タイトロープ 〜ラミジ艦長物語10〜
ダドリ・ポープ 著
山形 欣哉・田中 航 訳

1801年
ラミジ、正規艦長に昇進。
フリゲート艦 ジュノー号

12年前、士官候補生としてベンボウ号に乗り込んだのが、彼の海軍人生の始まりであるとの記載がある。

前巻でフランスに潜入し、ナポレオンの英本土上陸作戦が近々行われるかどうかを確認しに行ったラミジである。
到底海軍士官のお仕事とは思えぬが、緊急の場合には仕方がない。
フランス語もイタリア語もしゃべれる、機転の利く若者は"使いやすい"のだ。
失敗すれば、仕事をなくすだけではなく、未亡人(ギロチン)行きだけどね。

そのご褒美で、ラミジは念願のフリゲート艦をもらった。
ジュノーという名前はともかくとして(ゼウスの怖い嫁さんだし…)艦隊の目、ともいわれる快速のフリゲート艦を駆使してはるか西インドまでお出かけである。

ちゃっかり、手持ちのコマ(サウスウィック・ジャクソン・スタフォード・ロッシ)も入手済み(笑)

そしてこの巻から、ラミジの片腕ともなる、一席将校ジェームズ・エイトキンが登場する。
スコットランドの出身で、いわゆるええとこのボンではない。
海軍大臣セント・ビンセント卿は、面倒を見ると約束した航海長の息子を推薦し、ラミジはそれを了承したのだが、ほんまに運の強い主人公である。
あんだけ優秀な一席将校(つまり副長である)はなかなか手に入るものではない。
ちょっと頑固だけど…。

ワグスタッフ、ベーカー、そしてレーシーのいずれも若い士官を加え、ラミジは英国を後にした。
海兵隊将校のレニックもできる男(笑)
え〜な〜あたりばっかりで。

そして、なによりもボルテラ女侯爵ジアナのいとこであり、彼女が跡継ぎに恵まれないときはその後継者となるパオロ・オルシニを士官候補生として受け入れて。

なんか、ますます「ラミジ一家」になってきたな…(笑)

かくして乗組員定数215人のフリゲート艦ジュノー号は熱帯目指して突き進むのである。

ヘンリー・デービス提督がマルティニク島(フランス領)攻略の失敗のつけを払わそうとしているとも知らずに…

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索