パンツの面目ふんどしの沽券
2007年1月30日 読書
惜しくも昨年亡くなったロシア語通訳者・米原氏の作品。
エッセイというか…いや、世界の文化の差異についてのふか〜い考察の一冊だな、これは。
ヨーロッパにおいては、わりと近代まで下着を身につけてなかったらしい。
嘘か誠か。
…本当らしいから驚く。
ここで言う下着とは、所謂パンツのことであるが。
第二次世界大戦終結まで、ソ連邦には女性用の下着(パンツ)を作る工場がなかったと言う。
だから、女性は自分でパンツを縫っていたし、家庭科で最初に教わるのが雑巾ならぬパンツの縫い方だったという。
"勝負下着"にいたっては、布地と縫製の良い、時々フリルがついていたりなんかする東ヨーロッパのパンツなどが求められていたと言う。(そしてそれらはとっても高価だった)
第二次大戦後、ソ連軍上級将校の奥方達は、ベルリンをふりふりレェスの下着姿で闊歩したと言う話は真実なんだそうだ。
あまりに美しいので、てっきりお洒落着だとおもったのだと。
そいうことで、まずは、女性用の下着について区分を。
?パンツ……パンタロン(フランス語)から派生した、下着や運動着の意味で使ってきたもの。のち、ズボン一般を指すようになった。
?ズロース……ドロワーズから派生した、膝丈など、長め下着。
上の話に出てくるのは、勿論?のパンツのほうである。
さて。
では男性はどうであろうか。
シャツの裾って、必要以上に長いと思いません?
あれはね〜(と上半身を乗り出す気分)、パンツをはいていないので、シャツの長い裾を股下にたくし込んでその上にズボンをはいたそうですよ。
ちょっと信じられないけれど…もっと信じられないのは、シベリア抑留者の証言によると、ソ連では、トイレの時に紙を使用しない!(吃驚!)
トイレに紙が無いのを知った日本人抑留者は、
「捕虜には紙は使わせないとでも?」
と思って青くなったそうだが、そうではない。
ソ連兵に紙を使う習慣がなかっただけだと言う。
その証拠に、トイレはソ連兵も捕虜も一緒で、実際に紙を使っていないところを目撃したと言うから間違いはなかろう。
困った日本人。
我らは米を食べているが故に、ソ連兵のようにはいかぬ。(食べ物による排泄物の違い?兎或いは鹿の糞か?と考察している文章もあり)
服の綿を抜いたり草やなにかで代用したりと、それはそれは大変だったようだ。
いまの、潔癖症な日本人には耐えられないだろうなぁ。
私だって耐えられない。なにがってトイレだけは…あ、あと、お風呂とこれだけは…!譲れないぞ!と思うから。
話は戻る。
…で、ソ連兵のルパシカ(シャツ)のなが〜い裾は、遠目にも黄色く或いは茶色く染まっていたと言う。
これも日本人の証言。
うぅぅ………。
なんと言ったらよいのやら(笑)
もっとも、まったく何も使わないかどうかは別として、現在でも紙を当たり前のように使うのは地球上でも僅かな数だそうだ。
草とか紐とか木のへらとか…それらはわが日本でも、明治のころまではふつーに使っていたんだろうなぁと思わせる(なつかしの?)品々である。
紙はまだまだ高価な貴重品、ってことだ。
それはそうか…教科書も本も無い国ってあるもんなぁ。
そんなこんなで、この本は、題名はお笑いだが、その内容は、深い深い文化論である、と私は思って読んでいるのだ。
ISBN:4480816399 単行本 米原 万里 筑摩書房 ¥1,680
エッセイというか…いや、世界の文化の差異についてのふか〜い考察の一冊だな、これは。
ヨーロッパにおいては、わりと近代まで下着を身につけてなかったらしい。
嘘か誠か。
…本当らしいから驚く。
ここで言う下着とは、所謂パンツのことであるが。
第二次世界大戦終結まで、ソ連邦には女性用の下着(パンツ)を作る工場がなかったと言う。
だから、女性は自分でパンツを縫っていたし、家庭科で最初に教わるのが雑巾ならぬパンツの縫い方だったという。
"勝負下着"にいたっては、布地と縫製の良い、時々フリルがついていたりなんかする東ヨーロッパのパンツなどが求められていたと言う。(そしてそれらはとっても高価だった)
第二次大戦後、ソ連軍上級将校の奥方達は、ベルリンをふりふりレェスの下着姿で闊歩したと言う話は真実なんだそうだ。
あまりに美しいので、てっきりお洒落着だとおもったのだと。
そいうことで、まずは、女性用の下着について区分を。
?パンツ……パンタロン(フランス語)から派生した、下着や運動着の意味で使ってきたもの。のち、ズボン一般を指すようになった。
?ズロース……ドロワーズから派生した、膝丈など、長め下着。
上の話に出てくるのは、勿論?のパンツのほうである。
さて。
では男性はどうであろうか。
シャツの裾って、必要以上に長いと思いません?
あれはね〜(と上半身を乗り出す気分)、パンツをはいていないので、シャツの長い裾を股下にたくし込んでその上にズボンをはいたそうですよ。
ちょっと信じられないけれど…もっと信じられないのは、シベリア抑留者の証言によると、ソ連では、トイレの時に紙を使用しない!(吃驚!)
トイレに紙が無いのを知った日本人抑留者は、
「捕虜には紙は使わせないとでも?」
と思って青くなったそうだが、そうではない。
ソ連兵に紙を使う習慣がなかっただけだと言う。
その証拠に、トイレはソ連兵も捕虜も一緒で、実際に紙を使っていないところを目撃したと言うから間違いはなかろう。
困った日本人。
我らは米を食べているが故に、ソ連兵のようにはいかぬ。(食べ物による排泄物の違い?兎或いは鹿の糞か?と考察している文章もあり)
服の綿を抜いたり草やなにかで代用したりと、それはそれは大変だったようだ。
いまの、潔癖症な日本人には耐えられないだろうなぁ。
私だって耐えられない。なにがってトイレだけは…あ、あと、お風呂とこれだけは…!譲れないぞ!と思うから。
話は戻る。
…で、ソ連兵のルパシカ(シャツ)のなが〜い裾は、遠目にも黄色く或いは茶色く染まっていたと言う。
これも日本人の証言。
うぅぅ………。
なんと言ったらよいのやら(笑)
もっとも、まったく何も使わないかどうかは別として、現在でも紙を当たり前のように使うのは地球上でも僅かな数だそうだ。
草とか紐とか木のへらとか…それらはわが日本でも、明治のころまではふつーに使っていたんだろうなぁと思わせる(なつかしの?)品々である。
紙はまだまだ高価な貴重品、ってことだ。
それはそうか…教科書も本も無い国ってあるもんなぁ。
そんなこんなで、この本は、題名はお笑いだが、その内容は、深い深い文化論である、と私は思って読んでいるのだ。
ISBN:4480816399 単行本 米原 万里 筑摩書房 ¥1,680
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