たま〜に、衝動買いが大当たりすることが在る。
これもその一つで、本屋さんの棚に何気なく一冊ぽつんと置かれていたのが目に付いた。
ぱらぱらと読んで、値段を見て、「まあいいか…」と買ったのだが。

面白い。

下(↓)の紹介の通り、著者はアメリカ人で日本に留学経験があり、アメリカと日本を行ったり来たりした結果、30数年後の今は日本の大学で先生をしている。
センセイと呼ばれるのは、赤提灯で飲み辛いので嫌だと仰る。
(京都で"センセイ"というとまた意味が違うと言うことを教えてあげたい)(笑)

つまり。
訳本じゃないのよ、これ。
自分で日本語で書かれているので、微妙なところがびしばし伝わってくるのが楽しい。
そして、日米の文化を比較する、という研究家らしく、些細なこと、身近なこと、を比較しつつ笑いつつ(ここが重要)それでいて問題提議をしているのがこの本のいいところだと思った。

比較研究…とはいえ、内容は笑えるエッセイが基本。
例えば、居酒屋が大好きな著者。
とある居酒屋の紹介記事に「オヤジ率が低いので、利用しやすい」なんて書いてあると、もう悩む。(この言い方は確かに失礼だと思う。あんたらかていずれはオジン・オバンやで〜と言いたくなるのは、私ももういい年だからだろうか。)
そして「自分は外国人だから別枠だ」とかあらぬ方向へ思考を到らした果てに、「なんでオヤジ率があってオバン率がないのか?」と憤慨する。(いや、あのね……)

変な外人、という呼称についての考察もあるにはあるが…こういうのを聞くと、我々としてはやはり「変な外人」と言うしかないのだが…どうなんだろう?
やはり怒られるのかな?(笑)

御年52歳…故に、言葉には煩い?
いえいえ年のせいではない。
文化を愛すればこそ、言葉の滅亡が気にかかるのは先生だろうとそこらのおじさんだろうと変わらぬ。

「えー加減にせえよ!」
と著者は言い。
言っているのだが、それがなんだか知らぬが厭味ではない。
そして妙な代案を示しつつ、日本だけではなくアメリカの言葉の変化・滅亡を語る。

滞日外国人(の一部であっても)が、こんな風に日本を、私たちを観て、こういう風に感じているのかなぁ?と知るのも面白い経験だ。
それを自分のために役立てない手はないと思うのだが。

ISBN:4121502604 単行本 マイク・モラスキー 中央公論新社 2007/11 ¥798

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