地球連邦とジオン公国の戦いが始まった。
最高司令官レビルは捕えられたが、政治的なはからいで無事脱出。
しかし戦争をやめさせたい、と願うデギン・ザビの想いは裏切られ、戦争はますます激しさを増し、長期戦へと突入する気配を見せる。

「所詮、人間は戦争が好き」

なんてバカな生き物だろうか。
だけど、本当のこと。
でも、同時に、人間は他人を愛せる。
だから、平和を望む事だって出来る。
その望みを捨てられない。

デギンとギレンとキシリアと。
ザビ一族は本当に複雑というか恐ろしいというか、欲が深い。
ここまで(欲しいものへの)情熱を持ち続けるのも、すっごくしんどいことだと思うのだが…。

単純なドズルとガルマが可愛らしく思えるほどにだ。

ISBN:4047138835 コミック 富野 由悠季 角川書店 ¥588

僕僕先生

2007年1月21日 読書
2006年度日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

舞台が中国で唐代なのも、作者が仕事で中国で暮らした経験がある、ということが大きいのかな?

なんとな〜く気になって、しばらくそのまま置いといて、とうとう購入した一冊。

ちょっとづつ読んでみようかと…。


ISBN:4103030518 単行本 仁木 英之 新潮社 ¥1,470
地元の近く、しかも会社の出張で利用する(私じゃないけど)路線と列車が舞台なので、ちょっと興味を引いた推理小説。
久々に、時刻表合せがちらりと出てきて、ああ、西村さんだな、と思う。

往時に比べれば、時刻合せといってもたいしたこっちゃ無いけど…。(犯人逃亡のルートを確定しただけ)

天橋立って京都府なんだけどな…イメージ的には大阪から特急で、のイメージなんだろうか?
京都といえば、戦後の引き上げや、それ以前には日露戦争時の東郷平八郎長官が勤務した舞鶴があるんだけど、どうも、京都が海に面している、というイメージ自体が薄い。
もちろん、私らも薄い(笑)
だって、京都市は南の端のほうに偏って存在しているのだから仕方が無い。
平等院や源氏物語で舞台になった宇治も、市よりももっと南だし。
交通の至便性からも、どうしても南の開発が早くて、北のほうは置いてきぼりになってしまった。
だから、海に面している京都府の各地域は、存在感が薄い。

天橋立も、超高級蟹で有名な間人(たいざ)も、京都府なんだけどなー。

京都駅からも、もちろん、城崎や天橋立行きの特急列車は出ている。
大阪発に比べると本数も少なくて、ごっつー便利悪ーですが(笑)
くそっ(笑)この辺が、如実に物語っているのかなー。

さて、内容である。
警察出身者の、自衛隊出身者の、ふつーとは思えない殺人。
しかも"殺し屋"としての仕事。

なんだかなー。
こういうものが普通に推理小説に出てくるということは、実生活でも奇異ではない、ということなんだよね。
そういう時代になってしまったか。

小説に出てくる城崎温泉の西村屋旅館。
高級旅館で一度は泊りたいものだが…、高いぞ〜(笑)

……何はともあれ、早く読んで母に廻さねば。

ISBN:4408504793 新書 西村 京太郎 実業之日本社 ¥860
漫画文庫なのにやたら分厚いぞ400ページ弱。
そう思えばこの値段はやはり安いのか…。

さてさて。
続けて読んでいたのが洋物だったので、いきなり明治〜大正の日本、しかも幽霊だの妖怪だの妖しいものたちが跋扈する話になるとちょっとリズムが狂いまするな。

正体不明(人間かどうかすらも怪しい…もしかして狐か?誰かさんみたいに)の女性から生まれた青之介はもとは秋月藩主の息子。
しかし、腹違いの姉の心配を他所に、この世のものではないものを見てしまう、話せてしまう。
やはり異界の住人なのだろうか?

この体質が幸い(?)して、妖しげな出来事にどんどん巻き込まれてゆく。
ちょんまげ時代から側つきだった藤言(とうげん)の苦労やいかに。

洋物に比べると、哀話が増えるのはいかんともしがたし。



ISBN:4592883357 文庫 波津 彬子 白泉社 ¥630

お目にかかれて

2007年1月21日 読書
不器用な孫のためにこの世に幽霊となって居残り、孫を指導する(主に恋愛問題)じーさま。
じーさまを観ることが出来るのは、血の繋がった孫と彼に憧れる秘書のミルドレッドのみ。
怖がりのミルドレッドだったが、好きな彼のおじーさまは怖くない。(恋は盲目?ちょっと違うか?)
で、
「お目にかかれて光栄ですわ」
となるわけ。

短編集なのでほかにもいろいろ作品が入っているのだけれど、表題の作品が一番面白かったなー。

戦場特派員として留守にした間に彼女に逃げられていた男の話とか、レジスタンスでともに戦った女性に再会したのに気がつかず、道化役を続ける男とか。
逆に、自分は金持ちの男と結婚する気にはなれず(単純に口惜しいから)、かといって破産した男は自分のプライドから金持ちの自分との結婚を望まない(金目当てと思われるから)。
ならば、とわざと親に勘当させて、一文無しの男の下へ転がり込む、意地っ張りな大富豪の後とり娘の話などなど。

ひとくせふたくせある人間の話が非常に面白い。

しかしこの作者は、洋物も和物も、ノスタルジーの香りで溢れているなぁ。

ISBN:4091913326 文庫 波津 彬子 小学館 ¥590

空中楼閣の住人

2007年1月21日 読書
うるわしの…シリーズの第三弾。
おお、やっと画像が…!(笑)


貿易商のマクラウドさんちに引き取られてきたのは、親戚中をたらいまわしにされていたヴィクター少年である。

主人が留守勝ち(仕事が忙しいのだ)のこの屋敷は、怪異現象が次々と起こるのだが……。

妖精の取替えっ子。
取り替えられた美しい少女は人間と恋に落ち、年に数度の逢瀬だけを楽しみに生きている。
まるで天の川の伝説ですな…。
一年に一度じゃないだけマシ?

取り替えられた妖精、つまり、人間世界に置いてきぼりにされた妖精の子供のほうは、「家事が好きで好きでたまらんのじゃ〜」「あっちの世界には帰りとうはない」と、執事ならぬハウスキーパーをこなす有能な人間、もとえ妖精(とんがり耳と尻尾あり)だし…。

そんなホーンテットなお屋敷とはつゆしらず、引き取られた少年は、一人ぼっちが多かった為に空想好き、ときている…あいすぎる符号。
奇奇怪怪な出来事が次々と…いとをかし(笑)

妖精の世界と人間の世界。
そして、許されざる恋と別れの哀しみ。
作者のお姉さんが良く描いたテーマでもある。
お姉さんの場合は、だいたいが悲恋だったけどね。
波津さんのはハッピーエンドだ。
だから安心して読める。


執事、じゃないや、ハウスキーパーの妖精がいいなぁ。
因みに彼の名前はバナールという。

ISBN:4091387837 コミック 波津 彬子 小学館 ¥840
表紙絵が綺麗なのに、尽く出ないでやんの…ちっ。

うるわしの英国シリーズ第二段である。(表題には出てないな…)

ヴィルヘルムとコーネリアスさんちのメイドさんたちのお話とか、どうもこのチェシャ猫みたいなヤツがらみの話が一番面白いと思ってしまう…。
お口直しの短編みたいなのばかなんだけどね。

幽霊が猫になって愛する人のもとへ帰って来る話とか、小説家の書くファンタジーの登場人物がそのまま表われて彼を連れ去ってしまいそうになる話とか、よくありそうでちょっとひねって有るのが良い。

でも一番面白かったのは、アメリカの富豪一家が英国貴族の城館を買い取り、幽霊が出ないかとわくわくしながら待っている、という話。

所謂成金で、この時代によくあったように、娘を貧乏貴族に嫁がせて"格"をゲットしようとしているのだけど、ぜんぜん暗さが無いというか厭味が無いというか、可愛らしいと言うか。
自分達が成金だということも素直に認めて、英国の上流階級に馴染まなきゃ!と"素直に"努力する姿が…なんというか。

幽霊に遭遇したメイドを羨ましがり(「ラッキーだわ、あなた」なんていってるし)、家鳴りやラップ音を、湿気と建築法のせい(或いは舘が古いせい)だと即断して反省(
「まあ、私たち、合理的に考えすぎてますわ!」だって。)している。
でもって、そこにもともと住んでいた貴族の本物の幽霊が出現!
悲鳴をあげながら、口元は(幽霊に会えたのが嬉しくて)笑っているようなのが年頃の娘だし。

このドタバタ幽霊譚は、とっても楽しい喜劇だった。


ISBN:4091387829 コミック 波津 彬子 小学館 ¥840
先に最新刊「花々のゆううつ」を読んでしまったけれど、一話読みきりなのでまあいいでしょ、ってことで。
うるわしの英国、となんとも魅力的(笑)な副題のついたシリーズを買ってみることにしたのだった。

シリーズ第一巻がこれ。
幽霊か、と思えば現実の人。
人間かと思えば幻想世界の住人と、どんでん返しが愛らしくまた優しい。

"普通じゃない猫"ヴィルヘルムを、コーネリアス(このシリーズで、彼だけは満遍なく顔を出す)が飼う羽目になったいきさつ(「クレア嬢のお相手」)など収録。

鉄仮面(鉄面皮?)の執事もいい味を出してるな〜♪

ISBN:4091387810 コミック 波津 彬子 小学館 ¥840
昨年の夏に射殺(暗殺)されたロシアの女性ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ氏の著書。
以前読んだ、プーチンのロシアについての本(「プーチニズム 報道されないロシアの現実」⇒ http://diarynote.jp/d/34813/20061202.html )よりも、前の作品になる。

何故チェチェンとの戦いがこうも続くのか。
しかも余りにも残虐で余りにも容赦がなく…。

その歴史を紐解くところから、彼女は語り始める。


最後の解説(あとがき?)をちらりと読んだ。
(こんなことを書いていて)「彼女はまだ生きているの?!」と驚くロシア市民………

怖い。

ISBN:4140808918 単行本 三浦 みどり NHK出版 ¥2,520

花々のゆううつ

2007年1月17日 読書
腹痛と風邪の引きかけで休んだ今日の朝。
夜中に寝られず、明けて、ようやく痛みが収まって、うとうとし始めた午前9時過ぎ。
    ……届きました。

起こされました。
配達のおにーちゃんがおつりを捜す間、ひゅーひゅーと冷たい風が玄関から吹き込んできました。

書店にもなく。
ネットでもなく。
どこもかしこも"在庫切れ"でハネられたこの一冊。
最終的にとあるネット通販で在庫を見つけたこの一冊。

そんなこんなの思い入れをたっぷり入れて…読む。

波津 彬子という漫画家さんは、私はてっきり日本の近代、明治から昭和初期のなんとなくあやしい、大正時代のモボやモガが跳梁跋扈しているような話を書く人だと思いこんでいたのだが。
ボースンさまのご指摘で、古きよき英国(ビクトリア時代〜)のお話もお得意、と知って驚いたものだった。

確かに。
この漫画はビクトリアン後期、あるいはその直後のエドワード朝の英国(の上流階級)が舞台である。
短編集のまとまったものだが、なかには同じ登場人物が出てくるものがふたつ。
そして、薔薇が…とにかく沢山絡んで出てくる話が多い。
英国といえば薔薇だからなぁ。
それはそれでお似合いだ。

だが何よりいい味を出しているのは、表紙を飾る猫。
名前はヴィルヘルム……。
なんでドイツ風?

他の作品に出てくる(可愛い女の子が飼っている)犬は、アレキサンダー。

いかにも英国の、ええところのお猫様、お犬様、らしい名前ではあるか。

掌編
「秘密の温室」
「招かれざる客」
「空想科学猫」
は、それぞれヴィルヘルムを主役にした、"猫とファンタジー""猫とホラー""猫とSF"をテーマにした、逸品である。

ISBN:4091307949 コミック 波津 彬子 小学館 ¥840
去年の誕生日に友人・Mさんから貰った一冊。(実はリクエストなんだけどサ)

18世紀から19世紀にかけて、かの戦争の天才ナポレオンをドーバーの向こうに押し留めたのはなにもネルソン一人の手柄ではない。
多くの将兵が、そして英国国民が、この最大の危機に一致団結して戦ったからである。

…けれど。
歴史は英雄を好む。
人も好む。

だから、1805年10月にトラファルガー沖の海戦で戦死したネルソン提督に注目と敬愛とが集まるのも致し方が無いことなのだ。

…というわけで。
帆船と海洋小説が大好きな私は、勿論、この手の本も大好き♪

ISBN:4562039426 単行本 山本 史郎 原書房 ¥12,600

十七歳の硫黄島

2007年1月12日 読書
映画でちょっと有名になってしまった硫黄島。
だが、栗林中将が戦死して戦は終わったと思われたその後も、島じゅうにありの巣のように張り巡らされた塹壕や"穴"の中で、数百否千人を越える日本兵が生きていた。

名無しの兵士達の"生"を伝えたいと、生き残った著者(通信兵)が語る。

(映画を)見るたび(本を)読むたび、悲惨な戦場のことを思い知らされる。

映画やドラマなどでひとつのことが話題にでると、それ関連の資料が、今までは絶版だったものでも再販したりして、次々と出てくる。
それはそれで、助かる。
だがもたもたしていると、あっという間に飽きられて、資料は跡形もなく消えてしまうから急がねばならない。

それにしてもこの本(エッセイ)も、現実にあったことを本人が描いているから、凄くリアルで怖い。
細かいところまでしっかりと尾の得ているというのは、それだけ受けた衝撃が強かった、酷かったということなのだろうな。

良心が生きている間は、ノート(の記録)を白日の下に出せなかったというから、著者の心遣い(戦争に行った子供の地獄にいるかのような、いつ死ぬとも知れぬ恐怖で過ごした日々の経験談を聞きたい親はいるまい)を感じる。

ISBN:4166605445 新書 秋草 鶴次 文藝春秋 ¥840
ボースンどのからのレンタル本。
なつかしのアンジェリク。
大々々ロマンスの華麗なる物語。

A&S・ゴロン原作の本も面白かった(これもボースンさまからのレンタル本)けど、やはり綺羅綺羅しい木原としえ(当時は敏江と漢字表記)の漫画がよろしいかと存じまする。

や。
原作ってさ、やたら込み入っていて、NHKの大河ドラマみたいなんで、読み込むには最高♪なんですよ。
カソリックとプロテスタントの対立とか、歴史背景もしっかりと書き込まれているしね。
ただし長いのと、ただただロマンスだけでは済まないのが…興ざめかも?

「アンジェリク♪」
「ジョフレ♪♪」

だけでは話が進まないので、結構シビアな話の展開になっている。
男女関係も現実に近い(?)ので、一途な恋心を抱き続けて、というのでは決して無い。
ここまであからさまだと、思春期の娘さんたちは引くだろう、きっと引くだろう、と思わせる内容なのである。
嗚呼でも、長編小説としてはすばらしいので、そこんとこは誤解なきように。
シビアに時代と人間ドラマを追及したい人はどうぞ…新大陸に渡ってからでもうんとこさ苦労している様が描かれているので、なが〜く楽しめること請け合い。

全5巻。
ルイ14世、のちの太陽王を暗殺しようとした陰謀に巻き込まれた、アンジェリクと、その婚約者で男前で大金持ちで博識…こんな男がいて良いのか?と思うようなペイラック伯爵。

伯爵は冤罪で火刑となり、一人残されたアンジェリクはささやかな(?)復讐に走る。
ペイラック家の散逸した財産を取り戻すこと。
そして、幼馴染のニコラが実はペイラック伯爵の血縁者であることを知り、彼とともにパリの下町で生きようとするのだが。

じゃ〜ん!
美形はおいそれとは死なないのだ!
 を、地で行くストーリー。

ハンサムな伯爵は火の鳥のように蘇り、フランスとルイ14世に復讐を…ってそこまで過激ではないけど、企む。
王弟を人質にし、王を脅迫し…って過激ですかな?やはり。

伯爵とアンジェリク、そしてニコラの三角関係はいかに?
彼らは女癖の悪いルイ14世の魔手を(笑)逃れられるのか?

火刑直前の伯爵が、アンジェリクにだけ聞かせるために唄った恋歌。そして自分を貶めた修道士を呪う場面がとってもすばらしい(語弊あり?)
「いずれ神の前で会おう」

これって、テンプル騎士団の最後の総長が、自分を殺した王たちを呪った場面に似ていると思う。
彼は、一年以内におまえ達は死ぬであろう、とそういって火刑に処せられたのだ。
そしてその予言は的中した(多分、騎士団の誰彼が、予言どおりに暗殺をしたのだろうが)

なんにせよ、劇的な一幕である。

やはり良いな、この作品は。

この漫画、実は私ももっていた。
昔は。

始末しなきゃ良かったな〜。

ISBN:B00007CGB4 コミック 木原敏江 秋田書店
ボースンさま!
届きました!

有難うございます♪

…というわけで、またまたレンタル本である。

漫画家の競作なんだけど、スリラー・ドタバタ劇・SF等々…いろいろてんこ盛りで楽しい♪
文庫本にしかレビューの画像が出ないのが残念なぐらいレトロで素敵な日本風味の表紙も合作〜♪

執筆者は、かくも個性的な女流漫画家。

坂田靖子
橋本多佳子
波津彬子

    のお三人である。


サイタ サイタ サカタガ サイタ!

ノウアル タカコ ツメカクス!

ポッポッポ ハツ ポッポ!

                    (帯より)


ISBN:4257900474 新書 坂田 靖子 朝

日ソノラマ ¥1,029
最近発見。
で、何で買ったんだろう?
と今頃???マークで読み始めた。

時代は、古代。
だから、大和朝廷の初期から、物部氏だの蘇我氏だの、中大兄皇子だの中臣鎌足だのが活躍した時代を経て、そして平将門の乱、保元平治の乱で終わり。

物部氏は日本古来の神さまを祭っていた。
その中心地である石上神社には朝廷から刀が沢山奉納されたので、そこは大和朝廷の武器となった。
だから、"もののふ"の語源は、物部氏の"もののべ"からきている。
…なんて、日本史ではもしかして常識?

ちなみに石上神社は小さな、本当に小さな神社である。
山之辺の道という、風光明媚なならの景色を眺めながら何十キロを歩くハイキングコースの、出発点でもある。
(昔、元気な時に、ハーフコースを歩いたことがある。山だの畑だの岡だの古墳だのを越えて迂回して横目で見ながら延々歩いた)

物部氏と蘇我氏はもともと姻戚で仲も良かったのに、天皇家の争いに巻き込まれて戦う羽目になった。
聖徳太子の息子、山背大兄王の殺害は、ひとり蘇我入鹿の陰謀によるものではない。
跡目争いのひとつであり、それはあくまでも天皇家の問題であった。
などなど。

血みどろの…歴史だ。
天皇家の歴史も。(権力の中心はどうしてもこうなるが)

それに聖徳太子だの蘇我氏だの山背大兄王だのが出てくると、山岸良子の「日出る処の天子」(漫画)だの、梅原猛の「隠された十字架〜聖徳太子論〜」だの思い出して背中が寒くなる。

そんなわけで、あまり「地図で読んで」いないけど(笑)、話が面白いのは確かだ。
奈良から大阪の東の端っこへ攻め込むのでも、時代が時代だけに随分な遠征になる。
兵隊を徴収して食料を徴収して、遠方へ遣わすのだから、戦争というのは本当に金がかかる。
無駄なことである。

大和朝廷の話が多いので、当時の朝鮮半島との係わり合いが深い。
話が沢山出てくるのも特徴だ。
百済にしろ新羅にしろ、大和朝廷と絡み合って話が進んでいる。
もはやれっきとした、陰謀の相手…である(笑)

ISBN:4582852726 新書 武光 誠 平凡社 ¥756
最近嵌まっている坂田靖子全集より。
(それでも小さい文庫を買うあたりが私だが)

水の森、にすんでいるらしい、人間らしきものは、ふたりだけ。
日の出とともに起き、日没ととともに寝る、昔の農民のようなサリ。
夜釣りも森の散歩も大好きな、従って頼りがいのある"彼"。
その二人が、いろんな事に出くわして、困惑し(だけど、あまり悩まない)、なすがままにまかせ(やっぱり悩まない)、いつの間にか解決していたり(だから悩まない)するオハナシ。

とはいえ、彼のほうは"じたばた"する。
ナントカしようとジタバタする。

だけど、物事は、動きたい時にだけ、動きたいように動く。
解決してゆく。

……人生も、そんなものかも?
ちょっとそんな気もするね。


ISBN:4267016275 文庫 坂田 靖子 潮出版社 ¥560
学校なのに、殺人事件が頻発してみたり、お水な格好で構内をうろついてみたり…そんなんありか?
という 楽園 学園漫画(と断言してよいのだろうか?)

2巻は、購買のおばさんの意外な過去が暴かれたり、古風なヤクザの出入りがあったりと、まるでスラップスティック劇を見るようであった。

…でもって、また3巻につづく…って話が途切れるのが辛いっつうか、これって、一つ一つの話がどんどん長くなってきているからなんだよなぁ。

まあとりあえず、この保健室のオバさん。(と年上の私が呼んだら血を見るだろうが)、なかなか素敵である。
男気のある、その性格が。

ISBN:4086180294 文庫 宮脇 明子 集英社 ¥630 

怪奇体験談

2007年1月7日 読書
日本の、日常の、聞いた話。
それらに適当に香辛料を効かせて、楽しく調理して出来上がったのが、このミステリー集のようだ。

あんまり怖くはなかったが(笑)
う〜ん。
ちょっと意味の分からないのもあったり。
分からないと、"私、頭、悪いのか?"とちょっと心配になったりしながら読み進んだ。

所謂"花子さん"のような都市伝説よりも、呪いの話が多いのも仕方が無いかなー。
余韻をのこすのは呪い系だろうし。

とある人の言う事にゃ、
「"金縛り"は、強い態度に出たり、怒ったりすると大人しくなる」
のだとか。
でも通説ではなさそうなので、試さない方がいいのでは…?
失敗したら、怖いし。


ISBN:4575332089 コミック 坂田 靖子 双葉社 ¥820
先日…昨日、嵐山の「時雨殿」の売店で見つけた本。

百人一首を狂歌でおちょくった、あわわ…楽しんだもので、読んでいて笑える。
逆にこうやって楽しんで読んだ方が、しゃにむに暗記しようとするよりも原歌を覚えられるかもしれない。

古い人では、曉月坊(十六夜日記の作者・阿仏尼の子といわれる)のものもあり。
盃も かたぶきながら秋の夜の ながながしくも 呑む上戸かな


ISBN:4763805703 単行本 京都新聞出版センター 京都新聞出版センター ¥1,260 
買ったままで忘れておりました…!
えらいことです。

早々に読了して母親にまわさねば…。

ということで、建築探偵をほったらかしてこっちに移動。
「アラビアンナイト」も途中でほったらかしているので、えらいこと×2である。

湯河原か…箱根も行ったことが無い私。
毎年この時期、駅伝でその名前を連呼するのを聞くばかりである。

言った人に聞くと、なかなかいいところらしい…でも、なんか、高そうなイメージがあるんだよね。
関西で言うと、有馬温泉みたいに?(ここも高い。だから近いけどまだ行った事が無いのだ)

この小説によると、奥湯河原は、政治家や芸能人を始め、他人目を忍ぶカップルのご用達なのだそうだ。
…家族連れには向かないのだろうか?
それに、写真が趣味だからといって、でっかいカメラをもってウロウロしていたら、もしかして!と疑われるのかも?

箱根でなくてもいいから、伊豆とか行ってみたいな〜。
煩悩湧きまくり。
つい先日落としたばかりだと言うのに……(笑)

ISBN:412204782X 文庫 西村 京太郎 中央公論新社 ¥660

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