去年の夏に出ていた本。
だからどうして新刊パトロールに引っかかってこないんだろう?
よく売れている作家さんの本は煩いぐらいに上がってくるくせに…!

幽霊探偵第三弾。

伯母さんの経営する田舎の本屋に子連れで戻った主人公・ペネロピーは、今日も元気に幽霊探偵・ジャックと会話する。
ジャックは…ちょいと昔にこの本屋で暗殺されたハードボイルド(?)な私立探偵。
本屋にいついて幾星霜。
自分の声を聞き取れる人物(しかも女性!)に出会えたわけだ。

田舎の本屋の癖に、やたらと起こる事件。
しかも殺人事件ときた。

本屋の経営に粉骨砕身しながら次々降りかかる事件を彼女とはそりが合わないマーシュ警部補の嫌がらせをかわしつつ幽霊探偵の力を借りて解決する。
次第に力強い母、に変化してゆくペネローペ…。
しかし彼女がいくらジャックと親しくなっても、普通の小説のようにはいかない。
なにせ彼は幽霊だから。

マーシュ警部補ですが…誤認逮捕、名誉毀損…一杯訴える材料は有ると思うんだけどな?
駄目なんだろうか?
あれほど個人主義で訴訟の多いアメリカだけど、名誉毀損やプライバシー侵害といった精神的な苦痛を理由に訴えてもなかなか勝訴できないんだそうだ。
そうなのか、ふう〜ん?
意外だね。
ただひとつ。
"病気"に買うする履歴はべつ。
これだけは訴えれば必ず勝訴するという。

病気の履歴は、日本が今、近い将来に取り入れようとしている個人カード(住基ネットをもとに作成)に入れる、と政府が公言している情報なんだけど、これはアメリカでは訴えられたら完璧に訴訟に負ける!(=訴えたら完勝!)そういう情報なんだって。

確かにこんなものは個人情報カーとなんぞにのっけてほしくないわなぁ。
プライバシー侵害もいいとこ。
心臓病の人とか糖尿病のひととかは、それを示すものを今でも所持しているはずなので、わざわざカードなんぞに情報を入れなくても、それでいいんじゃないのかな。
だいたい、カードの読み取りができない場所で事故が起こったらどうするんだ?そんなところは全国津々浦々失くす、とでも?
そしゃ不可能でしょう。

おっとと。
閑話休題。
ペネローペが巻き込まれるのは、ポーの、そう、あのポーの作品集にまつわる宝物。
彼の作品を趣味でまとめた編集者が残した暗号がポーの宝のありかを暗示しているという…題して"ポー・コード"(笑)
ダヴィンチ・コード華やかなりし時期の小説だということがよくわかる。
それをすかさず自分の小説に利用する辺り、この作者もたいしたもんだ。

そのポー・コードの謎を追って、人が殺されてゆく。一人、二人……。
殺人の冤罪を着せられたペネローペは、ジャックとともに捜査に乗り出すが、見事犯人となにより宝を見つけることが出来るのか?

…で、なんで呪い?
人が死ぬから?
それとも……ポーだから?(笑)


ISBN:4270101148 文庫アリス・キンバリー著 新井ひろみ訳 ランダムハウス講談社 2007/08/02 ¥861

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