも、有名人を身内にもつ利点は…。
特にご先祖にもって得なのは、業績・事績がわかりやすいって事か。
普通、先祖の記録や家系図なんかを書こうとしたら、大変だって。
意外に知らされてなかったり、覚えてなかったりで、年寄りが死ぬ前に話を聞きだそうと四苦八苦するらしい。

そんなことしなくても、皆、知っているし、それ以上に暴き立てようっていう研究者も存在する。


ISBN:4047100234 新書 徳川 慶朝 角川書店 2007/04 ¥760
友人から速攻レンタル!
どれぐらい早いかと言うと、このレビューに画像が出てこないくらいに早い。

あいも変わらず笑わせてもらってますが……気のせいだろうか?
今回はちょいと薄いぞ。本が(笑)
ネタは無くなって…なんかいないだろう?(笑)

もう引退しちゃって旅に出た、木枯らし門次郎・ナカータが出てきているのが時代を感じるというか、懐かしいというか……。
彼に対しては「その年で自分がわからないのか…」なんていう批判も聞いたけど、まあそれが許されるだけの環境を、彼は自分で作り上げたんだから、いいんじゃないのか、とも思った私。
ただ、羨ましいというか。
その年で悩んでいられる余裕を持てる、というのが羨ましくて、それが昂じれば嫉妬、批判に繋がるのかもね。

さて。
サッカーについては、私はそれほど入れ込んではいない。
普通にスポーツを愛する程度で愛している。
国際試合とか、これは見所、とおもった試合の中継は見る。
そして地元チーム(サンガ)の試合のチケットが手に入りそうだったら入るように努力をして、平日のアフター5でも、少しぐらいの疲れなら、まあなんとか出かけてゆく。
本物の試合はそりゃぁ迫力が違うしね。

その程度かな?

そうして入手したチケットが、実は現在2枚あるというのも真実。

つまり、きっちり試合とか勝敗表とかを追いかけてはいないくちだけど、それでも面白く読めるんだからすごいよなぁ。

このまま続けて欲しい一冊である。
…つうか、これがきっかけでサッカーを好きになる人って絶対いる、って思うけどな(笑)
いないか?(笑)

ISBN:4930942837 ムック 村山 文夫 日本スポーツ企画出版社 2007/04 ¥840
売れ行き上々でベスト○に入っているそうな、この本。
タダでさえ黄色い表紙で目に付いて、それでまた目に付いて、内容をぱらぱらと立ち読みしてぷっと噴出して購入。

決して裁判官諸氏を揶揄しからかっているのではありません。

真面目に、「こういう言葉が発せられている」ということを、裁判所とはとんと縁のない我々庶民にも教えてくれる優しい手引書(みたいな)本である。

説諭、とかこういうこともいえる、言っている、言ってもかまわないんだ裁判官は…ということ。
そしてまた、裁判官が3人いると誰が一番偉いのか?とか夫々の立場(順位)はどうなのか?とか判決の意見が対立した時はどうなるのか?ナドナド…誰でもふと気になることを判りやすく解説。
何しろ著者は7年間、司法試験に挑戦し続けた人。
詳しいのは当たり前で…ついでに言うと、辛らつでもある。
十五年以上も司法試験に挑戦し続けている人は、信じられないことに、2707人(受験者の全体の1割以上)なのだそうだ。
そんな彼らのことを、
「経済的・時間的資源を食いつぶすだけ」
と嘗て司法浪人(?)だった著者も容赦なく言い捨てる。
たしかに、一生をそれだけに使うわけ?と思うと他人の私が見ても勿体無いと思う。
一度きりの人生なのに。

そして量刑の問題。
これだけの犯罪を起こしているのに、たったそれだけの懲役?とか思うのはしばしば有ること。
あれは前例に照らして"順当な"と思える量刑を選ぶからだそうだ。(ちなみに検察の求刑の8割が妥当とされるセンらしい…検察もそれを見越して2割り増しで求刑している、という悪い噂も…あるのか?)
いかに残虐でも、特出して懲役が長かったりすると、問題らしい……けれど、被害者や遺族はそんな話では納得するまい。

そのなかで、勇気をもって大胆な判決をする裁判官もいるのだという。
検察側の求刑よりも、思い量刑を科した裁判官もいるのだと。
すごい勇気がいることらしい。
それに司法は行政や立法からは独立していると憲法では謳っている。
でないと公正な判断は出来ないから。
でもでも、良識と善意と人間としてのけじめと…で前向きな判決を下さした裁判官は、大抵昇進がストップしたりわけのわからない異動(これって左遷だよね?)をさせられたりするのが現実なんだそうだ。
日本の政治って……。

我々素人が裁判に関わる日も、やがて来る。
嫌だといっても必ず来る。
人の人生を左右する問題。
アメリカの陪審員制を見ても、というか、見るたびに「あやしい〜」「いい加減〜」「あぶね〜」と思っている身には、ものすごい重責以外のなんでもないのだけど。

…*…*…*…*…*…*…

どんな凶悪事件でも、だいたいは理性的に読んでゆくこの本なんだけれど、身近でおこった殺人事件の裁判の話が出て、そのときだけはどきっとした。
殺害されたその当日、うちの会社に来られていた取引先の方なんだけどね。
仕事の後、宴を張ったのはうちの会社。
その帰り道…の出来事。

誰とは特定できなくても、自分が案内をしお茶を出し、ちょっとは言葉を交わしたんだ、その人だ、と思うと心は穏やかではいられない。
いわんや、身内や友人などは、どう思うだろう。
どう感じているだろう。
その哀しみはいくばくか量れるものではない。

所詮自分にかかわりがないと、どんな重大な事件でも「ふう〜ん?」「かわいそうに」ぐらいで済んでしまうということか、とそう思いもした瞬間である。
逆に、こうして袖擦りあった相手であれば、どう思うか?
平静でいられるはずはない。

これで、陪審員制…だいじょうぶか。

ISBN:4344980301 新書 長嶺 超輝 幻冬舎 2007/03 ¥756
イニシャル・年齢・OL・ホクロという、共通事項をもつ女が次々殺されてゆく中。
共通項があると這いえ、それだけで犯人を特定するのは意外に難しい。
東京と和歌山。
その二つの場所で繰り広げられる殺人劇。

横から便乗犯は現れるわ、そのニセモノを本物と勘違いして復讐者は現れるわ、では、本命は霧と霞の向こうに隠れてしまう。

東京で起きた事件を追いかけて、和歌山は南紀白浜までやってきた十津川警部と亀さん。
地元警察の警部に煙たがられながら、邪魔者扱いされながら推理を展開し、真犯人にたどり着こうとする。

白浜周辺は私の思い出の地でもある。
関西に生まれて住んでいれば大抵はそうだろうけど…夏休みの海水浴だの、太地の鯨だの、那智勝浦だの……それと、過疎化で大変らしい北山村。
あの村から、かつては材木が切り出されて町まで流されたその川を、材木を束ねて作った"筏"で下る。
筏下り。

滑らないようにするのは、出発地点の売店で売っている"草鞋"が一番。
3本ばかり材木を組んで作った筏の上でへっぴり腰でたったまま、腰ほどの高さに張られたロープを文字通り命綱として両手で掴んで下るのだ。
全行程で4〜5時間だったか。
美しい水が体にあたり、山中の青い色がついているんじゃないだろうかと思うような風を切って進む筏に乗っているのはは、とっても気持ちよかったが、年齢制限はあるだろうなぁ…あれは。

終点は三重県・和歌山県・奈良県の三県が交わる瀞(どろ)峡。
渓谷には、一軒だけ、ホテル(旅館)がある。
昔からある古びた旅館だが、ゆっくりと静かに過ごすには最高じゃないかな?と思える旅館であった。

そこからはジェット船に乗り換えて、海べりの町へようやく出るというわけ。

というわけで、南紀にはたくさんの思い出が詰っている。
あ、そうそう、今時は白浜アドベンチャーパークもその思い出のひとつなんだな。
パンダとか、ペンギンとか。
サファリランドの厳しい目をした猛獣達とか…

如何せん、仕事でやってくる十津川警部ちには無縁の場所かも。
かわいそうに。
ドラマだったら、無理やり用事をこじつけて、ご当地紹介をするんだろうけどねぇ(笑)
視聴者も、半分はそれが楽しみだろうから。

ISBN:4167454319 文庫 西村 京太郎 文芸春秋 2007/04 ¥540
極彩色で、いかにも!な大笑大正浪漫の着物集。
出しているの(著者)が、漫画家だ。
しかも濃厚な絵を描いている。
CLAMP、といえば「あぁ」と判るだろう。

ま、表紙を見ればわかるか…。

CLAMPは女性4人の共同体。
そのひとり、もこな嬢が着物好きだとは知らなんだが(…つうか、そこまで興味もないし)(笑)

とりあえず。
派手だ。
派手だわさ。
ま、自分が着るとか身につけるとか、そういうのではなくて、「おおっ、すげー!」と見て楽しむにはいい。
漫画家だから、色の配色とか、絵とか、は、凄く面白いし、それなりにバランスは取れている(嫌いな人には最悪だろうが)し。

色や小道具を楽しむには面白い、と思う。


ISBN:4309269273 単行本(ソフトカバー) CLAMPもこな 河出書房新社 2007/02/14 ¥1,575 

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