引用多様。

2007年8月11日 読書
「ロシアの状況はスターリン主義といえる」
リトヴィネンコ殺しの犯人にされたネヴズリンは、2005年3月にこう語っている。
アリストクラシー(権威主義・独裁主義)に逆戻りし始めているというのである。
「プーチンは絶対的な権力を掌握し、法の強制や言論の抑圧を行なっている。しかも、その法の講師も不法な方法を使い、ユーコス(反プーチンのロシアの財閥:プーチンによる弾圧で崩壊:翠雲注)の社員を人質に取っている」と、プーチンを鋭く糾弾する。さらに、「検察庁からFSB(KGBの後身)まで、プーチン派すべて反ユダヤ主義者に取り囲まれている」ともいう。確かに逮捕されたり、海外に亡命させられたりしている人々は、ユダヤ人が圧倒的に多い。

国営であった有名企業が、例えばマスコミとか、あのアエロフロートなども、民間化していたのが嘗ての、ソ連社会主義共和国連邦崩壊後のロシアだった。
民間化した企業のトップたち(オリガルヒ:新興財閥)はほとんどがユダヤ人であった。
確かに経済的に社会敵意の仕上がる過程では、政府にも彼らオリガルヒにもマフィアの暗躍は認められる。
が。
民間化され、莫大な収益と財産を持った企業を、次々と国有化していっているのが今のロシアで、そのために、経営陣は"脱税"や"叛逆罪"などの汚名を着せられて、証拠もなしに逮捕され投獄されまともな裁判も無しに懲役させられ、言うことを聞かなければ、散散脅した後に暗殺。
アンナ・ポリトコーフスカヤやサーシャ・リトヴィネンコやほかの沢山の人間が、FSBによって脅迫された挙句(日記や友達への相談など証拠・証言が残っている)毒殺・射殺・不審事故死を遂げている。
あまりにも沢山の、"一定の条件を満たした人たち"が不審死ばかりを遂げると、誰だって、子供だって疑うだろうにな……。

ちなみに毒殺は、FSBが好んで使う手、なんだそうだ。

で、国有化がイコールロシア国家なら、まだしも(でもないか。人を殺してまでやるこっちゃないわな)
違う。

プーチンが大統領である限り、否、誰かほかの人が権力の頂点についても、その人がロシア国家である。
財産は国家のものではなく、大統領のものであるってことだ。

公私混同も窮まれり。
だから、専制だというのだな。
プーチンが長い間信奉してきたマルクスですら、自由についてこう言っている。「言論の自由は批判の自由である」とし、「検閲される出版物は、それがよしんばよいものであっても、悪い。しかし自由な出版物は、たとえそれが悪いものであってもよい」」。
ユダヤ人のマルクスの言う言葉などはもう古いと言うなら、フランス思想家ボルテールの、次の言葉に変えてもよい。
「私はあなたの意見に同意しない。しかし、貴方が自由に意見を述べられるように命をかけて守る」
殺害されたポリトコーフスカヤ女子は、BBCでこう述べている。
「プーチンはテロの高まりのせいにして、ロシアをスターリン主義に戻しつつある。プーチンは自分のロジック、KGBのロジックで事態を処理しているのです。そして、民主主義を生み出すのは難しいが、それが生み出されたのに、彼が殺している。次の世代は、この問題の解決のために、大変困難な大飛躍をしなければならないのです」

以下はロシア民衆によって生み出されたアネクドート(一口小咄)のひとつである。
これが真剣だと言うのだったら、こわい。
「プーチン大統領、あなたは二大政党制を支持しますか?」
「もちろんだよ、ただし、一つの政党は政権を担当し、野党、つまりもうひとつの政党は刑務所につながれているのが望ましいのだが……」
これは、野党を支持していたオリガルヒ、ホドルコフスキーたちを逮捕し、刑務所に放り込んでしまったことを皮肉ったものである。体を張って闘うと、リトヴィネンコやパレゾフスキーやネヴジリン(全員亡命、一部暗殺されている:翠雲注)のように政治亡命するしか道はない。


そして、日本人の著者が、せっせと集めた海外の情報をよりどころにつけた決着がこうである。
プーチンの意向を受けたFSBがルガヴォイに命じ、コヴツンの協力で毒をロンドンに運び込み、この二人か、"第三の男"ソコレンコがリトヴィネンコに飲ませたのであろう。

恐ろしい専制国家ロシア。
大統領の三選を禁止している法を、プーチンは改悪しようとしているらしい……。
プーチンの支持率は45%。

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