三田村刑事は困っていた。
両親亡きあと自分と姉の二人を育ててくれた叔父と叔母が、旅行先の四国で行方不明になったというのだ。
知らせを届けたのは、いとこのあやかで、事情が事情だけに上司の許しも出て、二人は四国へ旅立ったのである。

…という出だしで始まる珍道中。
実は叔父と叔母は…という陰謀(?)から、実はあやかは…という裏事情。
そこへ身に覚えのない秘密宗教組織や殺人事件が何件も重なって…
わけがわからん、な三田村刑事である。

ひとつ片付けば、あとは糸を手繰って解決へと進むのではあるが。
スラップスティック的などたばたに近いシーンもあり、「おいおい」と苦笑するしかない話もある。

それにしても、この作者の頭の柔らかさには恐れ入る。
ラストを読んで、特にそう思う。


オウム以来、宗教団体の妖しさとか怖さはなにかにつけて取り上げられる。
特に推理物とかサスペンスものには格好の題材だ。
なぜなら、「そんな馬鹿な」と思っていた国民が、いまでは「あり得るな」と作中人物と気持ちを共有できるからだろう。
逆に宗教団体にとってはこの事態はネックだろうとはおもうが…一度芽生えた不信感をぬぐうのは難しい。

狂信者、って本当に怖い。
何においてもそれは言える。

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