死体を見れば見えてくる。
自殺・事故、そして殺人……

だけではなく。
死体を見れば、生きているときのこともみえてくる。

自殺か他殺か。

そして生死に耐えないほど醜く変化する自殺死体。
ガスで膨らみ、糞尿を垂れ流し、獣に食いちぎられ、ばらばらになる。
タダでさえ苦しんで死ぬしかない。
美しい、楽な死なんてない。

滅多刺し、ばらばらの死体。
苛められっ子は、相手が瀕死の状態でも、"いつ反撃されるか"が怖い。
だから執拗に、たとえ相手が死んでいても攻撃を繰り返す。

死体は語る。
生きることがいかに、得がたいものか。

死ぬことがなんと醜く辛く苦しいものか。

生きるために監察医の著者が何度も社会に訴える。
これがこの著者の著作活動の動機であると。



ISBN:4569668666 文庫 上野 正彦 PHP研究所 2007/04/03 ¥540

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