ノーベル文学賞を受賞したトルコの作家。
「わたしの名は紅」の作者。

でも、多分、日本ではそんなに著名な人ではない…と思う。わたしの独断だけどね。

イスタンブールの裕福な家庭に育ち、空想好きな少年時代を過ごす。
零落しつつある(した?)イスタンブールの街、その歴史や過去の彩を心に思い、想像していた少年。

彼の目に映る街の姿は、黒と白。
鯨幕ではなく…そういう色彩にしか映らなかったほど、イスタンブールの衰えは顕著だったのだろうと思う。
だからこそ、白と黒の世界に憧れる、そんなニュアンスも感じるが。

た・だ・し。
白黒、所謂モノクロというのは、それ独特の美しさをもっているものである。
決してバカには出来ないのだ。
実際、カラー写真で取った最近の家族写真よりも、(身内なのに)モノクロ写真で撮った年代的に遠い親戚(ご先祖様)のほうが(自分の身内だというのに)遥かに美男・美女に見えるものである。
如何?

「わたしの名は紅」では独特の語り口調にいささか苦労もしたけれど、その独自性を楽しみつつ、ほとんど1ページに1枚の割合で掲載されている沢山の白黒写真・ふるいイスタンブールの写真を楽しみつつ読むと、意外に読み易いことに気がついて、驚いている。

これもまた、友人からのレンタル本である。

ISBN:4894345781 単行本 オルハン・パムク 著  和久井 路子 訳 藤原書店 2007/07 ¥3,780

コメント

nophoto
睡蓮
2007年12月6日18:17

私がイスタンブールの写真で記憶にある古いものが、雪を被ったガラタ橋たもと、なんですよ。
実際行ったのは9月で、ずいぶんとギャップがありましたが・・・
でも9月のイスタンブールって、朝夕はすでに斜光で、写真を撮るにはとても綺麗だった記憶があります。

翠雲
翠雲
2007年12月6日18:44

イメージは白黒。
そういう都市なのかもしれませんねぇ。
いつかいけるかな?

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