第二巻は、「激闘編」

頑固頭の、ルナツー司令・ワッケインの命令で、主要スタッフは監禁の上沙汰待ち。
あと少しでシャアを葬れたかもしれないのにねぇ…ブライトさん。
そうすれば連邦の歴史に名を遺せたのに…。
なんて過ぎ去ったことは仕方がない。

ルナツーの連邦軍の対応は、

?協定ばかりを重視して融通が利かない。
?自軍の一生一度あるかないかのチャンスを潰した。
?挙句、「恩を売ってやったんだからそっちも融通をきかせろ(手加減をしろ)」という意識を勝手にもっている。
?その油断を突かれて大敗する。

という、いかにも"日本的"なお役所仕事であるな〜。

出先を知らない本社のおえらいさん、というか。
ルナツーなんて前線の出先そのものだと思うんだけどなぁ?

巻のラストで木馬(ホワイトベース)及びガンダムは地球の大気圏に突入。
最悪でも、むざむざと味方基地(ジャブロー)には行かせない、ジオンの勢力範囲に木馬を落とす、という最後の最後に出てきた展開に、テレビの前の我々は「へ〜」と素直に感嘆したものだった。
今のように戦争が現実のもの、自分オ近いところでやっているものという感覚がなかった、古き平和の時代のハナシ。
今なら、そういう本や情報は山のように海のように溢れているから、基本事項なんだろうな。
わざわざ感心するまでもなく。

ガンダムの大気圏突入は、これはもう!テレビアニメのほうが圧巻!
漫画では、木馬に取り付いたガンダムが、甲板にしがみついたまま、アムロがぜーぜー言いながらそのまま突入しているけど、アニメはもっと細かかった。
"焼けて消滅する"
と思われたガンダムは、アムロが必死でマニュアルを読んで、保護シートを引っ張り出して、大気圏に突入していた。
一秒を争う中での、まさしく死闘。
あの迫力は手に汗握ったなぁ。


ISBN:4047135038 コミック 富野 由悠季 角川書店 ?588
今はもう、はるか昔で、ファースト・ガンダムなどという分類番号(?)までつけられている、一番最初のガンダムだ。
一世風靡…したのは、放映があってしばらくしてからのこと。
まぁそんなもので、その後も何度も再放送でファンを増やし、原作者の富野由悠季氏はカミサマのように、教祖様のように祭り上げられたものだった。
実際、"富野教徒"みたいな人たちもいた。
タケノコゾクと言われた、休日ともなれば原宿だかどっかで踊り狂っていた若者達(ここからたくさんの芸能人が生まれたのでスカウト目当ての人間も多かったと思う)。
それに対抗するかのように、いや一時はそれを凌ぐ勢いで、ガンダムのコスプレをした人々(ガンダムとかガンタンクとか、モビルスーツすらいたし…)が出現し、マスコミにも取り上げられたのだった。
彼等を称して"トミノコゾク"と呼ぶ。
踊り狂ったかどうかは知らない。

そんなこんな、賛否両論いろいろ在ったけど、私にとってはガンダムといえばこれ。
一番最初の、本来は何も付いていない「ガンダム」である。
そのキャラデザインをした安彦良和氏は、小説のイラストレーターである一方、漫画家としても活躍しているけれど、は〜こんな本も書いていたのね、とちょっと吃驚。
でも嬉しい。

同じくガンダム世代の友人がまとめて貸してくれた。
多謝。
彼女は子供が二人とも男の子なので、いまだにこの手の者から無縁ではいられないのだが、自信もけっこー楽しんでいる。

そうそう。
どうせなら楽しまなくっちゃね…と私も仕事に対してそういえればいいんだけどな(笑)

さあ。
懐かしいガンダムの始まり。
最初の1巻は、サイド7へのシャアの進入と木馬ことホワイトベースの登場、アムロがガンダムに登場することとなったいきさつ。

本来避難民であるべき少年少女が、生きるために戦う。
操縦桿を握り、発射管を握り、戦う。
そして、百戦錬磨の、ナルシーでちょっと(?)変な(笑)赤い彗星のシャアとやらに追っかけまわされることとなる、その発端となる事件である。
ほんま、シャアは…しつこいのだ(笑)

宇宙コロニーや地球外惑星に、人間が植民し、やがて対立し、大きな戦争が起こる。
或いは、地球外生物との遭遇(未知との遭遇?)と誤解による不本意な戦闘の開始。

…というのは、富野氏のお得意のパターンで、ガンダムのあとの「イデオン」では辺境殖民惑星での地球外私物との出会い ⇒ 地球を目指して逃亡しつつ戦闘 ⇒ やが認識される"ニュータイプ"或いはそれに類するもの
という流れで進む。
その着眼点の新鮮さとか台詞回しの妙とか、どこへ流れてゆくのかストーリーが読めないことが富野氏の一連の作品のヒットに繋がったのだった。
が、どこへ流れてゆくか分からないストーリー…がそのままどこへ流れていったのか【理解できない】となったあたりから、富野教(笑)の勢力も衰えてしまったと思われる。

まあ、なんだかんだ言ったって、最初のガンダムは新鮮で驚きで凄かった。
これだけはいえる。


ISBN:4047134538 コミック 富野 由悠季 角川書店 2002/06/01 ¥588
今、笑いがとまらない(であろうと素人は邪推する)北海道は旭山動物園。
そして、北九州市にある到津(いとうづ)の森公園。

その園長同志は親友であり、まさしく"同志"であった。
かつては閉園に追い込まれ、市民を味方に必死の起死回生で再生した到津の森公園の岩野俊郎園長。
エキノコックス事件でマスコミに叩かれ叩かれても信念を曲げなかった旭山動物園の小菅正夫園長。

今の"成功"が、商業的な成功ではない。
もっと奥深いもの。
動物園の存在意義をしっかと見定めたが故の、人間の本能をずばり突いたが故の両園の繁栄があるということに、この本は教えてくれる。

前髪しかないLADY LUCK(幸運の女神)は、人の前をさっと通り過ぎてゆく。
彼女に後ろ髪はないのだから(想像したらダメ。考えると笑えるけど、笑ったら怒られそう)、さっと通り過ぎる瞬間に、間違いなく、その前髪を掴まねばならない。
人の人生には必ず、LADY LUCKがその目の前をよぎる時があるのだから。

…なんて言われると、ねぇ?どきどきしませんか?(笑)
力が、たとえちょびっとでも、湧いてきませんか?ねえ?

人間というのは動物園が必要なんだ。
動物の生態をみて、五感で触れて、自分も生き物だって事を思い出すんだ。
だから、動物をみて、動物園で癒される、という言葉が出てくるんだ。
だが。
ふつーの動物園。
日本でごくごく当たり前にある動物園は、動物の自然を見せているわけじゃないという。
あんなところで、動物をみて癒される人間なんて、おかしい。
動物園が好き、なんていう人間は(特に大人は)正常じゃない。
と、彼らは言う。(私は好きなので、「ウッ!」とのけぞってしまったよ。異常なのか…そうなのか…)

なぜならば。
生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えると称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫等に対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設(新明解国語辞典 第4版)

と動物園は定義されているではないか。
だから。
自然を支配するのではなく、人が自然を畏れ敬う自然観に基づく動物園を発展させることが、私達動物園人の課題であろう。(成島悦雄2006「畜産の研究」より)

であるべきなのだ。

そもそも日本人は、自然を敬い、自然を畏れ(自然=神様だったから)、自然とともに共生するのがお得意の民族だったはずだ。
自然を敬えば、命の大切さも分かる。
それがどうだろう。
現実を見よ!

野性の凄さを、命の迫力を、動物園は見せるところでなくてはならない。
だかららこそ、あの美しい肉食獣の前足の筋肉とか、獲物を引き裂く牙とか、爪とか。
怖いけど、恐ろしいけれど、そこに美しさを感じることもあるのだ。
うっとりと、あの豹紋に魅入る人間がいないわけではない。

単なる苦労話だけではない。
何をもって、何を目指して両者が両園が前進しているのか、その迫力と力に圧倒される本だった。

ちなみに ⇒ http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/
(旭山動物園HP)あり。
いろいろと物議を醸し出したらしい(笑)副園長さんの日記もおもしろいデス。

到津の森公園もすさまじい歴史をもっている。
なかなかいけるところじゃないけど…興味津々。

つうか、北海道の旭山にしろ、北九州の到津の森にしろ、遠路はるばる…になることは間違いない。
でもものすごい吸引力がある!
これって、理屈じゃないよね!
やるなぁ…地方の方がやるやんか!って感じが、とっても小気味良いね♪

ISBN:4121018559 新書 島 泰三 中央公論新社 2006/07 ¥840
久しぶりの大和和紀作品!

太平のお江戸では武士は何も生み出さない、まったくのお荷物状態。
だから、旗本御家人といえども生活は楽じゃない!
お家を継げない(つまり部屋住み)末子に生まれた半四郎とその妻ゆきえ(と息子・太郎)は、ひょんなことから御徒組みのお役につくこととなり、めでたく上京…じゃない、お江戸にお引越し。(上京ってのは、この時代では"京へ行く"だったもんね)

だがだが、お江戸の生活は、御家人の生活は思った以上に大変。
組頭の尾花兵庫は"屁のツッパリにもならない婿殿"状態。

なれないお江戸で、田舎育ちの若い二人の生活は、さて、上手く行くのでしょうか。

…ちなみに。
20歳そこそこのゆきえが自分のことを"オバサン"だとか恋人たちの逢引を目撃して"若い人はいいわねぇ"だとか言うのには参ったけどね。

35歳で行き(嫁ぎ)遅れか…

とはいいつつも、殿様の側室になって安穏にくらすより、仕事で出世して目を光らせる方を選ぶかっこいい中老サマも出てくることだし。
その実情は、今の社会とたいして変わらないような気も。

関が原から100年程度で腑抜けになったサムライ。
と、
戦後50年程度で……になった平成の日本人。(若者だけではないぞ)

両者を作者は比べているが、まさしくね。
「日本人って」
と思うところだろうな。

「あさきゆめみし」
の時も感心したけど、この人の題名のセンスは上手いなぁと感心する。
あさきゆめみし…って伊呂波なんだよね。

イロハを覚えるのに、和歌風にアレンジした最後の句の一部分だもんね。

色は匂えど 散りぬるを 世は 誰にそ 常ならむ
(いろはにほへと ちりぬるをわか よたれそつねならむ)

……で始まる、伊呂波の【あさきゆめみし】   

そして、説明するまでもなく、にしむく士、というのは、に(2)し(4)む(6)く(9)侍(⇒二本差し⇒11)
というわけで、2月・4月・6月・9月・11月の、小の月の覚え方をもじったもの。
小の月というのは、31日ではない月のこと。

昔々の高校時代、美術か音楽か書道かタイプか、の選択授業があり、興味本位でとったタイプの授業は、実は商業科むけの授業であった。
というのも、ウチは府立高校で普通科・商業科がごっちゃになっているというユニークな高校であったからそういうこともありえたのである。
もっとも、大学の英文科にいこうという面々は、英文タイプをここで覚えて行こうと真面目に選択したんだけどね。(当時はPCどころかワープロもなかった時代である。タイプライターなんて高価なものが一般家庭になかった時代である)

ただ、私はあくまで興味本位だったので、英文タイプではなく和文タイプを選んだ。
それがなんと、伊呂波順に、字が裏返し(つまり鏡に映した状態)且つ上下さかさま状態で並んでいる、ひとつひとつの小さな活字(小さなはんこみたいなの)を一個一個拾ってゆくのだ。
自分の目で探してね。
だから和文タイプを選択した人間のやることは、まず、いろはを覚えることだった。
受験前の高校生が…いろはの暗記である(笑)
実に器用なことをしたもんだと思うけど…若いってすごい。
すぐ覚えたから。
それに、いい気分転換にはなったなー。

武士も大変だった、特に下級武士は…というのは中村主水さん(必殺シリーズ)を見ていれば良く分かることだけど、まだまだ私達には霧がかかって分からないことも多い時代。
そして意外に面白そうな時代であることは、故・杉浦日向子さんの著書や漫画を見れば良く分かる。

だからこういう漫画も、まだまだたくさん描ける余地はあると思うんだよね。

ISBN:4063703339 文庫 大和 和紀 講談社 2006/08 ¥714

いらかの波 (5)

2006年9月25日 読書
最終巻。

自分の事しか考えられなかった主人公・渡も、いまでは"思いやり"をもつようになった……ようだ。
しかし、いくつになってもどたばたと…落ち着きのない少年である。
昔のガキ大将、ってやつね、

今時こんな子、いるだろうか?
いたら面白いのに〜というか、将来が楽しみなのに〜と思う今日この頃。

自分が学生で、クラスのなかにこんなのがいたらいやでいやでしょうがなかったのに、年をとると(視点を変えると)こういう生徒は実に面白い、と思う。
あのとき担任の教師もそう思っていたのかな?とふと思ったりして。

高校の同窓会なんてもうン十年もないから、皆がどうなったやら…分からないのがやっぱり寂しいね。

この漫画が描かれた頃は、子供の数も多く ⇒ したがって受験戦争真っ盛り ⇒ "豊かなニッポン"というわけで、高学歴賛美の真っ只中。
だから、主人公の父(養父)が「大学まで言って欲しい!」と力説する言葉が素直に読者の心に入った時代だった。
だが今は?
大工などという、まさに手に職の代表格みたいな職業、親は小躍りして喜ぶんじゃないかな?
それとも、現場よりも設計技師とか現場監督みたいな、大学出の資格・管理職のほうがいいのだろうか?

私の叔父は自分の子供4人(つまり私のいとこ達)全員を、美容師を始めとする"手に職"の技術職に育て上げた人である。
「喰いっぱぐれないように」
が口癖の人だったからな……。

お見事!
(ま、本人も足場からの転落事故で辞めるまでは大工だったし)

ISBN:4086176378 文庫 河 あきら 集英社 2000/12 ¥680

いらかの波 (4)

2006年9月25日 読書
どーしよーもない生徒とか、先生とか、子供とか大人とか。
出てくる登場人物をむりに更正しようとか、どうこうしようとしない、一見突き放したような書き方もこの漫画の魅力である。

だって、実際生活ってそうでしょ?
ダレだって自分の足で立たなきゃならないんだし。

たくさんの人物がでて、それぞれの性格も違って、だけどストーリーが上手いからその絡みが無理なくて、個々人の個性がしっかり出ていて……やっぱり面白いね。
一発ギャグだけで読ませる漫画じゃない。

ISBN:408617636X 文庫 河 あきら 集英社 2000/12 ¥680

いらかの波 (3)

2006年9月25日 読書
なんとかかんとか高校に進学した主人公たち。
それぞれの"道"にむかって更なる一歩を…というわけだが、中学時代の縁というのは早々切れるものでもない。

特に、公立中学なんて、地域で固まってるからご近所だしな。

私なんて高校も公立だったから、ご近所さんがちょいと拡大した感じ(小学区制だった)だった。
しれはそれで楽しいものだ。

しかし…漫画ってのは当時の世相を繁栄する。
当時の中・高校生って純真だよねぇ。
暴力もイタズラも、ちゃんと分をわきまえているというか、【引き返せないところまではやらない】
つまり、どこまでならやれるか、ってことをちゃんとわきまえている。
やっちゃいけないことをちゃんと分かっている。
いまは、子供が出来すぎた武器を振り回しているようなもんだからなぁ。

すなわち、むかしはナントカに刃物、と言ったアレね。

高校の文化祭…楽しかったなぁと思い出してしまった。

禁止されているはずのバイクに乗って恋人達が逃走するという恋愛映画を撮って上映している力の入った上級生のクラスも存在した。(ものすごく受けてたが、バイクの件で先生からお叱りがあったとは聞いていない)
ウチのクラスは日本昔話に西部警察をミックスした芝居を…最後はわけがわからんよーになりましたが。

今なら文化祭をビデオで撮るとかあって、楽しいだろうにな〜(私らの時代にそんなもんはない)
いや…思い出の中にあるだけだからこそ、楽しいと思えるのかも?

ISBN:4086176351 文庫 河 あきら 集英社 2000/12 ¥680

いらかの波 (2)

2006年9月25日 読書
河あきら氏って、男性だと思っていた。
当時は。

迫力のある乱闘シーンとか。
なんだか少年漫画風な展開とか登場人物("ばんちょーさん"を始め)とか。

亡き父親の職業を継いで、大工になりたいとの思いをもってひたすら前進する中学生・渡。
中学生で自分の進路を見定めるのも立派だけど、世の中にはいろいろ経験して、その上で決めた方がいいってこともある。
つまり、視界を広く持ちなさい、選択肢をたくさんもちなさい。
たくさんの中から一番自分のやりたいことを選ぶためには、自分のレベルをあげといたほうが、いいんじゃないの?
レベルが低いと、選択肢も小さくなるからね。
…ということの、高校進学であり大学進学であるのだろう。

実際、高校や大学で学んだことで「これこそ天職!」と思うことも有るんだからね。

しかし中学生ですでに志望をもってしまうとそうは思えない。
それは若さゆえの焦りというか、貪欲さといったものか。
ちょっと立ち止まって見回して、考えられない。
やりたいことはすぐやりたい!
と、そうおもっちゃうんだよね。

この作品を熱中して読んでいた中学生・高校生は、作品の中に出てくるさまざまな登場人物に自分達を重ねていたのである。


ISBN:4086176343 文庫 河 あきら 集英社 2000/10 ¥680

いらかの波 (1)

2006年9月25日 読書
いらか〜のな〜み〜と
く〜も〜の〜な〜み〜

甍とは、屋根瓦のこと。
単体ではなく、"屋根"としてあるそれのこと。

友人からレンタルできた宝箱の中に、こんな懐かしい本が!
…というわけで、1977年に週間マーガレットで連載が始まった(40ヶ月続いた)作品だ。
青春時代だなぁ〜。

そもこの作者・河あきらという人は、とんでもなくくら〜い社会派の漫画と底抜けに明るいギャグ漫画と、その両極端がある漫画家だったので、とっても新鮮だった。
つまりワンパターンの少女漫画ではない。
画風もスケッチ調というか、翳が気になるというか…変わった画風で当時の少女漫画とは一線を画していた。
だから、好き・嫌いがはっきりしていた漫画家だった。
そのなかで、いらかの波はよく受けたと思う。
好き嫌いの両極端に分かれなかったと思う。
人気作品だったというけど(出版社からのご褒美でUSA旅行だって!すごいね!)確かに頷ける。

その前の社会派作品で有名なのが、「ふるさとの歌はきこえない」。
この作品は、どう考えても北朝鮮と思われる社会主国から逃亡した工作員の青年が主人公である。
彼は、実は日本人の亡き母親の、"故郷へ帰りたい"という言葉から日本に住む祖父をたずねるため命の危険を冒して逃亡したのである。
彼を追うのは、嘗ての同僚であり腕利きの工作員。
日本にたどり着いた彼はやがてひとりの少女と出会い、母の故郷へとたどり着くのだが…。
というわけで、涙なくしては読めないというか、なんとうゆー悲惨な運命がこの世にはあるんだろうかとか、いたいけな少女達の心を痛めたものであった。
これなどはとんでもない悲劇作品で、奥の人の涙を誘ったものだったから、その後発表されたこの「いらか…」とのギャップは凄かった。
ほんま、同じ作者かいな…と。



ISBN:4086176335 文庫 河 あきら 集英社 2000/10 ¥680

メイプル戦記

2006年9月24日 読書
優勝を諦めない!

優勝するためには、残り試合1つたりとも落とせん〜!

とがんばる女の子だけ(おカマはOKだったりするが…)の球団メイプルス。

阪神の今の姿を見るに付け手に汗握ってテレビ観戦するにつけ(読○め〜いつもいつも最後の最後で放送を切ってからに〜!!)この漫画を思い出す。

で、ついつい再読する。

一所懸命な姿には、運命の女神・すなわちLADY LUCK!が微笑むこともあるんだよ♪

すなわち、人知を尽くして天命を待つ。

人知を尽くさないとダメなんである。
待っているだけじゃいい目は出てこないのである。

あ〜あ。
私も甲子園の外野でいいから(←図々しい)、一緒に「わっしょい♪わっしょい♪」とやりたいな〜。
なにしろ、私が甲子園に行けていた頃は、Bクラスは当たり前で最下位争いをしていた時代だったから…(笑)
一人気を吐く新庄選手は、いやってほど見たが…(笑)

ISBN:4592883195 文庫 川原 泉 白泉社 1999/06 ¥570
第二巻、「岬に吹く風」
馬鹿馬鹿しいほどラブラブで始まる(ラミジ&ジアナのことだ、勿論!)二巻目は、ラミジの子分がそろそろと…揃い始める。

好々爺のふりして血刀振り回して敵に真っ先に突進する航海長・サウスウィク。
生粋のロンドン下町(コクニーってやつか?)生まれのスタフォード。
 愛称スタッフ。
イタリアのジェノバから逃げ出してきた(ちょっと殺人未遂で)アルベルト・ロッシ。
 愛称ロジー。
アメリカ人でいつでもアメリカに帰れるのに何を好き好んでか危険な英国海軍に、その中でも好んで危険に身をさらすラミジの傍から離れない、ジャクソンこと愛称ジャッコ。

癖の有り過ぎる連中が……危険を前にした艦上で、吉本なみの漫才を繰り広げ笑かしてくれるのだ♪

ええなぁ…。
癒される(?)よ…。

ISBN:4795300518 単行本 出光 宏 至誠堂 1980/01 ¥1,377

ブタのふところ

2006年9月23日 読書
なんか癒されそーな表紙に手を出してしまったが。
自分で、

自分のこと。

生活のこと。

周りのこと。

家族のこと。

生きてゆくこと。

さまざまなこと。

ちょっと休んで、腰を下ろしてさ。
考えてみない?
という感じ。

なんとなくデ・ジャブーがあるとおもったんだけど、7年前に入院・手術した時に、会社の同僚がお見舞いにもってきてくれたのが前作だったと思う。
このブタにピンと来たら…じゃない、見覚えが。

人間って108どころか千も2千も迷っている。
でも全部ひっくるめて、ちょっと考えてみて。
折角生まれてきたんだから、自分を見失って生きるのはもったいないかな?という気にもなった。

こんなことを言うと、ブッタにしばかれるかもしれないけど。
単純な4コマ漫画に見せて、その実奥は深いです。
ときおり、難解な禅問答みたいなのもあって…まだよく分からないし(笑)
ふー。
ゆっくり見渡して、考えるか。

急いだって、同じ一生。

ISBN:4840117063 単行本 小泉 吉宏 メディアファクトリー 2006/09 ¥998
ポケットサイズの文庫版、最終巻である。

看護師の単なる失敗談だけでなく、裏での苦労や努力や、感じアに見えないところで病院がどういうことを考えているか…そういう内実を垣間見ることができたのがこの作品の最大の利点だと思う。
だからといって、失望はない。
病院と患者にも、相性というものがあるからね。

医者と看護師の確執かぁ。
…確執じゃないけど、あまりに下手な点滴の注射を何度も繰り返されて泣いている私に、担当の看護師さんがひとこと。
「私の方が上手い」
と小さく呟いたのを私は聞き逃さなかった。
たぶん心の声がつい唇にのって出てきてしまったんだろうと思うけど、痛いやらおかしいやらで、お陰で私は泣き笑いになってしまった。(笑)

経験をいえば、新米医師より看護師さんのほうがず〜っと上手い!ことなんて、ざらにあるだろうなぁ。
なんたって、看護師さんは常に最前線にいるわけだから。

ま兎も角。
患者さんも看護士さんもお医者さんも。
今現在闘っている人にエールを贈りたい。(勿論、自分にもね)


ISBN:409192655X 文庫 小林 光恵 小学館 2002/10 ¥600
何が面白いって、「適材適所」は最高に笑った。
特に婦長さんに向かって、○△◇◎とは。(禁じ手なんだって。そりゃそうだろうなぁ)

1ヶ月以上も病院にいると、外の空気がすいたくなる。
病院の中と外では、なにもかも、全然違う匂いが違う圧力が違うーいや、ほんまに。
病棟って、純粋培養なんだなぁと思う一瞬です。

私もまた、かつては車椅子に乗って、夏の終わりの街路樹に、夕方になると集まってくる雀の集団を見に行ったものである。
あの時は不思議と煩いとは思わなかった。
かしましいすずめの鳴き声(何百羽と集まっているのだろう)に、"命"とか"力"とか、そいういうものを感じたものだった。

桜の花が咲けば…そりゃぁ、日本人なら見に往きたいよう。
匂いがないという桜だけど、病室の純粋培養の(或いは薬漬けの)中に暮らす身には、きっと匂いが届くはず。
感じられる、と私は思うな。

あと。
病状については、本当に、自分が「治すんだ!」と思わないと、どんなに高価な薬をつかっても絶対に治らない。
そして、その逆も言える。
【病は気から】
って、真実だ。


ISBN:4091926541 文庫 小林 光恵 小学館 2002/10 ¥600
看護師さんのしんどさとか、辛さとか。
その実際は私には分からない。
けど、想像することは出来る。

内科の患者さんのしんどさも、昔入院した消化器内科で少しだけ見てきた。
夜寝られずに起きて座ったまま朝を迎えるおばあさんとか。
外科と違って、すっぱり切って貼って、時間が経ったら、さあ、退院よ!
とはいかないかならぁ…。

糖尿病とか…しんどそうだったもんなぁ。

看護師さん・病院関係者の日常というか、リクレーションは病院の掲示板とかを見ればいろいろ書いてあるので私達のもある程度は分かる。
ストレスの発散は彼らにこそ必要だろうとも思う。

嗚呼でも。
お医者さんや看護師さんとは信頼関係を築けても、事務職…所謂、病院職員は…なんでトラブルになるのかな?と思うぐらいのトラブル。
こちは病人だから、健常者のようにちゃっちゃっと歩けなかったり対応できなかったりするのは当たり前なのに…すぐ怒るし。
間違うし。
ムキになって反論するし。
あれで病院の質が問われる…というか、レッテルを貼られるんだから、医師や看護師の努力が消えてなくなってしまうのが残念だ。

ちなみに。
何度も入院して夜中の病棟内も徘徊(ボケたわけではない。ご不浄にたったのだ)した私だが。
いまだ嘗て"幽霊"とそれに類するもの(背筋が寒くなるとか、気配を感じるとか)に出会ったことはない。
たとえそれが夕べなくなったばかりの病室の前であろうともだ。

……もしかして、鈍い?

ISBN:4091926533 文庫 小林 光恵 小学館 2002/10 ¥600
無神経でやさしくなくて、気が強い……
それもまた、真也?

入院患者であるにも関わらず、病棟で番を張っているオバサン…って、本当にこんなこと、あるのかな?
たしかに、大部屋だと合う・合わない人、というのは出てくるけれど、そこは大人、大抵は無視して通るんだけどな〜。
それに自分の病状のほうが大切で忙しい。
痛いだのしんどいだの眠れないだの…。
また、仲良くやったほうが楽しいしメリットがあるから皆が少しづつ妥協して(我慢して)快適な病院生活を築き上げていたな。
私の経験では。

番を張って子分をつれて病棟内を巡回できるんだから、元気なんじゃないの?とおもうが…嗚呼、内科だからかな。
日にち薬の外科とは違って、時間はかかるけど、手術でたくさんの管をつけたり傷が痛んだりするわけじゃぁないから、症状の楽な人でも長期入院とかあるんだ。
外科は検査して⇒手術して⇒リハビリして⇒とっとと退院だからなぁ(笑)
番を張ってる余裕がないデス。

看護師さんもきびしいきびきびしてるし(笑)

ISBN:4091926525 文庫 小林 光恵 小学館 2002/09 ¥600
自分が病院に縁がある、というだけに留まらず…知らなくてもこれは実に面白い。

看護婦(今は看護師)さんは、いつもいつも患者の為に笑顔で対応(そうじゃないのを目撃したこともあるけど)。
ほんま、なんで怒らないんだろうかと、人間ができているなぁと常々思っていたんだよね。

でもそこは、生きた人間。
いろいろある。
笑いも怒りも、勿論あって当然。

尿側は、他人事ではない。
患者であれば、まぁまず必ず世話になる。
作中にもあった、腎臓病とか糖尿病とか、或いは尿道結石で石が転がり落ちていないかを確認するために常時採取するだけではない。
フツーに手術した人も、尿は採取しなければならないのだ。

看護師さんたちは汚れ仕事も黙々とやるけど、それをやってもらうこちら側もやはり恥ずかしいとか申し訳ないとかそういう気持ちもある。
それが「当然」となったら、もうお終い。
同じように、寝たままトイレができたら楽でいいじゃないの〜とか、自分でするのは面倒くさいの〜とか。
そういうことを思い出したら(言い出したら)もう駄目だ。
治ろうとする意欲を疑う。

手術中は、尿を取る為の管が入っている。
それは術後、なるべく早くにトイレにいけるように、患者自身がそれを外せるように努力するものだ。
でも、自動的に採取されていたものを、自分の意思でコントロールするのが…これが結構難しいのだ。
普段は、健康なときは当たり前にできたことが出来ない。
これが入院ってことで、病気ってことだから。
だから、ちゃんと出ているかどうか看護師さんが定期的に量を量るのだ。
きちんと出ていれば…そのうちOKということで、尿採取の仕事から開放される。
看護師さんも、ひとり、手が離れる。(尿側に関しては)

いつもにこにこ看護師さん。
その看護師さんの、
「土曜日夜だっていうのに、なんで…!」
と怒りの声をはからずも聞いてしまった私。
彼女は、尿器の洗浄作業をひとりでやっている最中であった。
私がご不浄にいるとは知らず…お陰さまで私、作業が終わるまでずっとご不浄にこもってましたよ。


ISBN:4091926517 文庫 小林 光恵 小学館 2002/09 ¥600
原作、アガサ・クリスティの作品であるならば、きっと内容も犯人もすべてご存知の方は多いんだろうなぁ…私は知らないから、ま、いいけど、なんてかる〜い気持ちで手に取った。

内容は(たぶん)短編が3編である。
?「チムニーズ館の秘密」
    *架空の石油産出国(中東?)ヘルツォスロヴァキア(なんつー言いにくい名前だ!)
     …のお家騒動と石油の利権に関わる殺人事件

?「追憶のローズマリー」(忘られぬ死)
    *恋多き人妻の巻き起こす波紋が、周りの人間を巻き込んで起こす殺人事件。
     恋だけでなく、お金も絡むからどろどろ…

?「ソルトクリークの秘密の夏」(ゼロ時間へ)
    *保養地で起こる殺人事件。
     元妻・現妻、姑、夫が同時に存在するというややこしい人間関係がいかにも。
     探偵役(?)のMr。マクワーターとその雇い主・コーネリー卿(ミーハーな二人)のコンビが笑える。

アガサ・クリスティといえば、20世紀初頭の麗しきアールヌーボーの残り香を、質実剛健悪くいえば地味で暗いビクトリアンの名残をと留めた作風のミステリー小説家。
女性の作家と言うのがまだ地位も低かったためだろうか、女性にここまで書けるとは!と吃驚されたせいだろうか、いやいや彼女の作品はそういう色眼鏡なしにすばらしいということだろう。
ともかく!
ミステリー界においては女王の名を冠されるほど、その作品の素晴らしさが讃えられている。

…私は…好きではないが(笑)
実は読んでいるのも「オリエント急行殺人事件」だけ。
理由は短くてコンパクトにまとめられているから。
+"テツ"じゃないけど、長距離を往く豪華寝台車には乗ってみたい〜といまだに夢をもっているから。
オリエント…は無理でも、東南アジアのあれなら…なんとか死ぬまでには可能?(ちなみにまだ走っているだろうな?)
日本のトワイライトエクスプレスも乗りたい!北海道は別に無理していかなくてもいいけど、とにかく列車に乗りたい!…と思っている。

映画館まで足を運んだのは「白昼の悪魔」のみ。
理由は、犯人役の女優の☆美しさ☆にほれ込んでしまったから(女は化け物〜!を地で行く話であり演出だったなぁ〜)
凄く素敵☆な悪女だったよ〜。

クリスティは、細かいところにヒントをちりばめてゆくので、話がとっても長くなる。
長いといってもそんじょそこらの長編ではない。
でもって、その各場所にそっと散りばめたヒントを見逃すと、もう"わけわかめ(訳わからん)"になってしまう…ので、好きではないのだ。

これを映画にした日には…不要と思うところをどんどんカットして3時間弱に収めるでしょ?
そうしないと、映画にならないから仕方がない。
けれど。
それだと、星屑の如く散りばめられたヒントの幾つも、カットしてしまうことになる。
ポアロさんの推理が「え?なぜ?そうなるの?」と納得いかないこと多々あり。(と愛読者は言う)
"話"を、衣裳を、時代を楽しむならいいだろうけど、推理小説としての面白味は激減してしまう。

一度BBCが製作したクリスティの有名作品「なぜエヴァンズを呼ばなかったか?」をみたことがある。
これは忠実に映像化してあったので、ちっさなヒントもカットされてなかった。
が。
上映時間が、確か、5〜6時間あったと思う。
思う、というのは、休日の午後のこと、何度も途中で転寝をしてしまったからである。
ぽつぽつと虫食い穴があくように、ストーリーに穴が開いてしまい、結局わけわかめだった(笑)

長くしないと彼女の推理小説の醍醐味が伝わらない。
長くなると、退屈する、付いてゆけない。

だから、まだ、本で読むにはいいけれど…なのかな?
妹なんぞは、学生時代にせっせとクリスティを読んだ口だから。
一方、最初に「なぜエヴァンスを〜」をしんどい思いをして見てしまったせいだろうか、私はそこまでとっつくことすら出来ずにいる。

でもこの漫画は面白かった。
絵もそれらしいし、画風が時代にあっているのだろうね。

ただ、クリスティの小説(原作)については、とりあえず、これから先も読む予定のない私であった(笑)

ISBN:4088653629 コミック 榛野 なな恵 集英社 2006/09/19 ¥420
癒し漫画…は、しんどいときにほんまに良い。
精神的な薬みたいなもの。
…というのも、私が犬が大好きだからなんだろうな。

もう20年近く昔の本なんだ…と今更ながら驚愕しつつ読み直した。

何度も読んでいても、前は気がつかなかった細かい(コマの角とか)ところになにかを発見することがあってこれまた楽しい。
たいては作者のお遊びなんだけど。

凶暴なヒヨちゃん(雄鶏)の後姿、その反り返った尾羽の豊かさと天を突くような見事な形に感動したり。(変?)

また、これは早くに気がついていたのだけれど、菱沼さんの衣裳の多くが某メーカーの、しかも奇抜なヤツばかりだよなぁ…これって、見る人が見たら、一目で分かるよなァとか…思っていた。

昔々の、桃色家屋(川原泉風・ピン○ハウスのこと)(笑)から始まったデザイナー・カネコイサオ氏のブランド、イン○ボルグとしか思えない衣裳が…頻繁に登場。
菱沼嬢がまた、その奇抜な衣裳がよく似合っているのがすばらしいと思うわけだな。うん。
おなじデザイナーの男性用ブランド・カール○ルム(ときおりハムテルや二階堂が着用)

北海道って、もしかして、カネコ・ブランドの天国?(だった?)
宝塚が天国なのは知ってるけど…。


ISBN:459211082X 新書 佐々木 倫子 白泉社 1989/04 ¥410
表紙のぷくぷく…は、イナモト選手。

最初は童顔で可愛いだけの描写だったのに…ほんまにこんなんなん?

さて。
爆笑しながら読み進み、あっという間に読了してしまった、最終巻である。
各選手の特徴(存在が薄い○○とか、ヘディングしか許されない△△とか?)もかなり勉強させてもらった。
ジーコ監督の采配は、それこそW杯がらみでしか知らない私だけど、裏ではイロイロあったんだねぇ。
一方のトルシエが監督時代、側に付いていてまったく同じ動作と口調で選手に指示を出していたフランス人通訳がとっても印象に残っている。
4コマ漫画にも出ていたので、ちょっと嬉しかった。

カズも、そしてあのナカータですら、海外では苦労したんだねぇ…と感慨深く読みましたとも(笑)

人気も高いらしいけど、ぜひとも続けて描いて欲しい〜!

野球でも、出ないかな?
こういうの。
無理かな〜年齢層高いし…(選手もファンも)


ISBN:4930942802 単行本 村山 文夫 日本スポーツ企画出版社 2006/08 ¥840

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