女一人、遠い異国に渡り、その細腕(かどうかは知らないが)一本、いや二本で働き、働き、働き…彼の地の永住権と年金をゲットしたバイタリティ溢れるおばさん(失礼〜)それが、著者である。

最近、この人の本を読むと腹が立って仕方が無い。

なぜなら、「ちくしょー!うらやましー!」と思うからだ。
元気で若ければ、真似をしたか…も?
いやいや、そこまでの勇気は私には無いだろう。

だが、英国での年金生活は、贅沢さえしなければ、充分楽しく過ごせる潤いのある生活であるという…将来に不安の無い生活なんて、なんと素晴らしいことだろうか。

そういうことをずらずらと、そして今の日本のダメさ加減をびしばしと指摘されるのが、的を射すぎていて痛いのだ。
おまけにこの方、遠慮と言うことを知らないようにも思えるし。
「そこまで言うのか…」というぐらい他人に厳しい。

それと、自分の好き嫌いを隠さない。
はっきり言う。
つまり、だから、人の好き嫌いは考えない。
そういう"強さ"は悪の強さとも言う。
気になる人は溜まらないだろう。

そこまではっきり言われると、怒るより笑ってしまう、というのは、意外に難しい。
笑うどころか…はらわたが煮えくり返るのを、体面を考えて我慢をし、辛抱をしているだけだ。
…今は我慢せずにぶちっと切れてしまう人のほうが多そうだが。

とはいえ、日本の不甲斐なさに関してはまったくそのとおりだから、だからこそ、腹が立ってくる。

アメリカにばかり顔を向けている日本は、いかに世界を知らないか。
先進国なんて自負しているけれど、まったくの子供。
幼稚な考えかたしかできていない。
その筆頭が…総理大臣だもんよ。(それは大いに納得だ)

自由を標榜するアメリカに、どれだけのホームレスがいることか。
税金の高い厚い福祉政策を繰り広げるヨーロッパ各国では、どれだけ安定した景気と社会と人生の喜びなるものを、多くの人が楽しんでいることか。

アメリカが子供染みていることは、ブッシュを見ていればわかる。
コイズミだって、そうそう、まるで駄々をこねる子供のようだったじゃないか。

ああ。
こんな国を捨てて出てゆくことが出来るのなら…可能なら、とつくづく思うよ。

高尾さんは、「しっかりしろ!私の祖国!」とはっぱをかけているんだと思うけどね。
どーにもならんだろ〜?と住んでる我々は既に諦めムードである。

年金でウフフの生活…どころか!
私の頃には年金なんてあるんだかどうなんだか…!
それすら危ういわ。

夢も希望もなかりけり。

ISBN:4167123150 文庫 高尾 慶子 文藝春秋 ¥580

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