倫敦に日本人村と称して、日本人の生活風景をお粗末ながら見せていたことなど、私は知らなかった。

フジヤマ・ゲイシャ・ハラキリ

このイメージが昭和の代まで続くことに疑問を感じた著者・高橋克彦氏は、そして考え付く。

この裏に、日本政府の壮大な陰謀(?)があったのだと。

(そういえば、サムライ♪スシ♪ゲイシャ♪…なんて歌もあったけど。)

賑やか(?)に、歴史上の人物が続々登場。
史実の事件が散りばめられ、そこにまた、作者の 陰謀 トリックが伏せられている。

戊辰戦争を、無残で残酷な色合いで染めた会津城下。
その後の、逆賊と言われ続けた人々の苦悩。
アメリカへの逃亡(テレビの特集で見た事がある。もう墓の所在すら明らかではない、凄惨な移民だった)

それらが重なり合って、事件を形作る。

新撰組の3番隊隊長の斉藤一が、明治政府の元に生き残って天寿をまっとうしたことは周知の事実だが…。
こんなところに使うとは!

西南戦争に出征したぐらいは私も知っているけどね。
う〜ん。

だがしかし。
疑問なのは政府の、元勲達の思惑だ。
そんな"手"が通じるのだろうか?
通じたのだろうか?
どんな国にも観察眼の鋭い人間ってのはいるもんだ。
それこそ猿芝居を見破られたら……?

日本が植民地にならなかったのは、小さすぎたのと資源がなかった為ではなかろうか?と思ったりもするのだが。

ま、ミステリーの筋にはあんまり関係ないからいい、といえばいいか(笑)

歴史的事実を調べ、考察し、そこの隙間に自分の設定する人物や事件やあれこれを差し込んでいく作業は…大変だけど、とっても楽しい♪
その気持ちはわかる。
歴史小説家は、それが楽しくて辞められないんじゃないの?と思うぐらいだ。
私も楽しい。
本を読んでいてそういう"お遊び"を感じると、思わず"にやり"とほくそえんでしまう。

重厚な歴史の中に埋没させるのではなく、じょうずにじょうじずに歴史の糸に自分の作り上げたものを包んでゆくというか、紛れ込ませてゆくというか織り上げてゆくというか……とにかく!
楽しいのだ!

そういう意味では、この作者の気持ちはわかる気もするな。

コメント

nophoto
睡蓮
2007年2月9日21:43

・・・でね、ついつい考えてしまうわけですよ。
志摩スペイン村は・・ハウステンボスは・・などと。(^o^)
そこにどんな陰謀が隠されているんでしょうねぇ〜

翠雲
翠雲
2007年2月9日21:51

あれはきっと…美味しい食材を麻薬のように使って、日本人を骨抜きにしようと企んでいるのですよ!
スペイン村…おいしかったなぁ〜。
ハウステンボスは行ったことないから知らんけど。

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