この手のノンフィクションを色々読んでいるけれど、日本人が日本人向けに書いたものらしく、とっても判りやすい。

が、まあ臨場感と迫力には欠ける。
(アンナ・ポリトコフスカヤとかリトビネンコに比べるとだが)

たとえば、
リトビネンコ氏によれば、政敵とくに野党政治家の多くが特務機関に抹殺された。
これは日本人ならば、民主党の小沢一郎代表、共産党の志位和夫委員長、社民党の福島みずほ党首、国民新党の亀井静香代表代行などといった、有力野党政治家が軒並み殺されているようなものだ
 
すべてのテレビ局と朝日、毎日、読売、日経、産経の全国が政権の直接支配下に置かれ、北海道新聞、中日(東京)新聞、西日本新聞などのブロック紙までもが、権力に支配されているような状態だ。テレビ局なら、NHK,TBS,テレビ朝日そして、日本テレビ、フジテレビあたりまで政権に近い人物が支配権をもつか、実質国営のような状態である
 
真実を報道する人びとに対しプーチン大統領は、「ジャーナリストは敵である」と明言したことがある。

同時に、
そしてそれを容認する社会全体の空気こそが深刻なのだ。
 
そして何より怖いのが、日本の風潮がそのロシアに似ている、ということ。
著者にそういわれれば…と考えた。
確かに、世間は、日本人は、政治や選挙や社会や世界のことに無関心に、鈍感になってきているようだ。
自分さえ良ければ、と言うのではないだろう。
何を言ってもしても駄目なんじゃないかな、と失望を通り越して絶望に近いところまで言っているのではないだろうか?
これではロシアの二の舞…というか、怖い状態である。

国民はバカがいい、とどこかの政治家なら言いそうだが、バカになってはいけないのだ。

ISBN:4874983901 単行本 林 克明 高文研 2007/09 ¥1,260  

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