友人からのレンタル本。
珍しい日本の、警視庁の、刑事の話。普通の推理小説とは違う。
社会派小説とでもいうのか?

日本の警察の腐敗と政治の腐敗と地方で陰然と力をふるう旧家の結びつきとか。
要は、どこにも流れ出ることのない沼が、その沼底に集積したいろんなものが腐敗してガスになって水面に出てきて毒素をまき散らしているような…救われない話である。

シビアだなぁ。
でも、面白いのは、主人公の刑事の言葉遣いが妙に丁寧で「です」「ます」調であること。
原理原則の男として警視庁の伝説になりつつあること。
アメリカに研修に行っていた途中で大事件(大問題?)を起こして急遽呼び返され、八王子の田舎の警察に左遷されたこと。

そう。
この話にはたくさんのシリーズがあって、この本はその何作目かに当たる。
だから過去に何かがあった。
たくさんあったということ。
とはいえ。
これはこれだけで十分読める。

この人は多少なりともアメリカナイズされているのか、作者の趣味なのか、筋力トレーンビングも欠かさないけど、カロリーとかんもうるさい。
口に入れるものにうるさい。

ラムネは害しかない砂糖水。
朝から肉や炭水化物の塊は云々…と摂取物に細かい。

神経質なのかな?

今まで読んで来た推理物とはずいぶん違って最初はとっつきにくかったが、徐々に読むスピードが上がった。
田舎の警察の腐敗度合とか(笑)政治との癒着とか、田舎における力関係(〇〇すると睨まれる、住めなくなる、といったような)など、どーしよーもない日本の現状(?)を一刀両断するでもなく、ほったらかすでもなく、「刑事の役目」に徹して突き進むのが面白い。
事件が解決したからといって、誰が救われるわけではなくても、だ。

ただ、え〜相棒やなぁ。
とそれだけは思った。

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