人間の思い込みとはげに恐ろしいものである。

自分に惚れているだろう?
……がストーカーになったり。

女性は慎ましやかでないと駄目だ、男性関係の派手な女には天誅が必要だ。
……で連続婦女殺人犯になったり。

精神が病んでいる。
けれど多い、こういう人。

なにか、感情の行き先を間違っているような気がする。
自分で処理できないのか。
処理する術を知らないのか。

身体は大人でも中身は未熟な子供。
ああ、子供が怒る。きっと怒るな、こんなことを言うと。

世の中をただすのは、思いやり。
他人に対する思いやりだ。

自分勝手な正義ではない。

滋賀県の米原市で5月3日に行なわれる、筑摩神社の鍋冠祭…7〜8歳の少女が頭に鍋をかぶって行列する。
その昔、男性遍歴の数を鍋の数で表わした。
それがちょっと恥ずかしくて少なめに鍋を被った女性がいた。
行列の途中で鍋が割れちゃって(ウソをついたので神罰が下ったようだ)それが恥ずかしくて、とうとう琵琶湖に身を投げて死んだという。それ以来7〜8歳の少女にその役目をさせるようになったのだと言う。
婦徳(主に封建時代、女性の守るべきとされた道徳)を強調する為のお祭らしいが、本来は食べ物の神さまで"食"を祀るものだったらしい。

奇祭、というのはそれを指しているのだが、男性遍歴が多い所謂"派手な女性"とはいえ、そんな勝手な思い込みで殺されたんでは溜まったものではない。
この物語ではそれ相応のとんでもないことをしていた女性達ではあったようだが…それでも一個人が裁くようなことではないだろう。
ましてや天誅みたいに言われてもね…。(なにさまのつもりですか)

米原市のその奇祭、私もまったく知らなかったが、地元でもあんまり宣伝していないそうだ。
勿体無い…!
京都市だったら何でも利用するのに!(笑)


ISBN:4163267700 新書 西村 京太郎 文藝春秋 2008/02 ¥860

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