裏切の証明 〜ラミジ艦長物語8〜
ダドリ・ポープ 著
出光 宏 訳

郵便船レディ・アラベラ号の船客として
(とうとう乗艦を失ったラミジ〜である。可哀そうに)(笑)

1798年?
…というのは、一人の登場人物が「一年間も私をほったらかしにして」とラミジをなじるからである。
スピッドヘッドの反乱(1797年)に船出したときから数えているならば、当然そうなるが…。

海軍で不規則な生活だし、戦時中だし、読者の勝手な言い分かもしれないが、正月とかクリスマスとか、季節感か年越し感のある行事も入れといてくれればいいのに…。

郵便船が船長も部下の水夫もほとんどが、船をあげての詐欺行為に走っている…という結論に達したラミジである。

だが、その裏切りを証明するためには、証拠と、そしてなにより彼(と部下)自身が無事で、速やかに英国に帰還しなくてはならない。
現在、フランスの私掠船の捕虜になっているラミジはそう考えるのである。

おまけにこんな話、誰が信じてくれるだろうか?
あまりにも突飛過ぎるし、祖国を金で売るような真似を、組織(=団体)で行っているなんて…信じたくはないだろうが。
そう、が、である。

今だって、あり得る。
国の同朋の利益より、自分だけの利益。
人が落ち込む(貧しくなる)分、自分が浮上する(金持ちになる)と固く信じる輩。
富は一定量だろうか?
本当に?

ところで、往路では確かラミジの癖のように書かれていたものが、この復路ではシドニー・ヨークの癖であると書かれている。
……
別に大勢に影響はないけれど、落ち着いて、続けて読むとわかるねぇ。

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