歴史論争は数々ある。
時代によっては覆されたりもするので、今の定説が100年後、否、100年後に定説かどうかはわかったものじゃない。

その説を強固にするために、さまざまな証拠品がひつようなのである。

証拠品……つまり、"ブツ"。

後漢の光武帝から貰った金印は福岡県の島の畑から見つかった。
これは江戸時代の話。
「漢委奴国王」
である。

で、もうひとつ。
邪馬台国の卑弥呼が曹操が打ち立てた魏の国に使いを送ってもらった親魏倭王の称号。
これもきっと印章をもらっているはず……とまあ、それが二つ目の金印というわけだ。
この辺の話の展開はわからないではない。


だが話の始まりはやはり殺人事件。
しかも首なし死体〜である。
しかも三体。

首なし死体を見つけるのと、生首を見せられるのとどっちがマシだろう?
なんてことも考えてしまう事件である。

一つのことに没頭すると後先見えない人はままいるが、善悪の区別がつかなくなる人がいるというのはホンマに困り者である。
自分が正しいと思い込み、反対するものは間違い。
悪いことは敵対者が原因と、今時の若い子のような、何を考えているのかわからんいい年をした人というのも多い。
毎日のニュースはそういう人たちで賑やかであるが、せめてこういう小説の架空世界の話だけにしておいて欲しいものだ。

ああ、臨場感なくなるか……。



ISBN:4396208332 新書 西村 京太郎 祥伝社 2007/09 ¥860

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