養老訓

2007年12月30日 読書
大流行した某書は結局読まず終いだった私なのに、なんの因果かこういう本を衝動買いしてしまった。

最近は、「いかに年をとるか」「(ラストスパートを)いかに生きるか」「(正真正銘の最期の最期を)いかに死ぬか」という本が流行っているようだ。

すべては考え方次第である。
本を読んでたどり着く結末は、結局そういうことだと思うが。

今渦中の社会保険庁と年金の話とか。
定年離婚の危機にさらされ続ける夫婦間の問題とか。

昔はなかったことがどんどん表に出てきているのは何故か。
いや。
昔もあったのか。
でもそれはきちんと各人で処理できていたことだったのかもしれない。

感化的に生きていたから。
すべてを、口にし明文化し説明しなくても大丈夫だった。
分かり合えていた。
それができなくなったから。

PL法のあたりじゃないかな?(と私は思う)
何もかも書かないと、書いていないことを突っ込まれて責任を問われるってのが社会にはびこり始めたのは。
以前は「そんなこと常識だし」「お互い様だし」と分かり合えていたものが、判らない。
無茶苦茶になってきた。
だから憲法の問題とか、自衛隊とかPKOとか教科書とか中国とかアジアとか、いろいろ出てくるようだ。

概念的になってきた。
概念どころか…!
一挙手一投足。
すべて書かなきゃ追いかけなきゃその通りじゃなきゃ許さない。
許されない。

なんでかなぁ。
ある程度のことを見れば、知れば、判ることだと思うんだけど。

感覚的、そして抽象的な思考ができないのかなぁ。
それ以前に、基本がないから応用力も育たないのか。
そうなのか。

貧しい社会である。

それにしても。
この人の本は初読だけど……結構べらんめい口調のじーさんだなぁと驚きつつ笑った笑った。

ISBN:4104160032 単行本 養老 孟司 新潮社 2007/11 ¥1,260

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