毒入りチョコレート事件
アントニィ・バークリー 著
高橋 泰邦 訳
創元推理文庫
560円(抜)

最後の最後、落ちが素晴らしく面白かったです。
ええ!
そうなんですか!?
と観客になって声をあげそうでした。

推理が大好きな推理クラブのメンバーは推理小説家に暇を持て余した紳士にレディに弁護士に…まあなんと言うか、有閑人たち。

そんな彼らはひそかに(でもないか)自負を持っている。
自分たちこそは、自分こそは、スコットランドヤードよりもうまく捜査できるのだ、と。

おりしも、チョコレートに仕組まれた毒が原因で、死亡者が出るという事件が起こる。
警察はすっかりお手上げで、とうとうこのクラブに話を持ちかけることとなった(そんなアホな、といってはいけない)

メンバーが一人一晩、自らの推理を発表し、真犯人を突き止めようという試みである。

クラブのメンバーが犯人の一人だと言い出す夫人が現れれば、自分の娘が事件に絡んでいると知って狼狽する父親。
可能性を考えるに、行きつく真犯人は自分しかいない、と言い出す推理小説家あり。
…さて。
こんなお遊びのような推理ゲームで本当に犯人が分かるのだろうか?

…真実を突いてしまう(そのように思えるラスト)ところが怖い。
この推理、警察はなんととらえるんだろうか?

実行派の犯罪学の玄人。
すなわちそれが真犯人ってことです。

この著者がフランシス・アイルズ名義で書いたという「レディに捧げる殺人物語」は名香智子の漫画で読んだけど、「うぇ〜」という内容だった。
だけど、こちらの本にはその気配はまったく無し。

かなり古い小説(第二次大戦前)だけど、楽しめた。
警察も探偵役も、まぁ、呑気だけどね。

…でもって、訳者にびっくりしたりして(笑)

コメント

ボースン
ボースン
2008年4月23日20:03

おっとぉ、コレも大好きなんですよ!
チタウィックさんかわいー!!
訳者には、気づいていなかったけど…今まで(笑)

翠雲
翠雲
2008年4月24日10:08

おどおどと遠慮しながら推理を披露し、真実に行きつこうとするところなんかいいですね。
まぁ、ラストに持ってくるには何かの意味があると考えるのが普通ですが、彼はまったくそういう気配を感じせませんでした。これは「わたし」ことロジャーの手柄でしょうか?(笑)

ボースン
ボースン
2008年4月24日23:18

ロジャーはバークリーの持ちキャラ(笑)ですが、探偵だけどおっちょこちょいだったり傍若無人だったり割とヘンな人。対照的にいつもモジモジしてるチタウィックさんも、あと二作くらいは出演作があります。「トライアル&エラー」と「ピカデリーの殺人」、実家にあるので今度送りましょうか?…かなり古いけど。

翠雲
翠雲
2008年4月25日0:47

わ〜ありがとうございます♪
ぜひとも読ませてください!
「トライアル&エラー」と「ピカデリーの殺人」
そうか、まだまだ活躍の場があるんですね。

ボースン
ボースン
2008年4月25日7:49

連休に実家泊まりに行く予定なのでその時とってきますね〜。
お楽しみに♪

翠雲
翠雲
2008年4月27日11:55

サンクス♪です。

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索