砂の下の夢 2 (2)
2007年2月20日 読書このマンガの舞台は鳥取砂丘。主人公二人は鳥取県人。
折り返しに書かれた著者の科白。
………変わった漫画家だ、ほんまに。
いつもいつも思うけど。
勿論、場所は鳥取砂丘でも、主役は鳥取県人でもない。
これは想像の世界。
砂漠の世界。
砂漠を渡らなければ町と村、国と国の行き来すらできないところの話。
その果てのない砂漠に、オアシスを創造することができるのが"ジャグロ族"
それが主人公の一族である。
オアシスを作るために必要なのは、人間の魂。
その魂を封印して(?)オアシスを運営させる。
誰のものでもない、誰でもがその恩恵に浴することが出来るオアシス。
そこは天国……。
とはいえ。
この本にかかれているのは、そのオアシスを、古くなって"耐久年数"の過ぎたおアシスを、或いは何らかの事情でこれ以上は使えなくなったオアシスを"閉鎖"する、そちらの話ばかり。
オアシスを潤わせてきた嘗ては人であったものの魂を、数え切れない旅人の命を救ってきたオアシスの魂を、ジャグロ続はどのように慰撫し、終わりへと導くのか。
そこんとこがこのマンガの真髄である。
相変わらず、さりげない話の中で不意を衝き、考えさせ、ほろりとさせる。
うまいよなぁ〜この作者は。
ISBN:4253153089 コミック TONO 秋田書店 ¥540
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