(8月25日読了)

学生運動華やかなりし時の、フルブライト奨学生。
…というのは、試験をうけて、"アメリカ"に行くわけだ。
つまり、学生運動華やかなりしときなのに!となるわけ。

しかし、かなりおつむの出来がよろしくないと受からなかったらしい…。

その後、留学期間が過ぎても日本(西)に帰らず、反対の方向(東)に向かって金もないのに旅を続けた猛者。
それが著者である。

カナダに行っても、メキシコに行っても、ヨーロッパに渡っても、ほんまにこれで大丈夫なんかい?というぐらいびんぼーで出て出たとこ勝負で、よく生きて還ってきたよね、と思わざるを得ない。
戦前の金子氏のように、昔の日本の男はこういう、とてつもない馬鹿なのか度量が大きいのかよくわからない人がいたようだ。

ただ、このエッセイをよんで、「自分がこの時代に生まれていたら、(自分だって…)」というのは間違いだろうな。
どの時代だって、その時代の規範も枠も限界も社会も世界もいろいろあるのだし、そういうものをぶち破って出てゆく人はどの時代だっているだろう。
今それが出来ない人は、遡っても無理。



ISBN:4061315838 文庫 小田 実 講談社 1979/07 ¥730

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