イスラエルとアラブ。
比べてみると、確かに不公平感はある。
過去の歴史をよりどころに。
数千年前のこと。(聖書によるユダヤの土地決定)
その後の数千年のこと。(その後、世代を重ねてきたアラブの家族の歴史)
どっちが上か、なんて言えないけど。
今、一方的に潰され壊され台無しにされ「なかったこと」にされている後者の歴史をおもうと、心穏やかではいられない。
墓場まで潰して建物を建てるなどとは……。
そこまでやらねばならないのだろうか?
そして、映画に表われる意識やスタンスというのは、本当にわかりやすいね。
アメリカ映画におけるアラブの位置を考証しているのを読み出すと、本を置けなくなってしまった。
一気読みである。
鈍重で。
考え無しで。
凶悪で。
アラブはそんな姿で固定されているのかと、そういわれればそうだったような気もするし。
ギャグ映画だと思って見過ごしていたひとつひとつに深遠な企み・含みがあったのかと改めて気付かされたり。
「アラビアのロレンス」の作為的な演出は、そりゃぁ気付いてはいたけれど、「智恵の七柱」まで読んだのに、となんだか騙された気分は、やはり、ある。
精神の徐々に崩壊して行くかのようなあの描写が、映画の中心だったのはよくわかるが、あれもまた見る側の精神にも重荷を押し付ける描写だったよなぁと思う。
年をとったら、あれは、辛いかも。
昨年だったかに見てきた「ミュンヘン」という映画の、ひしひしと皮膚に迫るような怖さも、こうしてみればなるほどと思う。
史実と現実とを、虚構とイメージで味付けしている。
史実だから嘘ではない。
だけど……。
空港での銃撃戦で人質になったイスラエル選手団を殺したのは、テロリストではなく西ドイツの軍だった…しかも、それをイスラエル政府は承知していた、なんてショッキングな話を聞けば、動揺しないはずはない。
映画ではないけれど、19世紀初頭だったか、18世紀末だったか。
エジプト人(だったか?)と結婚していた白人女性が、愛憎の果てに旦那を殺害、裁判にかけられた。
その時に彼女の弁護についたのが、なんとかいう有名な弁護士で、彼の、「暴力的で非人間的な有色人種などと(誤った)結婚をした彼女を、許し、白人世界に迎えてやらねならない。」等と言う詐欺の様な弁護で無罪を勝ち取ったという事件があったという。
いや、マジで。
有色人種なんかと結婚した彼女は愚かで阿呆で無知だった。
だけど、その誤りに気がついたんだから、両手を上げて、彼女を許し、慈悲の心で西欧(白人)社会に帰還をさせてやろうじゃないか、というなんともエゴイスティックな論法である。
そこでは、有色人種は人間ではないと言われている。
エジプト人で有色人種で、といえば、そこに示されるのは、この本でいうところの"アラブ"だろう。
きっと。
裁判の始まる前は、ごくごく常識的に「有罪」と予想し考えていた世間や傍聴人(勿論白人だ)だったのが、この弁論を聞いてまんまとまるめこまれ、拍手喝采でこれを支持したというのだから…。
まぁ、凄いわね。
この一例をとって見ても、その凄さがわかるってもんよ。
まあね。
島国の人間である我々には、想像できない重荷を彼らは背負っているのだろう。
嗚呼でも。
私は映画はあまり奥行きを考えずに楽しみたい派である。
考えなくちゃいけない映画は、そのつもりで見る。
だが、そうと示していないものは……単純に楽しみたい、とおもうんだけどな。
比べてみると、確かに不公平感はある。
過去の歴史をよりどころに。
数千年前のこと。(聖書によるユダヤの土地決定)
その後の数千年のこと。(その後、世代を重ねてきたアラブの家族の歴史)
どっちが上か、なんて言えないけど。
今、一方的に潰され壊され台無しにされ「なかったこと」にされている後者の歴史をおもうと、心穏やかではいられない。
墓場まで潰して建物を建てるなどとは……。
そこまでやらねばならないのだろうか?
そして、映画に表われる意識やスタンスというのは、本当にわかりやすいね。
アメリカ映画におけるアラブの位置を考証しているのを読み出すと、本を置けなくなってしまった。
一気読みである。
鈍重で。
考え無しで。
凶悪で。
アラブはそんな姿で固定されているのかと、そういわれればそうだったような気もするし。
ギャグ映画だと思って見過ごしていたひとつひとつに深遠な企み・含みがあったのかと改めて気付かされたり。
「アラビアのロレンス」の作為的な演出は、そりゃぁ気付いてはいたけれど、「智恵の七柱」まで読んだのに、となんだか騙された気分は、やはり、ある。
精神の徐々に崩壊して行くかのようなあの描写が、映画の中心だったのはよくわかるが、あれもまた見る側の精神にも重荷を押し付ける描写だったよなぁと思う。
年をとったら、あれは、辛いかも。
昨年だったかに見てきた「ミュンヘン」という映画の、ひしひしと皮膚に迫るような怖さも、こうしてみればなるほどと思う。
史実と現実とを、虚構とイメージで味付けしている。
史実だから嘘ではない。
だけど……。
空港での銃撃戦で人質になったイスラエル選手団を殺したのは、テロリストではなく西ドイツの軍だった…しかも、それをイスラエル政府は承知していた、なんてショッキングな話を聞けば、動揺しないはずはない。
映画ではないけれど、19世紀初頭だったか、18世紀末だったか。
エジプト人(だったか?)と結婚していた白人女性が、愛憎の果てに旦那を殺害、裁判にかけられた。
その時に彼女の弁護についたのが、なんとかいう有名な弁護士で、彼の、「暴力的で非人間的な有色人種などと(誤った)結婚をした彼女を、許し、白人世界に迎えてやらねならない。」等と言う詐欺の様な弁護で無罪を勝ち取ったという事件があったという。
いや、マジで。
有色人種なんかと結婚した彼女は愚かで阿呆で無知だった。
だけど、その誤りに気がついたんだから、両手を上げて、彼女を許し、慈悲の心で西欧(白人)社会に帰還をさせてやろうじゃないか、というなんともエゴイスティックな論法である。
そこでは、有色人種は人間ではないと言われている。
エジプト人で有色人種で、といえば、そこに示されるのは、この本でいうところの"アラブ"だろう。
きっと。
裁判の始まる前は、ごくごく常識的に「有罪」と予想し考えていた世間や傍聴人(勿論白人だ)だったのが、この弁論を聞いてまんまとまるめこまれ、拍手喝采でこれを支持したというのだから…。
まぁ、凄いわね。
この一例をとって見ても、その凄さがわかるってもんよ。
まあね。
島国の人間である我々には、想像できない重荷を彼らは背負っているのだろう。
嗚呼でも。
私は映画はあまり奥行きを考えずに楽しみたい派である。
考えなくちゃいけない映画は、そのつもりで見る。
だが、そうと示していないものは……単純に楽しみたい、とおもうんだけどな。
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