怖い絵

2008年10月27日 読書
普通に見ているとわからない。
でも、その絵が描かれた歴史的背景とか。
その絵に描かれている(気がつかないだけの)象徴物とか。
そういうものをたどってゆくと……なんて絵を描くんだよー!!

と、思うこともある。

たとえばホガースの絵。
子供が成長しづらかった17~19世紀。
(病気でよく死んだ、あのマリア・テレジアだってたくさん子供を産んだがたくさん死んだ)
子供の絵とともに時の定めを象徴する砂時計であるとか、骸骨だとか、死神の鎌だとか、そういうものがさりげなく描かれていても当たり前だった…というか、依頼者も文句をいわなかった。
それが普通だったから。

たとえばドガの踊り子。
当時の踊り子っていうのはね…とその社会的地位とか立場を聞けばあの絵をかわいいとかきれいとか、そういう眼では見られなくなる。

あの煌びやかなナポレオンの戴冠式を描いたダヴィット。
彼は日和見画家だった…とは知らなかった。
変節漢は多くの人間に嫌われている。(ツヴァイクとか)
彼が描いたのは、処刑場にひかれてゆくマリーアントワネット。
その尊厳を、最後の命の輝きを、彼は貶める。
必要以上に侮辱しようとした。


そういうものを解説するのが本書。
確かに面白いわ、これは。
続刊もぜひ買わねば。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索