SFなんだけど、いろんな人が多角的に?、多次元的に?、行動してゆく。
そしてその目的と言うか方向が徐々にひとつに結ばれてゆく…。

…のがなんとも言えず楽しいね。
情報戦ということで、情報を得るために、一つ、一つと命が失われてゆくし、夫々にドラマがあるしで、それをどこまで描くか。

枝葉末節に拘りすぎると主題がぼやける。
でも周辺にもドラマがないと単純すぎるし。

その辺の見極めが難しいと思うけど。
その"ころあい"が、"つりあい"が上手く取れているようだ。

とはいえ。
「そりゃ〜ないでしょうよ〜(笑)」
なんて思ってしまうシーンもあるにはあるが。
その辺はあえて突っ込まない。
例えば小説中に漢字の誤字・脱字を探して拾って歩くなんて人がいないように…(え?いるの?そんなことして何が面白いの?)
その辺はすっ飛ばして読む。
また、読ませてしまうのが、面白い小説ってもんだろうしね。

さて、話はだんだん確信に迫る。
全宇宙を震撼させる凶悪なテロ集団を相手にして、平凡な主婦・シズカは果たして夫と娘の仇を討てるのだろうか?!

…話のノリでは、してしまいそうだからコワイ(笑)

あーなんか、違和感の理由が判った。
ハリウッド的展開が、会話が多いんだ。

妙なところで感動を呼ぼうとする。
お涙頂戴をしようとする。

で、「うわっ」と思ってしまうのだ。
最後のほう(クライマックス)に成ればなるほどその度合いが増してくるので、判った。

その辺が、しらじらしい、というか……いや、純粋すぎるのか。
意外にも小説の手法が古典的なので、擦れてしまった私の心にはわざとらしく映るのかもしれないな。


ISBN:4334741231 文庫 梶尾 真治 光文社 2006/09/07 ¥740

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