なんでも、東北の田舎の方を走っている、なかなか素敵な電車だそうだ。

十津川警部の部下・清水刑事の新婚旅行……から話は始るが。
この作者の小説にしては、順当にラブラブな刑事夫妻の描写が珍しいというか、おかしいというか…可愛らしいというか。

今時、国内旅行で、しかも東北の温泉でいいや♪なんていってくれる奥様は大事にしないとあかん、と思う私であった。

だって、さっき読了した「北の秘密」では、失踪した社長の奥方(55)のお言葉「私は国内旅行は好きじゃないの」「主人といって楽しい思い出のある旅行は全部海外旅行よ」「国内旅行で思い出深いば場所なんてないわ」「結婚して毎年一度は、海外旅行に行っているのよ」ときたもんだ。
すげぇ……。
バブル真っ只中の、若手OL並だな。

そして、判明。
十津川警部は、"やはり"直子夫人に尻の下に敷かれている。
ぬかの結婚式の様子を見て、自分になぞらえて、その先行きを(悪い方に)想像するなんて…なんて哀しいの(笑)

PS,
ものすごくアリバイ作りが凝っている…というか、ここまで凝ると、何か些細な失敗で全部狂いそうな気もする。
あ〜ややこし。


ISBN:4408504815 新書 西村 京太郎 有楽出版社 2007/05/18 ¥860

北の秘密

2007年5月25日 読書
題名だけ見たらば、てっきり、朝鮮民主主義人民共和国の話かと思うやん。

最近は十津川警部の海外進出(出張)もちょこちょこあるからさ。
てっきり……

いくら公僕とはいえ、あの国に行ったら帰ってこれないでしょうな。

2000年に噴火して土石流を撒き散らし、学校やホテルや役所を押し流した有珠山。
その麓にある洞爺湖。

…洞爺湖、行ったことがあるな、そう言えば。
2000年に噴火してたっけ?
忘れているな、さっぱりすっかり。

日本は火山列島なので、あちこち大好きな温泉が湧いていて嬉しいといえば嬉しいのだが、いつどこで地震やら噴火やら火砕流やら土石流やらが起こるかわかったものではない。
ある意味、バルカンの火薬庫(世界史で習ったよね)並に危険な土地柄である。
こういうところに済んでいると、自然DNAに"今日は今日、昨日は昨日、明日は明日、さらっとながして"なんて性癖が刻み込まれてしまうのかもしれない。
決してせつな的に生きているわけではないと、思うんだけど。


ISBN:4125009805 新書 西村 京太郎 中央公論新社 2007/04 ¥860
見るだけで判る!
京都が舞台だな、と。

殺人事件。
その裏にあるのは……と裏の裏をかいて、刑事達が翻弄される。
真犯人は誰だろう?

十津川警部が、というよりも、その周囲の刑事達がご活躍のように思える(いや、十津川警部も締めるところは締めるが)短編集である。

さすが、地元京都(?)

四条通りをまっすぐ車で走って、桂川へ…つまり嵐山へ、とかその手の描写が臨場感があって楽しい。

でも、烏丸、堀川の次、いきなり嵐山…はないでしょうが……結構遠いやん。
バスも均一料金じゃないしさ。

古都って……そうか、滋賀もそうだった。
志賀の都、っていうもんなぁ。

大津の宮とか。

それを言い出したら、難波の宮もあるし。


PS.
十津川警部。
秘密の捜査で京都入り。
お茶や遊びに興じるものの「一見さん」つうことで苛められる…というはなしがあるそうだ。
興味津々(笑)

ISBN:4575511382 文庫 西村 京太郎 双葉社 2007/05 ¥650

脳と魂

2007年5月24日 読書
「バカの壁」で有名な養老孟司氏と、「ベラボーな生活」の著者で現役のお坊さんである玄侑 宗久氏の対談本。

その内容は奥深く、そして……面白い。

理論的な学者なのかと思っていたら、「べらぼうめ」口調のアクの強いおじさんだったことが判明した養老氏。
だけど、未読の「バカの壁」の輪郭が判ってきたような気もする。

正常な、私でもわかるごくごく普通の、当たり前の…正常なことを言っているんだね、この人は。

いろいろ前段階をすっ飛ばす辺りは、確かに学者やな、とは思うけど。(知ってて当然、と思い込むのか?)
虫を追いかけているのだそうで、だから東南アジアとか良く行くとか。
昔昆虫採集(蝶々)をしていた私としては親近感も沸く。
珍しい蝶々を見つけた同行者がその途端に瞬間移動した、という話は笑った。
ジャングルの中、おぼつかない足元だというのに、いったいどうして…?と思うだろう。
写真を撮っていても、好きな人はカメラを構えると人間が変わる(笑)
昔、ディンギーヨットの舳先に乗っているとき、けっこー揺れて怖いものだが、写真を撮ろうとして身を乗り出したらそんな怖さも吹っ飛んでいる。
操船していた友達の方が「(今にも落ちそうで)怖い怖い」を連発したものだった。
ま、好きなものはそんなモンだろうさ。

玄侑 宗久氏は、臨済宗の天龍寺で修行をした人。
「ベラボーな生活」はその当時の話を綴ったもの。
これが、無茶苦茶面白い!
市内を托鉢もしたというから、学生の頃、もしかしたらすれ違っていたかも。
この人の、特にエッセイは面白いのだ。
勿論お坊さんだから宗教的なことに趣き深いのだが、決して押し付けがましくない、判りにくい専門語で誤魔化さない。

なにしろ、生臭坊主ではない…!というのはポイント高いかも(笑)

この二人が語る、今の社会。
老人問題とか安楽死の問題とか、若者、そして日本人の「これからどーすりゃいいのさ?」「どこへ流れてゆくのか?」というモンダイを、諭すわけではなく、勝手に語っているという(笑)……実に判りやすく為になりそうな一冊である。

ISBN:4480423265 文庫 玄侑 宗久 筑摩書房 2007/05 ¥735
表紙は助六かぁ…とおもって一枚めくり。
ぺらり。

なんでジョージ・ブライアン・ブランメル?
その対岸にはオスカー・ワイルドだ、うわぉ!

まあ…ダンディズムだわな。
確かに。

世界では"貴族"にありえたダンディズム。
日本では、"士族"で突き詰められたダンディズム。
やがて天下泰平の江戸時代になると、裕福な商人とかそのお坊ちゃんであるとか、遊び人であるとか…に裾野が広がっていったわけである。

中途半端な生半可な通人というやつは、江戸の時代にもあったが。
この辺は、かの人(杉浦日向子女史)も厳しく指摘したところだ。

きもの着方は勿論のこと、刀に印籠、矢立に根付け…とまぁお金の掛かることよ。

で、ナニが面白いって、安永年間に出された「当世風俗通」
という本。
所謂スタイルブックですな。
勿論男性の!

極上から下まで男のスタイルを分類しているわけだ。

人品高い"極上之息子風"に始って、古風と当世風をバランスよくあわせないと野暮だとか、やりすぎると高慢だとか、遊び人、のら者、女郎買い風俗…って決まりがありましたか?!
そんな如何にも!な。

男性が着飾ったのは何も平成の今に始る事ではない。(孔雀か…)
大変だねぇ。

ISBN:4861521106 単行本 河上 繁樹 青幻舎 2007/04 ¥1,890
逆さに読むな、逆さに!

…って感じですか。

だって、2巻をちらチラッと読んだら遡って読みたくなるってことありません?

やたら幽霊とか怨霊とか妖気に満ちた刀とかに魅入られ易い芹沢センセイである。
よほど水戸天狗党で苦労したんか?
それとも、祟られるようなこといっぱいしたんか?

付け入られるってことは隙だらけってことなんだけどねぇ。

この作者の描く芹沢鴨は、なかなかの色男風なのでまだ見易いのであった。
暑苦しいのに変わりはないが……(笑)

ISBN:4253177670 文庫 岩崎 陽子 秋田書店 2004/05 ¥690
またぞろ古い本を引っ張り出してきてしまった…最近掃除とか掃除とか掃除とか、をしているのでいろいろ思わぬもの(忘れ去っていたもの)が出てきて面白い。

これ3巻まではもっているんだけど、続きは出てないのかなぁ?

要するに新撰組のはなし。
主役は斉藤くん。
そうです。
明治維新後も生き残り、警察官とかやって、西南戦争にまで従軍した、彼です。

ユーレイから怨霊から、なんだか陰陽師の世界みたいなのまで出てくるので面白い。(晴明の漫画も描いているからな、この作者。そこから抜けきれないか?)

西洋かぶれの医者とかね…。
皆総じてマッチョなのも珍しい…女流漫画家なのに(笑)

ISBN:4253177689 文庫 岩崎 陽子 秋田書店 2004/05 ¥740
古書店でゲット〜した一冊、というか上下巻なんだけどな。
レビューには上しか出てこない……のがとっても不安。

内容は、明治の軍人・広瀬武夫がロシアに留学していた時の話…だろうと推測は付く。
彼の友達で有名人(いや、どっちかといえば広瀬さんのほうが有名かもしれんが)秋山真之はアメリカへ留学している。
この人などは、金がないので東大を中退したような才人なので、アメリカへ行ったらしい。
広瀬さんは頭のほうはさほどではなかったが、ロシア語が出来るというので留学できたと言う話だ。
否、留学する為に、とにかくロシア語だけでも!と頑張ったのだという噂もある。(ロシアは人気が低かったのだろうか…?)

まあぽつぽつ読みましょう。

あっ!ロシアの令嬢との恋愛話があるんだよね〜♪
期待しようっと♪

ISBN:4022591579 − 島田 謹二 朝日新聞社出版局 1976/01 ¥1,173
再び読み始めた。
重くて暗くて、なによりも辛くて、一旦この手をはなしたら、なかなか手を付けられなかったこの本が、一度ページを繰ったら、もう目を離せなくなった。

忘れ去ったわけではないと、そういえればいいのだけど。

虐殺。
殺戮。
野性をもろ出しに。
人間の獣性を炙りだしにして。

なんでこの土地が、チェチェンが、こんなに狙われ蹂躙されるのだろうかと不思議だったが。
石油が。
石油が摂れるんだ。

誘拐し、身代金を要求し、
人々は痛めつけられた家族を、或いは家族の死体を買い戻すことにある。
毎日毎日誰かが誘拐され殴られ殺される。
虫けらのように。

人は誰も生きてはいない。
明日を信じることが生きるということならば。

奴隷はまだいい。
生きている、少なくとも命があると思われている。

チャチェンでは、人は動物以下なのだ。
ロシアは略奪する。
虐殺する。

そして、その獣性を一度解き放たれた連合軍(ロシア軍)の兵卒は、生きて戻った故郷でも、同じことをせずにはいられない。

アメリカ兵がアジアから、そして中近東から戻っても、平和なアメリカの大地で家族や友人や隣人に暴力を振るわずにはいられないように、ロシアの若者も同じ事を繰り返さずにはいられない。

嘘だと思うのなら。
見るがいい。
考えるが良い。

著者、アンナがなぜ処刑されなければいけなかったのかを。

明日を信じることもなく。
チェチェンは毎日殺されているのか。

ISBN:4140808918 単行本 三浦 みどり NHK出版 2004/08/25 ¥2,520

大月光浴

2007年5月12日 読書
何度見ても癒される。

こんな写真も撮りたい。
いや撮りに行きたい。
…否。
見に行きたい、この目で。

でも多分、きっと、怖いだろうなぁ、
人口の明かりのないところではすっかり臆病に成っていると、自分で思うのだ。

山中。
海辺。

天空の住人である月が、地球の主人である自然に、優しい光を降り注ぐその世界に、私が割り込む隙なんて、ありそうにない。

ISBN:4096805726 大型本 石川 賢治 小学館 1996/03 ¥3,875

トラファルガー

2007年5月12日 読書
なっつかし〜♪

こんなモノが……出てきましたのことよ。

その昔。
少女漫画家でここまで大人の、男の世界を描ける人はなかなかいなかった。
しかも内容が内容だし…。

ネルソン提督。
18世紀から19世紀にかけて、英国海軍の立役者であった。
1805年10月、トラファルガー沖の戦いで絶対不利(数が格段に違った)をひっくり返し、これ以上はない勝利を英国にもたらした人である。

その以前の幾多の戦いの中、片目と片腕を失った、文字通り満身創痍の体で。

このマンガは伝奇マンガではないので、ネルソンが主役ではない。
ちょびっと出てくるだけだ。
主役は彼。
もっと若い(ネルソン、ごめん)彼。
…が、フランス人の幼馴染と祖国(英国)への義務の間で揺れ動く(ちょびっとみたいだけどね)心を描く。

そして海戦の朝…の絵が。
とってもとっても綺麗なんです〜!

妖艶な美女・ネルソンの愛人、エンマ・ハミルトンも艶っぽく登場〜「年増」なんて酷いことを言われてます。

青池さん、またこういうの、描く気はないのかな〜?
16世紀の英国とスペインの確執、アルマダ海戦(1588年)も良いけど、私はナポレオン・ネルソン時代の帆船がいいな〜。
やっぱり帆船は戦列艦でしょ!

ISBN:425309967X コミック 青池 保子 秋田書店 1986/06 ¥820

オズ (4)

2007年5月12日 読書
いよいよ最終巻。
心なしか(気のせいではない)本も分厚い。

地球と人類の最後を招くリオンの陰謀に対し、フィリシアはムトーと強力することを決意する。

尤も愛する妹の裏切りを、リオンは許さない。
自分の思い通りにならぬものはない、と思う天才、そしてわがままほーだいに育った人間の、最大の欠点である。

ネイトのアレはとっても可哀想だが…ドラマ性としてそんなものか。
所詮は端役。
主人公を引き立てる、披露宴の出席者なのさ。(引き立てるのがお仕事だ)

オチは良かった。
べっぴんさんなヴィアンカも見られたし♪



ISBN:4592134141 単行本 樹 なつみ 白泉社 1992/08 ¥900

オズ (3)

2007年5月12日 読書
クールそうでクールになりきれないのが、ムトーの(うんと年上らしい)部下のネイト。

24(人造人間の名前…というか、呼び名です)とのやり取りが漫才みたいでおもしろ〜い。
シビアな話のなかのオアシスだわ…。

しかし、これも伏線かと思うと………嗚呼。

いよいよ謎の基地に潜入した一行は、そこで意外な事実を知る。
老いさらばえ、ひたすら生にしがみついて生きているだけの、かつてのエリート達…科学者たち。

ずっと以前に彼等を訪ない、協力して研究を続けているはずの天才・リオンは何を考えているのだろうか?


ISBN:4592134133 単行本 樹 なつみ 白泉社 1991/07 ¥710

オズ (2)

2007年5月12日 読書
天才と天才の間に生まれた平凡な少女・ヴィアンカ。
彼女の八つ当たりの原因を簡単に見つけ、笑い飛ばし、そんなことなんでもないよと思わせてしまったムトー。

エプスタイン家の長女、誇り高いヴィアンカが、私はけっこー好きなのだった。

あの、砂漠での絶望的状況で、狂わずに歩き続けた根性とがんばりは、タダモノではない。
上と下に天才がいるから、自分がつまらないものに見えて仕方がないんだろうケド…こういう人は、ちょっと家庭を離れて、冷静に客観的に自分を見つめなおせる環境に身を置くべきだろうな。


ISBN:4592134125 単行本 樹 なつみ 白泉社 1990/07 ¥710

オズ (1)

2007年5月12日 読書
その後、完全版なんてのが出たのね…なんか詐欺っぽいわよ。
全巻そろえた(しかも結構お高いのに)後でこんなこと。

まあ人気が出ればサイドストーリが出ます。
その後で刊行すれば、それも含みます。

…その理屈はわかるんだが。

2シリーズも買う気にはならん。

樹なつみという漫画家との出会いは「マルチェロ・ストーリ」である。
イタリア人のファッションモデルの話。
鋭角さ(するどさ)、そして線の細さ、冷たさ、ストーリーの過激さ(?)に、とにかく驚いた。
驚いて夢中になった。

あれから、幾つもこの人の作品を見てきたが…というほど読んでないけど(ごめん)(笑)、年を経るほどに好きではない。
好まない方向に進んでいる。

この「OZ」が、夢中になった最後かもしれない。

近未来。
SF。
格差社会どころか…(笑)
テロに国家が脅かされていると思ったら、その上を行く人類殲滅の陰謀までが進んでいる。
マッドなにーちゃんを止められるのか!?
天才少女化学者は!

この作者、そういえば少女が主人公っての最近は多いような……?

ISBN:4592134117 単行本 樹 なつみ 白泉社 1990/03 ¥710
ゆりかごから墓場まで。

ならぬ。

石器からミサイルまで。

挿絵で懇切丁寧に解説。
しかしなんでこんな妖しげな本ばかりが、本棚の奥から埃を被って出てくるのだろうか。



ISBN:483730706X 単行本 北村 孝一 マール社 1982/12 ¥3,150
おーむかしの本。
「ロマンシング サ・ガ」の第一作目の。

攻略本と趣味本とを兼ねて、書き下ろしのマンガ「とびだせオブシ団」まで入っているというスグレモノ。
マンガのグレイはいかす守銭奴!
これを読んで以来、私のグレイもすっかり守銭奴に…!(笑)

少々高かった(当時は)けどね。
アップにされた地図や画像がまだまだドットが荒い。
でもおもしろかったんだよ〜。

自分でストーリーを作りなさいという、放任主義のRPG(笑)
あれから色んなハードやソフトが出てよねぇ。
(しみじみ…)



ISBN:4871881717 単行本 NTT出版 1992/10 ¥3,873

遥かなる辺境

2007年5月12日 読書
辺境は嫌だな、なんだか左遷みたいでさ……。
あ、まごうことなく、左遷か(笑)

「中国漢詩の旅」
第5巻(最終巻):遥かなる辺境

…は、西域(旅情)(戦火)、河西回廊、嶺南(流謫)(風物)

勿論、行ったことはない。
ないけど……印象としては、葡萄がおいしそう……か。

最後の巻まで監修は井上靖氏。

ISBN:4418884122 大型本 田川 純三 世界文化社 1989/05 ¥3,990

長江のうた

2007年5月12日 読書
「中国漢詩の旅」

第4巻:長江のうた

…は、三峡、湖北・湖南、安徽・江西、江蘇、浙江

三峡は、いわずと知れた三峡下りの三峡。
哀れにも勿体無くもダムの為に水の底だ。

ああ〜もう一度ぐらい、行きたかった…。

白帝城だって行ってないし。

長江といえば古今数多の詩人が詩を詠んでいる。
その中で私が一番好きなのはこれ。
黄鶴楼送孟浩然之廣陵
故人 西のかた黄鶴楼を辞し
烟華三月 揚州に下る
孤帆の遠影 碧空に尽き
惟だ見る 長江の天際に流るるを

要するに、旅立つ友人を黄鶴楼と言う塔のある場所で見送った時の寂しさというか、そんな気持ちと、雄大に流れる長江の流れを歌った詩である。
作者は、ほれ、あの有名な李白。
自然の雄大さを詠むのんだら、この人でしょう…。

特に最後の「長江の天際に流るるを」がいい。
天のきわに流れるという、雄大と言う言葉だけでは言い表せない、そんな流れが目に浮かぶような詩である。

残ねながら、黄河のほうは未見である。
西安に行った時、郊外へ遠出する途中にちらと河を見たような気もするんだけどな〜丁度体調が悪いし眠いしで…あれ、なんだったんだろう?


ISBN:4418884114 大型本 田川 純三 世界文化社 1989/04 ¥3,990 

名山の美

2007年5月12日 読書
「中国漢詩の旅」

第2巻:名山の美

…は、黄山・廬山・泰山・嵩山・崋山

険峻にして荘厳なる霊峰のかずかず…中国を代表する五山の山である。
表紙の写真は安徽省の黄山。

テレビで写真で有名である。

私が行きたいのは泰山。
その時々の皇帝が、天を拝したその山に行きたい。

あーそれにしても、綺麗な写真。

別に、中国映画「水滸伝」で泰山を梁山泊に見立ててロケをしたから、というわけではない、けっして(笑)

中国のあっちもこっちも開発が"酷い"というから、こういう昔の写真集は却って貴重かもね。

ちなみに、聞いたところでは、「初日の出!」とかいってよろこんで年末登山してご来光を拝む"癖"は日本人特有のものらしい。…というか、朝日をありがたがるのは。

中国はこうして立派な山があるわけだが、ご来光を拝みに登るということはしないという。
逆に、縁起が悪いというか嫌うらしい…山に登って朝日を浴びるなんてのは。
これって本当?
そして、今はどうなんだろ?

エジプトの古い王朝なんかだと、太陽神、アメン・ラーは拝んでいたんじゃないかなぁ?と思うのだが。

ISBN:4418884092 大型本 田川 純三 世界文化社 1989/01 ¥3,990

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