元警視庁刑事橋本くんは十津川警部の部下だった。
とある事件に関わって、今は私立探偵を営んでいる。

彼は運が悪い。
しょっちゅう(?)罠にはまって犯人に仕立てられている。
昔の上司、十津川警部や元同僚たちの活躍でなんとか無罪放免になって入るものの…

今回は秋田から日本海側を走る五能線での殺人事件。
そこでもまた、しっかりとわなにはまり殺人犯人として収監されてしまう橋本くんであった。

十津川警部…いつまでも世話の焼ける部下をもつと大変である。
小説ではこんな頼りになる上司が助けてくれるからいいものの、実際に冤罪となってそれを晴らすのはとっても難しい。
裁判で無実になったからなんでも冤罪というなかれ、なんてその筋の要職にあるおかたが発言するような日本である。
訴訟社会のアメリカで、こんなことを言ったりしたらどうなるだろうか。

さて。
橋本くんにも朗報がある。
彼の無実を信じて動いてくれる、探偵仲間の女性・純子の存在である。
新しい恋の芽生えか?(笑)
作者もあまり彼を苛めてばかりいないで、たまには彼女とか作ってあげればいいのにね。

五能線の沿線の不老ふ死温泉、というのが有名らしい。
嘗ての秘湯。
嘗て、だから、いまは違う。
有名になりすぎてでっかい施設ができているらしい。
ほかの名所・千畳敷もそうだとのこと。
日本の観光地の開発は無茶苦茶だから、多分ここも宋なんだろうなぁ。
昔たずねたと津川警部が「もう秘湯じゃないね」と苦笑するのもよくわかる。

千畳敷といえば、和歌山の白浜にもある。
三段壁と千畳敷。
特に前者は自殺の名所。
死ぬ気じゃなくても、風に吹かれて足を滑らせそうになるのが怖いところであある。
そう、まるで冬場の東尋坊のような……

ISBN:4101285217 文庫 西村 京太郎 新潮社 2008/01 ¥460

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索