鋼の錬金術師 15 (15)
2006年11月22日 読書
後日書きます…けど、笑い話をひとつ。
「鋼」と書くべきところ、ついつい表紙に気を取られて「炎」なんて打っちゃいまして…(笑)
勿論、レビューは出ませんでした。
が、そこでふと気がついた。
今までは、一箇所ぐらい間違っていても、レビューに出てきた本って…結構あるよなァ。
ふ〜ん。出ないんだ。
ふ〜ん。
とにもかくにも、噂の「イシュヴァール殲滅戦」です。
感想は後で。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
迫力ですね。
人はなんで戦争をするのか。?
…それどころじゃない。
大総統の本質と邪悪さ。
徹底的に打ちのめされ、それ故に生まれ変わらざるを得ず、そしてトップに立とうと歩き出した人と、それ支えようとする人たち。
その意思の固まった原因は、この、イシュバールの、どうしようもない、虐殺。
ひとつの民族を殲滅するなんてことは無理。
それこそ、地球ごとふっとばすしかないでしょ。
ヒトラーだってやれなかったこと。
その裏に何があるか…それが明るみに出てくるその歩みを、止めずに見続けることが出来るのか。
人間存在すら問いかける、ハードな漫画だ。(遊びの余裕がなくなった感じ)
ISBN:4757518129 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス ¥410
「鋼」と書くべきところ、ついつい表紙に気を取られて「炎」なんて打っちゃいまして…(笑)
勿論、レビューは出ませんでした。
が、そこでふと気がついた。
今までは、一箇所ぐらい間違っていても、レビューに出てきた本って…結構あるよなァ。
ふ〜ん。出ないんだ。
ふ〜ん。
とにもかくにも、噂の「イシュヴァール殲滅戦」です。
感想は後で。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
迫力ですね。
人はなんで戦争をするのか。?
…それどころじゃない。
大総統の本質と邪悪さ。
徹底的に打ちのめされ、それ故に生まれ変わらざるを得ず、そしてトップに立とうと歩き出した人と、それ支えようとする人たち。
その意思の固まった原因は、この、イシュバールの、どうしようもない、虐殺。
ひとつの民族を殲滅するなんてことは無理。
それこそ、地球ごとふっとばすしかないでしょ。
ヒトラーだってやれなかったこと。
その裏に何があるか…それが明るみに出てくるその歩みを、止めずに見続けることが出来るのか。
人間存在すら問いかける、ハードな漫画だ。(遊びの余裕がなくなった感じ)
ISBN:4757518129 コミック 荒川 弘 スクウェア・エニックス ¥410
まず最初に「いえもり」を「やもり」と読みました。
なんの抵抗もなく…ごめんね。
でも、読んでいくうちにそう間違ってもいなかったのだなぁと一安心。
学生時代に早世した友人の家を預かることとなった主人公の職業が売れない作家でる。
おっとその前に、彼らの時代が今から100年前であることを断っておかねばならない。
時間が逆行す、その舞台は、と言えば。
たぶん京都の東南のはずれか、滋賀県との県境、或いは滋賀県にはいっているか?
そのあたりである。
疏水に、猿。
それがはっきりと示しているのだから仕方がない。
学校学校と言われるのも、多分京大のことであろうから。
その時代で、その場所で、妖かしに気に入られ「いろんなものを見てしまい触れてしまい関わってしまう」主人公は、結構忙しい。
でも、京都は結構田舎だ。
そういう経験譚が珍しいわけではない。
私の大学の恩師は、丑の刻参りに遭遇したし、勤める会社の先々代あたりは、狸に化かされて道を失った(ぐるぐるお寺の白塀のまわりを回っていた)という小僧さんの話など、ごく普通の会話に出ていた。
朝ごはんを食べていて、ふと視線に気が付けば、台所の窓越しに(たぶん、比叡山の)猿が物欲しそうにじと眺めている…なんてのはただ今現在の話でもある。
だから、べつに珍しくは…ない?(笑)
いろんな怨念と、それを封じ込めるたくさんの行事と封印とが渦巻いている場所なのだから、少々摩訶不思議なことが起こってもそれはそう、と受け入れるしかないでしょう。
掛け軸の中と外を行ったり来たりする鷺。
そしてときたまどしーん!と舟をぶつけてくるドジな友人が微笑ましいですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみに。
宇治市が創設した「紫式部大賞」の受賞作ってこれのことだろうか?
プロ・アマ関係無しでの募集だった…ああ確かに、そうだった。
でも、こんなのが出てきたらそーしよーもない。
だから、ちょっぴり、ずるい、と思わないでもない。
勝てないでしょ?
ISBN:4101253374 文庫 梨木 香歩 新潮社 ¥380
なんの抵抗もなく…ごめんね。
でも、読んでいくうちにそう間違ってもいなかったのだなぁと一安心。
学生時代に早世した友人の家を預かることとなった主人公の職業が売れない作家でる。
おっとその前に、彼らの時代が今から100年前であることを断っておかねばならない。
時間が逆行す、その舞台は、と言えば。
たぶん京都の東南のはずれか、滋賀県との県境、或いは滋賀県にはいっているか?
そのあたりである。
疏水に、猿。
それがはっきりと示しているのだから仕方がない。
学校学校と言われるのも、多分京大のことであろうから。
その時代で、その場所で、妖かしに気に入られ「いろんなものを見てしまい触れてしまい関わってしまう」主人公は、結構忙しい。
でも、京都は結構田舎だ。
そういう経験譚が珍しいわけではない。
私の大学の恩師は、丑の刻参りに遭遇したし、勤める会社の先々代あたりは、狸に化かされて道を失った(ぐるぐるお寺の白塀のまわりを回っていた)という小僧さんの話など、ごく普通の会話に出ていた。
朝ごはんを食べていて、ふと視線に気が付けば、台所の窓越しに(たぶん、比叡山の)猿が物欲しそうにじと眺めている…なんてのはただ今現在の話でもある。
だから、べつに珍しくは…ない?(笑)
いろんな怨念と、それを封じ込めるたくさんの行事と封印とが渦巻いている場所なのだから、少々摩訶不思議なことが起こってもそれはそう、と受け入れるしかないでしょう。
掛け軸の中と外を行ったり来たりする鷺。
そしてときたまどしーん!と舟をぶつけてくるドジな友人が微笑ましいですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみに。
宇治市が創設した「紫式部大賞」の受賞作ってこれのことだろうか?
プロ・アマ関係無しでの募集だった…ああ確かに、そうだった。
でも、こんなのが出てきたらそーしよーもない。
だから、ちょっぴり、ずるい、と思わないでもない。
勝てないでしょ?
ISBN:4101253374 文庫 梨木 香歩 新潮社 ¥380
有名な絵本作家さん。
一時は某銀行のキャラクターデザインをされていた。
銀行の良く使う手では在るが、さぞかし新規申し込みが増えただろう、と推測する。(私はし損ねた)
画家ゆえの視点で色んな事象に目を凝らす。
絵が、あれだから、もっとラフで簡単で読み飛ばせると踏んだのが甘かった。
かなり頭を使うので、もう少し落ち着いてから、続きを読もうかな…と思っている(笑)根性無しの私である。
ISBN:4167380021 文庫 安野 光雅 文藝春秋 ¥441
一時は某銀行のキャラクターデザインをされていた。
銀行の良く使う手では在るが、さぞかし新規申し込みが増えただろう、と推測する。(私はし損ねた)
画家ゆえの視点で色んな事象に目を凝らす。
絵が、あれだから、もっとラフで簡単で読み飛ばせると踏んだのが甘かった。
かなり頭を使うので、もう少し落ち着いてから、続きを読もうかな…と思っている(笑)根性無しの私である。
ISBN:4167380021 文庫 安野 光雅 文藝春秋 ¥441
神戸の六甲山に住み…といっても、狐狸妖怪の類ではない。
神戸を愛する作家・陳 舜臣氏。
氏は、震災のあとすぐに、「神戸よ!」と言うエッセイを書いている。
そこに、神戸への深い愛情を感じることが出来る。
彼の文章は結構好き。
なので、友人のUさんがこの本をプレゼントしてくれたのは、とっても嬉しかった。
日本だけではなく、中国までその筆は及んでいる。
…というか、今回は中国オンリー?
さぁ、楽しみな旅に出ようか。
ISBN:400260005X 新書 陳 舜臣 岩波書店 ¥734
神戸を愛する作家・陳 舜臣氏。
氏は、震災のあとすぐに、「神戸よ!」と言うエッセイを書いている。
そこに、神戸への深い愛情を感じることが出来る。
彼の文章は結構好き。
なので、友人のUさんがこの本をプレゼントしてくれたのは、とっても嬉しかった。
日本だけではなく、中国までその筆は及んでいる。
…というか、今回は中国オンリー?
さぁ、楽しみな旅に出ようか。
ISBN:400260005X 新書 陳 舜臣 岩波書店 ¥734
鈴の鳴る道―花の詩画集
2006年11月19日 読書
この人の絵のように。
この人が花を草木を愛するように。
その命を不自由な体で表現するように。
私も写真に写し撮れたら…などと、不遜なことを考える。
美しい詩画集です。
こんな素敵な本をくれた友人に感謝。
ほんま、うっとりしながら眺めていられる。
人間の真価というのは、どういうときにどこに現れるやら分かったもんじゃない…。
この本を眺めて、作者の身に起こったことを考えて、いろいろと考えます。
ISBN:4039632907 大型本 星野 富弘 偕成社 ¥1,470
この人が花を草木を愛するように。
その命を不自由な体で表現するように。
私も写真に写し撮れたら…などと、不遜なことを考える。
美しい詩画集です。
こんな素敵な本をくれた友人に感謝。
ほんま、うっとりしながら眺めていられる。
人間の真価というのは、どういうときにどこに現れるやら分かったもんじゃない…。
この本を眺めて、作者の身に起こったことを考えて、いろいろと考えます。
ISBN:4039632907 大型本 星野 富弘 偕成社 ¥1,470
今、世界で一番、世紀末アングラが盛り上がっているのはアムステルダム(オランダの首都)や!
と聞いていそいそと、遠路はるばるアムステルダムに来たのはいいけれど。
そこで待っていたのは、ご飯を貰うたびに踊りまくる犬(パトラッシュと命名)(笑)と、妖しげな風体のくせに中身はしごくまともな常識人ばかり。
路上で墨をすり、筆で似顔絵を書きまくる著者をアムステルダムの人は温かく迎えてくれた。
一種の旅行記と言うかエッセイというものだ。
が、ここまでお気楽でのほほんとしたんは初めてだ。
人間、どこでも生きてゆける!という変な自信も持たせてくれるだろう。
肩肘張らず鼻歌でも歌いながら読んでゆける希少な本。
クイーンズ・ディ(女王様の誕生日)の大騒ぎと人ごみの描写は面白かった。
「八坂神社の初詣×30」…っていうのが、関西人らしくてヨイ♪(よそさんにはわからへんやろー、と突っ込みを入れたくなる)(笑)
…で、結局、アムステルダムで一番アングラやってたのは、自分だった、というオチでした。
はっはっは。
何でもオチをつけたがる、そこはそれ、関西人だから。
ISBN:4062069636 単行本 いしい しんじ 講談社 ¥1,020
と聞いていそいそと、遠路はるばるアムステルダムに来たのはいいけれど。
そこで待っていたのは、ご飯を貰うたびに踊りまくる犬(パトラッシュと命名)(笑)と、妖しげな風体のくせに中身はしごくまともな常識人ばかり。
路上で墨をすり、筆で似顔絵を書きまくる著者をアムステルダムの人は温かく迎えてくれた。
一種の旅行記と言うかエッセイというものだ。
が、ここまでお気楽でのほほんとしたんは初めてだ。
人間、どこでも生きてゆける!という変な自信も持たせてくれるだろう。
肩肘張らず鼻歌でも歌いながら読んでゆける希少な本。
クイーンズ・ディ(女王様の誕生日)の大騒ぎと人ごみの描写は面白かった。
「八坂神社の初詣×30」…っていうのが、関西人らしくてヨイ♪(よそさんにはわからへんやろー、と突っ込みを入れたくなる)(笑)
…で、結局、アムステルダムで一番アングラやってたのは、自分だった、というオチでした。
はっはっは。
何でもオチをつけたがる、そこはそれ、関西人だから。
ISBN:4062069636 単行本 いしい しんじ 講談社 ¥1,020
原作:森博嗣氏
漫画:皇(すめらぎ)なつき氏
…の、推理小説漫画である。
もともと皇さんは中国の歴史モノが得意な漫画家。
でも出ビュー作は室町〜戦国時代の時代物。
…という漫画家さんである。
墨絵のような独特の画風で、ファンも多い。
(私もまた画集をもっている)
阿漕(あこぎ)荘という、ぼろアパートに住む住人3人と彼らと縁の深い、もと華族だかナンダカの、紅子おじょーさまの4人が巻き込まれた連続殺人事件。
それがこの「黒猫の三角(デルタ)」である。
(ほか、短編ひとつを収録している)
瀬在丸(せざいまる) 紅子おじょーさまは、飛んでいる。
何を考えているのか理解に苦しむが、一番哲学しているのは彼女である。
それは確かだ。
つまり…観念的であり、簡単に言えば、理屈っぽい(笑)
おまけに落ちぶれて金持ちの離れに居候する身で、おじょーさまなどと呼ばれている、魅力たっぷりの20代女性であるが、小学生の息子もいたりする。
「親ばかで〜♪」なんて、その容姿・見てくれからは、似合わない科白を言ったりする。
阿漕荘の面々は、半分探偵・半分何でも屋のような、保呂草(ほろくさ)潤平、理系の男子学生で女装しっぱなし(しかも嘗てのふりふりぴらぴらの、KANEKOさん時代のPH系衣裳:見る人が見れば分かる(笑))の小鳥遊 練無(たかなし ねりな)、文系学生だけど大学生であることを忘れるぐらい大学に行ってない、香具山 紫子(かぐやま・むらさきこ)。
彼らが探偵役となり、ぞろ目殺人事件を解決しようとするのだ、が?
ぞろ目というのは…年に一度、7月7日に11歳、翌年の7月7日に22歳、その次は6月6日に33歳の女性が、同じ手口で絞殺されているからだ。
そしてまた、今年も44歳の女性が…。
殺人犯の目的は何なのか?
4人は見事、犯人を突き止めることが出来るのか?
というわけで、最後の謎解きには、かなり、驚いた作品。
いや〜パターンとしてはあるだろうけど、動機がね。
ありえるだろうけれど…。
それを文章にするのは難しかろう。
数字(数学?)解説で、「ダヴィンチコード」のDVDのおまけの謎解きを…思い出してしまった。
嗚呼、わっかんないんだよ〜あれ。
ISBN:4048535307 コミック 皇 なつき 角川書店 ¥714
漫画:皇(すめらぎ)なつき氏
…の、推理小説漫画である。
もともと皇さんは中国の歴史モノが得意な漫画家。
でも出ビュー作は室町〜戦国時代の時代物。
…という漫画家さんである。
墨絵のような独特の画風で、ファンも多い。
(私もまた画集をもっている)
阿漕(あこぎ)荘という、ぼろアパートに住む住人3人と彼らと縁の深い、もと華族だかナンダカの、紅子おじょーさまの4人が巻き込まれた連続殺人事件。
それがこの「黒猫の三角(デルタ)」である。
(ほか、短編ひとつを収録している)
瀬在丸(せざいまる) 紅子おじょーさまは、飛んでいる。
何を考えているのか理解に苦しむが、一番哲学しているのは彼女である。
それは確かだ。
つまり…観念的であり、簡単に言えば、理屈っぽい(笑)
おまけに落ちぶれて金持ちの離れに居候する身で、おじょーさまなどと呼ばれている、魅力たっぷりの20代女性であるが、小学生の息子もいたりする。
「親ばかで〜♪」なんて、その容姿・見てくれからは、似合わない科白を言ったりする。
阿漕荘の面々は、半分探偵・半分何でも屋のような、保呂草(ほろくさ)潤平、理系の男子学生で女装しっぱなし(しかも嘗てのふりふりぴらぴらの、KANEKOさん時代のPH系衣裳:見る人が見れば分かる(笑))の小鳥遊 練無(たかなし ねりな)、文系学生だけど大学生であることを忘れるぐらい大学に行ってない、香具山 紫子(かぐやま・むらさきこ)。
彼らが探偵役となり、ぞろ目殺人事件を解決しようとするのだ、が?
ぞろ目というのは…年に一度、7月7日に11歳、翌年の7月7日に22歳、その次は6月6日に33歳の女性が、同じ手口で絞殺されているからだ。
そしてまた、今年も44歳の女性が…。
殺人犯の目的は何なのか?
4人は見事、犯人を突き止めることが出来るのか?
というわけで、最後の謎解きには、かなり、驚いた作品。
いや〜パターンとしてはあるだろうけど、動機がね。
ありえるだろうけれど…。
それを文章にするのは難しかろう。
数字(数学?)解説で、「ダヴィンチコード」のDVDのおまけの謎解きを…思い出してしまった。
嗚呼、わっかんないんだよ〜あれ。
ISBN:4048535307 コミック 皇 なつき 角川書店 ¥714
1977年から少年誌に掲載された作品で、とにかくテーマがでっかいのと登場人物が超有名人なのでびっくらこいた作品。
でも、単なる一学生にはその深遠なる思想もなにもわかったもんではなく、ただただ難解で、哲学書を読むような印象だったことだけ覚えている。
当時は大ヒットした作品だけど、皆、本当に意味がわかって読んでいたのかどうかは非常にアヤシイ(笑)
原作者の光瀬龍氏が1999年に亡くなっていたとはしらなんだ。
阿修羅王。
シッダールタ(釈迦)。
ナザレのイエス。
ユダ。
プラトン。
イエスは番人であり、アトランティスの唯一の生き残りは長い時空を旅して真実を追い求める。
人は、文明は、宗教は。
一体、なんなのだ?
友人から譲り受けた本セット(1箱)に入っていたのが嬉しくて、狂喜して、○十年ぶりに再読です。
ISBN:4253170021 文庫 萩尾 望都 秋田書店 ¥740
でも、単なる一学生にはその深遠なる思想もなにもわかったもんではなく、ただただ難解で、哲学書を読むような印象だったことだけ覚えている。
当時は大ヒットした作品だけど、皆、本当に意味がわかって読んでいたのかどうかは非常にアヤシイ(笑)
原作者の光瀬龍氏が1999年に亡くなっていたとはしらなんだ。
阿修羅王。
シッダールタ(釈迦)。
ナザレのイエス。
ユダ。
プラトン。
イエスは番人であり、アトランティスの唯一の生き残りは長い時空を旅して真実を追い求める。
人は、文明は、宗教は。
一体、なんなのだ?
友人から譲り受けた本セット(1箱)に入っていたのが嬉しくて、狂喜して、○十年ぶりに再読です。
ISBN:4253170021 文庫 萩尾 望都 秋田書店 ¥740
大正風幻想浪漫集と銘打たれた一冊。
作者は和風妖怪(?)漫画が得意らしく、この本でもわが子の行く末が心配で成仏できない幽霊とか、亡霊のようなもの(人間の執着とか妄想によるものだけど)を描くのが非常に上手い。
そして、20年と少し前の、同人誌掲載の作品などはお姉さんで早世した漫画家・花伊悠紀子を彷彿とさせるタッチが見られて懐かしい気分だった。
初期の作品の構成は、お姉さんに似ているかも。
人間の業や執着、哀しい性を見事に描くのである。
純洋館に住む、和服のマダァム…なんて設定も、大正風で素敵だね。
たとえ出てくるのが皆、亡霊でもね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
友人からの0頂き物でです。
たっくさんの本を貰ってしまいました…。
有難う、Uさま♪
ISBN:4257901071 単行本 波津 彬子 朝日ソノラマ ¥816
作者は和風妖怪(?)漫画が得意らしく、この本でもわが子の行く末が心配で成仏できない幽霊とか、亡霊のようなもの(人間の執着とか妄想によるものだけど)を描くのが非常に上手い。
そして、20年と少し前の、同人誌掲載の作品などはお姉さんで早世した漫画家・花伊悠紀子を彷彿とさせるタッチが見られて懐かしい気分だった。
初期の作品の構成は、お姉さんに似ているかも。
人間の業や執着、哀しい性を見事に描くのである。
純洋館に住む、和服のマダァム…なんて設定も、大正風で素敵だね。
たとえ出てくるのが皆、亡霊でもね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
友人からの0頂き物でです。
たっくさんの本を貰ってしまいました…。
有難う、Uさま♪
ISBN:4257901071 単行本 波津 彬子 朝日ソノラマ ¥816
友人Kさんよりの拝借本。
海というのは…はっきり言って怖い。
何が怖いって、ヨットなんかで夜の海を航海しているとき、ひょいと何かの気配を感じたら。怖くないですか?
周りは海。
どこまでも海。
そんなところに現れるのは……そう、でっかい蛸とか烏賊のオバケとか……。(失礼しました…)
マリーセレスト号じゃないけれど、船の乗務員だけが消えている、なんて話も昔から一杯ある。
周期を決めて決まった場所に決まった時間に律儀に現れる幽霊船もある。
海の怪談は種が尽きない。
と、いうことで。
絶海なのに、訪問者?!
というところでまずビビってしまった私。
海のまっただなかで、偶然人と出会うなんて、そんな妖しさバクハツ!なこと…嗚呼怖い。
怖い怖いといいながら、今から読み始めです。
ISBN:4594030009 文庫 矢口 誠 扶桑社 ¥740
海というのは…はっきり言って怖い。
何が怖いって、ヨットなんかで夜の海を航海しているとき、ひょいと何かの気配を感じたら。怖くないですか?
周りは海。
どこまでも海。
そんなところに現れるのは……そう、でっかい蛸とか烏賊のオバケとか……。(失礼しました…)
マリーセレスト号じゃないけれど、船の乗務員だけが消えている、なんて話も昔から一杯ある。
周期を決めて決まった場所に決まった時間に律儀に現れる幽霊船もある。
海の怪談は種が尽きない。
と、いうことで。
絶海なのに、訪問者?!
というところでまずビビってしまった私。
海のまっただなかで、偶然人と出会うなんて、そんな妖しさバクハツ!なこと…嗚呼怖い。
怖い怖いといいながら、今から読み始めです。
ISBN:4594030009 文庫 矢口 誠 扶桑社 ¥740
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
2006年11月17日 読書
母の読みかけの本を取り上げて先に読んでしまった。
読み出したら止らない。
これは、そういう本だ。
気がつけば、本屋の店頭目立つところに、似たような本がずらずらと並んでいる。
何事かと思っていたら、近々公開の映画で、第二次世界大戦での、硫黄島での戦いを扱った映画があるので、その宣伝とブームに乗ろうという、本屋の経営戦略であった。
映画では、
「アメリカから見た硫黄島攻略戦」
と、
「日本からみた硫黄島守備戦」
に分けて二本、上映するとのこと。
ふぅむ、なるほどね。
監督はクリント・イーストウッド…。
西部のガンマンがどんな映画を作ったのやら。
この本は、日本の守備隊(陸・海軍)から見た戦線の有様を、遺族や生存者(負傷して捕虜となってしまった)から聞き取り調査をしてまとめられたものである。
日本側からの映画が「硫黄島からの手紙」と題するように、守備隊の最高指揮官である栗林忠道将軍はこまめに家に手紙を書いた人である。
空襲への注意、家庭生活への細かい差配や家族への温かい心配りなどなど…一人の夫として、父として、最後まで心は本土へ向いていた。
従って、自分の部下にも手紙を書けと奨励した人だった。
それはいずれ遺書代わりになるのだと、彼は承知していたからだ。
現実にそうなったのだ。
家族の写真や、家族に当てて書いたものの出せないままに身につけて果てた手紙が、多くの遺骨から見つかったという。(そして米軍はそーゆーものを回収しているのだ。そういうものも資料にするんだろうね。後になって差し出して、遺族探しをしてはいるが…遺族が名乗り出ないままの手紙=遺書もあるという。)
しかし、なんと言うか…あの時代でも、目のある人はちゃんといたのだなぁ。
アメリカと戦争をしてはならぬと最初から訴える人がいた。
だが、大本営は失敗を教訓にすることもなく、同じ過ちを何度も何度も繰り返し、戦場に無駄に命を散らせている。
硫黄島の陥落は昭和20年の3月26日。
栗林将軍の戦死をもってその日とする。
硫黄臭の地熱で蒸れる地下に迷路を掘り、ゲリラ戦を敢行し、最後まで生き抜いて米軍を悩ませれば【和平交渉に有利である】と信じ、また、硫黄島が制圧されればBー29は日本本土への空襲がやり易くなる。
それを妨げる為に、本土の民間人を守るために、軍人である自分達がここで戦うのだと、最後まで戦うのだと、だから無駄な突撃や自殺行為は絶対にしては成らぬと、そういって部下を励ました人だった。
その部下は、戦争も末期になって徴兵されているのだから、40歳をとうに越した、家族もちの所帯主であったり、15〜7歳の学徒動員であったりしたという。
つまり訓練の行き届いた職業軍人ではなかったということだ。
家族の写真や手紙を…大事に抱いたまま、散っていったのは、そういう人たちだったのだ。
だが、彼らは猛者ぞろいの米国海兵隊をして【イオウジマ】と畏れられる程の激戦を展開した。
すべてはこれ、本土の家族を思ってのことであると。(つまり、よくある、"天皇陛下のおんため"でないところが特徴である)
硫黄島は、米軍が考えたより遥かに悲惨な犠牲をささげ、そうして落ちた。
地獄の島、とアメリカ海兵隊が畏怖と敬意をもって呼んだのはその由縁である。
あのブッシュ現アメリカ大統領が、イラク戦の始まりに言った言葉で、この戦いがどれぐらい重要で厳しくて、だが勝てば官軍…じゃなくて偉大な勝利を手にすることが出来るか、みたいなことを滔滔と述べたその時に、引き合いに出されたのが、【ノルマンディー上陸作戦】と、この【硫黄島攻略戦】であったという。
それぐらい、アメリカ人の頭の中、否、DNAの中まで、硫黄島の単語は畏怖を伴ってインプットされているようなのだ。
…だけど、日本人は知らない。
何も知らない。
日本では、戦争は封印されている。
だから、栗林将軍がどのような人であり、どのように戦ったか。
それは知らされない。
反して、米軍を徹底的に苦しめた栗林の名前は、米国軍では知らぬものがなかったという。
捕虜になった者達も、「イオウジマ・ソルジャー」と呼ばれ、米軍の、彼らを見る目が違ったという。
…というのが、大雑把な、日本側での戦いであろうか。
そして一方、その苦しい戦いを戦い抜いた米軍の、6人の兵士がやたらでかい星条旗(理由もこの本に書かれていた)を掲揚しようとしている写真…のドラマ。それがアメリカ側の戦いである。
なにか、謎が、あるんですってよ。
現在、硫黄島は民間人は立ち入り禁止。(遺族等関係者の訪問は許されている)
自衛隊の施設があるだけである。
そして。
軍事同盟の相手である米軍も、勿論、訓練に同島を利用している。
水のない、灼熱の島で苦しみながら戦った、彼らの遺骨の上で。
ISBN:4104774014 単行本 梯 久美子 新潮社 ¥1,575
読み出したら止らない。
これは、そういう本だ。
気がつけば、本屋の店頭目立つところに、似たような本がずらずらと並んでいる。
何事かと思っていたら、近々公開の映画で、第二次世界大戦での、硫黄島での戦いを扱った映画があるので、その宣伝とブームに乗ろうという、本屋の経営戦略であった。
映画では、
「アメリカから見た硫黄島攻略戦」
と、
「日本からみた硫黄島守備戦」
に分けて二本、上映するとのこと。
ふぅむ、なるほどね。
監督はクリント・イーストウッド…。
西部のガンマンがどんな映画を作ったのやら。
この本は、日本の守備隊(陸・海軍)から見た戦線の有様を、遺族や生存者(負傷して捕虜となってしまった)から聞き取り調査をしてまとめられたものである。
日本側からの映画が「硫黄島からの手紙」と題するように、守備隊の最高指揮官である栗林忠道将軍はこまめに家に手紙を書いた人である。
空襲への注意、家庭生活への細かい差配や家族への温かい心配りなどなど…一人の夫として、父として、最後まで心は本土へ向いていた。
従って、自分の部下にも手紙を書けと奨励した人だった。
それはいずれ遺書代わりになるのだと、彼は承知していたからだ。
現実にそうなったのだ。
家族の写真や、家族に当てて書いたものの出せないままに身につけて果てた手紙が、多くの遺骨から見つかったという。(そして米軍はそーゆーものを回収しているのだ。そういうものも資料にするんだろうね。後になって差し出して、遺族探しをしてはいるが…遺族が名乗り出ないままの手紙=遺書もあるという。)
しかし、なんと言うか…あの時代でも、目のある人はちゃんといたのだなぁ。
アメリカと戦争をしてはならぬと最初から訴える人がいた。
だが、大本営は失敗を教訓にすることもなく、同じ過ちを何度も何度も繰り返し、戦場に無駄に命を散らせている。
硫黄島の陥落は昭和20年の3月26日。
栗林将軍の戦死をもってその日とする。
硫黄臭の地熱で蒸れる地下に迷路を掘り、ゲリラ戦を敢行し、最後まで生き抜いて米軍を悩ませれば【和平交渉に有利である】と信じ、また、硫黄島が制圧されればBー29は日本本土への空襲がやり易くなる。
それを妨げる為に、本土の民間人を守るために、軍人である自分達がここで戦うのだと、最後まで戦うのだと、だから無駄な突撃や自殺行為は絶対にしては成らぬと、そういって部下を励ました人だった。
その部下は、戦争も末期になって徴兵されているのだから、40歳をとうに越した、家族もちの所帯主であったり、15〜7歳の学徒動員であったりしたという。
つまり訓練の行き届いた職業軍人ではなかったということだ。
家族の写真や手紙を…大事に抱いたまま、散っていったのは、そういう人たちだったのだ。
だが、彼らは猛者ぞろいの米国海兵隊をして【イオウジマ】と畏れられる程の激戦を展開した。
すべてはこれ、本土の家族を思ってのことであると。(つまり、よくある、"天皇陛下のおんため"でないところが特徴である)
硫黄島は、米軍が考えたより遥かに悲惨な犠牲をささげ、そうして落ちた。
地獄の島、とアメリカ海兵隊が畏怖と敬意をもって呼んだのはその由縁である。
あのブッシュ現アメリカ大統領が、イラク戦の始まりに言った言葉で、この戦いがどれぐらい重要で厳しくて、だが勝てば官軍…じゃなくて偉大な勝利を手にすることが出来るか、みたいなことを滔滔と述べたその時に、引き合いに出されたのが、【ノルマンディー上陸作戦】と、この【硫黄島攻略戦】であったという。
それぐらい、アメリカ人の頭の中、否、DNAの中まで、硫黄島の単語は畏怖を伴ってインプットされているようなのだ。
…だけど、日本人は知らない。
何も知らない。
日本では、戦争は封印されている。
だから、栗林将軍がどのような人であり、どのように戦ったか。
それは知らされない。
反して、米軍を徹底的に苦しめた栗林の名前は、米国軍では知らぬものがなかったという。
捕虜になった者達も、「イオウジマ・ソルジャー」と呼ばれ、米軍の、彼らを見る目が違ったという。
…というのが、大雑把な、日本側での戦いであろうか。
そして一方、その苦しい戦いを戦い抜いた米軍の、6人の兵士がやたらでかい星条旗(理由もこの本に書かれていた)を掲揚しようとしている写真…のドラマ。それがアメリカ側の戦いである。
なにか、謎が、あるんですってよ。
現在、硫黄島は民間人は立ち入り禁止。(遺族等関係者の訪問は許されている)
自衛隊の施設があるだけである。
そして。
軍事同盟の相手である米軍も、勿論、訓練に同島を利用している。
水のない、灼熱の島で苦しみながら戦った、彼らの遺骨の上で。
ISBN:4104774014 単行本 梯 久美子 新潮社 ¥1,575
おせい&カモカの昭和愛惜
2006年11月16日 読書
言うまでもない。
現在NHKで放送中の朝ドラ。
その主役である作家・田辺聖子氏の今までの作品から、テーマごとに抜粋した文章をまとめたもの、である。
つまり美味しいとこだけつまみ食い…というわけで(笑)
ホッホッホ…。
大阪弁で、やんわりと、(そう、大阪弁は汚くも怖くもないのよ。よそさん。そこんとこ、お間違えなく!)やんわりと、話すように書いている。
そうなんやー。
田辺さんってこういう書き方する人ねんやなー。
と、思いながら読んでます。
厳しい言葉はないけれどね、ときどきドキリとすること、グサっと心に刺さること、ありますねー。
…とまぁ、いろいろ。
そうか…神サンは"寝首をかく大家"か。
なるほど。
納得できてしまうところがなんとも。
裏切られ、裏切られ…でも人間は神を信じて頼るのね?
活断層の上でのうのうと(?)暮らす、いや、暮らせる日本人。
なんだか誉められてるみたいー(な、わけないでしょうが)
端的(短いが、ずばりそのもの!)で、面白い。
お口直し
ISBN:4166605380 新書 田辺 聖子 文藝春秋 ¥788
現在NHKで放送中の朝ドラ。
その主役である作家・田辺聖子氏の今までの作品から、テーマごとに抜粋した文章をまとめたもの、である。
つまり美味しいとこだけつまみ食い…というわけで(笑)
ホッホッホ…。
大阪弁で、やんわりと、(そう、大阪弁は汚くも怖くもないのよ。よそさん。そこんとこ、お間違えなく!)やんわりと、話すように書いている。
そうなんやー。
田辺さんってこういう書き方する人ねんやなー。
と、思いながら読んでます。
厳しい言葉はないけれどね、ときどきドキリとすること、グサっと心に刺さること、ありますねー。
人の一生は<神サン>からの借りものなので<神サン>に、<そない不足が多いのやったら、即、返してもらおか>といわれても仕方なし、人は不承不承に<神サン>の仕打ちを甘受しなければいけない。人生は順風満帆というときほど、人はあやうい。<神サン>は寝首をかく大家。(大爆笑:翠雲注)、だということを忘れてはいけない。かつ、自分の方針や見識、実力が成功をもたらしたとうぬぼれてはいけない。『人生は、だましだまし』
学者の先生がおっしゃるところによりますと、活断層の上にものを建てたら、それはもうどんなに堅固に建ててもだめだそうです。これはえらいことだと思いました。それじゃ、永久に、日本では安心できるところに住めないじゃないかと、どこに住んでも火宅ではないかと怖くなります。でも活断層の上であっても、また生き直せるというふうな発想を私達は育てなければいけない。…(略)…それは自分だけが助かろうというのではなく、みんなで手をさしのべあって生きてゆく、という思想です。(勝ち組負け組と分ける現代と正反対!:翠雲注)
…(略)…震災では反対に外から肉親、友人を案じて、水と食料を背負った人が、続々と阪神間や神戸をさしてやってきました。寸断された道路を歩きつづけ、瓦礫をふみこえて焦土に入ってきました、知人や身内のいない人も「おにぎりあります」と背中に書いて歩きました。それを思えば人間の原型はここにあると思います。活断層の上でも生きられる。理由です。『ナンギやけれど…』
…とまぁ、いろいろ。
そうか…神サンは"寝首をかく大家"か。
なるほど。
納得できてしまうところがなんとも。
裏切られ、裏切られ…でも人間は神を信じて頼るのね?
活断層の上でのうのうと(?)暮らす、いや、暮らせる日本人。
なんだか誉められてるみたいー(な、わけないでしょうが)
端的(短いが、ずばりそのもの!)で、面白い。
お口直し
イイ人間、というのでないと、医者はつとまらない。『ラーメン煮えたもご存じない』
人生には結構、<生きていて良かった>という日が、星屑のようにばらまかれているものだ。『田辺写真館が見た"昭和"』
若い人よ、多く深く本をお読み下さい。(略)あとで読もうと思っても果せぬことが多い。人間の読書の手持ち時間は、意外に少ないのである。『楽老抄 ゆめのしずく』
ISBN:4166605380 新書 田辺 聖子 文藝春秋 ¥788
友人Wさんよりのレンタル本です。
古き良き、イスラームの世界。
王の依頼(命令)で作られ描かれる細密画。
その職人がひとり。
…ある時、殺害された。
犯人は誰なのか?
細密画工房を巡る人と人が物語る。
人以外のものも語ろうとする。
たとえば木が。
そう、木までが。
どいつもこいつもおしゃべりである。
言葉は次から次へと語り継がれ、読み手は犯人に行きつくのだろうか?
…ということなので、
?登場人物が多くて、油断すると人間関係が分からなくなる。
?各登場人物がそれぞれ一人称で語るので、誰が誰だか気を引き締めていないと…やはり、わからなくなる。
?どのみちぼぅっと読んでいるので遠からず、分からなくなる。
さて、どれでしょう?
笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑。
とりあえず、(細密)画に具体的な絵を描いていいのか、イスラームなのに!?
とそっちに驚きつつ…。
描いて良いのも悪いのも、きっとなにか細かい差異(理由)があるんだろうね。(私が知らないだけで)
偶像崇拝禁止のイスラームは、幾何学模様しか許さないはずだから。
ま、そんなこんなで、じっくりゆっくり読んでます。
Wさん、時間かかるけど、許してね?
ISBN:4894344092 単行本 和久井 路子 藤原書店 ¥3,885
古き良き、イスラームの世界。
王の依頼(命令)で作られ描かれる細密画。
その職人がひとり。
…ある時、殺害された。
犯人は誰なのか?
細密画工房を巡る人と人が物語る。
人以外のものも語ろうとする。
たとえば木が。
そう、木までが。
どいつもこいつもおしゃべりである。
言葉は次から次へと語り継がれ、読み手は犯人に行きつくのだろうか?
…ということなので、
?登場人物が多くて、油断すると人間関係が分からなくなる。
?各登場人物がそれぞれ一人称で語るので、誰が誰だか気を引き締めていないと…やはり、わからなくなる。
?どのみちぼぅっと読んでいるので遠からず、分からなくなる。
さて、どれでしょう?
笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑。
とりあえず、(細密)画に具体的な絵を描いていいのか、イスラームなのに!?
とそっちに驚きつつ…。
描いて良いのも悪いのも、きっとなにか細かい差異(理由)があるんだろうね。(私が知らないだけで)
偶像崇拝禁止のイスラームは、幾何学模様しか許さないはずだから。
ま、そんなこんなで、じっくりゆっくり読んでます。
Wさん、時間かかるけど、許してね?
ISBN:4894344092 単行本 和久井 路子 藤原書店 ¥3,885
日中2000年の不理解―異なる文化「基層」を探る
2006年11月14日 読書
日本で大学で教授として働く中国人女性が、なんで日本(人)と中国(人)は、こんなに分かり合えないのか?、すれ違うのか?、を自分なりに考察した一冊。
てっきり男性だと思い込んでいた…顔写真を見て女性だと気がついたぐらい。
中国人男性にしては、遠慮した物言いをしているなぁとは思っていたんだけど。
いや。
中国人女性が大人しいとか引っ込み思案なんてことはとてもとても言えませんがね。(夫婦喧嘩は大抵奥さんが勝つような国だ)
一言で言えば、
?日本は、感性の国。
死んだら皆、仏。
生前の善悪は関係なし。
ましてや、祖先の行為を子孫に償わせるというのは、やりすぎ。
?中国・韓国は理性(儒教)の国。
善か悪か、ただそれだけ。
例えば…村人を人質に取られて、海賊の頭領の手当てをしたチャングムは、その後役人に逮捕された。なぜなら、海賊(=悪)を助けたから。理由は関係ない。やったことだけを処罰する。
また、太平洋戦争当時に日本軍に味方した"裏切り者"をいぶりだして 調査して、本人が亡くなっていたとしてもその家族から財産一切を没収するという法を定め、現在、もう動き出しているとのこと。(おそろし〜)
こんな両国だから。
国際的に、手を取り合うのは難しい。
確かにね。
韓国は中国の<よき生徒>だそうで、儒教に関してはそのまんま受け継いで、キビシク社会を律しているそうだ。(最近の若者を見ていると、? だけどね)
だが、儒教は宗教ではない。
あくまでも、社会倫理である。
共産党の高級幹部を育てる北京の大学では、四書五経が必須科目になっているという…。
そうか、そうやって、儒教倫理で日本を攻撃してくるわけであるな。
日本人の特性である判官びいきも、中国・韓国の儒教思想では考えられないそうだ。
善か。
悪か。
その人が、どうだったか。
それだけ。
だから、自国を侵略しようとした敵である元寇の慰霊碑を、鎌倉幕府が建てたというのも理解しがたいのだそうだ。
さもありなん。
ああでも、同時に、沖縄に立っている戦没者慰霊碑は、<日本人><強制連行された中国人・韓国人など><攻撃側のアメリカ人>が並んで慰霊されているという。
それはいいんだって。
すべてを、恨みを忘れて、皆平等に扱う。奉り、拝む。
………それは、いいのか。
日本人の私は、理性=儒教、と断じて正しいとするその思想の方が相容れない。
逆に、そのほうがおかしいとすら感じる。
中国・韓国の儒教思想は、西洋の合理的思想とほぼ同じである。
では、日本だけがおかしいってことに(笑)なるわけだけど、そもそも、世の中には、世界には、善か悪しかない、という考え方こそが、狭量ではないかと思う。
その間…ああ、そこが、外国の方が言うところの、<玉虫色>とか<グレーゾ−ン>とか、そういわれるところなんだろうね。
著者曰く、それは日本人が自然のなかに生きているから。
自然を、動物たちを、他の生き物すら、自分達と同じであると感じているから。
だから時世の句も自然を詠む。
親への考が足りませんで云々…という詩(遺書・遺作)にはならない、日本人は。
中国人なら親や国家に対する忠孝が云々…という詩になるという。
たとえば、禅の悟りも、"自分の内面で悟る"もの。
つまり、自分が自然のなかに身と心を置いて、自分だけで悟るものだからだという。
だから日本でここまで発展したのだと言う。
ただし、この本は、
日本という国は実に変わっている。
特異性がある。
だから、直しなさいよね、というのではない。
こんなに考え方が違うのよ。
だから食い違うのも尤もなのよ。
両方とも、そこんとこ考えないと、話はつかないわよ。
……そういいたいのだ。
ああだけど。
違うなら、どっちが歩み寄るか、妥協するか、それを強く押し付けるのも、またこれ民族性というか、特異性ということになるんだろうね。
相手に変わる(変身する、そして、変心する)ことばかり要求する。
強く言うほうが勝つ。
そういうのが、どうもねぇ…。
西洋式に外交をするなら、そうあるべし!というのも、なんだかなぁ。
それに。
今や、カネカネカネ…で自分の足元を見ていないのは、日本だけじゃないしなぁ(笑)
それも、自分が恥じることをしていない…で金儲けをしているんだから、善なのだろうか。
貧乏(人)なのは悪なのだろうか。
いまいち、納得のいかない読後感であった。
別にいいけど。
ひとそれぞれだし。
国それぞれだし。
それに、そんなに摩訶不思議で変わった考え方であり風土であり国民性であるというのなら。
いっそ"世界遺産"とか、完全なる保護をしたらどうよ?
O氏が言うところの「憲法第九条を世界遺産に!」と込みでさ(笑)
なんだか、冗談ですまなさそうだけど……
地球上の孤児・日本人?
ISBN:4022731087 新書 王 敏 朝日新聞社 ¥756
てっきり男性だと思い込んでいた…顔写真を見て女性だと気がついたぐらい。
中国人男性にしては、遠慮した物言いをしているなぁとは思っていたんだけど。
いや。
中国人女性が大人しいとか引っ込み思案なんてことはとてもとても言えませんがね。(夫婦喧嘩は大抵奥さんが勝つような国だ)
一言で言えば、
?日本は、感性の国。
死んだら皆、仏。
生前の善悪は関係なし。
ましてや、祖先の行為を子孫に償わせるというのは、やりすぎ。
?中国・韓国は理性(儒教)の国。
善か悪か、ただそれだけ。
例えば…村人を人質に取られて、海賊の頭領の手当てをしたチャングムは、その後役人に逮捕された。なぜなら、海賊(=悪)を助けたから。理由は関係ない。やったことだけを処罰する。
また、太平洋戦争当時に日本軍に味方した"裏切り者"を
こんな両国だから。
国際的に、手を取り合うのは難しい。
確かにね。
韓国は中国の<よき生徒>だそうで、儒教に関してはそのまんま受け継いで、キビシク社会を律しているそうだ。(最近の若者を見ていると、? だけどね)
だが、儒教は宗教ではない。
あくまでも、社会倫理である。
共産党の高級幹部を育てる北京の大学では、四書五経が必須科目になっているという…。
そうか、そうやって、儒教倫理で日本を攻撃してくるわけであるな。
日本人の特性である判官びいきも、中国・韓国の儒教思想では考えられないそうだ。
善か。
悪か。
その人が、どうだったか。
それだけ。
だから、自国を侵略しようとした敵である元寇の慰霊碑を、鎌倉幕府が建てたというのも理解しがたいのだそうだ。
さもありなん。
ああでも、同時に、沖縄に立っている戦没者慰霊碑は、<日本人><強制連行された中国人・韓国人など><攻撃側のアメリカ人>が並んで慰霊されているという。
それはいいんだって。
すべてを、恨みを忘れて、皆平等に扱う。奉り、拝む。
………それは、いいのか。
日本人の私は、理性=儒教、と断じて正しいとするその思想の方が相容れない。
逆に、そのほうがおかしいとすら感じる。
中国・韓国の儒教思想は、西洋の合理的思想とほぼ同じである。
では、日本だけがおかしいってことに(笑)なるわけだけど、そもそも、世の中には、世界には、善か悪しかない、という考え方こそが、狭量ではないかと思う。
その間…ああ、そこが、外国の方が言うところの、<玉虫色>とか<グレーゾ−ン>とか、そういわれるところなんだろうね。
著者曰く、それは日本人が自然のなかに生きているから。
自然を、動物たちを、他の生き物すら、自分達と同じであると感じているから。
だから時世の句も自然を詠む。
親への考が足りませんで云々…という詩(遺書・遺作)にはならない、日本人は。
中国人なら親や国家に対する忠孝が云々…という詩になるという。
たとえば、禅の悟りも、"自分の内面で悟る"もの。
つまり、自分が自然のなかに身と心を置いて、自分だけで悟るものだからだという。
だから日本でここまで発展したのだと言う。
ただし、この本は、
日本という国は実に変わっている。
特異性がある。
だから、直しなさいよね、というのではない。
こんなに考え方が違うのよ。
だから食い違うのも尤もなのよ。
両方とも、そこんとこ考えないと、話はつかないわよ。
……そういいたいのだ。
ああだけど。
違うなら、どっちが歩み寄るか、妥協するか、それを強く押し付けるのも、またこれ民族性というか、特異性ということになるんだろうね。
相手に変わる(変身する、そして、変心する)ことばかり要求する。
強く言うほうが勝つ。
そういうのが、どうもねぇ…。
西洋式に外交をするなら、そうあるべし!というのも、なんだかなぁ。
それに。
今や、カネカネカネ…で自分の足元を見ていないのは、日本だけじゃないしなぁ(笑)
それも、自分が恥じることをしていない…で金儲けをしているんだから、善なのだろうか。
貧乏(人)なのは悪なのだろうか。
いまいち、納得のいかない読後感であった。
別にいいけど。
ひとそれぞれだし。
国それぞれだし。
それに、そんなに摩訶不思議で変わった考え方であり風土であり国民性であるというのなら。
いっそ"世界遺産"とか、完全なる保護をしたらどうよ?
O氏が言うところの「憲法第九条を世界遺産に!」と込みでさ(笑)
なんだか、冗談ですまなさそうだけど……
地球上の孤児・日本人?
ISBN:4022731087 新書 王 敏 朝日新聞社 ¥756
Separate Ways 君のいる場所
2006年11月11日 読書 コメント (6)
女は左ばかりに行きたがり。
男は右にばかり回りたがる。
友人からのレンタルで、台湾で生まれ大ヒットしたという絵本…が原作で映画にもなった模様。
すごいねーと思ったけど、過去の日本でも「チッチとサリー」とか、ヒットしなかったっけ?あれも絵本のような、4コマ漫画みたいなのが原作だったよなーと思い直した。
映画化されたかどうかは知らないけど。
都会での一人暮らしは寂しいよぅ。
ふとした偶然で出会った男女が、ちょっとした偶然で行き違いばかり…。
都会の風に吹かれ、心の芯まで冷え切って、彼と彼女はとうとう……
という、切ないラブ・ストーリー。
話自体は単純だけど、単純ゆえに心を打つものがあるんだろう。
ラストは……まあ、結構なお手前でした(笑)
人間は、生まれる時と死ぬ時は一人だけど。
それでは、一人で生きてゆけるか?といえば、それは不可能じゃないだろうけど、いかにも寂しい。
とってもわびしい。
誰だって、誰かのぬくもりがほしいもの。
人肌のぬくもりが。
それがダメなら、犬肌とかネコ肌とか…代用するぐらいだし。
するでしょ?
ISBN:4097272195 単行本 宝迫 典子 小学館 ¥1,365
男は右にばかり回りたがる。
友人からのレンタルで、台湾で生まれ大ヒットしたという絵本…が原作で映画にもなった模様。
すごいねーと思ったけど、過去の日本でも「チッチとサリー」とか、ヒットしなかったっけ?あれも絵本のような、4コマ漫画みたいなのが原作だったよなーと思い直した。
映画化されたかどうかは知らないけど。
都会での一人暮らしは寂しいよぅ。
ふとした偶然で出会った男女が、ちょっとした偶然で行き違いばかり…。
都会の風に吹かれ、心の芯まで冷え切って、彼と彼女はとうとう……
という、切ないラブ・ストーリー。
話自体は単純だけど、単純ゆえに心を打つものがあるんだろう。
ラストは……まあ、結構なお手前でした(笑)
人間は、生まれる時と死ぬ時は一人だけど。
それでは、一人で生きてゆけるか?といえば、それは不可能じゃないだろうけど、いかにも寂しい。
とってもわびしい。
誰だって、誰かのぬくもりがほしいもの。
人肌のぬくもりが。
それがダメなら、犬肌とかネコ肌とか…代用するぐらいだし。
するでしょ?
ISBN:4097272195 単行本 宝迫 典子 小学館 ¥1,365
辺境警備 1 (1)
2006年11月11日 読書
とりあえず、なにも考えずに読みたいなーと目隠しで(てきとーに)手探りしたらヒットした。
私の書庫は魔窟かい……。
このストーリーは、ファンタジーで始まった。
いや、この作者はファンタジーがメインなんだけどね。
教訓的・社会的・指導的な内容も含むから、人気が出てきて話が長くなると、ちょっとくどくなるんだよなー。
この作品は、最初は辺境に飛ばされた(左遷された)女ったらしのサウルおじさんがやはり現地に赴任していた訳ありの神官・ジュニアスや、きゃわきゃわと走り回る(私の贔屓の)兵隊さんたちと、辺境ゆえに起こる摩訶不思議な出来事や人間の業とか、そういうものに関わりあってゆく"ファンタジー"であったはずなのに…。
いつのまにやら、政治の話や権力がらみの話になってきてどーしよーもない凄惨さとかとてつもない人間の強欲が起こした禍とか、そっちの話に走ってしまった。
この一巻なんか、銀を食べる妖精馬とか、パンとはじめるように花開く銀青草の花とか、まるで絵本のように話が進むのになー。まあ、酒豪だとか女ったらしだとか、そのあたりは流石に絵本に相応しいのかどうかと疑うけど…。
加減が、難しいね。
この作者のストーリーでは「グラン・ローヴァ」がちょうどいいところで話が終わったかなァと思う次第である。
ISBN:4091720714 新書 紫堂 恭子 小学館 ¥504
私の書庫は魔窟かい……。
このストーリーは、ファンタジーで始まった。
いや、この作者はファンタジーがメインなんだけどね。
教訓的・社会的・指導的な内容も含むから、人気が出てきて話が長くなると、ちょっとくどくなるんだよなー。
この作品は、最初は辺境に飛ばされた(左遷された)女ったらしのサウルおじさんがやはり現地に赴任していた訳ありの神官・ジュニアスや、きゃわきゃわと走り回る(私の贔屓の)兵隊さんたちと、辺境ゆえに起こる摩訶不思議な出来事や人間の業とか、そういうものに関わりあってゆく"ファンタジー"であったはずなのに…。
いつのまにやら、政治の話や権力がらみの話になってきてどーしよーもない凄惨さとかとてつもない人間の強欲が起こした禍とか、そっちの話に走ってしまった。
この一巻なんか、銀を食べる妖精馬とか、パンとはじめるように花開く銀青草の花とか、まるで絵本のように話が進むのになー。まあ、酒豪だとか女ったらしだとか、そのあたりは流石に絵本に相応しいのかどうかと疑うけど…。
加減が、難しいね。
この作者のストーリーでは「グラン・ローヴァ」がちょうどいいところで話が終わったかなァと思う次第である。
ISBN:4091720714 新書 紫堂 恭子 小学館 ¥504
とりあえず、レビュー。
友人からレンタル…で加療中なので、気分がわるくなるかなーとおもったら、わりに読めた。
善哉善哉。
さて。
華麗なる名探偵・榎木津礼ニ郎くん。
彼に
「女性関係はあったのか?」
そういわれれば、関口くんでなくともぶっとぶだろう。たぶん。
そーゆー感じじゃないよな、人間越えているというか……。
「あれだって人だ」
と、鴉こと京極堂は言いはするが…。
しんじられるか……。
でも、彼は彼なりの青春時代みたいなもんがあったわけで、そのへんの所謂"人間的な"しがらみが、今度の事件の発端になっているという、ちょっと驚き桃の木なストーリーなのであった。
煩い読み仮名とか。当て字とか、無用と思える漢字とか…いつも目の前をぶんぶん飛んでいるハエの如く感じるものが今回はなかった。
それがすんなりと本書を辿らせたのだろう。
あるいは、私が京極堂流に慣れたか。
どちらかだ。
まぁ、慣れるというほど接してはいないけど。
探偵と京極堂が(あまり)でしゃばらないのが珍しい。
関口くんがちょっと挽回しているのが微笑ましい。
そういう意味では、いい本だった(笑)
その代わりに変な、というか「阿呆かあんたは!」「どっかおかしいで!あんた!」と叱咤したくなる男たちが数人、いや、多数登場してきた。
この作者は、一作中にバカな男を散りばめないと気がすまないのか?と思う由縁である。
それが今回は一人ですまないから始末が悪い。(…というか、そこまでバカにするのは可哀想ではないかと、虚構の人物ながら同情する。私は。)
容赦ないよな、作者。
世界は一人の為にある。
人は一人で(彼自身の)世界にあ(存在す)る。
人は一人で生きて、最後は一人で死んでゆく。
…そんなことは分かっているから。
だからこそ、
生きている間は、うたかたの夢を求めるのだろうにサ。
ISBN:4061824384 新書 京極 夏彦 講談社 ¥1,680
友人からレンタル…で加療中なので、気分がわるくなるかなーとおもったら、わりに読めた。
善哉善哉。
さて。
華麗なる名探偵・榎木津礼ニ郎くん。
彼に
「女性関係はあったのか?」
そういわれれば、関口くんでなくともぶっとぶだろう。たぶん。
そーゆー感じじゃないよな、人間越えているというか……。
「あれだって人だ」
と、鴉こと京極堂は言いはするが…。
しんじられるか……。
でも、彼は彼なりの青春時代みたいなもんがあったわけで、そのへんの所謂"人間的な"しがらみが、今度の事件の発端になっているという、ちょっと驚き桃の木なストーリーなのであった。
煩い読み仮名とか。当て字とか、無用と思える漢字とか…いつも目の前をぶんぶん飛んでいるハエの如く感じるものが今回はなかった。
それがすんなりと本書を辿らせたのだろう。
あるいは、私が京極堂流に慣れたか。
どちらかだ。
まぁ、慣れるというほど接してはいないけど。
探偵と京極堂が(あまり)でしゃばらないのが珍しい。
関口くんがちょっと挽回しているのが微笑ましい。
そういう意味では、いい本だった(笑)
その代わりに変な、というか「阿呆かあんたは!」「どっかおかしいで!あんた!」と叱咤したくなる男たちが数人、いや、多数登場してきた。
この作者は、一作中にバカな男を散りばめないと気がすまないのか?と思う由縁である。
それが今回は一人ですまないから始末が悪い。(…というか、そこまでバカにするのは可哀想ではないかと、虚構の人物ながら同情する。私は。)
容赦ないよな、作者。
世界は一人の為にある。
人は一人で(彼自身の)世界にあ(存在す)る。
人は一人で生きて、最後は一人で死んでゆく。
…そんなことは分かっているから。
だからこそ、
生きている間は、うたかたの夢を求めるのだろうにサ。
ISBN:4061824384 新書 京極 夏彦 講談社 ¥1,680
古びた感じの黄色い紙に内容はといえば、ヘンリー8世御世の話。
でも最近出たばかり…の相変わらずのハヤカワ・ミステリ。
病院にもっていって読まずにもって帰りましたがな。
今日からぼつぼつ…読めるかな?面白かったら気分爽快、清涼飲料水の役目を果してくれること間違いなし!(笑)
なかなかの出来でありました。
七面倒くさい説明もほどほど、リアル過ぎて嫌悪感を催させる細密描写もなく、とてもとても……「修道士アセルスタンの告白」を書いたのと同一人物とは思えない!!(汚い・汚すぎるロンドンの描写に気分が悪くなる!)
…と、いうわけで、別人(ポール・ドハティ)名で、
エドワード?時代(13世紀):ヒュー・コーベット・シリーズ
14世紀:アセルスタン修道士シリーズ
マイクル・クラインズ名で、
16世紀:ロジャー・シャロット・シリーズ
アン・ダクタス名で、
ニコラス・セガラ・シリーズ
ほかにカンタベり巡礼シリーズや英国以外の歴史モノとしては、
マケドニアのアレクサンダー大王もの、古代エジプトのハトシェプスト女王を主人公にしたもの
……などなど、わくわくするような歴史フィクションをたくさん書いている作家さんだということが判明した。
惜しむらくはそのほとんどが翻訳されていない様子だってことだ!
頼むから!
ハヤカワ!
翻訳を進めておくれ!
おっと。
内容はといえば、ばら戦争で英国の王冠を手中にしたランカスター家のヘンリー…の息子、映画でおなじみ「ヘンリー8世と6人の妻」のヘンリー8世の時代である。
しかも、まだ最初の奥方、ポルトガルのキャサリン王妃健在のころだから、まだまだぴちぴちやる気満々の王様時代である。
ヘンリー8世の姉・マーガレット・チューダーは、夫(スコットランド)と弟(イングランド)の戦の直後、ごたごたを起こして嫁入り先のスコットランドから実家に避難中。
しかも、夫であるスコットランド王は戦死。
跡継ぎたる二人の幼子(一人は病死)はスコットランドに遺したまま、という有様である。
彼女とその側近は、ロンドン塔に仮の宿を取っている……。(不吉な…)
そのカリスマ満点の王様の元、警戒厳重なロンドン塔で起こった密室殺人事件!
謎の死を遂げた死体のそばには、ヨークの白薔薇が…!
その解決を押し付けられたのが、シリーズの主人公たるシャロットくん。
その主人であり幼馴染であり命の恩人であるベンジャミン。
この二人である。
ベンジャミンは、時の権力者トマス・ウルジー枢機卿の"愛する甥っ子"であり、嫌でもなんでも権謀術策の暗雲に掠るだけでも、関わらずにはいられないという、かわいそうな複雑な立場にいる。
従って、主人公・ロジャー・シャロットも命を脅かす"いと尊き御方々"と袖擦りあわずにはいられないのであった。
自身の意思に添わずとも…。
完全密室殺人は続く。
マーガレット王妃の行く先々で。
彼女の周りの人間が。
これはリチャード3世の呪いなのか?
あるはヨーク家の復興を願うものの仕業なのか?
随所に散りばめられた薔薇と白猪(リチャード3世の紋章)の意味は?
そして、歴史的真実の隙間を縫って推測が飛ぶ。
…とっても楽しい推論が構築される。
歴史好きには、たまらない〜♪記述が続く小説である。
…ちょっとジョセフィン・ティの「時の娘」を思い出すけど、リチャード3世は出てこない。残念。
ああ、それにしても、この時代の"メアリ"という名前の、王族のあるいは王族に近い女達。
天中殺みたいな名前だわ…。
よくまあこれだけ"メアリ"をそろえたな…と思うぐらい。
不吉な名前。
まあね。
メアリに限らずとも、アン・ブリーンは「生来の魔女」だし、メアリ・ブリーン(アンの姉)は「イングランドの牝馬」、マーガレット・チューダー(ヘンリー8世の姉・スコットランド王妃)は「ペチコートをはいた疫病神」でメアリ・チューダー(ヘンリー8世とキャサリンの娘・エリザベスの義姉)は「血まみれメアリ」とすさまじいけど……。
この作者。
どこまで本気だろう…?
ISBN:4150017859 単行本 和爾 桃子 早川書房 ¥1,365
でも最近出たばかり…の相変わらずのハヤカワ・ミステリ。
病院にもっていって読まずにもって帰りましたがな。
今日からぼつぼつ…読めるかな?面白かったら気分爽快、清涼飲料水の役目を果してくれること間違いなし!(笑)
なかなかの出来でありました。
七面倒くさい説明もほどほど、リアル過ぎて嫌悪感を催させる細密描写もなく、とてもとても……「修道士アセルスタンの告白」を書いたのと同一人物とは思えない!!(汚い・汚すぎるロンドンの描写に気分が悪くなる!)
…と、いうわけで、別人(ポール・ドハティ)名で、
エドワード?時代(13世紀):ヒュー・コーベット・シリーズ
14世紀:アセルスタン修道士シリーズ
マイクル・クラインズ名で、
16世紀:ロジャー・シャロット・シリーズ
アン・ダクタス名で、
ニコラス・セガラ・シリーズ
ほかにカンタベり巡礼シリーズや英国以外の歴史モノとしては、
マケドニアのアレクサンダー大王もの、古代エジプトのハトシェプスト女王を主人公にしたもの
……などなど、わくわくするような歴史フィクションをたくさん書いている作家さんだということが判明した。
惜しむらくはそのほとんどが翻訳されていない様子だってことだ!
頼むから!
ハヤカワ!
翻訳を進めておくれ!
おっと。
内容はといえば、ばら戦争で英国の王冠を手中にしたランカスター家のヘンリー…の息子、映画でおなじみ「ヘンリー8世と6人の妻」のヘンリー8世の時代である。
しかも、まだ最初の奥方、ポルトガルのキャサリン王妃健在のころだから、まだまだぴちぴちやる気満々の王様時代である。
ヘンリー8世の姉・マーガレット・チューダーは、夫(スコットランド)と弟(イングランド)の戦の直後、ごたごたを起こして嫁入り先のスコットランドから実家に避難中。
しかも、夫であるスコットランド王は戦死。
跡継ぎたる二人の幼子(一人は病死)はスコットランドに遺したまま、という有様である。
彼女とその側近は、ロンドン塔に仮の宿を取っている……。(不吉な…)
そのカリスマ満点の王様の元、警戒厳重なロンドン塔で起こった密室殺人事件!
謎の死を遂げた死体のそばには、ヨークの白薔薇が…!
その解決を押し付けられたのが、シリーズの主人公たるシャロットくん。
その主人であり幼馴染であり命の恩人であるベンジャミン。
この二人である。
ベンジャミンは、時の権力者トマス・ウルジー枢機卿の"愛する甥っ子"であり、嫌でもなんでも権謀術策の暗雲に掠るだけでも、関わらずにはいられないという、かわいそうな複雑な立場にいる。
従って、主人公・ロジャー・シャロットも命を脅かす"いと尊き御方々"と袖擦りあわずにはいられないのであった。
自身の意思に添わずとも…。
完全密室殺人は続く。
マーガレット王妃の行く先々で。
彼女の周りの人間が。
これはリチャード3世の呪いなのか?
あるはヨーク家の復興を願うものの仕業なのか?
随所に散りばめられた薔薇と白猪(リチャード3世の紋章)の意味は?
そして、歴史的真実の隙間を縫って推測が飛ぶ。
…とっても楽しい推論が構築される。
歴史好きには、たまらない〜♪記述が続く小説である。
…ちょっとジョセフィン・ティの「時の娘」を思い出すけど、リチャード3世は出てこない。残念。
ああ、それにしても、この時代の"メアリ"という名前の、王族のあるいは王族に近い女達。
天中殺みたいな名前だわ…。
よくまあこれだけ"メアリ"をそろえたな…と思うぐらい。
不吉な名前。
まあね。
メアリに限らずとも、アン・ブリーンは「生来の魔女」だし、メアリ・ブリーン(アンの姉)は「イングランドの牝馬」、マーガレット・チューダー(ヘンリー8世の姉・スコットランド王妃)は「ペチコートをはいた疫病神」でメアリ・チューダー(ヘンリー8世とキャサリンの娘・エリザベスの義姉)は「血まみれメアリ」とすさまじいけど……。
この作者。
どこまで本気だろう…?
ISBN:4150017859 単行本 和爾 桃子 早川書房 ¥1,365
「夏彦の写真コラム」傑作選〈2〉
2006年11月7日 読書
久しぶりだが、夏彦節。
相変わらず捻っているというか、ひねくれているというか。
さっと読んで分からない。
もう一度読んで首を捻り、再度読んでも深いところの真意は掴み損ねたような気になって、それでも面倒だから(笑)先に進む。
そういう本である。
書いていることは平易な、今でいうエッセイなのだが。
ちなみに、エッセイというのは書き手の考えが入らないとダメである。
それに(当時は)猫も杓子もエッセイエッセイとかしましいのでコラムと名づけた、とは夏彦氏の言。
エっ?それではコラムには考えがなくてもいいんですか?
と問えば、
コラムだって考えは必要だ。
と仰る。
仰ることが矛盾しているのでは…?
すべからくコレである。
分かっていて、仰っているというから始末が悪い。
そこがこの人の魅力なんだろうけれど。
編集は阿川佐和子氏。
檀ふみ氏とともになにやら本を出していたのは知っているが、未読。
ところで、このかたは"あの"阿川広之氏の令嬢なんだって…知らなかった。
阿川氏といえば、作品でというよりも、珈琲のCMが強烈に印象に残っているお人だ。作家に対して、とっても失礼な言い方だけど。(遠藤周作氏しかり。ああでもこの人の「海と毒薬」は映画で見てショックだった。その印象の方が強いか)
山本夏彦氏は、わざわざとひねくれたことをいい、相手の表情を見てわざと怒らせるようなことをいい、試すようなことをいい、と、相手をするには聖人君子、いな、感情に囚われない仙人でもない限り無理だったじゃなかろうか。
…と思う。
私には無理だなぁと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実は、もっているのを長いこと忘れていた。
昨日ぽろりと机の端から出てきたので、とりあえず病院へもってゆく。
火曜日は魔の火曜日。
通う病院の外科外来は、幽鬼のような外来患者で溢れている。
点滴用薬の作成に手間取って、予定時間を1時間軽くオーバー。
治療室のベッドの上で、8時50分〜14時20分まで寝ている羽目に。(点滴の堕ちる速度は超スローに)
その間…時々うとうと船を漕ぎながら、読了してしまったのだった。
私はこの本を、病院臭と辛い治療の思い出の一環として記憶するんだろうなぁ。
きっと。
本には不本意だろうけど(笑)
私だって不本意だから、傷み分けだ。
ISBN:4101350183 文庫 阿川 佐和子 新潮社 ¥500
相変わらず捻っているというか、ひねくれているというか。
さっと読んで分からない。
もう一度読んで首を捻り、再度読んでも深いところの真意は掴み損ねたような気になって、それでも面倒だから(笑)先に進む。
そういう本である。
書いていることは平易な、今でいうエッセイなのだが。
ちなみに、エッセイというのは書き手の考えが入らないとダメである。
それに(当時は)猫も杓子もエッセイエッセイとかしましいのでコラムと名づけた、とは夏彦氏の言。
エっ?それではコラムには考えがなくてもいいんですか?
と問えば、
コラムだって考えは必要だ。
と仰る。
仰ることが矛盾しているのでは…?
すべからくコレである。
分かっていて、仰っているというから始末が悪い。
そこがこの人の魅力なんだろうけれど。
編集は阿川佐和子氏。
檀ふみ氏とともになにやら本を出していたのは知っているが、未読。
ところで、このかたは"あの"阿川広之氏の令嬢なんだって…知らなかった。
阿川氏といえば、作品でというよりも、珈琲のCMが強烈に印象に残っているお人だ。作家に対して、とっても失礼な言い方だけど。(遠藤周作氏しかり。ああでもこの人の「海と毒薬」は映画で見てショックだった。その印象の方が強いか)
山本夏彦氏は、わざわざとひねくれたことをいい、相手の表情を見てわざと怒らせるようなことをいい、試すようなことをいい、と、相手をするには聖人君子、いな、感情に囚われない仙人でもない限り無理だったじゃなかろうか。
…と思う。
私には無理だなぁと。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
実は、もっているのを長いこと忘れていた。
昨日ぽろりと机の端から出てきたので、とりあえず病院へもってゆく。
火曜日は魔の火曜日。
通う病院の外科外来は、幽鬼のような外来患者で溢れている。
点滴用薬の作成に手間取って、予定時間を1時間軽くオーバー。
治療室のベッドの上で、8時50分〜14時20分まで寝ている羽目に。(点滴の堕ちる速度は超スローに)
その間…時々うとうと船を漕ぎながら、読了してしまったのだった。
私はこの本を、病院臭と辛い治療の思い出の一環として記憶するんだろうなぁ。
きっと。
本には不本意だろうけど(笑)
私だって不本意だから、傷み分けだ。
ISBN:4101350183 文庫 阿川 佐和子 新潮社 ¥500
憲法九条を世界遺産に
2006年11月5日 読書
……というわけで。
こんな本も平行読みしてしまっているわけだナ…(笑)
えへへへ…というか、太田(光)さんってこんな人だとは思わなかった。
テレビもあまり見ないからな、私。
特にバラエティは見ない。
ここまで奥行きがある人とは…人間第一印象は大事だけど、それだけじゃないってこと。
というか第一印象は、自分の感情、自分の器械で測定するからな〜自分という人間がたいしたことなかったら、測定機械もちゃちいし、そこから出てくる結論もいい加減ってことか。
つまり"人を読み違える"ってこと。
ごめんなさい。
失礼しました。
すみません。
と謝っておきます。
うう〜まだまだ修行、修行。
内容は対談形式。
相手の中沢氏という人を私は知らないけど、太田氏とは旧知の仲で言いたいことを行っている。
第九条は…ああいうタイミングで出来た「奇跡の」憲法なんだから。
今後あんなものはつくろうったって作れないんだから。
そこんとは日本人はよく考えなきゃいけないってことだ。
アメリカの押し付けって言うけど、どんな事柄だっておよそ私達が"文明"だと思っているものは、色んな文化や考えがミックスして出来たもの。
純粋な単一のなにかから出来たわけじゃない。
あれはアメリカと日本が、そして、その当時の、「戦争に疲れた」「もう戦争は嫌だ」という世界中の人々の"気分"が上手くマッチして出来上がったもの。
それはそれでいいんだ。
…と。
第九条は護りたいけど、その意義は?
とか、
アメリカの押し付けだから嫌なんだけど、ただそれだけのこと、
とか、
どう考えたらいいのか分からないよ、
なんて言う向きには、とても新しい思考の展開を印してくれる。
話がどこへ着地するのやら分からない意外性が…面白い本。
ああしかし。
あめゆじゅとてきてけんじゃ…
宮沢賢治の新しい側面を初めて知ったのは、ちょっと(自分が)情けなかったなぁ。
勉強不足!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とか言ってても。
私は共産党知事のもとで高校生活までを過ごした人間。
「憲法を暮らしの中に!」
のスローガンは、今でも心に刻まれている。
高校入学とともに、「憲法手帳」(憲法が記載されている携帯用ミニ手帳)も貰いました。(たぶん京都府立の高校のみかと思うが…?)
高校生だけの討論会とかいろいろ行事があって、真剣に自分の事、学校生活のこと、神学のこと、将来のこと、社会のこと、政治のことなどなど…激しく楽しく論じてました。
面倒くさいことも多かったけど、面白かったなーと、今思うのは、そればかり。
あの若い年(10台)で、そこまで考えられたのは、機会を与えてもらったのは、精神的な成長ということ以外にも、とってもいい経験だったと思うから。
ISBN:4087203530 新書 中沢 新一 集英社 ¥693
こんな本も平行読みしてしまっているわけだナ…(笑)
えへへへ…というか、太田(光)さんってこんな人だとは思わなかった。
テレビもあまり見ないからな、私。
特にバラエティは見ない。
ここまで奥行きがある人とは…人間第一印象は大事だけど、それだけじゃないってこと。
というか第一印象は、自分の感情、自分の器械で測定するからな〜自分という人間がたいしたことなかったら、測定機械もちゃちいし、そこから出てくる結論もいい加減ってことか。
つまり"人を読み違える"ってこと。
ごめんなさい。
失礼しました。
すみません。
と謝っておきます。
うう〜まだまだ修行、修行。
内容は対談形式。
相手の中沢氏という人を私は知らないけど、太田氏とは旧知の仲で言いたいことを行っている。
第九条は…ああいうタイミングで出来た「奇跡の」憲法なんだから。
今後あんなものはつくろうったって作れないんだから。
そこんとは日本人はよく考えなきゃいけないってことだ。
アメリカの押し付けって言うけど、どんな事柄だっておよそ私達が"文明"だと思っているものは、色んな文化や考えがミックスして出来たもの。
純粋な単一のなにかから出来たわけじゃない。
あれはアメリカと日本が、そして、その当時の、「戦争に疲れた」「もう戦争は嫌だ」という世界中の人々の"気分"が上手くマッチして出来上がったもの。
それはそれでいいんだ。
…と。
第九条は護りたいけど、その意義は?
とか、
アメリカの押し付けだから嫌なんだけど、ただそれだけのこと、
とか、
どう考えたらいいのか分からないよ、
なんて言う向きには、とても新しい思考の展開を印してくれる。
話がどこへ着地するのやら分からない意外性が…面白い本。
ああしかし。
あめゆじゅとてきてけんじゃ…
宮沢賢治の新しい側面を初めて知ったのは、ちょっと(自分が)情けなかったなぁ。
勉強不足!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
とか言ってても。
私は共産党知事のもとで高校生活までを過ごした人間。
「憲法を暮らしの中に!」
のスローガンは、今でも心に刻まれている。
高校入学とともに、「憲法手帳」(憲法が記載されている携帯用ミニ手帳)も貰いました。(たぶん京都府立の高校のみかと思うが…?)
高校生だけの討論会とかいろいろ行事があって、真剣に自分の事、学校生活のこと、神学のこと、将来のこと、社会のこと、政治のことなどなど…激しく楽しく論じてました。
面倒くさいことも多かったけど、面白かったなーと、今思うのは、そればかり。
あの若い年(10台)で、そこまで考えられたのは、機会を与えてもらったのは、精神的な成長ということ以外にも、とってもいい経験だったと思うから。
ISBN:4087203530 新書 中沢 新一 集英社 ¥693