残花亭日暦

2007年1月27日 読書
ノートを自分で区切って、20年日記を作ってみた。
そして、「いいこと」「うれしいこと」だけじゃないけれど、その記憶をちょこちょこっと綴り、ピンで留めるような作業を続けてきた。
    …と著者・おせいさんは語る。

その一部、2001年の6月から次の年の3月までを描いたのがこの「残花亭日暦」
この期間は、ちょうど、おせいさんの旦那様である"おっちゃん"が病魔に倒れ、息を引き取るまでの闘病期間にぴったり重なっている。

日々忙しく駆け回る著者の力強さ(70歳を越えているというのに!)に脱帽。
そして羨ましくなる。
嗚呼。
健康は何をおいても、宝だ。
本当に。
一番の宝なのだ。

世間的には、9月11日に、ニューヨークでのテロがあった時でもある
世界は壊れた。
一線を越えた。
それまでの秩序も、遠慮も、すべて崩壊した。
そして人間はただただ恐れおののき騒ぐばかりであった。

しかし。
まったく個人的なレベルでいうならば、わが身の身近な家族が、苦しみながら死と戦いながら息を引き取るまでの姿を見続けた、その思いのほうが遥かに強いだろう。

残花とは、桜花の、散り残ったものをいう。

姥桜−うばざくら−

では、あまりにも可愛げが無い(笑)
日本にはこのように美しい言葉があるのだから、美しい言葉を使うべきであろう。

ISBN:4041314348 文庫 田辺 聖子 角川書店 ¥500

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