トライアル&エラー 
アントニィ・バークリー 著
鮎川 信夫 訳
創元社

「毒入りチョコレート事件」が面白かったと言ったら、ボースンさまがご親切に貸してくださった。
30年以上も前に刊行された貴重本である。

動脈瘤のために余命数か月、と医者に告知されたローレンス・トッドハンター氏は「どうせ死ぬなら」ととんでもないことを考えた。
この世に有害な人間を殺してからこの世におさらばしよう、と。

ヒトラー。
ムッソリーニ。
自国(英国)の政治家、などなどを検討し慎重に熟考の結果、男を次々破滅に追いやるだけではなく、その家族をも惨めな状況においやる女優を殺すことに決定。
ところが、"つかまろう"とするトッドハンター氏の思惑とは全く逆に、別の犯人は捕まるわ、自首して出たら頭がおかしいと相手にしてもらえないわ…

なんとか有罪(そして死刑)を勝ち取ろうと弁護士やらなんやら大金を投じて働きかける彼の結末はいかに?

意志とは違う方向へとどんどん進むストーリーが…なんとも。
いい味です。

チョコレート事件で謙虚ながら鋭い推理を見せたチタウィック氏の活躍は望めるか?(笑)

「なにがなんでも死刑になってやる!」
なんだそうです。

落ちもすごい…(笑)

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