ハリケ−ン 〜ラミジ艦長物語5〜
ダドリ・ポープ 著
小牧大介 訳

1797年
カリブ海 バルバドス島からジャマイカ島への航海

ブリッグ艦 トライトン号

裕福な船主&船長である、シドニー・ヨークとの出会い

バルバドス島から、船団を護衛して、ジャマイカまで向かう旅。
季節的にハリケーン(題名!)に襲われる可能性と、場所的にフランスの私掠船(許可状を持った国家認定海賊のようなもの)に襲われる可能性高し。

ラミジの仇敵、提督ゴダード(ラミジの父親を破滅させた政府と強い結びつきを持つ)と、その子分であるクロウチャー旗艦艦長の配下として難しい船団護衛をしなくてはならない、若いラミジの苦労である。

苦悩はない(笑)というところは、さすがである。
若いって言うのは強いってことでもあるのだ。

船団は…商船は軍の言うことは聞かない(笑)
無理して航行しないので、予定よりうんと遅れる。
だから、海軍の護衛艦が、羊を追いたてる牧羊犬のように後ろから突っつくようにして追い立てなくてはならない。
それもしょっちゅう…。

風が頼りの帆船であるから、あっちへ行ったりこっちへ行ったりはとても大変なのにね。

で、ブリッグ艦という小型艦を指揮するラミジは実際そうした。
バウスブリッドで前方の商戦を串刺しにする勢いだった。
セント・ヴィンセント沖海戦でスペイン戦列艦の前にカッター艦カスリン号をぶつけて足止めした男である。
それぐらいはするだろう…って、その前評判を船団に広めておけば仕事がやりやすかったかも。

私掠船の計略に(ゴダードが)ひっかりそうになるわ。
案の定ハリケーンにぶつかって散り散りバラバラになるわ。

沈みそうになったトライトン号で、ヨークのトパーズ号を守って辿りついたのがスネーク島である。
…というところまでがこの一冊の流れ。

船団護衛の多忙な任務の中、地中海でお流れになった軍法会議の続きめいたことを狙ってくるゴダード提督とクロウチャー艦長。
その危機をなんとかかんとかクリアしようとするラミジ。
その辺の兼ね合いが見もの。
だが、丁々発止とやりあうのは、若い船主&船長のヨークである。
ラミジに性格が似ている…ので、よい友達になれそうだ、という予感を読者に与えるのだ。

ええとこのボンであるが。
(一方のラミジは伯爵の跡継ぎで子爵だもんな、つり合いはとれる)

そしてそして、この男(ラミジ)は…!
船客の美しいフランス女性・マクシーヌに心を奪われる……こらこら。
ジアナは?
でもってクレールは?

21歳。
青春真っ盛りってか?

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