鬼哭啾々 〜ラミジ艦長物語13〜
ダドリ・ポープ 著
田中 清太郎 訳

新任ジャマイカ鎮守府司令長官 青色旗艦隊 中級提督(バイスアドミラル)ウイリアム・フォックス=フット提督は、ラミジに命令する。

私掠船の撃滅を。

デービス提督のもとでさんざん商船団及びスペインの財宝を奪取し提督を金持ちにした蘭辞意に対し、フォックス=フット提督はあまり良い感情を持っていない様子である。

行き先は旧オランダ、現バタビア共和国領のキュラソー島である。
本国は無理やりフランスに支配されて、植民地は英国に分捕られて…というかわいそうな状況の国である。
ヨ−ロッパではままあることだが。

キュラソー…といえば、思い浮かぶのはお酒かな?(笑)

かつての部下、今は将校艦長としてスクーナーの指揮を執るレーシーを指揮下に置いて、ラミジは出発するが、キュラソー島では思いがけない騒動が起こっていた。

そしてキュラソー島へ向かう途中のラミジ一行は、スペイン名の私掠船によって虐殺された英国商船の乗員・乗客24名の遺体を見つける。
そのあまりの残虐さに復讐を誓うカリプソ号一同である。

戦争は仕方がない。
わかっていて、そのただなかにあるのだから。
だけど私掠船は国家公認の海賊。
身代金目当てでなければ乗客はボートで放り出すのが普通。
少なくとも商船の女性客を暴行の上喉を切り裂いて虐殺するというような真似はしない。
ゆえに、カリプソの乗組員は心に誓ったのだった。

キュラソー島での事件は長く、この巻はその前篇である。

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