密命の結末ー 〜ラミジ艦長物語12〜
ダドリ・ポープ 著
小牧 大介 訳

そもそも。
ラミジが西インドくんだりまでやってきたのは、海軍大臣セント・ヴィンセント卿の秘密の命令書を運にためである。
海軍大臣は指定はしなかったが、その任務を」蘭辞意にやらせたかった節がある。
しかし西インドのデービス提督は、派手なパフォーマンスが期待できる作戦を、自分の子飼いの艦長にやらせることにした。

そのかわり、子飼いの艦長が失敗した任務をラミジに与えたのだが、ラミジは想像以上の戦果をあげてしまった…というのが前作までの話である。

で、その派手な作戦…また失敗してやんの(笑)
で、あたまたラミジにそのお鉢が回ってきたわけだ。
ラミジも失敗すれば、最初に失敗した艦長の失敗もうやむやにできるだろう、というわけで。
ラミジが失敗すればね(笑)

前巻で4席士官のレーシーが捕獲船(スクーナー)の将校艦長となって転出(エイトキン、ワグスタッフ、ベーカーは在留を希望)したので、新任の4席将校、赤毛のピーター・ケントンが着任する。

前任者が失敗したため、敵(今度はスペイン)は一層警戒心を強めている。
厄介な作戦である。

ラミジは前回捕獲したフランスのフリゲート艦をカリプソ号と改名してこれを指揮することになった。
もちろん士官や乗組員はそのままよこすべり〜粗漏はない(笑)

最近までフランス艦だったカリプソ号をもってラミジはまたまた計略を…

目的は、約2年前に反乱をおこしそのままスペイン領に持ち込まれたジョカスタ号をスペイン人の目の前からかっさらうこと。

要塞の砲台あり。
今はスペインの艦となったジョカスタ号の砲もある。
湾に入ればカリプソ号は袋のネズミ…
ラミジはどうやってジョカスタ号を外界へ引っ張り出すのか?

策略に次ぐ策略。
だましあい。
…が続く西インド編。

ジョカスタ号の事件についてはフィクションだが、史実をもとに設定されている。
狂気に駆られた艦長は、まれにだが、こういう目にあう。
ここまでひどくはないが、有名なのは「パンの実・ブライ」である。
ブライ艦長は反乱者たちによって(反乱者の中には福長のフレッチャー・クリスチャンもいる)太平洋上でボートで放り出されたが、見事な航海術で生還、反乱者たちを掃討するため艦を駆った。

ジョカスタ号の反乱の見本…らしいのはピゴット艦長のハーマイアニ号である。
この事件でも全士官殺害という凄惨な状況をもたらしたのである。

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