一人きりの法廷 (光文社文庫)
2007年11月23日 読書
例によって例の如く。
きっかけは些細なこと。
問題もさほど無さそうに見えた。
けれど…知れば知るほど複雑な、事情が見えてくる、否、存在は感じられてもなかなか"見えてこない"のが問題。
名家にまつわる疑惑の自殺。
殺人?では誰が犯人か?
身内?
ファルコが挑む、勿論報酬の為に。
愛するヘレナのために、愛する娘達の為に。
…と言うわけで、いつものことではあるが、ローマの法律の本当に細かいところまで勉強させてくれるすごい推理小説である。
家庭の、貴族と庶民では違うし奴隷がどういう扱いを受けていたのかも、さり気に流して書いているけれど、そのひとことの裏にひめられた考察とか研究とかは半端ではないでしょう。
汚職で訴えられて、裁判で有罪になって、家財没収(国庫に入る)となっても、罪人である本人が家長で、自殺をすれば、没収は出来ないのだそうだ。
だから、家を守るため、家族の生活(贅沢)を守るため、自殺をすることが奨励…はされていなくても、法的に認められているという。
犯罪を捜査するに当たり、拷問、という手段もあったが、奴隷に対してはぜんぜんかまわない、合法的なことだったという。
へーほーと、感心することばかりだが、ひょうひょうと生きてきたファルコが妻と娘達の為に(愛犬ヌックスの為に?)しっかり押えるところは押さえ、やられっぱなしではなく皇帝の息子すら利用して、手に入れるもの(勿論お金)は手に入れる、その手腕に喝采する。
聖なる鵞鳥の管理職を失ったのは痛手だったよね…特にオムレツが食べられなくなったのが。
ヘレナの実家は元老院議員だが、やはり例の事件が尾を引いてそう羽振りもよろしくないようだ。
身分がどうのこうのと言っても、ローマではやはりお金持ちが元老院にもなれるし(地位向上のためにはいくら以上の財産があると証明されなければいけないのだ)要職にも就ける。
逆に言うと、元貴族でもお金がなくなればどこまでも落ちぶれてゆけるのだ。
…今の地位にぬくぬくとはしていられない厳しい世界である。
そりゃ汚職も賄賂も存在するだろうな。
どちらも現在並には。
二人の息子はファルコの元で密偵修行中だが、結構使えるようになってきた。
そして、協力的な義父に乾杯!
ISBN:4334761836 文庫 矢沢 聖子 光文社 2007/11/08 ¥760
きっかけは些細なこと。
問題もさほど無さそうに見えた。
けれど…知れば知るほど複雑な、事情が見えてくる、否、存在は感じられてもなかなか"見えてこない"のが問題。
名家にまつわる疑惑の自殺。
殺人?では誰が犯人か?
身内?
ファルコが挑む、勿論報酬の為に。
愛するヘレナのために、愛する娘達の為に。
…と言うわけで、いつものことではあるが、ローマの法律の本当に細かいところまで勉強させてくれるすごい推理小説である。
家庭の、貴族と庶民では違うし奴隷がどういう扱いを受けていたのかも、さり気に流して書いているけれど、そのひとことの裏にひめられた考察とか研究とかは半端ではないでしょう。
汚職で訴えられて、裁判で有罪になって、家財没収(国庫に入る)となっても、罪人である本人が家長で、自殺をすれば、没収は出来ないのだそうだ。
だから、家を守るため、家族の生活(贅沢)を守るため、自殺をすることが奨励…はされていなくても、法的に認められているという。
犯罪を捜査するに当たり、拷問、という手段もあったが、奴隷に対してはぜんぜんかまわない、合法的なことだったという。
へーほーと、感心することばかりだが、ひょうひょうと生きてきたファルコが妻と娘達の為に(愛犬ヌックスの為に?)しっかり押えるところは押さえ、やられっぱなしではなく皇帝の息子すら利用して、手に入れるもの(勿論お金)は手に入れる、その手腕に喝采する。
聖なる鵞鳥の管理職を失ったのは痛手だったよね…特にオムレツが食べられなくなったのが。
ヘレナの実家は元老院議員だが、やはり例の事件が尾を引いてそう羽振りもよろしくないようだ。
身分がどうのこうのと言っても、ローマではやはりお金持ちが元老院にもなれるし(地位向上のためにはいくら以上の財産があると証明されなければいけないのだ)要職にも就ける。
逆に言うと、元貴族でもお金がなくなればどこまでも落ちぶれてゆけるのだ。
…今の地位にぬくぬくとはしていられない厳しい世界である。
そりゃ汚職も賄賂も存在するだろうな。
どちらも現在並には。
二人の息子はファルコの元で密偵修行中だが、結構使えるようになってきた。
そして、協力的な義父に乾杯!
ISBN:4334761836 文庫 矢沢 聖子 光文社 2007/11/08 ¥760
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