つまみ食い読みの一冊。
並行読みなので、なかなか進まないけど。

別に日本文化(?)を勉強しなおそうとか、わが国の誇れるものを見つけ出そうとか、そういうつもりで読み始めたのではないけれど。

日本には、世界でも有数の、それこそギネスにずらずらと並べてもおかしくはない老舗企業が現存している。

なにしろ、奈良の金剛組という建築会社にいたっては、その初仕事は西暦593年の、四天王寺(難波)の建設………。

聖徳太子の世界です。

そこまで古くなくても、そこそこ古い。
だから「千年働いてきました」なんて、サラリーマンが見たらぎょっとするような題名がついているのだ。
(いい加減、引退させてくれ〜)

外圧のきつかったアジア諸国(つまり植民地化されたところ)では自国民からの"企業"は成り立ちえず、成ったとしても外圧のため長くは続かず、「古い」といわれている企業も、もともとは外国資本(=植民地経営側)の企業であった。

フィリピンの不動産王といわれる(らしい)、アヤラ商会は1834年設立。
但し当時はスペイン植民地だったので、経営者は勿論スペイン人。
そしてあろうことか、現在にいたるまで、地元(フィリピン人)との混血は一切なし。
すべてスペイン人(一部にドイツ人)の血統を守っているのだそうだ。
でもって、一族が使う言葉はスペイン語か英語。
それのみ。
スペインとは地球の裏側ぐらいに離れたところで1世紀も世代を重ねてきたくせして、徹底して、"スペイン人"であることを主張している。
へんなの……だけど、すごいエネルギーだね。
きっと一族の誰か一人ぐらいは現地人と恋愛ぐらいしたろうに。
それを許さなかったんだね…嗚呼、かわいそうに(と勝手に物語を作る私であった)

なにはともあれ。

日本のそーゆー企業(しかも中小企業である)が長くなが〜く続いたのは、日本人の、企業ではたらく人(経営者もサラリーマンも)の特性にある、と言う。

つまりやね。
商人ではなく、職人である
ということらしい。

へー。ほー。

つまり『匠』をめざしていると……?(笑)

なかなか面白そうやん。

ISBN:4047100765 新書 野村 進 角川書店 2006/11 ¥740 

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