柴田勝家が秀吉に勝ったとしたら?
お市の方の運命は?
三人の娘たちのいく末は?

全部変わっていたのではないのか?

そういう時代小説を書こうという中堅小説家。
彼の周りで起こる殺人事件。
だが彼には鉄壁のアリバイがある。


小説の中で、時代小説家が描く時代劇の世界が展開するという、ちょっと変わった小説である。

さすがにすべてを書くわけではなく、あらすじのみで終わる部分も多いが、それでも今までの十津川警部シリーズには珍しい筋立ての本だ。

お市の方は、兄信長の遺志を継ぎ、そして秀吉に殺された(と言われる)息子の仇を討つため、柴田勝家を通じて天下取りをさせた。
そういう女の執念も感じられてそれはそれで面白かった。

戦国時代の女が、ただ黙って動いていただけではなさそうだ、っていうのは他の歴史物語を読んでいても感じられるところではあるが、どうしても大和撫子はおとなしく従順で男のいいなり、というイメージで語られてしまう。

それなりに自己主張はしていると思うんだけどね。

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