十津川夫人直子さんは最近ブログを始めたそうだ。

最初、HPもやっていたが、刑事の妻としたところが風当たりが強くなり嫌気が差してやめてしまった。
で、そのブログにコメントを寄せてくれる人物が妙に過去の犯罪に詳しい、というか迷宮入りになったその16年前の事件の捜査に疑いをもっている。

コメントを通じて直子夫人と交し合う推理。
それが蘇るかのように起こった新しい事件と奇妙にシンクロしている。
コメントの主は何を知っているのか?
何者なのか?
その意図するものは?

でもって、コメントだと不特定多数の人の目に触れるのでフリーメールで会話したほうが良いんじゃないかと老婆心(笑)がむくむくと…。

しかし、著者の進取の心意気には感心させられる。

クリスティの「オリエント急行殺人事件」を思い出させるような推理も途中登場するのだが、北陸本線を走っていた、特急・雷鳥に"お座敷列車"があったなんて!とそっちのほうが気になったりして…(笑)
御酒は飲めないにしても、足が伸ばせるお座敷っていいよね〜。
おこたがあったらもっと言うことなし。
京都の亀岡から嵐山まで下る"保津川下り"では冬場にはおこたを乗せた船が出るという(乗ったことはない)
雪でも降ればさぞかし情緒があるだろう。
トイレがないのが唯一の欠点ではあるが。

大阪発京都経由、金沢とか和倉とか富山とか…ああ、蟹が、あまエビが…とそんなものが脳裏を掠めるのであった。
夏の最中でも魚が美味しい!

すばらしいところだ。

ISBN:4087462404 文庫 西村 京太郎 集英社 2007/12/14 ¥530

コメント

ボースン
ボースン
2007年12月17日9:16

ぶ…ブログを!いやー、なんかびっくりしました。ン十年もおなじようなタイトル(地名or車両名or路線名入り)で新作が出続けている京太郎作品でもそのようなIT要素が入ったんですか!(笑)
まあ作家としては当然のことでしょうから、驚くこちらがイケナイんですけどね。(私は二冊くらいしか読んだことないのでこのかた)

翠雲
翠雲
2007年12月17日14:38

いや。失礼なんだけど…吃驚しますよ、それはもう。
だって西村京太郎氏の作品は、○十年もまえから読んでいるわけだし。
ITかぁ…としみじみしましたよ。

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