いよいよ最終巻に突入です。
源氏物語を訳した人がこんな…な小説を書いているとは知らなかったよ、って、そう、私は谷崎さんの小説を初めて読んだ。
春のたびに桜の季節のたびにその小説の舞台であるところの北山杉の製材所をバスの車窓から見ていると言うのに、「古都」も知らん(笑)
関西の上中流家庭(ちょっと落ち目だけど)を描いたこの小説。
書かれたのは昭和18年ごろ…で、当たり前だが発禁処分とか、警察が家まで来て文句を垂れたとか始末書を書けと言われたとか、いろいろ問題のあった話だ。
そりゃそうだ。
だって、結構不倫とか自由恋愛とかお嬢様が家を飛び出して同棲の挙句子供を産んじゃう…とか。
そういう物語なんだから。
贅沢は敵だ、とか。
欲しがりません勝つまでは、とか。
言っている時代だ。
そりゃまずいでしょう。
だから、まともに出たのは戦後である。
三女・雪子がどうにか華族の末と婚姻が整いそうな雰囲気〜でも結婚式は東京で〜あんまり行きたくない雪子〜旅立ちの当日も下痢が止まらず〜で終わる。
おいおい。
凄い小説やな。
挙句、自由奔放に生きたこいさん(四女・妙子)はどうしようもない男との縁切りには義兄の金力を借りるしかなく、好きな男との間にできた子供は流産。
その前には赤痢にかかって死にかける…本家からは縁切りをされる。
東に向かう雪子は確かに憂鬱かもしれないが、それはマリッジ・ブルーと言えなくもない。
結婚生活が始まればなくなるかもしれない。
しかし、その豪勢な花嫁衣装を横目に、隠れるように逃げるように自分の荷物をとりに来て、小さな風呂敷にささっとまとめて男の家(アパート)に帰る妙子。
あまりの違い…
因果応報?
そう言えなくもないが…あんまりにもかわいそう。
だから、映画が今風に書き換えられ、ああいう話に落ち着いたのはわかる。
貧しいなら貧しいなり、妙子は自分で選んだ道を行くのだし、どうしようもないボンボンはとことんどうしようもなく描かれていてその分妙子の罪を救っている。否、肩代わりしている。
雪子もあそこまでひとでなしではなく(笑)感情移入されていて、その心境はわからんでもない、と言うところまで描かれていたし。
えらい文学だと思って、私に読めるやろうか?と思いつつ手に取った小説であったが、たいそう面白く、すいすいと先に進んで読めた。
良かった、よかった。
源氏物語を訳した人がこんな…な小説を書いているとは知らなかったよ、って、そう、私は谷崎さんの小説を初めて読んだ。
春のたびに桜の季節のたびにその小説の舞台であるところの北山杉の製材所をバスの車窓から見ていると言うのに、「古都」も知らん(笑)
関西の上中流家庭(ちょっと落ち目だけど)を描いたこの小説。
書かれたのは昭和18年ごろ…で、当たり前だが発禁処分とか、警察が家まで来て文句を垂れたとか始末書を書けと言われたとか、いろいろ問題のあった話だ。
そりゃそうだ。
だって、結構不倫とか自由恋愛とかお嬢様が家を飛び出して同棲の挙句子供を産んじゃう…とか。
そういう物語なんだから。
贅沢は敵だ、とか。
欲しがりません勝つまでは、とか。
言っている時代だ。
そりゃまずいでしょう。
だから、まともに出たのは戦後である。
三女・雪子がどうにか華族の末と婚姻が整いそうな雰囲気〜でも結婚式は東京で〜あんまり行きたくない雪子〜旅立ちの当日も下痢が止まらず〜で終わる。
おいおい。
凄い小説やな。
挙句、自由奔放に生きたこいさん(四女・妙子)はどうしようもない男との縁切りには義兄の金力を借りるしかなく、好きな男との間にできた子供は流産。
その前には赤痢にかかって死にかける…本家からは縁切りをされる。
東に向かう雪子は確かに憂鬱かもしれないが、それはマリッジ・ブルーと言えなくもない。
結婚生活が始まればなくなるかもしれない。
しかし、その豪勢な花嫁衣装を横目に、隠れるように逃げるように自分の荷物をとりに来て、小さな風呂敷にささっとまとめて男の家(アパート)に帰る妙子。
あまりの違い…
因果応報?
そう言えなくもないが…あんまりにもかわいそう。
だから、映画が今風に書き換えられ、ああいう話に落ち着いたのはわかる。
貧しいなら貧しいなり、妙子は自分で選んだ道を行くのだし、どうしようもないボンボンはとことんどうしようもなく描かれていてその分妙子の罪を救っている。否、肩代わりしている。
雪子もあそこまでひとでなしではなく(笑)感情移入されていて、その心境はわからんでもない、と言うところまで描かれていたし。
えらい文学だと思って、私に読めるやろうか?と思いつつ手に取った小説であったが、たいそう面白く、すいすいと先に進んで読めた。
良かった、よかった。
コメント