マイナス50℃の世界
2007年2月18日 読書
ロシア語同時通訳者で作家…に成りつつあった米原万里氏。
彼女が亡くなってあと3ヶ月で1年になる。
なんて早い。
50代半ば。
まだこれから、いっぱい、やりたい事があっただろう。
発病を聞いた時の衝撃・落胆・苦悩…思うに思いやれない。
そして、「戦わなくちゃいけない」しかも「一人で」ということ。
そう思い、心を奮い立たせるのは、とっても力のいることだ。
彼女が生前書いていたエッセイをいくつか読んでいる。
そのなかに、テレビ局であるTBSの仕事で、ロシアでも特に寒いヤクーツクというところを取材したときの話がぽろぽろと書かれていたのを覚えている。
この度、そのときの写真や彼女が小学生向きに書いた文章が一冊の本にまとめられた。
偶然。」
本当に偶然見つけた本だ。
出版社も私は聞いた事がない。
だから、本屋の、中央、目立つところに置かれる、という状況ではなかったのかもしれない。
でも、私は見つけた。
この偶然に感謝。
本屋では、見つけたときに飼っておかないと二度とその本にめぐり合えないことが多々ある。
それが有名作家のものであればいざ知らず、たまたま偶然、出会い頭に出合ったような初対面の本であると、その題名も著者名も失念し、勘違いし…していくうちに二度とめぐり合えなくなってしまうのだ。(ということが私には多く起こった)
特に、時間の流れが速くなり、本屋の店頭も流行も雪解けの皮の水のように速い流れで去ってゆく時代では、もうダメだ。
追いつけない。
「逃した魚はでかかった」状態である。
…ので、荷物は重く、お財布は軽く、心は乱れたが、えいっとばかりに買い込んだ。
すごい…とにかく、マイナス20度ぐらいだと、
「暑い」
なんて科白が出る…そこはもう、私の知っている地球じゃない(笑)
200年前に大黒屋光太夫が通ったこの地。
昔は今のように防寒具もよろしくない。
17人いた日本人が3人に減ってしまった過酷な自然…(そのうち一人は確か現地人と結婚してこの血に骨をうずめたはず…映画では)
う〜。
今は共和国となったヤクートのとある村では、扉は二重で窓は三重。
玄関に入って最初の部屋は、なんと冷凍庫がわり。
動物の皮をはいだのが棚においてあったり天井からつってあったりするという。
それはいいけど。
家の中なのに…冷凍庫……。
厳しい。
厳しすぎる。
だが、トイレは戸外。
しかもマイナス70度にもなろうというのに、三方に壁があるだけの屋根もないトイレで、みな、用を済ましている。
勿論、すぐに凍るから臭気はない、というものの……
すごい。
凄すぎるよ。
嘗て欧州への旅で、飛行機の窓から、シベリアの土地(だと思う)を見下ろしたことがある。
時は6月。
日本ではもう、初夏の気候である。
だが…緑のほとんどない、グレーの大地は、その自然の厳しさをまざまざと見せ付けていた。
もし、この下に落っこちたら?
…と、映画「ホワイトナイツ」を思い出し、なんとなく、いや〜な感じに襲われたものである。(ま、私は日本国籍だし、亡命者じゃないから大丈夫だろうけどさ)
やっぱり、寒いところは嫌だ。
そしてついでに言うならば、ヤクーツクに住んでいる大多数は、我々と同じ黄色人なのだそうだ。
何かに対する耐久力って
………人種じゃないのね。
環境しだいなのね。
ISBN:4860291891 単行本 山本 皓一 清流出版 ¥1,575
彼女が亡くなってあと3ヶ月で1年になる。
なんて早い。
50代半ば。
まだこれから、いっぱい、やりたい事があっただろう。
発病を聞いた時の衝撃・落胆・苦悩…思うに思いやれない。
そして、「戦わなくちゃいけない」しかも「一人で」ということ。
そう思い、心を奮い立たせるのは、とっても力のいることだ。
彼女が生前書いていたエッセイをいくつか読んでいる。
そのなかに、テレビ局であるTBSの仕事で、ロシアでも特に寒いヤクーツクというところを取材したときの話がぽろぽろと書かれていたのを覚えている。
この度、そのときの写真や彼女が小学生向きに書いた文章が一冊の本にまとめられた。
偶然。」
本当に偶然見つけた本だ。
出版社も私は聞いた事がない。
だから、本屋の、中央、目立つところに置かれる、という状況ではなかったのかもしれない。
でも、私は見つけた。
この偶然に感謝。
本屋では、見つけたときに飼っておかないと二度とその本にめぐり合えないことが多々ある。
それが有名作家のものであればいざ知らず、たまたま偶然、出会い頭に出合ったような初対面の本であると、その題名も著者名も失念し、勘違いし…していくうちに二度とめぐり合えなくなってしまうのだ。(ということが私には多く起こった)
特に、時間の流れが速くなり、本屋の店頭も流行も雪解けの皮の水のように速い流れで去ってゆく時代では、もうダメだ。
追いつけない。
「逃した魚はでかかった」状態である。
…ので、荷物は重く、お財布は軽く、心は乱れたが、えいっとばかりに買い込んだ。
すごい…とにかく、マイナス20度ぐらいだと、
「暑い」
なんて科白が出る…そこはもう、私の知っている地球じゃない(笑)
200年前に大黒屋光太夫が通ったこの地。
昔は今のように防寒具もよろしくない。
17人いた日本人が3人に減ってしまった過酷な自然…(そのうち一人は確か現地人と結婚してこの血に骨をうずめたはず…映画では)
う〜。
今は共和国となったヤクートのとある村では、扉は二重で窓は三重。
玄関に入って最初の部屋は、なんと冷凍庫がわり。
動物の皮をはいだのが棚においてあったり天井からつってあったりするという。
それはいいけど。
家の中なのに…冷凍庫……。
厳しい。
厳しすぎる。
だが、トイレは戸外。
しかもマイナス70度にもなろうというのに、三方に壁があるだけの屋根もないトイレで、みな、用を済ましている。
勿論、すぐに凍るから臭気はない、というものの……
すごい。
凄すぎるよ。
嘗て欧州への旅で、飛行機の窓から、シベリアの土地(だと思う)を見下ろしたことがある。
時は6月。
日本ではもう、初夏の気候である。
だが…緑のほとんどない、グレーの大地は、その自然の厳しさをまざまざと見せ付けていた。
もし、この下に落っこちたら?
…と、映画「ホワイトナイツ」を思い出し、なんとなく、いや〜な感じに襲われたものである。(ま、私は日本国籍だし、亡命者じゃないから大丈夫だろうけどさ)
やっぱり、寒いところは嫌だ。
そしてついでに言うならば、ヤクーツクに住んでいる大多数は、我々と同じ黄色人なのだそうだ。
何かに対する耐久力って
………人種じゃないのね。
環境しだいなのね。
ISBN:4860291891 単行本 山本 皓一 清流出版 ¥1,575
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