漱石の孫

2007年1月22日 読書
どうなんだろう〜と思いつつ、しょっぱなから、笑いながら読み進んでいる。

漱石の孫、と言われるのがとっても嫌だった若い頃。
嫌、なんて大人しいものではなかったらしく、「血筋」と「漱石」と言う言葉を同時に話題にもってくるだけで、ぎろりと相手を睨んでいたというからすさまじい。

有名すぎる、というだけではないのか。
なにかを比較される、というだけでは無いらしい。

ちなみに著者は、漫画も描くし評論も述べる、文章書きでもあるので、こういうエッセイも表われる。
ある程度歳を経て、真正面から落ち着いて受け入れられるようになった"漱石"について、著者が語ってくれるのは嬉しい。
こんなに楽しく話を読めるのが嬉しい。

ロンドンの漱石の下宿。
…は、なにかと話題になる。
著者が訪れた(テレビの企画で)下宿は、随分綺麗に整頓され、改修されていたようだ。
わたしが何かで読んだ時は、田舎の納屋よりず〜っと汚くて狭くて寒くて…どうしようもなかった、その下宿の、下宿代を払えずにもっと悪い(安い)下宿に移ったのだと落涙しそうな話だったな。

おまけにそんな具合でお金がなかったので(国費留学生だしなー)みすぼらしい格好で、食べるものも切り詰めて本を買っていたらしい。
夏目漱石という人は洒落た人だったそうで、薄汚い格好で当時の大帝国の首都ロンドンを歩くのはとっても辛かったのではないだろうか。
むこうからみすぼらしいサルみたいなヤツが来ると思ったら、鏡に映った自分だった……なんて、日記に書くには辛すぎる。

もちろん(?)友人Uからの、レンタル本である。

ISBN:4101335125 文庫 夏目 房之介 新潮社 ¥500

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索